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8月4日質問項目1

1.新型コロナウイルス感染症

○山陰中央新報(白築):山陰中央新報社です。よろしくお願いします。

 コロナ関連で幾つか質問させていただきます。

 全国知事会の平井会長らが先日、政府に対してコロナ感染者の全数把握の見直しを要請していらっしゃいます。政府分科会の尾身会長らも同様の旨の提言もされてます。島根県はこれまで全数把握、ずっと続けていらっしゃいますが、改めてこういった知事会だったり専門家の動きを踏まえて、知事としてのお考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:全数把握の見直しという言葉が乱れ飛んでおりますけども、報道機関の皆さんも含めて理解が不十分であります。平井会長が言われているのは、全数把握自体は実施して、その報告事項なり事務の簡素化をやるべきだという要請をされておられますので、平井会長がおっしゃっているのは、全数把握というよりは、把握はするけども、そこで聴取する内容なり厚生労働省に報告しなきゃいけない内容の簡素化をしていこうと、していくべきだという中身なので、全数把握を行う必要がないというふうにおっしゃっているわけではないと思います。ただ、全国知事会において、全数把握自体をやめるべきだという意見も一部にあったと、発言された方が複数おられたという記憶はございますけども、平井会長がおっしゃってる、政府に対して申し入れられた内容というのは、全数の把握自体は基本的に続けていくという内容であるというふうに理解いたしております。

 尾身会長の話も、何かよく分かんない話ですけど、どうかな。どの紙で見ればいいか・・・。全数届出情報に依拠した種々のデータ収集とは異なる新たなサーベイランスの早急な構築が必要という、お役人文言で書かれてますから、何かよく分かりませんけどね。まあ、そうなのかもしれません。でも、まず根本的に間違っているのは、全数把握が要らないというふうにおっしゃってる方々は、感染者が行動することで感染者数を増やすという感染症の基本的な理解が欠如している、基本的なことを押さえてない。我々が県庁の6階で人を動員して、県庁職員を動員してやってますのは、結局のところ、早く個別の方に連絡をして行動制限、自宅待機なり入院が必要なら入院という判別をして早期に対応していくということ、まずは治療をするということ、治療の必要な方にちゃんと自宅療養ではなく治療をしていく。自宅療養していただく方に自宅で御家族、同居家族がおられるのであれば、同居家族に濃厚接触者として自宅待機をしていただくということも含めて、それ以上の感染を防いでいくということ。これを、例えばPCR検査で陽性が出たらそれをやるもんだというふうにほうり投げてしまう手もあるでしょう。役所としてアプローチしないという手もあるかもしれませんけども、これはある意味、無償の協力を、行動制限してもらう、仕事を休んでもらう、自宅で待機してもらうということを含めて、そういうことをきちんとやはり行政から一個人たる県民の皆さん、感染者の方にお願いをするということが様々な、事実上の自宅隔離といったことを御自身でやっていただくということに、行政として協力をきちんとお願いをするということが実効性の向上につながるというふうに思っておりますので、これはできるだけ実施すべきものだと私は思ってます。

 定点観測なんてやったらインフルエンザと同じになるんですよね。インフルエンザだから、絶対自宅に待機しなきゃいけない、症状が悪くなるまでは別に外に出たっていいだろうというぐらいの感じでしょ、インフルエンザだとしても。そんな状況において、この感染が拡大して大変な状況になってるときに、より感染を拡大させる状況にかじを切るなんていうのは、私からすると、ちょっと信じられない発想なわけです。

 2類から5類という考え方もそうです。5類にしたから診てくれるお医者さんが増えるんですか、治療薬ができるんですか、病原性が低下するんですか。何も変わらないのに公費負担を自己負担にするとか、ちょっと私は理解できない。単純に2類、5類と言っている方は、ほぼ知事会等ではおられないと、行政に携わる方の中ではおられないとは思いますけども、ともかく私の認識は、基本的に我が国の第7波の対応がやはり基本的に第6波を大幅に超える感染拡大が生じて、今のような状況が発生するというふうに想定していなかったということが根本原因で、今いろんな混乱が生じているのであって、要するに明らかにBA.5というのは国内よりも先行して国外で感染が拡大していて、恐らくデータも、国立感染研とかでは取れたでしょう。国立感染研の所長がいろんな会議に入ってますよね、当然厚生労働省の関係機関だから。そういったデータがありながら、より感染力が強いと言われながら、こんな状況が生じるというふうに、必ず生じると断定はできないと思いますけども、こういった事態にも備えなきゃいけないということの想定を置かないような対策に政府は終始しているというところに今の混乱の原因があると思います。

 したがって、私からすると、この尾身会長の記者会見に座っておられた感染研の所長さんとか、何か政府の対応がなってないという趣旨の記者会見を皆さんでされたんだと思いますけど、どの口が言うのかと、あなた方が言うかと。そもそもこんな状況になってしまってることに対する責任を、あそこに並んでる人たちは負ってますよ。それを一言も言及せずに、政府の対応がなってないとか、そんなことよく言えますねと。

 そんな、これからああすべきだ、こうすべきだって議論は必要だけど、あのメンバーが言われるのであれば、この状況を想定できなかった、またはこれに対する回避措置を十分に提言できなかった、その主要メンバーでしょう。常に政府の政策が変わるときに、専門家有志がこういう提言をするようだといって、それによってアドバイザリーボードで議論されて、分科会で議論されて政策になってきた。でも、政府の対策を議論する、その中核になってきた。だから、普通、専門家有志なんて、何とか有志なんて、マスコミは相手しませんよ。ねえ。だって、正式な機関じゃないんだから。でも、事実上それを引っ張ってるということは分かってるから、常にメディアの皆さんもウオッチしてこられた。そういう有識者の中でも中核になってる人たちでしょう。恐らくその一番最初に表に出てくる有識者の提言という前に、私の役所の経験で言うと、政府側とすり合わせて、そういう実現が可能かどうかということをある程度打合せをしてこられるような中核のメンバーの方々でしょう。そういう方が今起きてる状況、これを回避できなかったのか。こういう状況に至っているということに対する反省もなく、ああすべきだ、こうすべきだ、政府の対応がなってないと、一蓮託生でやってきた人たちが、何か責任逃れをするために仲間割れしてるみたいな感じにしか見えないので、中身を真面目に見る気が起きないというか、ちょっと不誠実だし、ちょっと責任感が欠けてるんじゃないかと。そんなものを……。

 もう一つ申し上げると、日本記者クラブって、何かちゃんと取材してる人たちが、ちゃんと質問できるんでしょ。何をああいう人たちが偉そうにそんなことを言ってるのを垂れ流してるんだと、あんた方は責任の一端を感じないのかということの一言ぐらい聞いてるのかと、記者クラブの偉い方々は。と言いたいぐらいです。

 ついでに申し上げると、いい内容も入っているんでしょうね。入ってるでしょうけど、頭に入ってこない。あなた方が先に、冒頭に、最初に言うべきことは、この状況を阻止できなかったことに対する反省の弁からではないかと。そういうことを引き起こさないために、自分たちとしてはこうしていくとかという、そういう姿勢からでないと、もう相手にできない。さんざっぱらこんなことを繰り返していて。もう、だってBA.5がBA.2よりも感染力が強いということは言われてた話。こんなことがなぜ想定できなかったのか。いや、少なくともそうなる可能性があるから、二枚腰で、想定を超えていくという可能性もあるという対応をすべきだぐらいは言えたでしょう。何で最初から行動制限なんてないと見出しが載るようなことを、感染拡大当初に、その親分である尾身会長が言われるのか。

 必ずね、尾身さんは役人出身だからちゃんと保険を掛けてあって、現時点ではというふうにちょろっとつけてあるでしょ。つけてあるけど、見出しは行動制限は必要ないとなるわけです。それに対して多分抗議もしなかったでしょう。だって今、まさに4学会の連名の表明。通常であれば受診をする人たちに、こういう人たちは4日間家にいてくださいと。まさに行動制限ですよ。受診抑制を求めてる。普通の状態だったらできることをしないでくれというふうにお医者さんたちが言っている、そんな状況が起きてるわけでしょう。役所が言ってないだけで、国民からすれば同じですよね。通常できることをしないでくれというふうに言わなきゃいけない事態が生じてるというのは、役所が言ってないだけで、結局のところ、役所は御自由にどうぞ。でも結局、職場単位で医療界がとても回らないからこうしてくれというふうに言わなきゃいけない状況になってるということは、混乱の極みですよね。恐らく皆さんね、今、よく言われているように、感染者が増えて、子どもさんが感染して面倒見ないといけないので出勤ができない、また、御自身が感染をした、または御自身が濃厚接触者になったということで出勤ができないという方が増えていて、簡易郵便局なんですかね、郵便局が閉まったり、病院が感染で出勤ができないからといって百何十人、沖縄は相当数の、コロナを担っている医療機関で大変たくさんの医療従事者が出勤できない状況になっていて、つまりはそれは、受入れができる患者さんの数が減っている。つまり自由にどうぞ、何の制限もしてません。

 この尾身さんの提言のすごいところは、一人一人の主体的な行動で乗り切っていこうと。だから、主体的な行動だから、感染するのはあなた方の責任ですよと言ってるのと同じなんですよ。でも、エアロゾル感染は、もうね、国立感染研究所も認めてる、これは要するに準空気感染ですよ。エアロゾル感染を個人の注意で、医療用マスクもなくて防げるわけないでしょうがと。どうやって一人一人が主体的にやって感染を防げるんだと。責任丸投げじゃないかと、国民に対して。という、もう混乱の極みなわけですよね。

 長くなるけど、やはりもう何をもって行動制限とするかって、これはいろんな人によって取り方がありますよ、全数把握と同じで。みんな体系的に使っちゃうけど。本当に行動制限なしで、もう行動制限が手後れになってる可能性もあるけど、行動制限を選択肢に入れないというやり方がよかったのか、正しかったのかということが問われざるを得ない、責任が問われざるを得ない状況じゃないですかね。

 つまりは、私から申し上げると、政府の言い方が、最初はウィズコロナ、感染拡大防止と社会経済活動の両立って言い方をされていた。それは確かにウィズコロナでしょう。でも、途中から前回の基本的対処方針の見直しのところではっきり書かれたけれども、社会経済活動を維持すると、それに対応した対策を取っていく。つまりは、両者は並立ではなくて、社会経済活動の維持を優先するという方針に切り替わって、事実上、社会経済活動を維持するということですから、行動制限をしないということが第一条件に設定されて、その範囲内で対策を取るというふうにされている。今もその方針のままですよね。でも、それがいい結果を招いているのか。

 8月1日にメディアで報道されましたけど、東京、大田区だか品川区の在宅診療を主にされている田代先生というお医者さんが、末期がんで自宅療養されている患者さんが感染されて、そこに伺って、酸素飽和度が84。多分溺れてるような息苦しさじゃないかと思いますけど、そういう方が、救急車は呼べたと、20分で。救急隊が1時間半かけて100件以上の病院に電話をして、搬送先が見つからなかった。これね、皆さん、1時間半って何分ですか。90分ですよね。100件でしょ。割り算すると、1件当たり、どれぐらいかかってますか。0.9分ですよ。54秒、単純に計算するとね。54秒で断られるって、恐らく電話がつながって、コールを鳴らす時間もあるからね、すぐ出てくんないから。コールの時間、病状の説明をする時間、多分即答で、一瞬で断られてるんですよ。一瞬で断られないと百何件って電話できませんよね。だから100件のところが即時に断らざるを得ない状況に、少なくとも東京は置かれてるというわけですよ。これって、医療逼迫という言葉で説明できる内容ですかね。これは医療崩壊じゃないですか。これも言葉の定義だけど。

 4つの学会の提言の中にもあるんだけど、その中には、これ症状が軽い場合は基本的に家にいてくださいと、重かったら診察受けてください。救急車を呼ぶ場合があるのは、顔色が明らかに悪い、唇が紫色になっている、いつもと違う、様子がおかしい、息が荒くなった云々かんぬん書いてあります。こういうときには救急車を呼ぶことをためらわないでくださいと書いてあるけど、呼んだって搬送先ないんですよ。ないエリアがあるのに、こんな提言したって駄目でしょう。救急車がワークしてないんだから。これ救急学会か何かも多分入ってると思うけど、東京の現状を知って、やってんのかね。島根県だと大丈夫だけど、これ、全国通用しませんよ。救急車を呼べる前提で提言出したって駄目な地域がもう発生してるんですよ。

 なので、私はもう正直言って、消防庁が救急搬送困難事案、1週間でどれぐらい、何かね、何件断られたとか、何分以上かかったとか、一定の定義を設けて統計取ってるけど、あれね、救急搬送困難事案だから、さっきのような、さっきの事例は結局搬送しなかったでしょ。搬送しなかったらカウントされないんだよ。だからそんなに増えてないんだけど、過去最高は更新してるけど。要するに困難だけど搬送できたもの以外に、搬送できませんでしたというやつがどれだけ出てるかって分かんないんですよ。だから私はもうね、これ役所が出してる統計をうのみにしてはいけないという認識です。

 私はどちらかというと、多分、田代先生が窮状をちゃんと伝えなきゃいけないと。御家族の、亡くなる前だから、多分患者さんも含めて同意を取られて、残念ながらお亡くなりになられて、恐らく御遺族、御家族の同意を取られて公表された映像ですよ。あれが東京の、少なくとも田代先生が担当されてる、回られてる、そのエリアで起きてる東京の医療の現状、救急医療の現状でしょうね。そのほうがはるかに信用できる。あれがレアケースだと思うよりは、ああいうことがあちらこちらで起きているんじゃないかというふうに想定して対応すべき状況じゃないかと私は思っていて、私はこの田代先生って方はツイッターやられているので、こういう情報発信をしてくださる方なので、私、確認しましたけど、東京都、それから東京消防庁から直接的、間接的にああいう報道に対して情報提供したことに対してクレームが来たということが書かれてますよ。そんな状況なんです。なので、本当、メディアの皆さんも、役所の大本営発表なんぞをうのみにして報道することは本当そろそろやめないと、マスメディアは信用できないというふうに国民から認知される、そういう契機になりかねませんよ。こうなってくると、個別に、実際に現実に処理されてる方の話をちゃんと聞かないと、現状分からないですよね。

 という認識でありまして、尾身先生のおっしゃる話は頭に入ってこない、真面目に見る気が起きない。我々はできる限り全数把握……。私は数えるためにやってるんじゃないんだ。全員を把握するってことです。全員を把握してアプローチするということは、これはできるだけ、それは今の感染の10倍の感染が起きたら対応できないかもしれないけども、できる限り継続をしていくという姿勢でやるつもりです。厚生労働省に報告の必要がなくなっても、我々の保健所の仕事として、コロナ対応としてやる必要があれば、それは続けて、文句言われる筋合いはないので、やっていこうと。兵糧攻めに遭うかもしれませんけどね、いろんな取組についてお金出せないとかって嫌がらせされるかもしれないから、お金の面で断念しなきゃいけないかもしれないけど、嫌がらせされたら、また報告しますよ。

 だって、できるところにやるなと言われる筋合いはないでしょう。やれたほうがいいけど、多過ぎてできないというのは理解できる。ということは、やれないところが別の工夫をすること、それは構わないと思うけど、やれるところがやれる工夫をしていくのを、これをやるなという権限はどこにもないんじゃないですかということであります。

 長話ですみません。もうちょっと簡潔に答えるようにします。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 コロナをめぐる動きでもう1点、追加でお尋ねなんですけども、今、各県、続々とBA.5の対策強化宣言をなされているところではありますが、島根県の状況を見ると、病床使用率がそんなに高くなかったりとか、そういった状況ではないと思うんですけど、改めて確認の意味も込めてですが、県としてはそういう状況にないという知事の御認識でよろしかったでしょうか。

 

○丸山知事:そういうこと、あの宣言のポイントは、私はああいう宣言として制度化されなくても、別に私は必要なことはもともとやるつもりだったので、政府のお墨つきがないとやりにくいということは別にちゅうちょしないので、あまり必要性を私自身は感じてません。でも、政府と都道府県が一体となってやろうとしてるということが、要請を聞いてもらいやすいという環境をつくれるから、ああいう制度が知事会の建議、緊急の提案で実現できたわけですけども、私の場合は、あの制度に乗っかってやるかどうかというのは別にして、特段あれに乗っかっていかないといけない、県内の感染を抑えていくために今直ちに追加の措置を講じなきゃいけないということは、今のところはない。ただ、御承知のとおり、この1週間、今週はちょっとリバウンドの傾向がありますので、その状況はよくよく注視しなきゃいけないと思ってます。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 もう1点追加で、政府のほうが都道府県に無料の抗原検査の拠点を設けるというふうに方針示してらっしゃいまして、島根県はそこに乗らず、既存の施設で対応されるということで政府のほうにも回答されてると思うんですが、改めてこの判断に至ったところを知事から御説明いただければと。

 

○丸山知事:これまでの経過をちょっと振り返ってもらうと分かるんですけど、我々は今、感染者の同居家族が発症してもPCR検査、省略してるんですよ。みなし陽性で、なおかつ検査をしない。つまりPCR検査の資源が限られているので、そこまで、ある意味検査を絞ってる状況です。ある意味、本来はやるべきところを省略させてもらってるという状況ですから、申し訳ないけれども、患者さん、疑似症患者と言いますけど、疑似症患者に対する疑似症が疑似症のままで終わっているのは、PCR検査をしてないからですけどね。そういう扱いを県内で発生させてる中で、旅行する方のために検査資源を割くというのは、それは適当じゃないと。なので既存のものを使ってもらおうと。医療の現場で十分に供給できてない検査資源を、行楽に行く方の安心のために提供するというのは、そんな余裕がないということです。物事の優先順位からして明らかだと私は思ってます。もし心配な方があれば、もともとのところがありますから。

 ちなみにもう一つ申し上げると、候補となるところと調整しましたけど、了解も得られませんでした。もともと要らないと思ったけど、一応聞いてみたけど。言葉はあれですけど、ポーズでしょう、政府の。経済回すと、経済を回せるように頑張ると、頑張れと言われるけど、うちはちょっとそこまで付き合えないと。お付き合いしたいのはやまやまですけど、物の優先順位からすると。だからそこに充てると、その分だけ減るわけですよ。無尽蔵に検査資源があるわけじゃないので。ですから、それは優先順位からして高くないというのが一番の理由です。それをやるんだったら、もうPCR検査の同居家族のほうを復活させれるような状況にならない限りは、そういうところに回す余裕はないということです。

 

○山陰中央新報:ありがとうございました。

 

○読売新聞:読売新聞の林です。よろしくお願いします。

 先ほどもちょっと話ありましたが、県内の感染状況について確認させてください。

 ここ3日間ちょっと、前週との比較でいうと、少し、先ほどリバウンドという言葉がありましたが、ちょっと増えているような感じも数字上見受けられるところだと思います。この要因と、一方で、一時のピークに比べると、やはり少し下がってきてるような、スパンを広げて見るとそういう状況もあって、この2つの視点でそれぞれ理由というのはどう考えられるかなということをお伺いさせてもらいます。

 

○丸山知事:分かりません。それはなぜだか、なぜそうなってるか分かりません。ただ、理由は分かりませんけど、これはほかの知事も、政府も同じだと思いますけど、ポルトガルはBA.5が物すごく感染が拡大した国ですよ。そこは、実は急激に増えて急激に減ったんです。島根県も急激に増えました。ですので、私も、多分政府もそうだと思いますけど、急激に増えた分だけ、急激に減ってくれるんじゃないかと。というのは、左右対称、こっち側とこっち側が左右対称になってくれるんじゃないかというふうに、正直期待をしてましたけど、その期待がちょっと裏切られつつあるというのが分析です、現状についての分析。原因は分からない。つまり、やっぱり感染が自然収束だとそうなるのかもしれませんけど、感染をもう広げるだけ広げて、感染の拡大というのは、いずれは多分、社会免疫なのか、ウイルスの増殖する際のコピーミスなのか、それは何か見方が分かれますけど、いずれは収束していくという、その手順に乗っていけばそうなるのかもしれませんけど、島根県の場合は飲食店の利用に関しての自粛要請だったり、感染者に対する隔離の要請ですね、自宅待機の要請等々を終始綿密にやってますので、そういう人為に感染を広げるだけ広げて収束させていくという対応は取ってませんから、そういった意味では、そういう人為的な要素を入れてるために下がりにくいのか、だから要するに、分かんないですけど、ポルトガルのパターンと違うんだと思います。なので、残念ながらポルトガルと同じように上げれるだけ上げて下がっていくのを待ってるというパターンじゃないからだと思いますけど、ちょっと下がりはきれいに下がっていかないことを想定しないといけない、ちょっと長期化みたいな。

 ただ、第6波はBA.1の、ちょっと波が分かりにくかったですけど、BA.1からBA.2に自動的に切り替わっていったので、BA.2が拡大していくというのとかぶって長期化したんだと思います。それが、BA.5はBA.5で終わるのであれば、BA.1、BA.2ほどは長引かないと考えるのが普通ではないかとは思ってますけども、ただ、短期、1,600超の数字まで行ったところと、逆の方向でさっと下がっていくというふうに考えるのはちょっと、予測としては甘いのではないかというふうに考えないといけない数字がここのところ、今週出てきてるというふうな認識であります。

 

○読売新聞:分かりました。

 分からないというふうな答えの前提の下で恐縮ですけれども、行動制限、島根で行った飲食に対する制限ですね、これの効果というのは実感される部分とかというのはありますかね。

 

○丸山知事:ちょっとリバウンドの傾向はありますけど、島根県が全国で10万人当たり、人口当たりの感染者数が、一時期、全国2位になりました。ずっと1位が沖縄県。多分ほぼ同じペースで増えていったのが熊本県が3位だったですよ。それに対して沖縄県もまだ収束せず、減傾向にまだ至ってませんよね。熊本県がちょっと詳しく分かりませんけど、うちほど、多分、うちは2週連続減になってますけど、そのトレンドには少なくとも熊本県はなってませんから、ほかの感染が急増した地域に比べて減傾向を今迎えることができてるということについては、やはり飲食についての御協力を県民の皆さんにいただいたこと、そして、保健所自体だけでは対応できなかったので、県も含めて保健所の機能、特に感染者に対するファーストタッチの連絡、要請、自宅滞在とか、あとは重症リスクのある方の入院措置などを迅速に行うという、迅速な陽性者に対する対応を徹底したこと、これが影響してる。多分ほかと違うところはこの2つなので、そういうふうに評価していいんじゃないかと私は思ってます。

 もう一つ申し上げると、飲食店のクラスターが少ない、これは確かにそうです。でも、今クラスターに認定されているのは入所型、感染者が病院とか特別養護老人ホーム、老人保健施設というふうに、そもそもそこに住んでるというパターンのとき。そういう高齢者施設ですね、それと学校、保育園、これは固定した子どもさん、固定したお客さんが通うところ。で、しかも休むときには理由を示して休む。つまりは、クラスターが自動的に発見される施設が、数字が上がってます。それはなぜかというと、保健所の調査をしなくても、施設管理をちゃんとされてれば分かるから、自動的に出てくるんです。だから5人以上になったと、同じ場所で起きてるとか、同じ階でとか、同じ部屋だとかということが容易に認定ができるんです。でも、飲食店は、利用者が固定してないでしょう、職員の方しか。だから、しかも過去3日間の行動歴を詳細に聞き取って、何百人とか何千人の中で、保健所単位でいっても何百人ですよ、何百人の中で同じ名前が出てるかどうかって突き合わせができるような、もう作業ってできてないわけです。ですから、もう保健所が逼迫し出すと、そういうとこまでの調査ができないので、同じ会合で、がっと広がったんだったら分かりますけど、分かるところありますけどね。だから、飲食店での感染拡大があったとしても、もう保健所なり行政が確認できるような感染者数じゃないってことです。だから数字が出にくいと。

 だから、私は、クラスターが起きてるとこだけで感染が広がってると考えるのは全くもってナンセンスだと思います。クラスターが出てるところというのは、そういう施設の構造があるので、把握しやすいところの数字が漏れなく出てきてると。把握しにくいところというのは、もう出てきようがなくなってると、そういうトレンドを見るべきであって、そういう意味で、統計的には、統計上の正確性に欠けるデータになってきてると、クラスターの発生場所というところ自体がですね。だから、利用者が固定されてる施設、または生活してる施設、そういうところでないと、クラスターの認定ができないような感染者数になってきてるということなので、それはクラスターの認定がないということが感染が広がってないということは、それはちょっと、そういうのは正しくないんじゃないかというふうに思ってます。

 

○読売新聞:分かりました。

 

○NHK:NHKの猪俣です。よろしくお願いします。

 1点ちょっとコロナ関連で、追加でお聞きしたいんですけれども、今年の夏休みって、3年ぶりに一律の行動制限がないということで、全国的に外出意欲強いのかなと思うんですけれども、そういったところで今後、県として注意していきたいところですとか、あと、県民の方に意識してもらいたいところというのはございますでしょうか。

 

○丸山知事:お盆だからということで対応は考えてませんけども、先ほど申し上げたように、全国的に今申し上げた東京など、仮にコロナに感染したときに、自宅療養、軽症で済めば問題ないですけど、入院治療が必要だとなったとしても、入院治療が受けられるとは限らないという状況がやっぱりもう散見されているので、そういうエリアを、客観的な数字と、先ほど申し上げたような個別の報道で分かる情報を基にして一定の都道府県に対しまして、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方、また妊婦さん、それからワクチン未接種、意識的に打ってない方もおられるかもしれませんけど、持病との関係で打てない方もおられますから、取りあえず重症化しやすい方々については、そういう懸念がある都道府県への県外の移動を慎重に判断していただくように呼びかけないといけないというふうに思っています。これは、お盆だからというわけではなくて、全国的な感染拡大に伴って医療逼迫なり、もう救急医療が十分に、救急搬送、消防の話も含めて、十分にワークしてないところがある以上は、これまでであれば緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置という形で、政府がはっきりとそういう地域の認定をしてくれてましたけど、今は政府が何もやらないので、注意喚起をちょっとしないと、分かっていれば行かなかったのに、そこで、今の方々というのは重症化リスクがある方々なので、入院が必要だけども入院できなくて大変苦労したとか、本当に非常にシビアな状況になったとか、そういう不幸な事例が生じないように、やっぱり注意喚起をしないと、県がしないと仕方がないかなと思ってまして、それはあした、対策本部会議を開いて、そういう、行かないでくれとは言いませんけども、そういうリスクがあるけれども行かなきゃいけない用事かどうかというふうに考えてもらうという意味で、慎重に検討、判断してもらうということを呼びかけないといけないと。なので、これはお盆が終わっても続くような要請になりかねない。医療の環境が、感染者の増加が続いて医療が厳しい状況が続けば、医療が逼迫する状況が続く地域が残っていれば、そういうことを継続せざるを得ないかなというふうに思っています。


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