• 背景色 
  • 文字サイズ 

8月22日質問項目7

7.全国学力・学習状況調査
○読売新聞:読売新聞の門間です。

 話が替わるんですけれども、7月に公表された全国学力テストの結果についてちょっとお伺いしたいんですけれども、県内の結果が、中学校の国語が全国平均を僅かに上回ったというところで、あとはいずれも下回る結果となっていまして、知事の受け止めと、あと、国に対して要望することとか、あと、県としてどういうことをこれからできるかというところの知事のお考えをお伺いできればと思います。

 

○丸山知事:いや、聞いていただいてありがたいです。

 私は、これまで、知事になって5回目かな、5回目ですかね、5年目だから。この結果は、やっぱり同じように全県、全国との比較でどうかなというふうな物の見方をしてたんですけど、今回、ものすごいことを発見したんですよ。ものすごいって、そんなことが吹き飛んでしまうような数字を見まして、本当に4年間、これに気づけなかったのを反省するぐらいのことが分かったんです。

 それは何かというと、小学校6年生の算数の問題。これね、大きな大問1の(3)番なんですけども、椅子4脚の重さを量ると7キログラムでした。この椅子48脚の重さは何キログラムですか。もう一回言いますよ。椅子4脚の重さを量ると7キログラムでした。この椅子48脚の重さは何キログラムですかという問題です。これ、計算をすると、7割る4、これで椅子1脚当たりの重さですね。7割る4掛ける48で計算すると、84かな。84になると思います。これって、今の小学校の教える学年でいうと、この問題が小学校5年生が解ける問題だそうです。なので、小学校6年生の4月の試験で出されたんだと思いますけど、この島根県の正答率は49%。全国は四捨五入して56%。びっくりしませんか。しなかったか。しないと駄目ですよ。

 あのね、生きる力とか、英語の4技能とか、何かすごい、自ら考え、自ら学ぶとか、何かものすごい高邁な学習指導要領で教育行政を展開しているんだけど、この問題の正答率が5割ですよ。これって、まあ昔の言葉で言うと、読み書きそろばんの、そろばんの世界だと思うんです。7割る4掛ける48の計算問題よりは難しいですよ、これを立式しなければいけないから。でも、そんなに難しい応用問題じゃないと思います。

 これって、例えば私たちがスーパーで物を買うときに、例えば何かが5個入ってて1,000円で、10個入ってて2,000円だったら1個当たりの単価は同じだから損得ないですけど、これが2,000円超えちゃうと、10個入りでも高いわけですよ。そんな計算をしながら、私らは物を買ったりするでしょう。そういう計算で使うような計算ですよ、これって。

 申し訳ないけど、図形とか、何かあんまり使わないような分数の割り算とか掛け算じゃなくて、私たちが日常生活で使う整数の四則演算の典型的な問題で、我々が日常生活で使う、我々が社会人として、例えば子どもたちが大きくなるというか、もう日常生活の中で使わないといけないような、こんな基本的な算数の問題を、日本全国の子どもたちが50%しか解けてない。これって、すさまじいことだと思う。だから、私は、あってはならないことじゃないかと思うんです。

 私は、この問題が解けないと、いや、これぐらいの数字を扱う能力を身につけさせられずに義務教育を終わらせたり、社会に出していく教育って、ものすごく無責任な教育だと思うんです。私は、小学校で英語に触れる時間を削ってでも、総合的な学習の時間を削ってでも、この問題が解ける子どもがもっと増えるようにやらないと、日本の義務教育って、子どものために、子どもが生きる上で、ちょっとまさに生きる力ですよ、これ。自ら考えるとか、そんな高尚なことを言わなくたって、生きる力のむちゃくちゃベーシック、それを身につけさせてる能力、その結果が50%しかないんですよ。これ島根県も全国より低いから反省しなければいけないけど、全国に至ったところで、これが50%しかないって、これだけの学校をつくって、教員を配置して、しかもですよ、しかも学校の先生はもうブラック職場だったと言われて、採用試験の倍率はどんどん下がって、正規職員が補充し切れない。欠員が出てしまうっていうぐらい学校の先生が疲弊しているのに、こういう基本的な学力を身につけさせることに、50%ということは、はっきり言って失敗してる。これって、この子どもたちが、小学校6年生の授業だって、この問題が解けない子どもは、なかなか算数の授業を聞いても、ついていってない可能性高いです。まして中学校になって、この問題が解けない状況で放置されて、中学校で数学やれっていうのは、それはもう苦痛ですよ。分かんないだろうけど座ってろって言われてるのと同じだよ。

 だから、我が国の教育は、こういう水準なんだ。美辞麗句は並んでいるけれども、江戸時代の寺子屋よりも結果が出せてない。しかも、学校の先生が怠けてるからじゃない。学校の先生は、もうへとへとになっているのにこんな状況になっているというのは、仕組みがおかしいんですよ。仕組みがおかしい。仕組みをつくっている文部科学省の責任だ。と思わないか。

 本当ね、子どもさんがおられる方は、まだね、子どもさんがおられる方はおられるかもしれない。日本の子どもの50%、できる方向に入ってればいいけど、できない方向に入ってる可能性があるわけですよ。そして、この子どもたちが考える力とか、複合的な能力とか、英語に触れ合うとかっていう時間はつくってもらえるけど、この算数ができない、なぜできないのか。突っかかるとすると、1番目は、この椅子4脚の重さを測ると7キログラムでしたっていうところから、椅子1脚の重さって幾らなんだろうっていうふうに自分の中で問題を立てれてないっていうところが多分最初のつまずきだと思う。そこからつまずいているんですよ。割り算からつまずいてる可能性がある。その割り算の計算問題は解けるけども、その割り算の意味っていうことを、多分割り算だから、2年生で掛け算習うから、3年生のところでつまずいてるっていう可能性、高いですよね。そうすると、本当に3年生の割り算を前提とした次の4年生とか5年生の授業の内容だって、ついていけてない可能性がある。

 固有名詞は避けますけど、何とか式っていう学習方法がありますよね、できないところまで遡ってプリントを解いて、例えば1年生のところからやり直して基礎学力をちゃんと戻しましょうという、そういう塾にでも行かないと、この子どもさんたちは、この問題が解けないまま中学校も高校も、だって、これできる前提で授業組みますよね。これは、はっきり言って、このできない子どもさんを見捨てようとしてるってことですよ。この日本の半分、45%かもしんない、この問題ができない子どもさんを、このまま小学校を卒業させて中学校に放り込むってことを、日本の教育はやってるってことですよ。去年、少なくとも今年とか、去年か。これ深刻……。

 本当ね、今の学習指導要領を、何かフルコースのフランス料理だとすれば、フルコースのフランス料理を食べようと思ったら、何のことはない、何か玄米のおにぎりが出てきましたみたいな、全然何か高尚、高邁であれこれ頑張って学校の先生やってくれてるけど、身につくものは全然身につかなくて、何かこれだったら、本当、江戸時代の寺子屋に通ってたほうがよかったっていう、そういう教育を我が国がやっているということを、この数字は示していると思う。

 私は、こういう48.7とか55.5とかっていう数字を見てたんじゃなくて、今回、問題を見てたんだ。この問題がたまたま、教育委員会がピックアップしてくれて、これ解けないのは、もう社会生活に影響するでしょ。社会人として、物を買うとか、品物を選ぶとか、そういうことに差し障りがあるような間違いを放置して、デコレーションみたいな、何か飾りつけみたいなことを一生懸命やっていて、子どもたちを幸せにしてるのかと。

 いや、それは恐らく、私はものすごく能力が高くて、才気活発な子どもさんにとっては、いろんな能力を伸ばせていい環境になってるのかもしれないけども、50%の子どもさんは、このまま放置されようとしてるっていう、そういう教育を文部科学省がやってるんですよ。これ、だって全国の数字がこうなんだもん。島根県だけが50%で、全国は80パーだったら、島根県の問題だけど、正直言ってもう49も56も似たようなもんですよ。

 だから、都道府県、全国平均の数字がどうだこうだというよりも、我が国の義務教育は、もう義務教育のていをなしてない可能性があるっていうことを、この数字は示している。我々の子どものときから、私はもう子どもは義務教育終わったけど、自分たちの子ども、自分たちの孫が勉強の基本的なところができないところを放置されたまま、ずっと放置されていくということが常態化してる。少なくともこの数字を見ると、小学校6年生の段階で半分の人たちがその状況に置かれてる可能性が高い。それを改善することが、この全国学力調査を政府がやる意味ですよ。こんだけ高邁なことを言ってるけど、イロハのイができてない。親からすると、先生、これぐらいできるようにしてくださいよっていうところを放置して総合的な学習をやってる、英語をやってる。まあ英語もいいし、総合的学習もいいかもしんないけど、これ放置するのはやめてほしいと思いませんか。その50%、逆側にいたら、たまらないですよ。

 つまり、本当に全国学力調査から学ぶべきことは、私はこのことだと思う。大変高邁で、大変高度で、大変能力の高い人にとっては理想的な、いろんな能力を開花させる高度なことをやられてるかもしれないけれども、一度つまずいたら、はい上がれない、フォローしてくれない、フォローする余裕がないんだ。

 私は、学校の先生を責めては全くいませんよ。学校の先生は一生懸命やって、いろんなことをやらなければいけなくて、そして、こういう子どもさんをフォローする余裕がないということなんです。だからもう本当に、それは学校の先生が辞めていくって、こういうこともあるんじゃないかと。やるべきことをやれなくて、子どもさんのためにやらなければいけないと思うことに手が回らなくて、志半ばで辞めていくって人たちが多いんじゃないか。こういう子どもさんに手を差し伸べることができない自分、責めますよね、多分。そんな環境をつくってる人たちが正さないと。ともかく中教審の会長とかも、全部の委員を首にして、こんなことを、何のための審議会かさっぱり分からん。これもよく分からない。中教審には報告なんかしてるんだろうけど、こんなので、何か、いや本当ね、江戸時代の寺子屋以下だ。何か教育学の大家とか、学んでるんだろうけど、あなた方のやってることは、あなた方が学校の先生にやらせてることは、本当に大家でも何でもない。

 なので、まずは市町村教育委員会にお願いをして、この問題が解けなかった子どもさんに、何で解けないのか、解けるように教えるっていうことをやってもらえないだろうかというふうに県教育委員会に、昨日かな、昨日お願いしました。分かりません。これは小学校の話なので、高校だと県教委が決めてできますけど、多分ほかの授業を削らなければいけないので、できないかもしれません。でも、私は、ほかの授業を差し置いてでも、こういう本当に生きる力ですよ、これ、この計算ができる能力って。高尚、高邁、何かデコレーションのない、本当に体脂肪率ゼロ%ぐらいの必要な力、もう筋肉みたいなもんだ、この能力って。こっちを身につけさせるほうが大事。この問題ができる子どもさんは、何かちょっとね、勉強が進むプリントやってもらえばいいと思うし、ともかくこれを、この問題ができるものとして次々授業が続けられるというのは、苦痛で耐え難いと思う。

 だから、これは、私は、お盆前だったかな、この問題を見せてもらったときに衝撃を受けたんです。頭をかち割られるようでした。このパーセンテージの差じゃなくて、サブスタンスとして、我が国は、デジタル人材とか、日本国政府は言っちゃいけないよ、もう、こんな状況で。この解けてる50%の中の一部の人をデジタル人材にしようってことなんですか。デジタル人材って、みんながデジタルを扱えるようにするんでしょう。理系人材とかって言ってるけど、こんな算数の状況で、何が理系人材だ、デジタル人材だ、STEM人材だと。そんなことよりも、この算数できるようにしてくれよと、親からすると、おじいちゃんおばあちゃんからするとね。だから、本当に世の中おかしい。ともかく教育を、学習指導要領を抜本的に見直してほしい。いや、それはできる子どもさん方に機会を与えるために進度別指導とかね、そういうもの入れなければいけないんだったら、もう入れたほうがいいと思う。みんなができてない、習得できてない子どもさんを習得できてるものとして放置して、次から次へと単元を進めていくみたいなものの弊害がここに出てる。この子どもさん、これできないままで、あなた、一次関数も二次方程式も解の公式もないと思うんだよね。

 それは、これで数学の授業に3年間座ってろというのは、それは虐待に近い。そんなことを、中学校でそういう授業をしてくれればいいけど、ともかく、やっぱりこうやって、何のために何十億かけて全員に試験してるんだと。ここで分かったことを生かさないと、お金をかけた意味がないでしょうと。

 もうこの数字が私、この問題を作った人に私、本当に感謝するんだけど、分かりやすいでしょう、整数ですよ。我々がこれ、自然数の世界ね、自然数の世界の四則演算、掛け算と割り算だけど、世の中で使う典型的な、応用問題じゃないけど、算数って実生活でこういうふうに使うんですよという典型な問題ですよ。ひねってない、全く。全くひねりのない、素直な文章問題が日本の小学校6年生の半分解けないという事実から、今の教育課程を見直すべきだと。

 この数字をちゃんと上げれるような時間を確保して、やったほうがいいだろうけど、このことよりも優先すべきじゃないことを削ってでもやらなければいけない。この問題だけじゃないと思います。ほかの問題もあって、これはできないとまずいよという問題ができてないんだったら、その子どもさんがどこでつまずいてるのかをやらなければいけないというふうに思ってます。

 なので、私は、県教委にちょっとお願いしたんです、県教委にね。県教委の皆さんにお願いした。実は皆さんにお願いしたいんです。東京本社の皆さん、いつも何か本当に悪態をついて申し訳ない、こんなときだけお願いして申し訳ないんだけど、ぜひとも文部科学省記者クラブの同僚の皆さんに、この問題を日本の45%の小学生が解けてない。これに危機感は覚えませんかって、多分、大臣は定例会見があるだろうから、永岡大臣に聞いていただきたいんですよ。NHKさんもありますし、東京本社の、東京に本社があって、東京に取材陣を各省庁の記者クラブに人を配置できておられるような各社の皆さんに、本当に、そんなにかかんないですから、この問題を読み上げて、全国の数字だけですから、多分読むだけだったら1分以内ですよ。文部科学大臣の認識をただしていただきたいんです、メディアの力で。メディアの側に与えられた立場を活用していただいて、これって本当に大事なことだと私は思うんです。これをできずに社会に出なければいけなくなる子どもさんは苦労するよ。苦労しちゃうと思う。そして、そのお子さんに、この問題が解けなかったときに教えてあげれないんだよ。連鎖しちゃうんですよ。学校もやってくれないんだから、このままだと。いや、そういうことがないように、親の状況に関係なく、学ぶ機会をちゃんと与えるというのが義務教育の役割なんですよ。だから義務教育が義務教育の役割を果たしてないと思う、こんな状況だったら。当然国民からすると、このために教育、税金払ってやってもらっているのに、こんなこともうちの子どもにしてもらってないって、何かもう裏切りだと思うんだ。

 これ、本当に、じゃあ島根県が頑張れっていうことになるけども、これ、島根県の問題じゃないんだ。島根県の頑張る問題じゃなくて、全体の仕組みがおかしいから全国の数字がこうなってるんだよ。根本が大きく間違ってない限り、こんなことにならないはずだよ。だって、学校の先生が昔よりも左うちわで怠けてるってこと、ないわけよ。もうブラック職場で、なりたくないって言われるほど働いてるわけ。そんだけ疲弊してるのに、こうなってるって、もう仕組みの問題ですよ、仕組みの。全国の数字がこれなんだからね。

 すみません、長くなりましたけども、教育委員会にもお願いをいたしましたが、ぜひ東京本社の皆様方には、ぜひとも御尽力を賜りたく、文部科学省の皆様の認識を改めないと、こんなことをやっていたら、義務教育というふうに称することができない状況になってるんじゃないか。これで小学校を卒業させて中学校に送っていいのか。これで理系人材とかデジタル人材とか、そんなことを国民に求めるのか。それとも、この問題が解けてる人の中からの一部がなってくれればいいと思っているのか。国民はそんなこと望んでないですよ。本当に苦手でなかなかできない子がいるかもしれないけども、つまずくところを直していけば、できるようになります。そういうこと、基礎・基本をないがしろにして、何か自ら考えとか、もう自ら考えっていうレベルじゃないわけだよ、これだと。生きる力に、数的に比較する能力を与えることに教育が失敗してるわけだから、日本の学習指導要領が間違ってる。

 何か、別にそれが合う人たちはいるんだろうけど、合わない人がたくさんいるってことですよ。どっちを重視するんだと。ハードル高くして、あれやこれや、この前も言ったでしょう。高校の日本史の教科書も世界史の教科書も、これぐらい厚い。私の時代は、これを覚えて、ちゃんと頭に入れてればよかったけど、資料の分析能力だ、考える力だとかって応用問題出されて、知識は同じこの教科書全部求められて、さらに違うことまでできなければいけない。要するに勉強しなければいけない量が増えてる、習得しなければいけない能力か増えてると。そんなことをやったら、塾に行かないと、予備校に行かないと、親に教えてもらわないとという、つまり公教育以外の要素、公教育に依存できる状況がないと、平等に争えないでしょ。そういうふうにしちゃってるんですよ。教育が不公平を生むような状況を生み出してる。そういうことにならないようにというのが教育なんですよ、公教育ですよ。何で義務教育が無償なのか。親の資力に関係なく教育を受けれるように、学校の勉強を親から教えてもらわないと、親が教えるのが前提になってるような、そんな義務教育じゃ、義務教育じゃない。学校の中で基本的なことを教えるということに注力する、それで余裕がある時間があれば発展的なことをやればいいけど、基礎・基本をないがしろにして、何か世界で活躍するグローバルエリートを養成するために求められるような能力を一生懸命かこつけて、この掛け算と割り算に苦しんでる、これにまだ到達してない子どもさん方にそんなことを求めて、そして、理解できない算数の時間はそのまま座って、ぼうっと見ていなければいけないという状況を強いてるのは、虐待の可能性があるよね。

 分からない授業に、分からないのを放置して座って聞いてなさいというのは、サイレントな虐待かもしれないね、本当に。そういう状況を直していくために、日本全体の仕組みを改めなければいけないというのが、今回発見した私の、この全国学力調査からの、端っこの、この問題から見つけたんですけど、全体の数字よりも大事だと思う知見です。すみません、長くなりました。

 

○読売新聞:関連して1点だけなんですけれども、県教委へのお願いというところで、県の中では対応していきたいという要望ですけども、それは、どういうことを期待していきたいんですか。その時間を確保して、日常生活に関わるものですね。

 

○丸山知事:大体、どういう、これ白紙の、下にちょっと追加があって、求め方を書きなさいというのは条件に入ってまして、全く書けずに点が取れなかった子も分かりますし、これを、例えば48掛け7という計算をした子も、どういうふうな間違いをしたかというのは、多分分かるんです。全く書けなかったという子どもさんもいる。場合によっては、7割る4というのは、7割る4掛け48をすると、約分みたいなことができて計算が簡単なんだけど、7割る4で少数まで出して掛け算するっていうのが普通だと思うんですね、一つ一つ計算していく。そうすると、割り算のとこで、割り算を間違ったり、小数点がついたやつに掛け算するんで、掛け算を間違ったりというのもあるかもしれません。だから、どこでつまずいているかということをまず、答えを書く求め方のところを見ていただくと、100%じゃないでしょうけど、まあ分かるでしょうと。そうすると、何をこの子にインプットしなければいけないかというところも想像がつくと思うので、だから基本的には一度、学校の先生にこの答えを見ていただくようなことが必要になるだろうと思いますけど、そして、個別の状況に応じて、できていないところを特定して、そこのところまで遡って、割り算であれば割り算、掛け算であれば掛け算、ともかく、いや、本当にこの7割る4ができない子もいる可能性がありますよね。割り算というものを自然数というか、社会のものの中で当てはめるということが身についてないということもあるかもしれません。計算としてはできるけど、実数のものがある中で、それを操るということができてないということだとすると、まずそういうところでしょうし、あとは、48本の重さを求めようと思うと、1本の重さを求めて、それを48倍すればいいっていうふうに考えることができなかったってこともあるかもしれません。間違え方はいろいろだと思いますので、どこで間違っているのか。じゃあ、間違ったところを飛び越えても、次のステップのところでつまずくかもしれませんから、そこでつまずいたら、そこを直してもらうという、そんな形になるんじゃないかと思いますけどね。

 だから、なので、先生がそういう分析をする時間をつくってもらわなければいけない。それは多分ね、どこかの時間を削って、だから、残業でやってもらうわけにいかないので、何かの仕事、何かの授業、授業準備みたいなものをオミットしてもらって、子どもに向き合う時間も要るでしょうから、まず先生が机に向かってもらわなければいけない時間と、実際に子どもさんに向き合う時間と、2つ確保してもらわなければいけないと思うんで、それは一斉に用意ドンとかっていってできるわけじゃないと思うし、何を削るかって話があると思うんで、みんなにやってもらえないかもしれません。それどころか、いや、県知事がそんな思いつきで言われたって、そんなのできないって拒絶されちゃうかもしれません、市町村教委によっては。私は大事なことだと思うんだけど、学校現場のことが分かってないといって一笑に付されるかもしれませんけど、私ができることはお願いすることだけなので、何とかこういうシンボリックな、非常に今の……。いや、私は、本当にこの問題を作った人に感謝するんだけど、本当に日常生活で使うような割り算、掛け算ができてないということがあらわになってるこの問題を、奇貨としてやっぱり直していく。もし同じような問題があれば、これがやっぱりできないと、これは子どもたちが困るだろうっていう問題があれば、それを同じようにやってもらえるんだったら、やってもらいたいなと思います。

 本当は、私が言いたいのは、やっぱり教育課程自体、オーバースペックになってる。学校の先生がこんなにもう疲弊するようなことになっちゃってる、この状況を改善するためには、オーバースペックになってるところを削って、こういうつまずいた子どもさんのつまずきを直す、そのための準備をする時間とか、それを実際に子どもさんに注入する時間とか、そういう時間をつくっていかないといけないですよね。この問題だけできるようになったって仕方がないわけで、同じようなことがいっぱいあるから、やっぱりできない問題を放置してたら、数学とかって、ずっとそこが突っかかったままなので、一次方程式ができなかったら一次関数はできませんからね、二次方程式ができなかったら二次関数はできませんから。数学だけじゃないですけどね。はい、すみません。

 

○読売新聞:ありがとうございます。

 


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp