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2月8日質問項目2

2.島根創生計画
○山陰中央新報(白築)

 本年度、来年度、2024年度が島根創生計画の最終年度になるかと思うんですけども、策定後も県内の人口減というのは、自然減だったり社会減で加速をしてまして、昨年だと8,000人ぐらい人口が減ってる状態なんですが、計画自体も、コロナもあって4割ぐらいの達成にとどまってるところがあって、来年度、見直しの作業に着手していかれるわけですけども、今の現時点での知事の見直しに向けてのお考えというか、そういったところを伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:私は、すごい大きな見直しを基本的には想定してませんで、大きな見直しを想定してません、取組の方向は間違ってないと思いますので。ただ、実質賃金が2年連続、厚生労働省の毎月勤労統計かな、のデータでいきますと、一昨年が1%減、実質賃金ですよ。昨年が2.5%減です。だから、これ全国平均ですからね。全国平均ということと、大企業と中小企業を全部平均してということになりますから。賃上げが大企業のようにできてないところというのは、この数字よりも、もっと厳しいわけですよ。足すと3.5だけど、2年目で3.5だけど、5下がってるとか6下がってるって人がざらにいるという、そういうことが起きてるわけですから、可処分所得が減っている、そういう意味での生活を含めて将来不安があるということになれば、やはり結婚しようというところからの躊躇、また、結婚しても子どもを持てるかどうかっていう意味での躊躇、もう一人って思えるかどうかという躊躇、これは申し訳ないですけど、島根県の島根創生計画で何とかなる話じゃないんです。それぞれの地域の努力の問題ではなくて、マクロフレームを変えてもらわなければいけない。それは、島根創生計画に書き込むような内容じゃないですけど、そういうことの改善に力を入れていかなければいけないという思いです。5年前と比べて何が違うかって、そこです。ミクロでの頑張りが足りないから結果が出てないという話のフレーム自体が間違ってるんじゃないかと、大きなフレームが、頑張ってもなかなか結果が出ないフレームになってるということは大仕切りの仕組みを変えてもらわないといけないという、そういうことだと私は思ってます。

 だって、賃上げの原資が回ってこないのに、賃上げしてくれって言われたって、できるわけないでしょ。政労使会議、政治と労働界、経団連の会長と連合の会長が会ったって仕方がないでしょう。そこの問題じゃないんでしょ。経団連の傘下に入ってないところ、連合、労働組合というか、結成できないようなところの賃上げができてないのに、部外者の人たちが何か会議やって賃上げが進むなんて、ちゃんちゃらおかしいですよね。あなた、もうそこはできてるでしょ、大企業の賃上げはできてるんでしょ。それ以外のところが課題なのに、言葉悪いですけど、部外者の人たちが集まって会議やったって、賃上げなんか進むわけない。どっちかというと、そういうピント外れなことが進んでいて、それで何か問題が解決するかのような、何かそんな雰囲気が醸し出されてますけど、改善するわけがないわけですよ。なので、マクロフレームを改善してもらわなければいけない。

 ちょっと長くなりますけど、何で今頃、新聞で話題になってるか分からないけど、こども・子育て支援金、500円とかっていって、前から言ってる、そのとおりになってるだけのことじゃないですか。今頃になって何か騒いでるのはちゃんちゃらおかしい、前から言ってるのに、何、今頃騒いでんの。前からやるって言ってて、そのとおりになってるだけのことでしょう。

 しかも、歳出改革と賃上げで実質的な負担は発生しない。もう理屈が分かんない。総理大臣が言ってることが理解できない。賃上げって、多分名目の話だと思います。名目で上がるから、国民負担の一部であります社会保険料負担がちょっと上がったところで大丈夫じゃないの、負担が生じない、全体としては生じない。

 これね、ちゃんと役人が作ってる文章なんで、「全体として」というのは何かというと、マクロで、つまり個々人では違うかもしれないけども、平均でやると増えることにならないんじゃないかという、そういうロジックだと思いますよ。つまり、それは個々の人について保証するわけじゃないってことです。平均でやると。だから、賃上げが高い人は全然余裕。でも、賃上げの水準が低い人は、平均値より低い人はマイナスになるかもしれないっていうことを含意してます。

 もう一つ、賃上げが名目で語られてるんだとすると、それはもう詭弁なわけですよ。実質賃金、マイナスなんだから。この2年間、賃上げが進んだというふうに言われてますけど、もう実質賃金マイナスの世界で、賃金が上がると、名目で上がってるからいいでしょって言うこと自体が論理破綻してるでしょ。だから、国民負担は増えるわけです。私は、どう理解しようと思っても理解できないわけです、総理の答弁はね。そんなことを総理に言わせてる人が誰か知らないけど、明らかに間違ってると思いますよ。負担が増えるけども、子育て支援をやっていこうという話のはずなのに。だって、実質賃金、マイナスなんですよ。賃上げなんかで、賃上げ、今年はマイナス2.5だったやつをプラスにできるめどが立ってると思えませんよ。3年前と比べたら、もう3.5下がってるんだから、単純で、平均でいったって。賃上げが進まなかった事業所の人からすると、5とか6とか下がってる可能性がある。だから、国民負担が増えるわけです。でも、増えるとは政府は言わない。おかしい。説明が破綻してると私は思う。その破綻してる説明を総理大臣にさせてる政府、おかしいと思いますよ。

 こんなことは、総理大臣が国会議員の前で、予算委員会で聞かなくったって、皆様の本社の人たちは、大臣相手に、週に1回ぐらい記者会見あるんだから、聞くことができたけど、予算委員会で野党が聞いてくんないと聞かないから、こんな時期まで、法案ができる、法案提出かな、もうちょっとしたら。なぜこんなことを、もう半年前から分かってることを、何を今頃、こんな政治のネタが盛りだくさんのときにやってるんだろうと思いますよ。もう政治欄足りないぐらいでしょ、お金の問題、旧統一教会の問題、派閥の問題。もう紙面が足りないじゃないですか、ちゃんと仕事しないから、皆さん方が。あ、皆さん方の本社ね。と私は思う。

 何か当初予算の発表で、あんまり明るい話じゃないけど、私は頑張ろうと思ってるところです。そういう地合いの悪さを直していかないと、島根県民の努力が足りないとかって話じゃなくて、全体のフレームを直してもらって、我々の努力が結果に結びつくような、そういう社会システムに直していってもらいたい。

 為替を、この円安放置を早くやめてもらうってことも含めて、もうインバウンドでちょっと人が来るとかっていって喜んでて、そんなことで、インバウンドで恩恵受ける人なんて、ごく僅かですよ。円安で輸入物価が上昇して、実質、消費税アップと同じような目に遭ってる人たちが日本中、日本国民みんなそうなってるのに、インバウンドで人が来て、何かドラッグストアでいっぱい薬買っていくとか、何か東京、大阪のデパートでいっぱいブランド品買ってたとか、何の足しになるんですかと、そんなものが。ブランド品なんて、どこに行くのって、海外に行っちゃうんでしょ、お金が。だから、そんなもん、円安で日本をたたき売るような、そして日本国民の生活を苦しめるような円安放置を、もうゼロ金利政策とか量的緩和を継続してずっと続けてるようなことを改めないと、日本の家計とか日本の事業者が豊かになるわけないわけですよ、と私は思う。そんなことを議論してほしいんだけど。

 あとは能登ね、能登の復興だって、道路が壊れたからアクセスが難しいっていったって、もう1か月もたってるのに、何か1か月前と風景が変わんないって、輪島とか珠洲の人たちは言ってるって、それを何とかするのが国会とか政府の仕事だと思うけど、今、予算委員会でやってること、何ですかって、あれ。という感じですので、そういうベースとなる地固めを日本社会全体でつくってもらう、日本の政治、日本の行政でやってもらうってことを具体的に提案しながら求めていかなければいけないというふうに思ってます。

 もう一つ言いますと、日本不動産研究所のデータでいくと、東京23区の平均のマンションの売出し価格、2023年で1億円超えてるんですよ。皆さん、もし東京に戻ったって、なかなか23区のマンション買えませんよ。1億円ですよ、1億円。23区ですからね。港区、中央区とかじゃないですよ。そんなところに人口を集めて、人口が増えるわけがないでしょう。人口のブラックホールに人口を集めてどうすんのっていうこと。だって、もういの一番の政策課題だけどね。そんな感じです。

 なので、島根でできる努力をきちんとしていくっていうことと、我々の努力が成果を結ぶような、そういう日本全体の仕組み、社会の循環というか、経済の循環をつくってもらうということを両方努力していかなければいけないという感じです。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 創生計画、大幅な見直しは想定してないというふうにおっしゃったんですけども、この間で、より可能性を感じて、ここをさらに強化していこうというか、そういったところがあれば、併せて伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:いや、予算は固めたけど、島根創生計画の見直しはこれからですから、それは決まってません。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 


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