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3月27日質問項目4

4.要請活動
○NHK:NHKの川邉です。

 昨日、すみません、取材の機会はあったんですけども、改めて昨日東京のほうに行かれて公正取引委員会などに要請をされたかと思うんですけども、その要請に至ったところの狙いと、どういったものを要請したか、ちょっと改めてお伺いできますでしょうか。

 

○丸山知事:目下の物価高騰対策の家計としての課題というのは、物価上昇を抑えるということではなくて、物価上昇は仕方がないこととして、それに負けない賃上げを実現をして、実質所得の低下を招かない、そういった状況をつくっていくというのが、政府もそう思われてますし、日本社会全体として取り組まなければいけない大課題です。

 一方で、今の数字を見ますと、やはり連合の集計とか大手企業の集計の数字でいくと5%を超えるとか、過去にない大幅な一発回答の賃上げなり、要求を超える回答も出てるという一方で、中小企業に波及させることができるのかというのが、大企業はできそうだという状況になってるわけなので、目下の最大の課題は、中小・小規模企業に賃上げを波及させることができるかどうかというのが問われてる。もうこの2年間それができてないわけですから、3年連続してそんな状況で、中小企業、または中小企業に勤める方々の生活がどんどん悪化していくという状況を回避するというのが政治の最大の課題なわけです。そういう認識の下で、総理はあらゆる手を尽くして対処していく、法律違反には厳正に対処するというふうに明確に方針を示されているわけですので、今回、3月の7日に判明した大手企業の違反事案を一つの例として取っておりますけども、こういったこと、減額したものを返還はするけども利息は付さない。下請法上、下請法で簡便に調査した2か年分よりも前のところについては、違反がなかったかどうかの確認も、その企業から取れていない。それ以外の勧告対象から外れてる企業で同じようなことがなかったかという確認も政府として取っていない。そんなことでは厳正な対処でも何でもないでしょ。それはどうでもいいんだという扱いをしてたら、下請企業なんかに賃上げが波及するわけない。まして払うべきものを払ってなかったところが、労務費の転嫁をちゃんとやってるのかと。ガイドラインを昨年11月に決めてるわけですから、そういう違反がなかったかどうかもちゃんと確認して、調査したっていいと思うし、最低でも自己申告させるとかということもせずに、その企業の取引先、サプライチェーンの川下にいる企業に労務費の転嫁とか賃上げの原資が回ってくるわけがないということは明らかなので、手ぬるいというか、不十分な政府の対応の状況を十分な対応に格上げしてほしいということをお願いしなければいけないということで、島根県内の企業とか、島根県内に偏った影響があるわけじゃありませんけど、こういったことを放置されると、ほかの企業だって、言葉は悪いですけども、見つかったら、見つかって指摘されたところだけ直しておけばいいよというのが、今のこの3月7日の事案から出てくる最適行動になるわけですよ。そんな状況で違反が自主的に是正されるわけもないし、仮に下請法で摘発されても、そこの部分だけ直して終わりという状況で、幅広い賃上げが実現できるわけがないでしょ。だったら、今の日本社会の最大の課題、日本の政治の最大の課題である中小・小規模事業に賃上げを波及させるということに必要になる賃上げの原資を、きちんとその中小企業、下請企業に渡るような良例になるように、いい例になるように扱う。そして、別にこの企業だけの話じゃないので、これから同じような違反が見つかる企業、または見つからなくても、今そういう違反をしてる企業が摘発されなくても直していくとかということにつながるわけですよ。一事が万事、その一事を適当にしたら万事なんかできるわけがない。

 私の座右の銘は「積小為大」だけど、小さきを積みて大をなすんです。中小企業に賃上げを波及させるなんていうのは大事業です。簡単なことじゃない、大事業だ。そういうときに、そんなことだって、ちっちゃなことをやらなければいけないのに、ちっちゃなことをちゃんとやらなければいけないのに、今回のやつは大きなことだ、大きな企業。大きなこともやらないんじゃあ、できるわけがない。なので、本気を出してやってくださいというお願いに行ったところです。

 

○山陰中央テレビ:すみません、山陰中央テレビの安部と申します。

 昨日行われた知事の賃上げの要望についてですけども、すみません、ちょっと改めてですが、実際、その要望をされた4つの省庁であったりというところから、どのような回答があって、それに対して、やはり知事は、その回答についてどのように受け止められたかというお考えをお願いできればと思います。

 

○丸山知事:一般論として大事なことですねぐらいの話が返ってきたぐらいの話ですよ。個別の、4つほど項目上げてますよ。金利を付して払わせるべきだとか、過去に遡って調査をさせるべきだ、ほかの事業者に同じようなことがないかどうか調べるべきだ、こんな減額しているような会社がちゃんと労務費の転嫁に応じていたかどうかということについて特別調査すべきだ。個別の項目についてやるやらないと、それはやるとかやらないとかという答えはされなかったですよ。

 

○山陰中央テレビ:実際、今回、日程も調整されて要望したというふうに伺いましたので、なかなかそういう具体的な回答がなかったのはもちろんかもしれませんが、やはりそうした十分な回答が得られなかったという、そうした個別のところに対して回答がなかったということはしようがないと。

 

○丸山知事:ないです、ないです。ないですね。それは全くないです。

 総論賛成、各論不明みたいな感じ。総論賛成、各論不明みたいな感じ。

 だから、満足のいく回答を得られたかという意味でいくと、得られていないというのが正しいです。

 

○山陰中央テレビ:なかなか、今後これがどう進んでいくかというのは、いろんな過程があると思いますけれども、まずどういうところから進んでいくことを知事としては望まれてますでしょうか。

 

○丸山知事:まず、こんなことを島根県知事が言ってるようじゃ、終わりなんだよ。補足すると、こんなことの指摘ぐらい、日産の報道の一番最初のときにマスメディアがすべきような報道の内容だと思うよ。そんな勧告がありました、日産はこう言ってます、言葉は悪いけど、そんなんもう、公表物の要約筆記みたいな世界だったら、言葉は悪いけど、私だってできるよ、そんな新聞記者の、テレビもおられるけどね。それは私ができる仕事だと思うけど。マスメディアとして問題にしないって何でなの。何でなの。昨日ぶら下がりしたけど、別に報道するのは1社だけでしょ。要するに支局で発信できるのりを越えてるから仕方ないんだろうけど、結局、マスメディアが別に、マスメディアとしても別に問題視してないんだから、物が進むわけないわね。まずマスメディアの皆さんが別にどうでもいいと思ってるからですよ。私はそういう意味では、東京のマスメディアの教育をせないかんと思ってる。できないけどね。こんなことを放置してたら、日本経済全体、よくならないです。だから、日本経済全体がよくならなくていいというふうに日本のマス、マスというのは全国的な報道媒体、そう思われてるということなんでしょう。だから、そこら辺を改めないと、別に私が何をしたところで、政府は馬耳東風でいいわけですよ。報道もされないし、何もやってないと同じだから。島根県内で一部の報道機関が報道してくれて、ああ、島根県知事、こんなことやってんだというぐらいの話で、何か霞が関の歩道で自転車がこけたのと同じぐらいですよ。何も、馬耳東風で済ませる話になっちゃってる。それを、言葉は悪いですけど、マスコミが中小企業とか小規模企業を見捨ててるからでしょう。別に中小企業とか小規模企業に賃上げなんかが波及しなくたっていいと思ってるんでしょ。それよりも大きな企業から、広告費だかCMだか分かんないけど、そのお金もらったほうがいいと思ってるってことなのかなというふうに私は思いますよ。

 

○山陰中央テレビ:ただ、そうした中でも、知事としては、先ほどもおっしゃってましたけども、一事が万事ということで、島根県知事のやる仕事ではないと御自分でも認識されながらも、やっぱり例のこういうケースを改善していくために自ら要望されたということでいいんですね。

 

○丸山知事:そうです。でも、私からすると、何かマスメディア、全く興味持たず。東京での取材をされたのは地元紙と地元ブロック紙、2社のみ。だから、東京ベースの報道に乗るような話じゃないわけです。

 この県政記者クラブの皆さんは、昨日の夕方も出てきていただいて、今日も聞いてもらってますけど、何かどうでもいいと思ってる人が多数だったら、どうにもならないでしょう。だから、言ってるけど、中小企業だって、中小企業の団体だって真面目にやんないと、そんなの損してる側が黙ってたら、そんな原状回復なんかしてもらえないよ。当事者が取引停止をそうやって言えないんだから。言えなくて、これまで放置されてきたんだ。何十年にわたってやってたという報道だってあるよ。何でそんなことを正せないかって、対等じゃないからだよ。だって、その会社の部品を納入することを前提に設備投資をしてきてて、何十年も償却しなければいけない機械を入れておいて、それで翌年受注ゼロだったら会社潰れちゃうよね。それが怖いから、多少のことされても黙らざるを得ないという、そういう状況にいる人たちのことをかわいそうだと思う人がいないからだよ。下請だから、中小だから仕方がないでしょって見捨ててるってことじゃないか、みんなが。だからこんなことになってんだよ。そんなんで世の中よくなんないでしょって言ってるのよ。と私は、愚痴っぽくなるけど。

 要するに誰も問題だと思ってないんでしょ、報道しないじゃないですか。だって、金利払わないっていうぐらい、何でなんだって気づくよ、普通。その前どうだったんだって気づくよ、普通。申し訳ないけど、それぐらいの文章を読んで疑問を持つぐらいの能力は、私は、マスメディアの皆さんは難しい入社試験通ってきてるからあると思うけど、気づいてるけど、気づかないふりをして仕事をしてるってことだと思う。それはなぜかというと、現場にいる人が悪いからでも実はなくて、そんな記事書いても、どうせデスクのとこで、これ記事にできないといって潰されるから、無駄な仕事になるからやらない。そういうことの積み重ねなんじゃないですか。

 いっぱいCMをもらってる、広告料をもらってるところを相手に、その会社をくさすようなことを、公取が言ってるんだったら、それ書くけど、それ以上のことは書かないって、何か心に決めてるんじゃないの。その状況をどう打破するかって、私はそれで答えは持ってないけど、少なくともそんなことを続けてたら、中小企業に賃上げは波及しません、波及できません。ましてや政労使会議を地方単位で開いて、地方の経営者の意識啓発をしましょうなんて、もう本当にちゃんちゃらおかしいよね。そんな、人も採れなくて、賃上げしたいのに、県内でも大きなところはできてる。さらに開いて人が採れなくなってる。企業経営としてはよく言われる、防衛的な賃上げをやるって。何回もやってきてるけど、防衛的な賃上げだって継続的にやろうと思ったら原資が要るわけです。

 そういう、だから、どうやって打破するかって答えは、私は今持ってないけど、言いもしなかったら絶対直らないから、黙ってたら直らない。黙ってては直らないので、黙らずに、ちゃんと正論を言っていくってことを、取りあえず繰り返すしかないなというふうに思っていて、つまり、でもこれね、最後は答えが出るんですよ、はっきりと。だって、物価上昇率も数字が出るし、賃上げの率だって、毎月の勤労統計調査かな、数字が出るから。連合が出してる集計数値なんて、そんなの一部の企業の集計だから、マクロの数字じゃないから、マクロの数字はちゃんと最後出ますよ。実質賃金が上がったか下がったかは政府の統計でも出るし、島根県も県別で統計を出してます。なので、掛け声倒れで終わるかどうかというのは結果が出るので、今年も掛け声倒れで終わったけど、どうするつもりなんですかというふうに言っていくしかない。本来であれば今年のうちに片づけたいけど、政府はそんな動きはしてませんわね。でも、これは基本的に数字の問題だから隠せないんですよ。数字で出る。2年連続実質賃金減ってこの前、報道で出てたけど、3年連続実質賃金減。結果が出なかったことは結果が出なかったって出るので、ちゃんとやってくれというふうに言い続けていくということじゃないですかね。

 諦めてませんけど、もう少しこういう問題意識を持って、意識を持つだけじゃなくて、言うだけじゃなくて、行動する人がいないと何ともならない。言うだけだったら誰でもできるんだけど、行動しなければいけない。あらゆる手を尽くす、厳正に対処するというのは、作文の問題ではなくて行動が問われるんです。それは言ったからやったことになるわけじゃなくて、言ったことをやってるかどうかが問われる。そういうことを問うていくというのを地道にやるしかないということですね。私は、だから総理の発言も確認して、言ってることを言ってるとおり行動してくださいと言ってるだけのことです。だから、やってくれる可能性は、普通だとやってくれるはずなんだけど。

 あともう一つは、こういう大きなことというのは、一回要望に行ったから、はい、やりますってならないんですよ。ならない。でも一回勧告しちゃって、言ってみりゃ、軽いおとがめで済ませてしまったわけですよ。私からすると、一回ミスってるわけ。それを間違ってましたって認めるのは、行政組織は難しいの。でも、改めるにしくはなし。こんなので利息も払わなくていいでしょなんていうお裁きしたら、それはもう話になんないわけだから。誤りを認めて、何でもいい、勧告でできないんだったら行政指導でいい。報告を求めて、全部調査できないですよ、公正取引委員会だって人員の限界はあるから、何十年も遡ってとか、その全ての取引業者に対して調査をするとか、そこだけに構ってるわけにいかないから限界がある。そうすれば、やっぱり監督官庁から、ほかはどうだったのかということをちゃんと調べて報告をするように。で、違反が見つかれば直ちに是正するように。で、利息を付すように働きかけるんですよ。それは強制性がないからできないという理屈は通じなくて、行政指導というのはできる。行政指導は強制力がないけど、働きかけることはできる。それをやらないというんだったら、やらないという回答をしてきましたというふうに世に公表すればいいんですよ。ここは利息を払わない会社だというふうに会社が判断するんだったら、ここは利息を払わないと言ってますというふうにちゃんと世にさらせばいい、世に問えばいいんですよ。だって上場企業だよ。上場基準に抵触してないのかという話だって出てくるんだぞ。こんな会社が公正な事業をやってると言えるのかと。

 フェアトレードなんです。公正取引ってフェアトレードね。フェアなトレードしてない会社が、フェアな事業をしてると言えるのか。日産は、絶対に逆の立場、支払い遅延を受けたら、必ず法定利息は、約定してる金利があればその金利、定めがなければ法定率を掛けて請求するはずですよ、請求しなかったら会社に損害を与えてることになるから。人に対してやることを、人に対して求めることを、逆の立場になったらやらないって、フェアじゃないよ。公正でも何でもないよ。本当ね、そんなことを固有名詞言わないけど、そんなことをする会社は、もう本当、SDGsのバッジ、本当、外せと。その資格ないだろうと、そんな、何かCSRとか、社会的責任とか、そんなの全て会社のホームページから落として、有価証券報告書とか分かんないけど、自分の会社のIR資料からも落としてくれと。そういう、自分で自己点検してもらって、その結果を明らかにする。それで、その会社のありようをちゃんと考え直してもらうと、それでいいのかと。

 普通は公正取引委員会の調査って、もっと前から入ってるから、勧告がある前に、ずっと前から調査を受けてる。だから、勧告を受けた時点で、ちゃんと調べて、ほかはありませんとか、これ以外はありませんとか、そういうふうに言うのが普通ですよ。そんな知らないところで警察が捜査してて、横領事件を摘発したとかっていう、そんな話じゃないんだから。公正取引委員会が調査してるんだから。勧告を受ける前提で何か月、1か月か2か月ぐらい、多分、その時間はあったはず。やってないと思う。勧告が出るって、それは1週間で勧告なんか出ないですよ。公正取引委員会って、委員会開かないと勧告なんかできないんだから。

 すみません、話が長くなりましたけど、要望に対して十分な回答が得られたという認識はありません。これからどうやっていくかというのは、まずは、先ほどちょっと申し上げたように、すぐに、はい、やりますというふうに言えない事情もあるかもしれない。なので、まずは今後の対応を見守る。それで全く改善が見られないようであれば、次に何をするかということを、またそのとき考える。諦めないということです。

 

○山陰中央テレビ:ありがとうございます。

 


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