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1月24日質問項目7

7.春闘

○山陰中央新報:1つ、すみません。山陰中央新報の高見です。

 春闘に向けた動きについて、ちょっと伺えればと思います。

 先日、連合島根のほうが島根県内の組合員に対して6%の賃上げを今回は求めるというところで決定をしたというところで、全国的にも、知事も言っておられる、大都市と中小企業の格差をいかに埋めるかというところの格差是正をというテーマが一つ大きく上がったりしておりますが、どのように見ておられるか、今後どうなっていくか、そこら辺、伺えますでしょうか。

 

○丸山知事:これは、地方の連合の話というよりは、日本の全体の話ですよね。要するに毎年毎年、中小企業への波及が課題となりながら、毎年毎年、十分な波及をしていないと。はっきり申し上げると、このまま去年と同じようにやったって、去年と同じように、大企業は5%超、中企業は3%超、小企業、零細企業は2%みたいな明確な格差がつくか、または、もう2%で息切れしてしまって、今年は上げれないということにすらなりかねない。

 これは個別の企業、小さな企業さんに聞かれたほうがいいと思うんですけど、私、びっくりしたのは、ベースアップしました。したけども、その原資は一時金です、一時金。ボーナスを月給に回しただけです。厳しいところはそういう対応だそうです。

 つまりは、皆さん、普通、比較的力のある企業に勤めたり、公務員の感覚ですと、ベースアップって、一時金は一時金であって、それに対してベースアップだと思いますよね。じゃなくって、ベースアップはしてるけど、つまり上げ下げしやすい一時金から、上げ下げしにくいベースアップに移しただけです。つまり年収は変わりませんみたいなことだとすると、つまりは3%ベースアップしたから年収が3%上がってるってないわけです。

 だから、事ほどさように賃上げを、正直言って、大企業さんは5%でも6%でもできると思いますよ。だって、労働分配率50%未満なんですから、大企業は。全然、10パーまでいかないですよ、そんな5パー、6パー上げたところで、余裕がありますよ。でも、中小企業の労働分配率はもうほぼ8割。上げる余地はないわけです。なので、その問題をどう是正するかといったら、それは、もうその労働分配率、その分母がちっちゃいから困ってるわけですから、その利益の全体が増えるようにしなければいけないので、なので大企業が吸い上げてしまっている、取引を通じて多重下請とかサプライチェーンの中で大企業が吸い上げてしまってる利益を、きちんと一次取引先、二次取引先、三次取引先、四次取引先に戻すことを政策としてやらないと、そんなもう、税制とか補助金とかでできるわけがないわけですわね。日本の経済の大きな取引の中のお金の、大企業に滞留してしまってるお金をきちんと取引の中で取引先に戻していく。だって、そういう政策を、というか、そういうことをやらないと、適正取引だと、適正取引、本当は過去10年間の取引を是正させなければいけないと思いますけど、少なくとも過去、ここ3年間とか4年間の取引先、下請のコストアップ要因をきちんと受け止めてないと、法律違反で罰するという法律でもつくればいいんですよ。だって、これまでそんな物価上昇なかったから応じたけど、この物価上昇分を吸収できなくて賃上げに苦しんでるわけですから、過去5年間の適正なコストアップ要因を引き受けない取引先は優越的地位の濫用で刑事罰、罰金を科すると、そんな法律つくっちゃえばいいと思いますよ。そんな法律つくれば私はいいと思う。そういう法律をつくって、中小企業に波及させるって制度的担保しないと、掛け声だけでできてないのを何回も繰り返してたら、それは、同じことを2回も3回も失敗したら失格ですよ、政策、政治として。何回同じ失敗するの。掛け声だけでできるわけないじゃん、分かってるじゃん。やる気がなくてやってないんじゃなくて、やる原資がなくてできてないんだから、やる原資をいかにつくるかという政策とセットでなけりゃ、そんな最賃1,500円だってできやしないし、いや、できるかもしんないけど、はい、あそこの会社潰れました、あそこの店潰れました、あそこ廃業ですという、廃業だらけにしていくんですかということになるわけですよね。

 そういうことを含めて、参議院選挙でそれが問われるわけですから、もう。この間のうまくいってない状況が積もり積もってる、その不満が前回の総選挙で残念ながら与党の皆さんは過半数を得られないという結果になってる。つまりこれまでの政策だと、国民の過半の支持は得られないということが昨年秋の総選挙で判明してるのでありますから、なので、政策を追加しないと、与党が目指される過半数、参議院の改選の過半数なのかな、それを通じて参議院全体の過半数なんでしょうけど、参議院における過半数割れみたいなことを回避するというのが至上命題だと思いますけど、やっぱりそういう政策追加をしていかないと、より大変なことになるんじゃないかというそういう問題意識を持って、やはり必要な政策をやってもらいたい。法律を改正しようと思ったら、6月まで国会は開いてますから、やれますよ。

 という感じで、それで、本当にもう何か、そんな政策もつくれないんだったら、もう法人税率を、中小企業の軽減税率はそのまま据え置いて、大企業向けの法人税率を10%でも15%でも上げるということですよ。強制的に召し上げるしかないと、取引関係でちゃんと還元しないんだったら。そこは二枚腰、二重、取引関係でちゃんと中小企業に利益を戻すということをやってもらう、はっきり言って法律でやらせるか。それが難しいんだったら、もう税と、法人税、中小企業以外の法人税を上げて財源を確保して、中小企業に対する様々な、投資助成なりを、省力化助成なりをやる、2分の1でも3分の1でも補助金つくって支援するとか、分かりませんけどね。そういう大企業と中小企業の間の所得再配分を法人税の引上げ、大企業の法人税を引き上げるということを通じてやるということじゃないかというふうに思います。そういう政策とセットでなければ、掛け声だけで、掛け声でできなかったことが、掛け声でできるわけがないと。普通に誰でも分かることです。と思います。

 で、その話というのは、最賃は参議院選後ですけどね。去年の10月に上がった最賃、最低賃金をさらに1,500円まで上げるという政策を参議院選挙で掲げてやられることになるんでしょうけど、今の政府の方針はそうですよね。それを与党の方針にされると、最賃1,500円、頑張るぞって。それはもう本当、中小企業の皆さんからすると、もう嫌悪感しか持たない、持てないスローガンですよ。何の手だてもなく最賃1,500円なんて言われても、いや、1,500円に上がるのが理想的だというのは認めます、認められるでしょう。ただ、それを実現しようにも実現できない。それは我々に廃業しろと言っているのかというふうに聞こえてしまってるということに与党の皆さんがもうちょっと気づかないといけないと思います。それをどういうふうに解決していくのかというのが大きなテーマだと私は思いますけどね。1,500円の旗を下ろすのか、1,500円の旗を下ろさずに選挙をやるのか、普通に政府が掲げる政策を与党が掲げると1,500円の政策は上がるでしょう。それは中小企業が支持しておられた政党にとっては大変厳しい影響が生じると思います。

 そういうことなので、非常に、去年もそうだったと思いますけど、去年は総選挙、今年は参議院の通常選挙で、やはり最賃とか賃上げとかというのをどうやって、お題目は正しいと思うけど、実際我々がどうやってやればいいのか、やれるようになれるのか、やれる環境をつくってくれるのかということが問われる夏になるんじゃないかなというふうに思います。

 


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