10月13日質問項目8
8.2期目の半年を振り返って
○山陰中央新報:山陰中央新報の高見です。
今回、9月議会が終わってというところで、知事としては2期目、就任されてから半年たったと思うんですけれども、この半年間をちょっと振り返られてと、あと3年半あるわけですけれども、この先、ちょっと県政運営をどうやっていかれるかというのを、議会のやり取りとかも踏まえながら、ちょっと伺えればと思います。
○丸山知事:2期目、コロナの感染対策としての様々な行動上の制約がなくなりましたので、特に5月の半ば以降というのは、これまで、3年ぶりっていうか、4年ぶりかな、3年できなかったというもの、総会だったり、あとはこの3年間できなかった50周年だったり70周年とかって、周年行事ですね、そういったものを含めて、多分、例年以上に組織、個別の団体とかの会合がたくさんあって、多くの皆さんとお話しする機会ができました。それぞれ一様に、物価高騰だったり人件費、賃金の引上げみたいなものを迫られるといった事業者の皆さんの課題は切実ですし、生活者の立場でも、賃金は上がっても物価上昇に追いついてないと、生活が厳しいという話、よく伺いますので、やっぱりエネルギー、物価高騰対策というのは大変大事だなというふうに思っております。
県議会の本会議での質疑とかの中でも、県議会の議員の皆さんも同じような認識だというふうに思いますので、そういった意味で、県議会と共に、そういった諸課題の解決に向けて、また経済団体なり、また市町村の皆さんと共に取り組んでいかなければいけないと思いますし、県人口が65万人割れになるといった状況でもございますし、出生数が全国でも、島根県もかな、過去最低を更新するという状況、実数として。でありますから、やっぱり子育て支援の充実というものを国のほうで取り組まれますけども、我々地方側でも何を取り組むべきかということを見定めて取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
県知事としては、これからも物言えば唇寒し、沈黙は金などとは一切思わずに、県民の皆さんが一人一人では言えないこと、思ってるけど言えないこと、言っても相手に届かないということを、やっぱり県知事なので、県民の皆さんの思いみたいなものをきちんと各所に届けなければいけないというふうに思ってます。ですので、先日、経団連が自民党に対して消費税増税を検討するようにというふうな提言をされましたけど、まあ本当にろくでもない。もうこの場では何度も言ってますけれども、ともかくこれだけ生活が苦しい状況になってるときに、逆進性の強い税制を、税制を強化しましょうというふうなことを日本の経済界で一番偉い人が、偉い人っていうか、今回、経団連だから、会長個人じゃないので、経団連という組織が言ってきてるわけです。まあ本当に危機感を持たなければいけない、危機感を。上場企業の利益の総額は40兆円を超えて過去最高ですよ。こんな中で個人や家計に逆進的な負担を増やして財源を賄えばいいと。日本経済の個人消費なんてどうでもいいというのが、そういう主張が経団連の団としての、経団連だから会かな、団体連合会かな、経団連という組織が、組織として言ってるわけだから、ともかく我々が一生懸命頑張んないと、普通の人の生活は立ち行かないですよ。だって、この間、法人税率ずっと下げてもらって、所得税の最高税率ずっと下げてもらって、会社の利益は手元に内部留保で積み上がるし、自分のポケットに入るお金も、税制改正のおかげで増えてる人たちが平然と、もっと生活が厳しい人たちからお金取ればいいじゃないかというふうに言う時代になってるんですよ。分かりますか。子どもを産み育てる人を増やそう、子どもを増やそうと言ってる政策を実現するために消費税を増税しろということを日本の経済界のトップの人たちが平然と言うわけですよ。これはどういうことかというと、子育て施策は充実するけど、結果的に生活が苦しくなって子どもが減りかねないことを平気で言うわけ。子育て政策の充実を台なしにしかねない税制を主張してるわけです。
だから、私から言わせると、経団連というのは、日本の人口は減り続けても構わないと宣言してるのと同じだと、この人たちは。したがって、SDGsね、何だっけ、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、持続可能な開発目標。ディベロップメントって、開発っていうよりも発展だと思うけどね。発展していこうと思えば、その発展が持続可能じゃないといけないと。サステーナビリティーって言いますよね。日本の人口が減り続けるって、サステーナビリティーありますか。日本の個人消費が傷むって、日本社会としてサステーナビリティーありますか。ないでしょう。日本の、日本社会とか日本の国の経済とか、そんなものがシュリンクしても構わない、恐らくグローバル企業になっちゃってるから、世界で稼げばいいからいいやって思ってるとしか思えないけど、私は経団連の中でも国内マーケットで商売してる人がいっぱいいるから、何でそんなことを賛成してるのかさっぱり分かんないけど、でも、グローバル企業のほうが先導してるんでしょうね。日本企業、日本のマーケットなんてちっちゃくなって構わないって言ってるのと同じですよね。なので、日本社会のサステーナビリティーなんてどうでもいいと言ってるのと私は同じだと思う。
