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12月26日質問項目5

5.ダイハツ工業の認証取得の不正問題

○山陰中央テレビ:山陰中央テレビの福島です。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:はい、お願いします。

 

○山陰中央テレビ:ダイハツの国の認証取得の不正問題について、知事の見解を伺いたいんですけれども、出雲にはダイハツメタルといった関連企業の工場もあって、島根県内でもダイハツの販売協力店100以上あって、県内企業への影響も決して少なくないと思うんですけれども、知事としての一連の問題の受け止めと、もし必要な支援であったり対策等、考えていることがあれば教えていただきたいです。

 

○丸山知事:ダイハツの問題は、ダイハツの経営陣、そして、その経営陣を選んでいる親会社のトヨタを含めて、自分たちに問題があったという前提で、ちゃんと過去を検証してもらうということだと思います。ダイハツの会見にもトヨタの副社長が同席されてましたけど、ダイハツというのはもう100%トヨタの子会社ですから、トヨタなんです。社長を選ぶのも、支配されているんですよ、トヨタが支配している会社。ダイハツの売上げというのは100%連結だから、100%子会社だから、トヨタの売上げなんです、上場企業でいえば。だからトヨタが起こしている問題でもある。直接知ってるかどうかは別にして、開発を短期でやらせていたということは、トヨタの、ダイハツの経営陣がやらせていたのかということのみならず、グループの経営として、そういうことを過度に求めてきたということの結果かもしれない。

 ということで、ダイハツとして取り扱う話なのか、トヨタとして取り扱う話なのかということをマスメディアの皆さんが十分に理解してないんじゃないかと私は思いますよ。上場企業だったらトヨタでしょう。独立した上場企業でも何でもないわけですよ、もう。トヨタの一部門なんだから。トヨタが記者会見したっておかしくない話だというふうに私は思いますし、トヨタの、何かどこか新聞でちょっと見たけど、販売してる車の10%ぐらいをダイハツが生産してるんでしょ。要するにそういうことなので、これはダイハツというブランドがあって、会社が別に立ってますけど、企業経営の単位としてはトヨタグループが起こしている問題だという認識なので、トヨタも含めて検証されるべきことだというふうに思いますし、日本の企業の悪いところが全部表れている、きれいに表れているんです。

 私はちょっと年末年始の休みのときにダイハツの第三者委員会の報告書を読んでみたいなと思うぐらい興味津々ですよ。日本企業の、いや、日本の組織の悪いところが全部、オンパレードで出てるんじゃないかと、新聞を見る限り。直接的に不正をしろとは言わない。でも、不正をせざるを得ない状況をつくって、作業工程遅れた人のことを糾弾する、相談しても、で、どうすんだといって業者は打ち合わない。要するに不正をしろということを直接言わないけども、不正をせざるを得ない状況を業者が全部つくっていく、経営陣も含めて、そんな状況をつくってる。

 何か新聞の報道でしか読んでないですけど、全部読み切れていませんけど、第三者委員会の調査というのは、何かその報道を見る限りはちゃんとして、忖度なくやられてるというふうに思いますけど、本来的には、トヨタ自体も第三者委員会をつくらなければいけないんじゃないかと私は思いますよ。

 もう一つ、支援というのは、基本的にはもうトヨタも含めて、ダイハツが継続的な取引をしている相手に対してきちんと補償するって話だと私は思います。補償が始まったという報道もありますので、それをちゃんと補償してもらうと。それは当然、物を納めたのと同じ金額というわけにいかないでしょうけども、雇用を継続するとか、経営を継続するために必要な、継続的にその部品なり製品を供給するという前提で、体制なり人を雇ってる人たちに対してきちんと補償してもらうということが大事ですし、トヨタの一次的な取引先だけじゃなくて、その人たちが、二次、三次、その先まで含めて、ちゃんとできる補償をしてもらうという、その補償のサプライチェーンをきちんとやってもらうということを、トヨタグループがちゃんと、トヨタが支援することも含めて、ちゃんとやってもらうということを、まず期待します。

