10月13日質問項目5
5.埼玉県児童虐待禁止条例改正案
○読売新聞:読売新聞の玉田です。よろしくお願いします。
○丸山知事:お願いします。
○読売新聞:埼玉県で、小学3年生以下の子どもを自宅や車などに放置する行為を虐待として禁止しようと自民党県議団が提出した条例改正案に対し、子育て家庭の実情を理解していないとの批判が相次ぎました。結局改正案は取り下げられましたが、この問題について、知事のお考えをお聞かせください。
○丸山知事:よく聞いていただきました、本当に。言いたいことが山のようにありますけど。
1点目としては、内容がむちゃくちゃですよね。私は、まず規定している内容がむちゃくちゃだし、法制上の扱いもむちゃくちゃだと思います。努力義務だ、罰則を課さなければ何を書いてもいいんだというふうな法制上の誤解をしてる。守ってもらえないことが常態化するような内容、規定を義務で規定する。過料も課さない、罰則もつけない、だからいいだろうと、そんな発想だと思いますけど、そんな条例をやられたら、ほかの条例の価値が下がるんでやめてもらいたいと。努力してもらおうという気持ちは分かりますけど、であれば努力義務をやるべきです。守ってもらうのは難しいけど、そういうことを目指してもらいたいというのであれば努力義務にすべきだし、罰則をつけなければ努力義務でなくたっていいだろうということ自体が、もう法制上、落第点。中身も、中身が特によくない。
私は、ああいう発想の大本に何があるのかって、想像力を働かせなければいけないんですよ。私は、ああいう発想って、あの規定の内容はざくっとしてるけど、例示を見ると、あのああいう内容って、ああいうことを駄目だって、条例違反だというふうに規定するってことは何を意味しているかというと、共働き、独り親で子育てなんかするなって言ってるのと同じですよ、あれじゃあ。要するに条例違反を犯さずに子育てをしようと思えば、共働きでとか、独り親で育てることは無理ですよね、あの内容だと。はっきり申し上げて、仮に専業主婦(夫)、この主婦(夫)は男性でも女性でもいいんですよ、親御さんのどちらかがうちにおられるという形を取られたとしても、お手伝いさんぐらいまで雇えないと、あんなこと実現できませんよ。ということは、言葉の定義ははっきり言えないけど、富裕層以外、もう子育てなんかしてもらっちゃ困るという発想がないと、ああいうことって言えないと思うんですよ。そんな何か、あれを出してこれる考え方って、どういう考え方なのかというと、そういう考え方がないと、ああいう規定、ああいうことって出てこないはずです。それ以外に私は考えられない。
いや、それをね、政策論として本当に、かつて中国の一人っ子政策とかありましたから、この世の中の政策としてあるとしてもですよ、今子育てしてる人いるわけですよ。その人たちに適用しようなんて考えられないでしょう。発想も何か論外だし、やり方も全然考えられてないし、そしてもう一つ、問題点を上げたら切りがないんだけど、全く反省してない。中身に問題ないけど、説明が不十分だったから取り下げますって、自民党議員団かな、県議団か、の団長がはっきり言ってますけど、それって、もう一回再提出するって宣言したのと同じですよ。ちゃんと説明すれば可決できるものだと言ってるんですよ。撤回したからよかったなんて報道してちゃ駄目ですよ、メディアの皆さんも。はっきり言って、あれに、提出者になったということは、提出者になった人って賛成してるわけですよ。賛成してる人が過半数を超えてますよ、自民党の県議団、全員多分、提出者になってるから。だから、もう出した瞬間に多数決の世界では通る、通すっていうことを決めたんですよ、あの内容を。自民党の県議会議員の先生みんな、みんなして。過半数を持ってるということは、物を決める立場にあるんだから、できちゃうわけです。だから責任政党とかって言うわけでしょ、国政の場合。そういう責任感がない人たちが、責任感をちゃんと持ってない、行使できない人たちが多数派を構成してるって、すごい、私は島根県でよかったって、ちょっとほっとしてるんです、本当に。あんな苦労しなくていいから、私は本当、あの世界からすると天国に住んでるなと思うんです。だって、通っちゃうんですから。はっきりですよ。
もう一つ言う。普通は、一部の議員さんが間違ったって、議会の中で止まります。誰もいさめる人がいなかった。誰が発案したか知らないけど。で、常任委員会まで通ったんですよ。で、何かというと、つまり埼玉県の中では止めれなくて、埼玉の地方自治の中で止めれなくて、全国からたたかれてしか止まらなかった。だから地方自治としては敗北ですよね。多分、物すごい、何というか、珍事が起きたんじゃなくて、こんなことがまかり通る状況になってるということに対して、埼玉県民の皆さんって、もうちょっと真面目に考えないと、どんなことが起きるか分からないってことですよ。今回、メディアが取り上げてくれたから止まったけど、何かメディアが取り上げてくれないようなことが県議会で決まっちゃうかもしれないという恐怖感を持たなければいけないし、やっぱり選挙って大事なんですよ。誰がやっても同じじゃなくて、やっぱり人を選ばなければいけないってことが教訓だと思いますよ。
もう一つ、最後。私は、この話を聞いたときに、これは自民党県議団による埼玉県選出国会議員自民党をゼロにする運動じゃないかと、政治テロじゃないかと思いました。この条例を通したら、まあ少なくともあと1年ちょっとで、いや2年か、あと2年、のことで、まあまあ年内にも解散総選挙があるかどうかって言われてる状況で、こんな条例通したら、まあ、すみません、埼玉県の北部だったら当選されるかもしんないけども、大宮以南とか、全て小選挙区、自民党の国会議員さん、いなくなっちゃうような中身じゃないですか。だから、多分埼玉だから、自分たちの県議会は統一地方選で自分の選挙はいいんでしょうね。自民党の国会議員さんを落選させようとしてるとしか思えない。私は政治的な意図があるんじゃないかと、そういう政治的な意図がないと、こんなことやらないよねっていうぐらい、何でこんなことが提案されるのか、何でこんなことが常任委員会まで通るのか、何で撤回だって、中身は問題ないけど説明が不十分だったから、ちょっと出直してきますって言ってるんですよ。もう一回リターンマッチしますって半分言ってますよ、あの団長の言い方は。私は、島根県知事でよかったな、島根県議会でよかったって、ちょっとすごい幸せ、自分の運のよさといいますか、いや、埼玉県知事は務まんないなと思いました。
御質問ありがとうございました。
○読売新聞:ありがとうございました。
○共同通信:共同通信の白神です。
すみません、先ほどの埼玉県の話で、確認で聞きたいんですけれども、知事がるるおっしゃっていた、その内容というのは、この保護者らが小学校3年生以下を自宅などに放置することを禁じて、それから小学4から6年生の児童に関しては放置しないことを努力義務と規定って、ここについておっしゃってるっていうことでいいですか。
○丸山知事:特に義務規定ですよね。努力義務でもなく、小3かな、小3以下のところは義務ですよね、努力じゃなくて。世の中の目指すべき方向として、みんなが守れないかもしれないけど、そういうことを守るように努力しましょうという努力義務というのはあるんです。努力義務というのは、努力義務だから、それに反したからといって罰則とか過料とか、そんなことは求めない。これは常識です。だから、そうなったほうがいいという方向を県条例として示していくという中で、努力義務というのはまだあるかもしれないけど、これを義務で出していくという感覚は、ちょっとアンビリーバブルという感じです。できないでしょう。誰ができるんだっていう内容でしょ。県議会議員さんに、年齢的に多分、お孫さんがいるかいないかって世代だと思いますけど、あなたの息子さんとか娘さんに聞いて、あなたのお孫さん、それってできるかって聞いたら、できないって答えるでしょう。そんなことも聞きもせんかったの。それを、自分の身内ですらできないことを他人様に求めるって、どんな了見なんですか。いや、もうよほど埼玉の県議会議員さんは、もうみんなお手伝いさんか何か、息子さんまで含めて、子どもさんまで含めて、お手伝いさんみたいな人が家に何人もおられるってことはさすがにないですわね。そういうことです。
○共同通信:ありがとうございます。
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