3月27日質問項目6
6.マイナス金利解除
○時事通信:時事通信の勝又です。よろしくお願いします。
日銀のマイナス金利解除についてお聞きします。
19日に日銀が大規模金融緩和の一環として実施してきたマイナス金利政策の解除を決めました。これを受けて、山陰合同銀行が普通預金の金利を4月から引き上げる方針を示すといった動きもあります。マイナス金利解除決定の受け止めと、あと、地域経済に与える影響についてのお考えをお聞かせください。お願いします。
○丸山知事:物事には全ていい面と悪い面があります。いいことばっか、悪いことばっかじゃない。マイナス金利は金利が低いから、それで住宅ローンとか企業の借入れの金利が低く抑えられるということの効果はありますけども、私はそれ以上に、今日だって、あれだけ昨日、財務省の財務官がむちゃくちゃな口先介入してるのに、もうあっさり、三十何年ぶりの円安更新ですよ。だから、皆さん、私もそうだよ、みんなが一生懸命稼いでいる円の価値がどんどんだだ下がりしてるわけですよ、だだ下がりしてる。海外との比較でいってです、外国通貨との比較でいって。なおかつ、もう一つ言うと、さっき言ってるように、実質賃金が低下してる。インフレが進んでる。名目の物価上昇はあるわけだから、名目に対して減価してるわけですよ。物価が上昇した分だけ通貨の価値は下がる。国内的にいったって、持ってる現金の価値が下がってるという状況です。だから、そんな通貨を買いたいと思わないというのが今の為替市場の状況ですから、持ってたって金利もつかないみたいな状況がこの状況を生んでるというわけですので、やはりある意味特例的な、本当にほかの国でもやってない、伝統的な手法を超えているゼロ金利、マイナス金利、ニアリーイコール円安容認の金融政策というものを改めるというのは正しい選択だと思います。いい、プラスのほうが大きい。
なぜならば、円安のマイナスは全ての家計、全ての事業者が直撃してますよ。輸入物価の上昇を回避できるような家計なんかない。輸入物価の影響を受けない事業者なんていませんよ。消費税が何%上がって大変だという話があるけども、消費税が上がってる以上に輸入物価が上がって厳しくなってる。こんなものをずっと放置して、できるわけがない。
なおかつ、なおかつですよ、何か100万円を1年間で10円だったのかな、それが200円になるから20倍だとかって言ってるけど、要するに高齢者の人からすると、老後のためにためてきたお金が、NISAとか株にでもぶっ込まないと、株にぶっ込むということは、これ値下がりのリスクだってあるけどね、額面割れしない金融資産で金利を得ることができないという状況がこれだけ長く続いてるということは、それはもう金融資産持ってる人からすると、ずっと損をさせられてるのと同じだよ。
だから、それは借入れをしなければいけない家計と貯金を持ってる家計の中でプラス・マイナスはありますよ、ありますけど、金利がつくことでプラスになる家計もたくさんあるし、マイナス金利が解除されても円安が進んでるのは、それは恐らくアメリカの利上げがもっと速いペースで進むと思っているのが、もっとゆっくりになりそうだということで、相対的な金利差の話として円安が進んでるでしょう。そういう意味でいくと、今回のゼロ金利解除をしてなかったらどうなってるかというと、もっと円安が進んでるということですよ。円安が更新してるから今回のゼロ金利解除に意味がなかったというふうに思う人がいるかもしれないけども、それは違っていて、やってなかったらもっと円安が進んでるということですよ。155円とかになってるかもしんない。
私は、やっぱりもうこれだけ為替の影響が国民経済、事業者の経営にマイナスの影響を与えてる以上は、そういう為替の要素を加味して、円安が与える日本経済へのマイナスのダメージを軽減するという明確な意思を持って金融政策をやるべきだと。だから、今のような、もっと進めるということも検討しなければいけないと思う。
事業者の皆さんの資金繰りなどについては、政策金融、制度融資だってあるわけだから、それは、そういうことを別途対策を講じてやっていけばいいということだと思います。やっぱり預金者に金利がつく世界になれば、それはその分だけ金利が上がるのは仕方がない。これまでが極めて恵まれていたということですよ、預金者に金利を渡さずに、お預けして実現してた低金利だから、やっぱり異常な低金利なわけなので、それがずっと長く続くとか永続的な権利だというふうに認識すること自体が、認識としては正しくないんじゃないかと私は思います。それで利息を失ってる人が膨大にいるわけです。その人たちの生活を苦しめてる。金利が上がるという話で事業者が大変だという話はあるけども、その裏にあるのは、お金があっても一切金利がつかないという扱いを受けてる人が、日本人がみんなそうなってるということとの見合いなので、そこは仕方がないというふうに私は思います。
もう一つ言うと、日銀の金融政策の変更の判断は、何か2%の安定的な物価上昇が見込めるからとか、日本経済がしっかりしてきたからだとかっていうふうに、何かそれらしい理屈をつけてるけども、私は、実態として考えれば、もう円安をこれ以上、こんな円安放置金融政策を継続できなくなったということの表れだと思いますよ。ただ、これまで言ってきた理屈があるから、その出口に該当する状況が発生してるというのをうまく作文をして言われてるだけで、とてもじゃないけど、安定的な物価上昇なんてもう、ちょっと言葉悪いですけど、ふざけるなと、生活を苦しめるような物価上昇も、何年も前から発生してるでしょと、何をそんなおとぎ話みたいなことを言ってるのと、私からするとね。
でも、やってることは正しい、理屈はおかしいけど。やっぱりちゃんと、今までのような金融政策を続けていたら円安がどんどん進んで日本国民が窮乏化していくと。その状況を回避するための金融政策の変更というのは、基本的に歓迎すべきものだというふうに私は思います。ちょっと異端かもしれないけどね。以上です。
○時事通信:ありがとうございます。
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