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6月2日質問項目

○山陰中央新報:山陰中央新報社です。よろしくお願いします。

 先ほどの議会での表明についてなんですけども、改めてこのタイミングでの表明になった理由について、知事のほうから御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:昨年9月の原子力規制委員会の設置変更許可以降、審査の結果、また政府としての原子力発電の必要性なり、また、避難対策などについて、政府から説明する機会を各所で設けまして、住民の方々への説明会、また、安全対策協議会、そしてこの顧問会議を開催する中での意見聴取、そして、県議会で特別委員会を設置していただきまして、県議会における説明、また周辺3市からの意見聴取など、各方面に対する説明、そしてそこからの御意見等を伺うことを一つ一つ進めてきたところであります。そして、県内周辺自治体であります出雲市、安来市、雲南市の再稼働容認といった御判断、そして、先般示されました県議会としての再稼働容認という御意見、それらが出そろったところで最終的な私の判断をさせていただく時間をいただきまして、本日の表明というふうにさせていただいたとこであります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 先ほど周辺3市だったり、鳥取県の平井知事への伝える日程感については御説明いただいたんですけども、中電だったり政府への回答の知事としてのイメージは、今、どういった感じをお持ちか、お聞かせいただければと思います。

 

○丸山知事:まず、私は本日、県議会の日程の中でいきますと一般質問の冒頭で、今回の判断をお示しをいたしましたので、それに関することも含めて、一般質問で私の本日の表明に対する質疑等もあろうかと思います。そういったことにきちんとお答えをすることがまず必要だということ。そして、先ほども申し上げましたけども、政府や中国電力に対する要請事項につきまして、周辺の3市、鳥取県、そして県議会との最終確認が必要でありますので、県議会において最終確認を総務委員会にお示しをしていきたいというふうに考えております。その手順を踏んで、要請内容を固めるという手順もございますので、総務委員会が13日。したがって13日、即日には上京できないと思いますので、14日以降で日程調整をしたいというふうに考えております。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 ちょっと話題が替わりますが、知事のこれまでの原発の課題に対しての向き合い方について、ちょっと伺えればと思うんですけども、まず、就任以降は問題提起型でいろいろと、時に積極的に発言をされて課題解決を促したりとかっていう面があったと思うんですけども、原発についてはどちらかというと慎重な言動に終始されたイメージがありまして、やはりこの原発だからそういった従来の政治スタイルとは違う手法を取られたのか、そういった点についてちょっと知事、どういったお考えだったかっていうのを伺えればと思います。

 

○丸山知事:政治姿勢というか、そういう表現が適当なのかどうか分かりませんけど、私自身は、例えば聖火リレーにつきましては、聖火リレーなりオリンピックですよね、その辺については、政府にやってもらわなきゃいけないことが遅々として進んでいないと。つまり感染者が少ないといっても感染拡大地域と同じような状況が生じている県内飲食業に対する支援措置がほとんどなかったという状況をまず是正してもらわなきゃいけない、そういう要請をしなきゃいけなかったという、そういう状況でああいうことをしたと。原発につきましても、安全対策、規制委員会の厳正な審査なり、内閣府に対して避難対策の一層の実効性の向上のための支援なり、そしていざというときの実動組織の迅速な配置、応援といったところを、必要なことを求めてきたと。すみません、前段の聖火リレーなりオリンピックに関して、飲食店に関しては、実務的な要請ではゼロ回答であったので、そのような状況で島根県として相当のお金を負担して聖火リレーができるかどうか、再考しなきゃいけないということを申し上げなきゃいけなかったと。それに対して、原発については我々が要請したことについて、基本的な姿勢として対応するという答えを政府からいただいておりますので、状況が違う、政府に対して必要なことを求めていくということについての別段差異はないと認識いたしておりますけども、答えが違ったということではないかというふうに思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 これまでの今日に至る過程のところで、松江市をはじめ周辺の自治体からの意見だったり鳥取の意見を伺ったところもあると思うんですけども、そういったその周辺からの答えを受け取った上で、知事の判断に至るっていうところも御自身のスタンスというかに影響を及ぼしたところがあるんでしょうか。

 

○丸山知事:いや、影響、踏まえますので、踏まえて判断してますから、当然影響している。結論は同じ結論でありますけども、踏まえる事項として、重要な事項だというふうに認識、頭に、そういう位置づけで各市、各県の御判断を受け止めましたので、そういう意味では影響してるということですね。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 議会での表明の中で、安全性、避難対策の必要性について、それぞれ説明をされた中で、避難対策について、今後も訓練だったりとか周知に注力していかれるというふうに述べられたと思うんですけども、万が一の話になりますが、実際に原発事故が発生してしまった場合に、県西部だったりとか山陽側に避難された県民の方に対しての対応だったり支援というのは、改めてどういうふうに臨んでいく想定を持っていらっしゃるかっていうのを伺えればと思います。

 

○丸山知事:島根県としては、まずは予定されてるところに避難をしていただくということ、これが一番大きな課題だと思いますので、そのための実効性の向上、お住まいのところがどういう避難ルートを想定していて、どこに避難しなきゃいけない地域なのかということの各戸別の周知ですとか、そういうことを進めなきゃいけませんし、そういう実効性の向上に努めていきますけれども、基本的に避難をした後というのは、当然、県が対応し、県外避難、県内避難、両方ありますけども、所属のもともとの市役所等で基本的な対応をしていただく。そして、岡山県とか広島県とかとの調整は県が担うことになりますが、いずれにしてもそのような状況になった場合には、最大人口40万の避難でありますから、それは正直申し上げて、政府が、国内でこれまで起きた熊本地震とか、そのような大地震の規模に匹敵するかそれ以上の避難が生じるわけですから、当然政府からはプッシュ型の支援なり、物資等の支援、人的な支援ということは当然求めていきますし、してもらわないといけないし、していただけるというふうに考えております。そのために、その内閣府防災担当大臣に要請してますから。そういう避難後については、県の努力、市町村と県と地元の努力がスタートですけども、当然政府からの、また、全国知事会等の枠組みを通じた支援等含めて、岡山、広島以外からの支援ですとか、政府からの支援ということを通じて、避難先での生活がきちんと送っていただけるような対応をしていくということになります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○読売新聞:読売新聞です。よろしくお願いします。

 今日の議会のお話の中で、知事の、かなり後半のほうですけれども、苦渋の判断だったというようなお話があったと思います。具体的に、原発は住民の方々の不安は理解できる。そういう中で原発もないほうがいいと自分も思うという趣旨の文脈の中でだったと思うんですけれども、ここの部分で、知事として今回の判断っていうのは、あくまで社会は原発ゼロというか、原発がないほうに向かったほうがいいという前提の下で経済の関係とか含めた判断だったのかなというふうに、その文言だけを聞くと思うんですけれど、その辺、もう少し詳しくお話いただけませんでしょうか。

 

○丸山知事:そういうことです。政府も今ある原発は活用していく。新設は考えないっていうことでいけば、長期的には原子力発電所、原子力発電に依存しない社会経済をつくっていくという方針ですから、それは同じ認識です。

 

○読売新聞:分かりました。

 避難計画の関係でお伺いさせてください。知事のほうから、お話の中で、避難計画の原子力防災に対する、要は監視には濃淡があるというお話しされたと思います。その上で、しっかりとした広報をしていかなければならないというお話をしていただいたのかと思うんですけれども、いかんせんやっぱり原子力防災、避難計画とかもそうですが、言葉が難しかったり、一般の自然災害と同じような感覚で県民に広く広報されてるかっていうと、ちょっと現状はやはり違う部分があるのかなというふうに思います。ここについて、知事として今後しっかりと広報していくという観点で、具体的に何か、どういう取組をしていきたいというところがあれば教えてください。

 

○丸山知事:これは松江市さんの取組を参考にして、松江市で取り組まれている各地区別、要するに、この地区はここに避難しなきゃいけないっていうことをあらかじめ決めてるわけですから、各地区ごとに、各戸別に、家ごとに、この地域はこういう避難経路、複数あって、ここ、ここに避難してもらいます。PAZかUPZで屋内退避は要るのか、即時退避なのか、違いますから、それも含めてお知らせできる情報はありますので、そういう松江市の取組をUPZ地域といいますか、周辺3市においても実行していくと。出雲市長さんからは年内にやってほしいというふうに言われてますので、できるだけ早く、そういうスケジュールで取り組んでおりますけども、まず、結局自分のところでどういう行動を取るべきなのかっていうことが場所ごとに違うわけですから、それを、分かってることを簡便な、保存ができるようなリーフレットというか、パンフレットというか、簡潔にまとめたものを配布をする。そういうことを通じて、いざっていうときにどういう行動を取ればいいのかということを事前にお知らせをするということが一つの網羅的なやり方です。ただ、今、お話のあったように、要するに、新規制基準によって事故の可能性は相当低くできているということ、これは原子力規制庁なり政府の認識ですけど、それをどう評価するかって2種類あって、危険度が下がったと取られる方と、危険が、リスクが残っていると取られる方と2ケースありますよね。危険度が下がったって思われる方からすると、事故のリスクっていうのはほとんどないと取られる方からすると、避難のときにどうすればいいのかということについて、詳しく知りたいというふうに思われないというのは、これは避けられないんだと思います。したがって、そういう方というのは、事前の情報提供に対して食い入るように見ていただくというのがなかなか難しいと、これはもう現実だと思うので、それはもう事前の配布とかもしますけども、そういう方については基本的には起きたときに多方面のメディアなりツールを使って、先ほど言われた難しい用語を使わずに、どういうことをしてもらう必要があるかということを、そういう事態が発生したときに伝えていくという形で、事前の広報で事前に情報を得たいという方々に対してきちんと情報を提供する。そして、そのリスク、その可能性ってほとんどないんじゃないかと思われていて、そういう事前情報に対してよくよく読んどかなければっていうふうに思われない方も一定程度おられるはずなので、そういう方に対しては、その発生時にきちんと対応すると、そういう二重の形が必要なのではないかというのが我々、島根県の防災部の認識でありまして、そういった形で、ただ、事前の広報っていうのも各戸に配布して、保存ができるものにして、例えば冷蔵庫に“パッ”て貼ってもらうとか、そういう感じのものを、ごみ出しの、ごみを出すときの分別のパンフレットみたいなのありますよね、そういうもののようなものを各戸に配布をしていく。そういう事前の広報は網羅的にやりつつ、ただ、それを大事だと思って頭に入れていただける方と、いざというときに見ればいいと思われる方と、もしかすると要らない資料だと思って保存していただけない方と、いろいろなケースがあると思うので、そういう全員に送ったので知ってるっていう前提にも立てないということですが、そこは多重的にやっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思ってます。

 

○読売新聞:分かりました。

 先ほどちょっとリスクの話も出たんで一緒にお伺いしたいんですが、リスクがゼロではないというところ、安全神話に陥らないようにという、福島第一原発事故の教訓ですよね。そういう下で、リスクはゼロではないということは、今、国の立場として言われてて、かつ知事もその考えに理解を示されてる状況です。ただ、市民の中には、やっぱり事故のリスクがあると捉えられる人にとっては、リスクがあるのに原発を再稼働することに対する違和感というか、そういうものをお持ちになる方も多いと思います。そういう面について、知事のほうからどう御説明されますでしょうか。

 

○丸山知事:ですから、リスクがゼロではない以上は、そのリスクが顕在化するという前提で対応しなきゃいけない。したがって、実効性ある避難計画なり、避難計画を実際に実行できる能力を高めていくっていうことで、その事故に備えるということをやらなきゃいけないというのが、これは島根県だけじゃなくて全体的な、原子力防災の考え方ですから、そこはリスクを最小限にするっていう構造とか、認可とか、許可とかっていう行政の規制ベースでやってもらう。そしてなおかつオペレーション、実際に運転をする中国電力がきちんと運営をするっていうことで、安全性をできるだけ高めますけども、それでもなお事故が起きるという前提で避難の対策をきちんと講じていく。その構成で、言ってみれば避難対策というのはある意味安全性を高めるっていうか、実際に事故が起きたときの安全を確保する、健康を確保する。そのための対策を、広義の安全対策という意味で避難計画、避難対策をきちんと講じていくということで対応していきたいということであります。

 

○読売新聞:分かりました。

 何問もすみません、もう1問だけお願いします。すみません。これまで知事は、原発を稼働したいのは国であって、中国電力であるというお立場で、何度かそういうお話もしてきたところかと思うんですけれども、今回、再稼働に対して同意の判断を示したことで、万一事故があった場合に、やはり御自身の責任というのも生じてくるのかと思います。そうした場合に、御自身としてはどう対応されるかっていうことを教えていただけますか。

 

○丸山知事:いや、その責任というのは県民が評価される話なので、私がどうこう申し上げる話じゃないでしょうか。事故がなぜ起きたかっていうこと、そこが一番の問題でしょうから、その対応によるんじゃないでしょうか。ゼロじゃないんだから。起きないとは言ってないです、誰も。そうでしょう。誰が原因で、何が原因で起きるかっていうことで責任、その起こした責任というのは変わってくるでしょうから、それは仮定の話だからあれですけども、ただ、避難対策、避難計画を、その次の段階っていうのは避難対策をきちんとやるっていうことですから、それができるかどうか。それは基本的に国、県、市町村がやるわけですから、そこはその遂行者としての責任は私ありますから。そういう意味で、そういうことでリスクに対応しますけども、結果的にリスクが顕在化して避難を強いられたっていうことに対する県民の皆さんがそれについて私の判断が関係してるということで政治的な責任を問われるということであれば、それは選挙なりなんなりで問われることになるんでしょう。結果責任として県民が責任を問われるということっていうのは当然あり得ることだというふうに思います。

 

○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。

 

○山陰中央新報:すみません、山陰中央新報社と申します。よろしくお願いします。

 本日、知事の表明の中で、再稼働しなかった場合、雇用を含めた地域経済への影響というのが大きく、これは避けられないというふうな御発言がございました。一方で、知事御自身、不安や心配のない生活を実現するためには原発はないほうがいいということも、合わせてなくしていくべきだという考えも示されました。将来的にそうした原発に依存しない地域社会の実現と、そういった地域経済の維持、発展、雇用の部分も含めて、どのように今後守っていくのか。原発に依存しない社会の実現っていうことに関して、そのビジョン、お考えなんかお持ちでいらっしゃればお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょう。

 

○丸山知事:エネルギーの供給をどうしていくかっていうことについては、申し訳ないですけど、それは政府がちゃんと考えることです。原発をなくしていく、そういう中で、どこでベースロード電源を確保するのか。再生可能エネルギーの不安定性ということを、大規模容量の蓄電設備を開発して設置して、その費用負担を電力料金に転嫁して確保していくのか。それとも別のエネルギーを確保していくのか、それは分かりません、私は。供給の問題については、そのエネルギー基本計画を策定される政府できちんと対応しなきゃいけない。県内経済っていう意味でいくと、いずれ長期的には原子力発電所はなくなるっていうことを想定しなきゃいけないわけですから、それに対してどうもできないので、そういうものがなくなっていく前提で他の産業振興をしていくということになるんじゃないかというふうに思います。

 

○山陰中央新報:それでは、今後、その他産業の振興っていうことを図っていくっていう意味では、改めてそういったビジョンなんかを描いていく。

 

○丸山知事:いや、申し訳ない、原子力発電所がなくなるから、そのための何か産業振興計画なんかつくんないですよ。同じような産業、切り替わっていかなきゃいけない産業あるし。産業振興っていうのは別枠で、このための産業振興をここでやりますって、そんなもんじゃないでしょう。そういうことを想定して、長期的に想定してやんなきゃいけないと。それはどこの地域だってそうでしょう。原発は最終的にはなくしていくという政府方針、これが変わらなければそういうことになるわけですから。それはどうしようもないですよ。ただ、その次の先を行けば廃炉という作業がありますから、そういうことについて中国電力として、一定の雇用を確保して対応しなきゃいけないという時期が当然ありますけど、それもいずれはなくなる。そういう前提で対応しなきゃいけないんじゃないですか。

 

○山陰中央新報:すみません、ありがとうございます。

 

○広聴広報課:そのほか御質問ございますでしょうか。

 

○NHK:NHKと申します。よろしくお願いします。

 まず、避難計画の実効性に関するところでお伺いをしたいんですけれども、議会表明の中で知事が、県民の方がどんな不安や疑問を持ってるかという声を参考にして今後反映していきたいというふうな表明があったかと思いますが、これまでにも住民説明会などでいろんな御意見はいただいていて、今後その整理なども必要かと思うんですけれども、改めて知事が同意を表明されたことで、いざ再稼働に向かっていくに当たって、また不安ですとか新たな疑問が出てくる方もいらっしゃるかと思います。そういった方々に対して、どういった場面で、どのような声を捉えていくと考えていらっしゃるか、お伺いできますか。

 

○丸山知事:避難に関する訓練を行うことになりますし、PAZ地域の病院ですとか、高齢者福祉施設に対して、意見交換をしていくということを通じて御指摘があるでしょう。厳密に申し上げますと、この避難計画というのは使用済み核燃料がある以上は再稼働の有無に関係なく必要なものでありますので、そういった意味で、事故、そういう稼働してない中で使用済み核燃料を起因とした事故があり得るという前提でつくっておりますので、そういった意味では、再稼働の有無で必要になる、必要にならないってわけじゃありませんから、これまでも伺ってきてる、課題としてまずルートをチェックして、複数にする。それから、あらかじめエリアごとに避難先を決めておく。そして、その県外なり県内なり、そこの受入先でマニュアル等作っていただくっていう準備をしておりますし、この車両を準備しなきゃいけないということも想定されますので、中国5県のバス協会、タクシー協会と協定を締結する。または中国電力に要支援者用のストレッチャー車両などの確保、人的な面も含めて協力を得ております。そういったことを通じて、避難を実行できる能力を十分高めているという認識でありますけれども、現実にいろんな環境に住民の方はおられますので、自分の場合どうしたらいいんだろうかというお問合せ等がもしかすると、県じゃなくて市かもしれません。そういったお話があって、それを構造的に、十分な知識をお持ちでなくて、説明すれば足りる場合であれば、それは説明でしょうけども、仕組みとして行政的な対応が新たに必要になるということであれば、それは県と相談してもらって、恐らくどこかの市だけで生じる問題じゃないでしょうから、UPZ地域、県内の松江市と3市含めてどういうふうに対応していくのかということを、県が調整しながら対応していくということで改善をしていくということになります。

 

○NHK:ありがとうございます。

 冒頭、訓練を行うことでどんどん改善していくということだと思うんですけれども、その訓練も近年コロナ禍で規模を縮小して実施されているかと思います。感染症対策の観点からやむを得ない判断という見方もあるかと思うんですけれども、いざ再稼働に向かっていく中で、この感染症という先が見通せない中で、やむを得ないということを繰り返していけるのかということですね、今後、訓練の在り方自体について、どのように考えていらっしゃるか、お伺いできますか。

 

○丸山知事:いや、そんな体系的に考えませんけど。感染症の対応というのはこの第六6波で、自宅療養者が大量に生じるという初めての事態を受けて改善をしました。そういう感染症の状況も変わりますので、感染症で生じる状況に応じて、この避難計画なり避難のマニュアルを変えていくということもしてまいりますし、例えば今のこの環境だとできるかもしれません。もうちょっと小規模なものを短期間で実施できるもの、二、三か月かけて実施するというものじゃない、1か月程度で実施、こういう状況だから1か月だったらできるんじゃないかといったものをやっていくとか、ちょっとやり方を工夫していくということが考えられるんじゃないかというふうに思います。ちょっと具体的に今、具体的なプランを固めてるわけではありませんけども。

 

○NHK:ありがとうございます。

 

○中国新聞:中国新聞です。

 去年の9月以降の地元同意に向けた手続の統括的なちょっとお話を聞きたいんですけども、住民の合意形成という意味で、十分に尽くされたかというところなんですが、その点、どのように感じておられますでしょうか。

 

○丸山知事:そういう一般論で聞かれても答えようがないですね。合意形成として不十分なとこあったんじゃないかっていうふうに思われてるんであれば、そこら辺を具体的に指摘していただいて答えないと、抽象論での答えは持っていません。

 

○中国新聞:十分に合意形成ができたかどうかというところをまずお聞きしたかったんですが。

 

○丸山知事:それはできたと思います。

 

○中国新聞:もちろん反対の方もいらっしゃると思うんですけども、そこら辺の対応についてなんですが。

 

○丸山知事:多分おっしゃりたいことは、住民投票を実施してないっていうことを言われてるんじゃないかというふうに思いますけども、それは住民投票をすべきかどうかということを問われた各議会において、法律の手続に基づいて、やるかやらないかということは決まったわけですから、それは直接請求があったことは事実ですけども、やらないという結論が出て、やらないという手続の中で合意形成をされたということなので、最終的にはやらなかったことについて、それを市民がどう評価されるかということは、間接民主制ですから、それは選挙なりなんなりを通じて、今後評価されるってことになるんでしょうけど、今この時点においては、法律上定められた手続の中で合意形成をされた。反対派の意見が反映されてないとかっていう話は当然ありますけれども、やはり反対の意見があったので、島根県議会においても33名の議員のおられる中で28名が賛成で、5名は反対されてるわけです。そういった意味で、反対派、反対をされる方々の意見っていうのは、そういう議員の方々を通じて、そういう5名の反対という、そういう県議会の反映というのはされてる。つまり、全会一致になってないし、委員長報告でも報告があったとおり、特別委員会の中でいろんな指摘がされて、それは県議会に報告をされて、その内容も含めて委員長報告が採決されてるわけですから、それは反対意見があったということを含めて、我々は受け止めなきゃいけない。再稼働することになったっていう結論だけではなくて、そういう反対意見もあった、そういう懸念も示されたっていうことを踏まえた結論は出てると私は思ってます。県議会もそうだと思います。各市もそうです。全会一致はなかったと思いますので、私もそういった意味では懸念、不安があるという中での再稼働の判断ですから、そういう県民の皆さんからの懸念ですとか不安、その元になってる事柄の改善ということを合わせてやらなきゃいけないっていうことが、この判断に付随して島根県として求められてる事柄だというのは、今日の本会議で申し上げたとおりでして、そういった意味で、反対の意見がある、懸念がある。恐らく賛成される方の中にも、懸念はあるけれども賛成だっていう方もおられますから、そういう意味では反対された方以外の方が懸念を一切持っておられないわけではないということだと思うので、そういう反対をされる方々の懸念っていうのを、賛成される方々も反対するまでには至っておられないかもしれないけども持たれてる。そういう事柄だというふうに受け止めて、やはり改善に努めて、島根県行政として、地元の自治体として取り組むべきことを最大限取り組み、そして政府や中国電力に対して求めていくべきことを求めていかなきゃいけないということを合わせて、県知事として表明させていただいたところであります。したがいまして、形式的な、再稼働するかしないかっていう意味での結論が、県民の皆さんからすると自分の意に反した結論が出てるっていうふうに受け止められた、ある意味非常にもっともなことだというふうに思いますけども、反対の声というのは、我々県政には届いていて、それに対してきちんと向き合って、改善に努めていかなきゃいけないというふうな形で我々は受け止めているということを御理解をいただきたいというふうに思ってるとこであります。

 

○中国新聞:現時点で改善すべき課題として、大きなものとしてどのようなことがあると、具体的に何かあればお示しいただきたいんですが。

 丸山知事:いや、ですから、プルサーマルが本当に計画どおりに実行されるのかどうかっていうことだったり、避難計画が円滑に実行に移されるのかっていうことだったり、そういう、今、今日申し上げた事柄の中で、今回この御意見があった、論点になった事柄の中で、我々として対応しなきゃいけないというふうに申し上げたところが、そういう事柄だというふうに思っています。

 

○中国新聞:あともう一つ、先ほど政治スタンスの話があったと思うんですけども、合意形成のプロセスの中で、県民目線とか現場主義という、知事が就任以来ずっと掲げてらっしゃるスタンスっていうのが、どういうふうに反映されてこられたかっていうところをちょっとお聞きしたいんですが。

 

○丸山知事:やはり住民説明会というのが一番、団体の代表とか役職ではない形でお話がありましたし、安全対策協議会も、民間の各種活動をされてるNPO等の方々もおられましたし、その中でもやはり、これはちょっと再稼働すべきだという意見の側からですけども、酪農を稼業とされてる女性の方が、やはり搾乳機がない中で酪農を続けるのはできない。実際に安定供給っていうことっていうのは、生活上は死活問題であるし、牛乳が出荷できないっていうことだけではなくて、病気に、牛がお乳を出さないと炎症を起こすので、病気になってしまうし、そういうことが何日も続くということでは、本当に業が成り立たないというお話をされてました。私はちょっと生活者、すみません、そういう県庁で照明があるとかないとかっていうレベルの仕事をしている職場ですけど、実際問題としてあれだけ、今、酪農はもう相当の頭数をやられているところがほとんどですから、そういう我々の身近な一次産業と、工場とかいうイメージで電力の安定供給って思っていましたけど、非常に身近な、一次産業の中でやはり大事な機械が使えないということが、生活、生業に大きな影響を与えるというふうなお話もありましたので、そういう身近なお話を聞く機会というのは、安全対策協議会なり住民説明会等で伺わせていただきましたので、そういうことを頭に入れて今の判断をしたつもりであります。

 十分か十分でないかというのは、これは県民の皆さんが御判断になる話なので、それはあれですけども、そういう自治体の意見ということだけではなくて、住民説明会なり安全対策協議会といった場で、生活者目線での御指摘というのは伺うことができたんじゃないかというふうに思ってます。

 

○中国新聞:あと、すみません、もう一つ。今回、再稼働への賛否というところで一つの結論が出て、地域として一つ再稼働の方向に向かっていくという流れになるのかなと思うんですけれども、その中で特に避難計画の実効性なんかででは、なかなか具体的な議論が進まないという地域からの声もあったりとかするんですけども、よりきめ細かい議論をするために、地域単位の協議会とか、そういった話合いの場を設ける取組が必要なんじゃないかという声もあったりするんですけども、それに対して知事は、何か今お考えとかお持ちでないでしょうか。

 

○丸山知事:県の立場からすると、我々としては市町村の話をそれぞれ伺うという形が基本的な考え方ですので、市においてそういうことをやられるかどうかという話だろうと思いますから、県としては4市のお話を伺っていくということが基本になるというふうに思っています。

 

○中国新聞:県として特に市のほうに呼びかけていくとか、そういった働きかけていくとか、そういったことは考えられていますか。

 

○丸山知事:それは、市がそういうふうなスタイルを取ったほうがいいと思われるかどうかという判断だと思います。県としてこうすべきだというふうに申し上げることは今のところ考えていない。

 

○中国新聞:ありがとうございました。

 

○日本経済新聞:日経新聞です。

 中海・宍道湖・大山ブロックの経済協議会の木口さんとかが早期再稼働を求めていましたけども、そうした経済界の要望に今回の同意は一定の配慮をしたっていうことでよろしいですか。

 

○丸山知事:そういう御指摘、意見も当然承っておりますので、それも踏まえての判断だと。すみません、総合的に判断してますので、これで決めましたっていう一点とか数点を絞ることはできませんけども、そういう御意見を踏まえてる判断であります。

 

○日本経済新聞:分かりました。

 それで、もう一つ、島根原発は福島の事故があったBWRなんですけれども、そのBWRが日本では1件もまだ再稼働されてないんですけども、今回の判断にBWRって何かお考えは考慮されたこととかあるんでしょうか。

 

○丸山知事:それを考慮すべきというか、BWRとして安全性が確保できるかということを担保するのは規制委員会でありますし、それを運転する能力があるのかどうかということも含めて、保安検査等で審査されるんでしょうから、そこは厳正に、引き続いて、設計工事認可と保安規定認可のところを規制委員会にやってもらうということだと思います。

 

○日本経済新聞:分かりました。ありがとうございます。

 

○朝日新聞:朝日新聞です。

 知事は今日のお話の中で、原発はできればないほうがいいけれども、現状を考えると、再稼働はやむを得ないという判断をされました。その苦渋の決断の中で、やっぱりなかなか一つには決められないかもしれませんが、決め手となったことで、この判断をする上で重視したことについて、ちょっと改めて伺えればと思います。

 

○丸山知事:それは安全性、そして避難対策の実効性、そしてその必要性ですよね。そして、もう一つ付け加えると地域経済への影響というところ、その4点が大きな要素であります。この中からどれか一つと言われてもちょっと答えが出せませんけども、そういったところであります。

 

○山陰中央テレビ:すみません、山陰中央テレビといいます。

 すみません、今日の要請の部分とかの、県議会のところでも既には出ていると思いますが、まだ規制委員の審査が続く中で、中電に対する一番求める姿勢みたいなところは、どういったところを改めて求めていきたいというところをお考えでしょうか。

 

○丸山知事:これは実際、最後は人が動かす、そして、トラブルが起きたときに対応するのも、福島第一原発を見ても、ああいう苛酷な事故が起きちゃいけないという前提ですけども、当然人が対応するわけですので、通常の運転をきちんと安全に行う能力、姿勢、そして、万が一に備えたトラブル時の対応能力。先日視察でも確認しましたけども、ブラインド、シナリオを示さない形での訓練をして、即時的な判断能力を上げてもらうといったことを含めて、平常時の対応と、いざというときにリスク管理。事故にさせないとか、事故を大きくしないとかっていう、問題が起きたときの対応能力をきちんと向上を維持してもらうということ。ともかく、中国電力としてハード、ソフト両面で、事故発生防止に向けて全力を尽くしてもらいたいというとこです。

 

○山陰中央テレビ:分かりました。ありがとうございます。

 今回、幾つか国と中国電力のほうに要請を最終的にまとめてされるということなんですが、この要請に関しては、これまでも知事が求めてきていた部分ではあるかと思うんですが、もしこういう部分が守られなかったりっていうところがあれば、今回のこういう判断を取りやめるとか変わるっていうぐらい守られなければならない、要請として改めて重く捉えているのか。知事としてこういう要請のとこを、今回のタイミングで、改めてどのように思っているのかというところをお聞きしたいんですけども。

 

○丸山知事:それは安全性なり、必要性なり、そして避難対策なりということで、国からの回答に基づいて、こういう対応は可能だということを前提に出してる答えですから、それが維持できなくなるという状況になれば、それは例えば安全協定の中で、措置要求の中で求めていけることであれば、措置要求で対応していきますし、措置要求外のことであれば、今後の姿勢として、安全協定に基づく様々なこの了解が出てきたときに、今後、否定的に対応せざるを得ないというふうなことも中国電力に言っていくとか、政府に対して、原発の再稼働についての理解をしてほしいというふうに言われて、一定の対応をしましたけども、理解することができないというふうな返し、変更しなきゃいけない可能性はありますよね。それは状況次第ですから、当然、口だけで済む問題じゃないと、そういう大事な要請事項であるということで要請するものです。

 細かにこれ、こういう数字をとか、これこれあるだろうというふうにまだ書きませんけど、我々は一定の水準を、安全性にしても、避難対策にしても、必要性にしても、一定の水準を前提としてこういう判断をしてますから、それが話が違うじゃないかというふうな状況になれば、事前了解の取消しっていうのはできないんでしょうけど、今後、我々ができる対応をしていかざるを得なくなるということになるでしょう。

 

○山陰中央テレビ:分かりました。ありがとうございます。

 

○産経新聞:すみません、産経新聞です。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:お願いします。

 

○産経新聞:知事、今回容認という判断を固められたのは、時期というのは具体的にいつ頃になりますか。もう1点、判断を後押しされたポイントがあれば教えてください。

 

○丸山知事:私が最終的に物事を決めた、今回の結論を決めたのは県議会の本会議で、委員長報告の採決、討論が行われた以降に固めましたので、いついつとは申し上げませんけども、この間です。何がどうしたかというのは、先ほどの答えと重複しますけど、一つに絞って申し上げるのは難しいというようなお答えになります。

 

○産経新聞:失礼いたします。ありがとうございました。

 

○山陰中央新報:すみません、山陰中央新報です。

 島根原発2号機が動くことになりますと、いずれ40年という運転期間が来ると思います。60年の特例みたいな話も、まだ議論にはなってないですが、いずれ考えなければいけないところかなと。知事として現状の認識を一つお伺いしてもよろしいですか。

 

○丸山知事:それは中国電力が考えて、こちらに事前了解願を出さないとできないことですから、中国電力がどう考えるかって。そんなことを望むのかどうかということがスタートなので、今の段階でそういう申出、受けてるわけではないので仮定の話になりますから、そもそもがそういう要請を受けてないので、考えたことがない、想定していないっていうのが今の県としての認識になります。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 あと、大分ちょっと話が戻るんですが、避難計画のところで、大分初期のほうで、事前の広報ではやはり興味のある人ない人、濃淡があるっていうお話があったと思うんですけど、これって、ある意味では事前の広報では限界があるといいますか、一つの妥協に見えなくもないんですけれども、これは一つ課題といいますか、いうふうに認識はされないんでしょうか、事前にできるだけたくさんの人にっていう。

 

○丸山知事:それはですね、それがまさに安全神話に近いわけですよ。人がどう対応するかというのは、県知事が何かを言ったから、みんながこうするっていうわけじゃない、人の受け止めによるわけですから。それは、現実問題として生身の県民を相手にして、そういう方々に円滑に移動していただくためにはどうするかって考えたら、避難の問題は物すごく大事なので、もっと詳しく知りたいって方もおられるし、だって、政府の認識、規制委員会の認識として、事故の可能性は極めて低くしてるというふうに聞かれて、それを、だから、事故の可能性ってほとんどないから、ほとんどないことのためにいろんな情報収集するとか、自分の頭の中にインプットするっていうことはしませんと。そういう方がけしからんと言ったところで、そういう認識を持たれているものを変えていくっていうのは、それは難しいわけですよね。

 難しいけれども、じゃあ、だからといって、事前に紙を配っているから知ってるはずでしょうっていう対応じゃいけないので、やはりそのときの即時性、即時的な情報提供という一重だけじゃなくて二重の網を張って、そこできちんと伝えるっていうふうに対応しないと、現実問題としての、すみません、生身の県民の皆さんに動いていただくっていうことなので、島根県知事が島根県職員にこうしろっていう話じゃないですよね。それだったら職務命令っていう話ですけど、仕事をされてる、生活をされてる県民の皆さんに一定の行動を取ってもらうっていうのは、それはいろんな方がおられて。

 当然、事前の広報やりますよ。やってもなお限界があるっていう前提で対応しないと、そのときの避難が円滑にいかないんじゃないかっていうふうに考えているので、妥協といえば妥協ですけど、妥協した上、そこのところをある程度100パー(セント)が難しいというふうに見た上で、だから努力しないということじゃないんです、努力はします。その上で100(パーセント)に行かない前提で対応しておかないと、本番といいますか、いざというときにうまくいかないんじゃないかっていう考え方なので、そこはちょっと誤解されないように。事前広報はもうしませんということではないですし、だから各戸もやりますし、一般的な広報紙等の配布も続けますし、できるだけ分かりやすいものにしていきたいと思ってますけども、それで、やっぱり漏れがあるというふうにリアルに考えないといけないんじゃないかっていうふうに思っております。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 あと、すみません、もう1点、別の、前の質問からちょっと追加で聞くんですけど、責任という話のところで、県民の皆さんが結局、政治的な判断を下すだろうっていうような、知事に対して今回の判断を下した責任というのはそこに帰結するっていう話だったと思うんですけれども、今日のコメントの中では、中電の動向のチェックだったり避難対策の向上など、必要な対応を取るっていうようなことがあったんですけど、「など」っていうところで、知事として現状、取り組んでいかなければならない責任から来るやらなきゃいけないことっていうのは、ほかにどういったところがありますでしょうか。

 

○丸山知事:すみません、などの内容を3つぐらい上げろっていうことを言ってるわけですね。

 

○山陰中央新報:ほかにあるのかなという、ポイントとして。

 

○丸山知事:ごめんなさい、言われたことはなんだっけ。

 

○山陰中央新報:中電の動向のチェックと避難対策の向上に取り組むっていう話が入った。で、「など」って言うふうに言われたんですけれども。

 

○丸山知事:事前広報とか、やらないといけないことは、要するに反対されてる方っていうのは、いろんな反対の理由があると思いますけど、例えばプルサーマル、発電はいいけども、発電から出てくる使用済核燃料、最終どうなるのか。また、一番の懸念は、ちゃんと敷地外に搬出されて、高レベルの放射性廃棄物が島根原発なりに長期間、結果的に残留するということがないかどうか。そういう懸念があるから反対だっていう方もおられますから、当然プルサーマルがきちんと進んでるのかどうか、進むのかどうか。

 政府は一生懸命やるって言ってるけども、一生懸命やってるって言ってるだけで、やってないんじゃないかっていうふうに言わなきゃいけない場面があるのかないのか、そういうこともありますし、先ほど申し上げた中国電力が原子力発電事業者として資質を持ってるのかどうかっていう話もあるので、それは、例えば今回の不正入域の話っていうのは、これは規制庁がきちんと法令上の原子力規制検査の枠組みの中で、指導、改善を厳正にやっていくというふうに言ってるので、それで、制度的に規制庁が、ある意味ちゃんとやると言ってることを思って、それを信頼してやってますけど、結果が、規制庁が手ぬるい結果で終わってないのかどうかっていうチェックもしなきゃいけないですし、いろいろあると思います。

 まず、結局、懸念がある、賛成できないとか、賛成だけど懸念があるっていう方々が言われてることに対しては、我々として改善に向けて努力できることで、人に、国とか中国電力に対して求めて、改善を進めていかなきゃいけないことっていうのは、我々の、そういう意味では、改善に向けて取り組むべき課題に該当するんだという認識であります。

 

○山陰中央新報:すみません、今話題に出た核燃料サイクルの関係、プルサーマル核燃料サイクルの関係で、現実問題として、今現在も敷地内、県内には使用済燃料が留め置かれているという現状があると思うんですけれども、松江市はそこに安全性の懸念というところを示しておられて、住民からもそういう声は上がっていると。

 県としての認識っていうのは、以前、会見では、国、事業者の責任だというふうに言っておられたんですが、県側の内的な感情としては、どういった懸念を示されておるのか、全くノータッチなのか、そこら辺の立場っていうのをどういうふう捉えればよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:すみません、結局、核燃料サイクルがちゃんと進むかどうかっていうのは、県民の不安の中の一つである以上は、それは県としてちゃんと進むようにさせなきゃいけないという認識なので、それは県が関係ないというふうには思ってません。ちゃんと進むように、政府が責任持って対応すると言ってる言葉どおり物事が進むのかどうかということはチェックしていかなきゃいけないし、手抜かりがあるようであれば、ちゃんとやるべきだというふうに言っていくということですね。

 

○山陰中央新報:このままここにあるっていう現状に対して、再稼働すれば、それがさらに増えてしまうかもしれないというところに対しては、いかがですか。

 

○丸山知事:だから、核燃料サイクルを進めなきゃいけないって言っているじゃないですか。

 

○山陰中央新報:はい。進んでない現状には。

 

○丸山知事:だから、進めるって言ってる人間にちゃんとさせなきゃいけないという責任を負ってるっていうことですよ。

 

○山陰中央新報:それは懸念を持っておられるということ。

 

○丸山知事:いや、使用済核燃料がちょっとでも増えるのがまかりならんというふうには思わないです、私は。ちゃんと進めると言ってることをちゃんとやって、最後、全部なくなっていく、最後は廃炉にしなきゃいけないんだから。1号機だって、再稼働も関係ない。1号機をちゃんと廃炉にするためだって要るわけでしょう。だから、それを、1号機の問題も含めてきちんとやらないと。

 だって、原子力発電所が再稼働したいといったところで、この問題を放置していたら、いずれ容量がいっぱいになって止まるんでしょう。再稼働同意をしたところで、動かせなくなりますよね。やることを迫られてる人間がちゃんとやらないと、我々が同意したところで、どっかで止めなきゃいけなくなるんでしょう。ちゃんとやりなさいよ、あなた方のためでもあるんでしょうという構図だと思うんです。だから、我々だけが得して、彼らが損する話じゃない。彼らもちゃんとやらないと、どこかで行き詰まるでしょう。

 

○山陰中央新報:決して出してほしいとか、そういったことではないということですか。国がやってる政策をちゃんと進めろっていう立場であって、敷地内から早く出してほしい、危ないから危険だっていう話ではない。

 

○丸山知事:意味が分かんないけど、それは島根原発の廃炉まできちんとやってもらわなきゃいけない立場からすると、最後、最終処分場に搬出してもらうということを求めてるに決まってるじゃないですか。そんなの一般論としてプルサーマルを進めなきゃいけないとか、そんなことを言ってるわけじゃないですよ。島根原発が抱える課題だから、ちゃんとやってくれって言ってるんです。私、島根県知事だし、別に学者じゃないから。

 

○山陰中央新報:それは今回の要望とかには入れられないんですか。例えば、核燃料サイクルを推進するっていうのはもちろんですけれども、その上でこの敷地内にとどめおかれている核燃料物質に対して、敷地外に取り出してほしいというところですか。

 

○丸山知事:すみません、そこまで考えは及びません。要望の細目はこれから固めるというふうに言ってますので、そういう御意見が松江市から出てきて、どういうふうにするかっていうことが出てくれば、どういうふうに対応するかっていうことです。

 

○山陰中央新報:分かりました。

 もう1点だけ、すみません。テロ対策、武力攻撃への安全保障への懸念、原発への安全保障というところで、知事のお考えとしては、内閣官房にも要望もありましたが、国際協調というところで、いかに攻撃をすることがマイナスであるかというところを、世界中でそういう認識を広めていくっていうところだと思うんですけど、現状、北朝鮮とかからはやっぱりミサイルが発射されていて、そういう、知事も毎回コメントを出されたりとか懸念というところあると思うんですけど、そことのギャップについては、いかがお思いですか。

 

○丸山知事:私は、北朝鮮という国が、人権感覚も違うし、基本的人権という概念もないし、我々からすると普通の国じゃないと思いますけども、彼らは彼らなりに自分の国益を追求している国家だと私は思ってるんです。具体的に言うと、多分、今の政権、共産党と見るのか、ある一族と見るのか、それはありますけど、その体制が継続をするということのために、いろんな彼らなりの国家戦略でやってる。その国家戦略として、つまり彼らが体制継続をするために得にならないということはやらないっていうふうな、そもそもプーチンのロジックとか、今回明らかになりましたけどね。多分、彼らは彼らなりのロジックを持っていて、自らの国益を設定して、それを損なうことはしたくないと思っている。そういうことの思考パターンをきちんと認識しながら、外交なり防衛政策なりをやっていくっていうことだと思うんです。

 狂信的な国家だという見方もありますけど、ある意味、通常戦力では韓国軍にも対抗できない。そういう中で、ミサイルと核というものを使って、通常戦力の差を一気に埋めようとしてるっていう、ある意味一つの、恐らく一つの彼らなりの合理的な戦略を取ってやっているので、それを外交なり、自らの利益にならないということをきちんと知らしめることで抑止をすることっていうのは不可能ではないというふうに……。すみません、これは個人的見解なので、島根県としての見解は、県議会にも相談してないですけど、私はそういうふうに思っていて、正直、タリバンとかなんか、ああいう世界だとちょっとよく分かんない。意思決定過程がよく分からないし、あれですけど、そういう中国にしても、北朝鮮にしても、ロシアにしても、我々の日本とは違う思考パターンだったり国益の設定の仕方だと思いますけれども、それはきちんと外交、当局がきちんと、インテリジェンスじゃないですけども、どういう国家なのか、どういう思考パターンなのかっていうことをきちんと踏まえて、彼らの国益にならないっていうメッセージをきちんと発して、そういうことが認識される行動をきちんと国際社会が取ることで、得にならないことは。得にならないことをする国だとこれは困るんですけど、得にならないということ、彼らにとっての、ロシア、北朝鮮、中国という国にとって得にならないということを認識、きちんとされるような行動を国際社会が取っていくっていうことが大事で、特に今回、ロシアの行動が結果的にロシアを利する、ああいうことをやっても大丈夫なんだというふうに思わせるというのは非常に、今までの主権国家、各国の主権の尊重とか、そういう戦時国際法とか、そういう国際法とか国際秩序を揺るがしかねない。ああいうことをやってもいいんだというふうに、大丈夫なんだと思わせてしまうっていうのは一番よくないから、それをまず、ロシアへの対応ということできちんとやる。

 そして、そこまで書いてませんけど、実際の極東というか、東アジアで脅威となる国に対して、だって、3国とも日本をミサイルで、北朝鮮がどこまで正確か分かりませんけど、恐らく中国とロシアは正確に、確かにミサイルを撃てる能力は、客観的には多分あるんでしょうね。彼らはそれが得にならないから行使をしてない。その状況をいかに継続させるかということが一番、多分大事なディフェンスラインだと思っていて、ミサイルが飛んできたやつを撃ち落とすとかっていうことよりも、もう一つ前のディフェンスラインをきちんとするっていうこともきちんと視野に入れてくださいねって思ってるんですけど、すみません、ちょっと個人的な感想に近いですけど。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 すみません、失礼しました。

 

○読売新聞:読売です。すみません、何度も。もう1点、お願いします。

 地域経済の影響についてのお話もされてたと思います。燃料費の削減等、効果など、今日挙げられていました。

 こうやって再稼働に向かっていく中で、今回、地域経済の中で原発に果たしてもらいたい役割というか、その辺で何かお考えがあればと思ったんですが、いかがでしょうか。

 

○丸山知事:いや、別にこれ以上とか、中国電力が持たれている事業所なので、それは基本的に中国電力が考えられることですけど、安来市からは様々な作業員さんの、定期点検とかで来られる作業員さんの宿泊先として、所在地である松江市以外、安来市等も含めて活用してもらうというような方向で考えてほしいというような話がありましたから、それは島根県にとっては場所が変わるだけなので、県として答えることじゃないですけど、やっぱりある程度いろんな影響を受けるこの3市の中で、原発があるということに伴って生じる地元経済の利益というのを、できるだけ幅広く配置してほしいという話ありますので、そういうことについては、安来市さんなりとお話伺いながら、中国電力にやっていただけること、あるいはやってもらいたいと、そういうとこはあります。

 ただ、原発の作業員さんを増やしてほしいとか、そんなことを言っても仕方がないと思うんで、それは人が増えたほうがいいですけど、そういう経営事項に差し挟める立場では、島根県は安全協定上はないので、きちんと、そういう意味では、今、社会的に求められてるのは、結局、高騰している化石燃料に対して、燃料としての価格を安定していって、低廉だという効果が期待されているわけですから、できるだけ低廉な電力供給をしてもらうという、そういう一般論ですわね。

 

○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。


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