だから、私は経団連の会員、経団連という組織の、こんな提言出すんだから、経団連の会員、経団連の会社の社長のみならず、経団連の会員企業の社員さんまで含めて、SDGsのバッジとか、もうそんなのつけるのやめてくれと、資格はないと。ホームページで、社会的責任とか、社会貢献とか何か、そんなところでSDGsとかってうたってるかもしんないけど、そんなの一切排除しろと、そんな資格ないじゃないかと。だって、持続可能性という言葉で言ったけど、日本社会の持続可能性を踏みにじるようなことを平気で言ってる。
個別に、何か17ぐらい目標あるけど、貧困をなくそう、飢餓をゼロに。生活が苦しい人から消費税上げて、貧困がなくなるか。増えるだろう。飢餓をゼロにって、おなかすかす人、増えるだろう。何がSDGsだよ。生活が苦しい人の生活なんて知ったことじゃないと、そういうことを言ってる。そんな人間がSDGsなんて、そんなきらびやかなバッジつける資格があるわけないだろうと。社員も含めて全部外せと。提言は構わないよ。だったら、それに見合った行動をしてくれと。そんなうそっぱちの、SDGsを目指してますなんて、そんなうそっぱちをついちゃいけないよ。目指してませんと、貧困は増えたって構いません、飢餓も増えたって構いませんって言ってるんでしょ。そんな、もう世の中うそついちゃいけないんだ、うそつきは泥棒の始まりだからさ。そんな相矛盾するようなことをしちゃ駄目ですよと。経団連の会員企業の皆さんはSDGsのバッジを明日から外してほしいと、本当に。そんな偽善、欺瞞はやめてほしい。貧困は増えても構わない、おなかをすかす人が増えても構わない、そういう提言をしてる人たちがSDGsのバッジをつけていいわけがない。普通、日本人には恥って文化があるんだよ。普通、恥ずかしくてそんなことできないぞと私は思ってるんですよ。
そういうことを、残念ながら、私は言いたくないけど、言っていかないと、誰も言わないんだからさ。思うでしょう。何でそんなことを平気で言えんの。貧困増えるぞ。おなかすかす人増えるよ。部品納入企業からの価格改定、踏み潰したりして利益ため込んで、挙げ句の果てに消費税上げろって、そんなの、SDGsなんて恥ずかしくて、バッジつけちゃ駄目って。ホームページからも全部外して、ESGとかあるじゃん、社会的責任投資とかね、そんなのも、だから名のっちゃいけないと思いますよ。日本社会がどんなに貧困が広がろうが、飢餓が広がろうが、我々は関知しませんって言ってるんじゃないんですか。何で42兆円の中から負担することができないの。
私はね、最近気づいたの。政府が負担の話をするとき、広くというのはどういうことかというと、利益を出してるとか出してないとか、所得が高いとか高くないとか関係なくという意味なんです。逆進性の高いものをと言っているんです。広く公平にというのは、私は、その広さというのは公平じゃないと思うけど、みんなが負担するという意味では公平だと。それは逆進的でもいいから負担しろと言っている。つまり消費税に向かうロジックなんですよ。法人税とか所得税の最高税率を上げようという議論をしないということを言ってる。
もう一つ言うよ。安定財源。安定財源が必要だと。みんな耳に、頭に擦り込まれてるけど、安定財源というのも、これは何かというと、利益課税をしないということです。利益というのは、2つ変動要素があるんです。収入と支出。それが両方とも動くので、変動幅が大きいんです。コストが増えて売上げが減ると一気に赤字になっちゃったりする。だから、ボラティリティーが高いわけです、利益課税、法人課税というのはね。それだから、そういうのじゃなくて、消費って動かないんですよ。消費税の消費というのは動かない。だから安定財源なんです。とか、個人の所得もそんなに動かないんですよ、企業の利益と違って。だから個人の課税とか、先ほどの消費税とか、いわゆる法人の利益課税に行かないようなロジックをちりばめられてる。私は安定財源でなくてもいいと、若干年度間変動したって、10年平均すれば取れてるんだったら、それいいと。だって、年度間の調整なんか、国債でやればいいんだから。だから、安定財源じゃない、金額が変動するから法人関係税を上げるのやめましょうなんて、そんなことに乗る必要ないの。
でも、我々は、広く公平にとか、安定的な財源をという言葉で洗脳されているんですよ。違うんだ。その言葉は、消費税にっていうことを言ってるの。法人課税を避けて消費税に向かいましょうという暗示なんですよ。そんなものにだまされちゃいけないというのが2期目の目標です。なんちゃって。
2期目だけど、2期目が半年終わって、最近、もうつくづく、今回、この経団連の皆さんの立ち居振る舞いを見てて、よくよく考えたんです。安定財源っていう言葉と広く公平にっていう言葉は、庶民のNGワードですよ。普通の生活をしている人に負担してもらいましょうという、そういう洗脳ワードです、私からすると。それにだまされちゃいけない。応益負担だけじゃなくて応能負担、負担できる人が負担していかないと、負担が限界になってる人にもっと負担させるなんて、そんなことをやったら貧困広がる。生活が厳しくなる。個人消費なんか拡大するわけない。
だから、私から言わせると、せっかく政府が、自民党が、与党が減税まで含めて経済対策を考えようと言ってるときに、こんな提言をするようなのは、足を引っ張ってる。政府がこの厳しい状況を見て、経済対策をやろうとしているのを、一生懸命足を引っ張ってる。こんなことをやったら、この提言の意味するところは何か。減税するかもしんないけど、あと消費税で増税して取り戻せと言ってるのかと。違うだろうと。経済の活気を戻して、経済が成長する中で税収を増やしていくという発想でやろうとされてるんだと思うんだけど、政府・与党はね。相変わらず消費税で取り戻せ、結局は減税されるけど、後で増税されるんじゃないかとなったら消費しないですよ。どうしても消費しないと、生活が苦しくて使わなければいけない人以外は消費しなくなる。だからもう政府がやろうとしている経済対策の足を引っ張ってる、経団連は。
私は最後、もう一つ。これも東京の皆さんにぜひお伝えください。経団連を日本の経済の代表だと、そんな書き方するのやめてほしい。大企業の集団だと。大企業がこう言ってるということですよ。日本の経済とか、日本の我々の家計まで含めた経済として、こういうことがいいと言ってるんじゃなくて、日本の大企業は、こっちのほうが都合がいいと言っているということなんです。割り切ってるんだから。普通の生活をしている人の生活が厳しくなったって構わないという人たちの発言なんだから。だから、必ず経団連ってつけるときに、大企業が構成員となっている経団連の会長がとか、ちゃんと修飾語をつけてほしい。また日本商工会議所だったら、中小企業が加盟してる、中小企業が主体となっている日本商工会議所とか、ちゃんと説明つけてくださいよ。大企業のことしか考えてないんだから、経団連。土光敏夫さんとは違うんだもん。日本経済の全体のことなんか考えてないですよ。だからちゃんと、正確でしょ、だって、経団連の参加企業は大きな企業なんだからさ、大企業で構成されるとか、ちゃんとした修飾語をつけてほしい。日本経済のべき論みたいな、日本経済全体を考えて、日本経済の様々なセクターにとってこれがベストだということを提言するような組織じゃないと私は思うので、内容からしたって。ちゃんと大企業の親分がこういうことを言ってるということだよ、経団連の会長が言ってるということは、大企業の親分がそう言ってるということだ。ちゃんと伝えてほしい、国民に分かるように。誤解されてるよ。日本の経済にとって、それがいいじゃないかと誤解するじゃないですか。違います。大企業のためには、こういう制度がいいって言ってるんですよ。それを正確に、東京の人たちが中心で伝えてくんないから、何か日本の経済にとってこれがいいのかなとか思ってるけど、違いますよ。普通の生活をしてる人からすると、あなた方の生活なんてどうでもいいからこうしてくれって言ってるんですよって、何で私が解説してんだと。何でメディアの皆さんはこんなことも解説できないんだと。頼みますよ。いや、皆さんは関係ないんだけどね、東京の人たちね。
と、あらら、すみません。ちょっと長くなっちゃいました。2期目、半年終わっての意気込みは、申し訳ないけども、いや、私、こんなこと言いたくもないんだよ、言いたくもないけど、言わないと、だって、島根県民の人って、大企業の経営者がうじゃうじゃいるわけじゃないし、大企業の従業員がうじゃうじゃいるわけじゃなくて、普通の生活をしている人がほとんどだよ。普通の人。普通の人の生活を苦しめるようなことを言われたら、それは困るっていうふうに言わないと、県知事の仕事にならないなと思って、すみません、役所だけじゃなくて、経団連にも言わないかんというのが新たな認識であります。以上です。
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