• 背景色 
  • 文字サイズ 

5月25日質問項目3

3.少子化対策

〇山陰中央新報(白築):ちょっと子育てに絡む関係で、追加でお尋ねできればと思うんですけども、ちょっとまだ報道ベースではありますが、政府のほうが少子化対策として児童手当の支給の対象を広げる方針を示しているというのが各紙だったり各メディア報じられてると思うんですけども、一方で、財源として社会保険料の負担を求めるという案も検討されてると。この点について、知事としての所感だったり、少子化対策の財源確保について国に対して求めるようなことがあれば、伺えればと思います。その財源については、経済関連団体からは、消費税の活用なんかを求める声というのは依然根強くあるわけで、その点も併せて伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

 

○丸山知事:これは報道ベースですけど、社会保険、具体的には多分医療保険だと思いますけど、医療保険に月500円上乗せをする、それは個人ベースですよね、で、同額を企業がということのようですけど、人頭税みたいですよね、サッチャーが目指した人頭税。一人頭幾ら。著しく逆進性の高い負担のやり方なので、適当じゃないと思いますね。要するに一人頭幾ら出せというのは、所得に関係なく求めるわけでしょ。すごい逆進性高いですよ。時代が変わったとはいえ、年功的な給与制度は大分残ってますから、つまり若い人たちも500円、私は高い報酬頂いていますけど、私も500円。何かおかしいでしょう。社会全体でといっても、応益割と応能割というのがありますけどね、利益を受ける度合いに応じて負担をしましょうという考え方と、能というのは能力です、負担能力がある人が負担しましょうという考え方。少なくとも負担能力の高い人にもっと負担してもらおうという観点が、なぜ入ってこないのか。だって、若い人たちが、私たちよりも負担率高いわけでしょう。そういう人たちに子育てしてもらわなければいかんわけでしょう。児童手当なんかだけで子育てなんかできないんだから、大本の子育ての負担をしてもらう若い人たちとかがより高い負担をする、高い割合で負担するという制度って、本当に子どもを増やす気があるのかというふうになるんじゃないかな。だって、普通に考えてね。

 もう一つ、だから、これは、所得水準の話でいっても、若い若くないという話だけじゃなくて、生活の苦しい人から、低所得者からも500円取りましょう、私も500円。それで社会全体で子育てを支えましょうって、何か胸張って言えない。これ要するに逆進性を一体考えているのかと、逆進性がもたらす結果を分かっているんですかと。何かもう、物価も高騰している、生活に欠かせないものが上がっているということですよ。別に高級時計が上がっているとかという話だったら別にいいんだけど、高いマンションが、億ションの値段が上がっているだったらいいけど、日々の生活に欠かせないものの値段が上がって生活が苦しくなっているというときに、そんな逆進性の強いような国民負担の増加策を取るというのは、それで子どもが増えると思いますかと。いや、お金のある人たちが子どもさん10人でも20人でもつくるとかっていう社会を目指すんだったら分からないでもない、もうお金ない人は子育て諦めてくださいみたいなことにならないのか。そういうのが、生活実感がない、生活実感がないというか、将来不安とか、自分たちが子ども、結婚していくということに対して不安がある、十分な給与を得られていないとか、雇用が不安定だということで結婚からためらう。結婚はできても、子どもをもうけようかというところでためらうという、こういう社会状況が、将来不安が少子化を加速させているということが分かっておられない理論なのではないか。

 もう一つ言うと、先ほどちょっと白築さんからお話のあった消費税なんていうのは、もうこれも税でやるとしたときに一番逆進性の高い部類の税制ですからね、何でこんな発想しか出てこないんだと。