 当然、そういうものが決まるまで、タイムラグがあったり、資金繰り、それから先行きが不安だとか、やはりダイハツがこういった問題を起こした以上は、仮に生産が回復したとしても、少なくとも前と同じような受注が受けれるかどうか分からないという不安もあるでしょうから、そういった意味で、新規のお客さんを探す、新しい業態にチャレンジするとかっていうことも含めた御相談もあろうかと思いますので、県内の経済団体、商工会議所なり商工会などと連携しまして、そういった、まず相談を真摯に対応していきたいというふうに思っているところでありますけども、報道がされてますので、まずはダイハツ、事業を止めなければいけなくなった方から取引先に対してのきちんとした補償を個別にやってもらうということ、これに期待しているところです。

 

○山陰中央テレビ:分かりました。ありがとうございます。

 

○共同通信:共同通信の白神と申します。

 先ほどのダイハツのお話あったかと思うんですけれども、知事が日本の組織の悪いところが何か集まったような、そういう感じじゃないかみたいなお話だったんですけれども、それっていうのは、上の上司が無理難題を押しつけて、それに順応しようとした部下たちが無理をしてしまうみたいな、そういったところをおっしゃってたという理解でよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:私、よく例え話で使いますけど、インパール作戦、牟田口廉也って感じです。日本陸軍最悪の作戦と言われてる、ビルマ戦線で展開されたインパール作戦。誰もが、補給とか含めて、できやしないと思っていたのを軍司令官が強行し、それを大本営まで含めて認めて、それを、失敗が明らかになっても中止できずに、師団長が、退却命令が出てないのに退却せざるを得ないというふうな、前代未聞の事態が発生したり、白骨街道と言われる、死傷者がたくさん出ると、傷病者を含めてですね。ということが一つの例ですけど、そういう現状に合わない、現場を無視した戦略を立てられて、そして現場の努力で何とかしろと言われて、現場ができやしないから、足し算を積み上げていくと、所要時間なんか全然足りないのにやれって言われると、どうするか分かりますか。こういうときね、こういうときに引き算と割り算ってやるんです。お尻に合わせようと思ったら、積み上げていくとオーバーするわけでしょ。何を間引くか、何をしないかって考えてやらざるを得なくなるでしょ。そういうことです。戦略の誤りを戦術とか現場で何とかしろ。靴が合わないのに、足を靴に合わせろというふうに言われたりしますけど、そんなことが現代日本でも、大きな会社でも行われているんだなと。

 でも、実際ありましたよ、まだ。財務省の理財局だって、上司に言われて文書改ざんしたでしょ。大きな会社とか、公務員だからとかっていったって、圧力かけてしまったら、圧力かけ過ぎたらそんなことやっちゃうわけです。もう何度も見てる風景じゃないんですか。だから、大きな会社だからそんなことはないだろうというふうにも私思ってませんし、だから、ダイハツでそんなことが起きるわけないなんて全然思わないですよ。どんなところでどんなことが起きたっておかしくない。今どき増収増益なんてことをやってるってことは、私は相当な無理をしてるってことだと思いますよ、経営方針としてね。私は、大きな会社っていうのは、大きな会社が立派な会社かというと、そうじゃないと。そうとは限らないということが、もう1年間に何度も出てきてる。

 私は、たしかプロテリアルの前身の日立金属だってそうだったですよ。その前は神戸製鋼だったですかね、いろんなところで検査の不正といったものは何度も出てますよ、大きな企業で。そのときに、我が社でそんなことやってないよなというふうに、我が事としてやってないんだから、見直してないわけです。ほかであったから、我がところでないかって。いや、多分、私はもしかすると、もう無理言ってやらせてるから、そんなものを確認するとやぶ蛇だからやらないっていうふうに確認しなかったのかもしれないけど、よく見る風景じゃないですか。1年に何度だって大きな企業で不正なんて、もう日常茶飯事でしょう。だから、びっくりすることじゃないと思う。ああ、またかという感じ。同じ経営の下でやられた会社、ほかの会社、大丈夫なのかなと思うぐらいですよ。開発のスピードだけ、ダイハツにだけ、そういう厳しいオーダーを出してたのかと。普通に考えたら、ほかは大丈夫かって思うでしょ。でも、それは心配に思うだけだけど。経営者はそうじゃいけないと思います。

 日本人というのは、それはだって、真面目にやったらね、真面目にやって、この工程じゃできません、どうしましょうかって言って、上司から、で、どうすんだって、どうすんだとしか結局言われない。頑張ったけど間に合わなかったら、会議で叱責される。そんなことをやられたら、それは、だから、もう辞めるか不正するかしかなくなるような状況に会社が追い込んでるんだったら、もう仕方がない。だからいろんな車種で起きるわけでしょ。

 だって、私は正直言って、そんなことをさせてた、少なくとも重過失はあるでしょう。最低でも過失はある。そういう人がまだ社長に残って、何か、すぐに引責辞任しないっていうのが信じられないぐらいですよ。やらせてた人が、自分がやってたことの悪事を全部オープンにできるのか。今いる経営陣が検証してるとか、何か第三者委員会から報告書もらって、何やってるか知らないけど、そんな資格あるのかって、何で辞めさせないんだろうって、私はトヨタに対しておかしいんじゃないかと思うのは、何で辞めさせないのと、そんな問題起こしてる人を。なったばっかじゃないでしょう、社長。自分の会社の副社長だったからといって、手心加えてたら直らないよ。こんな問題起こしたら、辞任だよ、普通。何でそれが社長で残ってて、うみが出し切れんの。

 そうだよ。だって、会社全部止まっちゃってるんだよ。私は補償と言ったけど、何の製品も生まないのに補償費で払うってことは、完全な特別損失。収益は上がんないけど、ただ単に赤字が積み上がっていくだけっていう状況が発生してるわけでしょ。もう経営責任そのものですよね。また、トヨタの業績だってそうだけど。だから何か、よく引責辞任じゃないなと思いますよ。引責辞任をしない理由がなぜかどこにも書いてないけど、何で引責辞任しないのかなと思いますよね。だって、全ての車種の生産を止めなければいけない、64車種で不正。不正がなかった車種のほうを数え上げたほうが早いんじゃないかと思うけど。

 だから何か、いや、正直、私もう一つ申し上げると、マスメディアの皆さんも優しいですよね、本当ね。経済部の方が取材に行かれると、何かお優しいのかなと。何かちゃんとした緊張感を持って記者会見に臨まないと、メディアも改善してもらわないといけないところがあるんじゃないですか。トヨタグループだから、それは恐ろしいと、恐ろしいんだろうけど、でも、起こしてることはもう、何で社長が辞めないのという内容じゃないんですか。何でこの状況をつくった人が改善の先頭なんか立てるのって、私はビッグモーターのとき思ったけど、ビッグモーターはオーナー会社だから仕方がないかと思ったけど、上場企業を100%支配してて、何でそんな判断もできないのかなって不思議ですけどね。私がトヨタの社長だったら辞めさせるよ、絶対に。絶対もう、自分の会社の副社長をしてたから、なおさらだよ。なおさら厳しくしなければいけないと思うよ。それこそトヨタにもダイハツにもいなかった、それこそホンダとか日産とかのOBを据えて改善させるんだよ、普通は。

 島根県知事が何を偉そうに言ってんだという話だけど、普通に考えて、そうじゃないの。だって、問題を起こした人が全部洗いざらいにすると思うか。第三者委員会を使ってしか、この問題を発見できなかった経営陣に改善を委ねるというのは、やり方として正しくないって私は思いますけど。別に私はダイハツの株持ってるわけでもないし、ダイハツの車にも乗ってませんけど、何の資格もないですけど、普通の視聴者とかユーザーになり得る人間として考えれば、経営者に優しい時代になったんだなと。子どもに優しいとか、高齢者に優しいとか、何かいろいろ言い方はあるけど、経営者に優しい社会になりましたね、本当に。という感じです。すみません、長々と。

 

○共同通信:ありがとうございます。

 あともう1点、補償の話あったかと思うんですけれども、第一には、現在もダイハツが部品の仕入先と補償に向けた個別の交渉を開始してるということだったんですけれども、それの流れを受けて、そこからもこぼれ落ちたというか、そういった県内の仕入先なんかに、今後、もし補償が必要だったら、県としても検討していくというような、そういう……。

 

○丸山知事:すみません、県は補償するわけないでしょ。補償というのは問題を起こした人間がやることだ。それは資金繰りの支援とかってことだとは思いますけどね。

 

○共同通信:ええ、そうですね。

 

○丸山知事:だから私が言ってるように、補償というのは、ダイハツとダイハツの取引先がやり取りしちゃ駄目なんです。補償を払うでしょ。そしたら、その一次下請の会社に補償のお金を入れて、そして二次下請の会社にも同じような、同じ条件で補償を払ってもらうんですよ。それを条件として補償金を払ってもらう。そこで止めてもらっちゃ困るわけです。だって、お金が流れてたのが、止まっちゃうわけだから、戻そうと思ったら、途中で止めてもらったら困りますよね。それ連鎖倒産になってしまう。だから、流すお金というのを相手にちゃんとしたお金を払えば、その会社が仕入れてた先にだって払えるはず。それを条件として払う。だから履行してもらう。ちゃんとその先にも払ってもらって、連鎖の、資金が止まってしまうお金の逆の流れをつくってもらうしかないんだと思います。だから、物を納めることは求められてないけども、物を納める前提で設備投資をしてきた、継続的に取引をしてきた。それを継続してもらうために補償を払うという理屈なんだと思うけど、そのお金というのは、払った先の相手にも届くようにという補償契約を結んでもらいたいということです。それをちゃんとやってもらえば、多分物を作って、資材を仕入れるとか、変動費に当たるところ、変動費に当たるところは取りあえずお金、仕入れなければいいけど、固定費に当たるところを少なくともきちんと払ってもらえれば事業継続ができる。生産再開を待つということができるようになるでしょう。だから、そういうことをダイハツとしてやられてる、着手されてるという話や報道があるので、それがきちんと実施されるというのを期待してるところです。

 なので、基本の大本は、ダイハツが原因者ですから、そこを起点として、一次下請だけではない、二次、三次、四次ってところにそういったことが届くようにしてもらいたいというふうにということです。

 

○共同通信:分かりました。ありがとうございます。

 

○丸山知事:それで、それが当然、タイムラグがあるでしょうから、そういった意味で、そういう補償が来るのが直ちには来ない。その間に給料を払わなければいけない。家賃も払わなければいけない。そういったところで資金が出ていくというものを資金繰りとして支援をするとかっていうことについては、制度融資などでとか、政府系の金融機関でもできるでしょう。そういったことの対策を、タイムラグを埋めていくということをきちんとやっていかなければいけないというふうに思ってます。そういった意味では、今回の問題の大本が、ある意味、トヨタグループの主要会社であるという意味での信用力がある、財務力があるということについては、そういう意味では不幸中の幸いじゃなかったかというふうに思いますけども、そこを誠実にやってもらうということじゃないかと思います。

 すみません、1点、悪いところだけ言ってますけど、第三者委員会の調査というのは非常に詳細に行われていて、適切な内容だったと思いますし、今回の問題の発端がOEM生産の、ダイハツが造った車を売っていた海外のトヨタの子会社の方が最初気づいたって、そういう報道ですよね。そういった意味では、トヨタって会社がそういう問題をきちんと内部通報して改善、今回のことが全体として露見するに至ったという意味においては、きちんとした、内部通報を受け止めて、この問題を解決するというふうな、そういう仕組みが動いてるという意味においては立派な会社だというふうに思いますけども、もともと何でこんな無理を組織にさせてきたかということについては十二分に反省してもらわなければいけないというふうに思っている。評価すべきところは評価してますし、反省すべきところというのは多大にあるんじゃないかと、まずこれは両方思っているところであります。

 

○共同通信:ありがとうございました。

 


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