 経団連の十倉会長が、多分2度ですよね、たしか、報道で見る限り。2度も社会保険料で事業主負担があるということに対して、けしからんという意味なんだろうと私は受け止めていますけど、消費税で対応すべきだと、消費税も含めて議論すべきだというふうに再三言われています。いや、もうそんなことを言うんだったら、日本の大企業が集まる経団連のトップですよ。法人の中でいえば大企業、大企業の中で地位を極めて、そして経済団体の中で地位を極めた、日本で一番成功した経済人でしょうね。そういう方が何と、例えが適当かどうか分かりませんけど、子どもさんが飲む粉ミルクにもかかる税金を増やしゃいいんだというふうに平然と言われるって、この日本社会もおかしくなってるなって感じがしますよ。私から言わせれば、経団連の会長がそんなことを言われるんだったら、私はもう大企業でもない中小企業の立場から、そして大企業の社長さんのような給料をもらってない人たちの気持ちから言えば、そんなもん、所得税の累進課税を強くするとか、法人税の税率引き上げろとか、そんなことまで含めて考えるべきだって、こっちは言わなければいけない。何を言ってるんだと。生活の苦しい人から税取ればいいんだというふうに大企業の代表、お金持ちの代表と言ってもおかしくないと思うけど、そんな人たちがね、そんな人がそんなことを言うと。せめて何か所得税ぐらいちょっと累進税率引き上げてもいいんじゃないかぐらい言いながら消費税と言うならともかく、生活の厳しい人が一番きつい目に遭う税制をやればいいんだって、一番社会的地位の高い人たちが言うって、もう何か世も末な感じがしますよ。思いませんか。ようそんなことが言えると思って。

 私の負担は軽くしてください、私の会社の負担はしません、日本国民が生活削ってでも負担してくださいって経団連の会長は言っているんでしょ。だから、マスメディアの皆さんも、経団連の会長が日本経済とか日本国民のこと、全体を思って経済全体のことを思って言っているんじゃなくて、大きな企業とかお金持ちの人たちを代表してるんだと思って報道してもらわなければ困りますよ。だって、経団連の会長が消費税をやれという意味って、そういうことなんでしょう。法人で負担はしない、私は別に赤字の企業に負担しろなんて言ってませんよ、法人税。利益を上げているところだから。ついこの前じゃないですか、東証の株価が史上最高値になったの。企業業績、絶好調なんじゃないの。そんな中で内部留保ためてるだけでさ、日本の景気、強くならない。で、消費だと、消費が足りないと言っているけど、消費をシュリンクするような消費税引き上げろなんて平気で言う経済界トップの話を、経済界トップの話として聞くんじゃなくて、大企業集団の親玉がそう言っているというふうに報道してほしいですよね。

 我々、個人消費は確実にシュリンクしますよ、縮小しますよ。個人消費なんか、冷え込んだって構わないと言ってるのと同じでしょう。大きな会社、経団連ぐらいの加盟企業の商売がうまくいけばいいというお考えなんですかというぐらい聞いてほしいですよ、経団連の記者クラブか何か、あるんだろうからさ。そんなことも聞けないんだったら、あなた、記者クラブなんか、もう出ていっちゃえと。どんな了見なんだと。

 いや、申し訳ないですけど、島根県知事、小さな県の知事だけどさ、そんなことを日本の経済界で一番偉い人が平然と言う時代なんだから、それはこっちは逆の立場で物を言わないと、普通の生活をしている人たちの生活が成り立たなくなりますよ。私は怒りを覚えるよ、こんな議論がまかり通ってて。挙げ句の果てに人頭税みたいな1人500円なんて。社会保険、もしかすると、専業主婦などの3号被保険者とかありますよね、それから被扶養者とかまで500円だと、すごい逆進性ですよ。

 私は本当、もう声を大にして言いたいです。応能負担の観点をちゃんと入れるべきだと。法人税の引上げとか、課税の特例で何か税金をまけてもらっているところを縮小するとか、ともかく利益が出ている企業からある程度負担してもらうとか、累進税率をもう1段階設けるとか、所得税、それぐらいして、それでも足りないところをどうするかというのを考えないと、そんな子どもさん、普通の生活をしている人たちが子育てできるようにしないと、子どもの数なんか増えないんですよ。所得水準の高い人たちだけが子どもを2倍にしたって、そんなの日本の人口、子どもの人口、反転しませんよ。

 すみません、何をもって普通と言うかはちょっと数字では難しいけど、一般的な家庭がちゃんと立ち行くようにしてくれないと、それは駄目でしょう。何か利益を上げている法人が知らんぷりするとか、十分な給料をもらっている人が知らんぷりするとか、そんなことで出生数が減ったのを反転させるなんかできないでしょう。知らんぷりするというふうに経団連の会長が宣言してるのと同じですよ。我々の知らんところでやってくれと、子育て負担はね、と言っているのと同じ宣言でしょう。だから、そんなのを受けているから、多分こんな人頭税みたいな、1人一月500円みたいな逆進性の強い財源の割り振りになっている。これ税金と同じですよ。だって社会保険、みんな入らないと医療受けられないんだからさ。みんな負担しなければ、国民負担の一部なんだから。国民負担の代表が税だけど、もう一つ、それ以上に大きいのは社会保険料ですよ。国民負担の増税と同じなんだから、こんなの。国民負担上がるんだ、この分。それを税でやるか料でやるか、技術的な問題。はっきり言って、応能、負担能力の高い人にちゃんと負担してもらおうという考え方が、社会保険料取れないんだったら、まあ取れないことはないけどね、社会保険料って、報酬に比例して負担できる制度あるから。私は所得課税でも何でも、所得課税でもいいし、報酬比例の負担でもいいけど、所得の違う人に同じ負担させましょうなんていう、何かもう律令制度の租・庸・調、一人頭幾らだみたいな、そんな奈良時代みたいなことをやめないと、子ども増えないよ。

 だから、どんなに、私は、給付の関係も言いたいことあるけど、取りあえず長話になったんで、これぐらいにしときます。ともかく負担のしてもらい方というのは、多くの子育て世帯の負担を直接、できるだけ上げないようにする。私は法人課税とかを、こんな上げない、上げちゃいけないみたいな、そんなことでやってるから、法人課税の率が低いと利益が残るわけですよ。だから必要な費用を計上せずに利益出そうとする。だから乾いた雑巾を絞るような単価で納入させたり、そんなことがまかり通って、会社の経営者とか株の配当だとかにがんがん金が回って、普通の人にお金が行かなくて消費が全然盛り上がらないということになっているわけだから、逆に法人課税を上げて、税金で取られるぐらいだったら払うべきところに払いましょうというふうにでも反転させないといけないんじゃないの。何か経団連の会長の言ってるようなことを聞いてたら日本は滅びるぞ。まあ滅びると思いますよ。と私は思います。

 なので、ああいう消費税とか、こういう人頭で、一人頭幾らで所得に関係なくこういう大規模な国民負担を増やすなんていうことは、こんな生活が厳しいときにやるべきことじゃないというのが基本的な考え方。で、負担できる能力のある経済主体に負担してもらうという観点からすれば、それは法人税の引上げとか、利益出しているところから法人税率を引き上げる、それから所得課税の累進の税率をもう1段階設けるとか、負担できる人たちに少し多めに負担してもらうということぐらいお願いしたっていいんじゃないかと。そんなことをしなかったら、本当に子育てしている人たちの、というか、子育てしている方々は、児童手当とかで、ネットで、プラス・マイナスでプラスになるかもしんないけど、それ以外の人たちの生活はどうなるんですか。年金所得者だって、国民年金だけとか、国民年金で満額もらってない人からだって500円取ろうって、そんな魂胆かもしれませんよ、これ。中身分かんないけど。

 だから、本当に生活がみんな厳しくなっている、実質所得が下がっている、生活が厳しくなっているということを知らない人たちがやっている制度設計だと思いますよ。関係ないからね、これを決める人たちとかさ、経団連の会長とかさ、経団連の副会長とかさ。だって生活困ってないもん。車は会社の車だし、報酬は、それは大企業ですから、それは1億円超えたら公表せないかんけど、立派な給料があるでしょう。困らないからね。困らない人たちが決めてるんじゃないか、そんなんでいいのかと。負担の問題は、負担する人たちが負担能力があるかどうかということも踏まえてやんないと、日本経済ががたがたになるんじゃないか。本当に実質所得がどんどん減っているのに、さらに減らしてどうするの。

 それはもう、ともかく東証、私は何か、何指数か知らないけど、過去最高なんでしょう。日本を代表する企業の収益とか、収益見込みが一番いいから数字が一番よくなるんでしょう。経営が苦しいとか、そんなことないんだから、法人税率、少し引き上げるぐらい、それはやったらどうなのって、それぐらいの発想がなぜ出てこないのか、政治の中で。それが理解できない。何で人頭税みたいなことをやるのか。消費税か人頭税かみたいな。ちょっと生活感覚がない案だと思いますよ。

 どうぞ。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp