4月27日質問項目1
1.知事就任3年
○山陰中央新報(白築):山陰中央新報社です。よろしくお願いします。
もう30日で、今の1期目の任期が残り1年となります。長い期間、コロナ禍と共にありましたが、振り返りも含めて、この3年間を知事御自身で総括されて、お考えを伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:1年目は、島根創生計画の策定、大きな課題でありました35人学級の見直しと、医療費助成なり放課後児童クラブの充実といったことについての見直しの実現といったことに取り組んでまいりましたし、2年目、3年目は今御指摘がございましたとおり、コロナ対応を優先しながら島根創生計画の実現を並行して進めていくという年であったというふうに思っております。
今年度予算が通りまして、この予算をきちんと執行していくということなど、一年一年、そのときの状況に応じて仕事、県民から求められている事柄、また県政が直面している課題を一つ一つ解決していくという考え方でございますので、残りが何年だからということでは受け止めておりませんし、残りの任期1年をきちんと、県民の皆さんの期待に応えてやっていくということに尽きるというふうに思っております。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
追加で、先ほど、この3年間の中で特に印象深い出来事であったり、施策があればお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:たくさんあり過ぎて選び切れませんけど。
○山陰中央新報:1年目、創生計画の策定、着手されて、実際それが今動いているわけですけども、こちらの計画もコロナの影響を大きく受けたと思っておりまして、特に人の動きを伴う施策、観光だったりとかU・Iターンについては、その目標値がなかなか達成できない状況も続いていると思います。今後、目標値の軌道修正だったりとか、コロナ禍を踏まえた計画の修正、改善を行う必要があると思いますが、その点についてお考えをお願いします。
○丸山知事:島根創生計画は5年間の計画ですから、見直しの時期というのはいずれやってまいりますので、そのとき考えていくということだと思います。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
関連して、知事御自身で、合計特殊出生率と社会増減については、目標を前倒しをされてると思いますが、こちらについてもコロナの影響を受けることが予想されるんですけども、この2つの目標についての考え方、現時点で伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:それも今申し上げたとおり、島根創生計画の最大の目標数値2つでありますから、それについても創生計画のスパンの中で見直しするタイミングはありますから、そこでどういうふうにしていくかということを考えていくって話でありますので、今、この時点で数値をどうこうしていくというふうに考える必要はないんだろうというふうに思います。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
これまで知事は時として、国だったりとか政府、自民党だったり、時には県内の首長に対して、激しい言葉を使って問題提起をされる、そういった場面がすごく目立ってたと思うんですけども、そういったところを物言う知事というか、そういったイメージ、すごく定着してると思うんですが、そういった手法を取られる根底にある問題意識だったりとか認識みたいなところが伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:それは島根県が置かれている環境が非常に厳しいですよね。人口減少がずっと続いている、人口の総数でいっても46番目の県です。要するに下から2番目なわけです。少数派って2種類あるんです、2種類。例えば47都道府県並べてみれば分かるけど、東京、大阪は人口が多いという意味で端っこの2番目ですね。両方とも少数派ですよ、置かれている状況はね。でも、向こうは強い少数派なんです。条件が極めて恵まれている。人口減少とかというところについて、まだまだ余裕がある。弱い少数派なので、小さい少数派なので、47都道府県の標準的な行動をしていたら、我々の主張はメディアも取り上げてくれないし、問題提起をしても、役所も受け止めてくれないし、政治も受け止めてくれません。それが分かっているので、取り上げてもらえるような言い方をしていかないと、その問題の存在すらかき消されてしまいますよ。
だって、ここにおられる中ではもう数少なくなりましたけど、私は別に聖火リレーの発言をする前から県内の飲食業に対する支援措置の薄さというのは何度も問題提起しましたし、東京へも要望に行きましたけど、それをやって、大きな課題だって誰も取り上げてくれませんでした。残念ながらオリンピックとか聖火リレーとか、そういう全国の人が耳目を引くようなこととの関連で申し上げないと誰も取り上げてくれない。だから、問題があるけれども、問題を解決しなきゃいけないということを訴えていくためには工夫をしなきゃいけないということです。
私は、小池都知事とか吉村知事と違って、言ってみれば小池都知事は、だって、人口の10%が東京都民ですから、視聴率のベースが10%からスタートするところでしょ、人でしょ、方でしょ。私は人口の0.5%なんですよ。視聴率とか視聴者の反応とかいうベースでいっても、もう天と地の差があるわけですね。だからマスメディアの皆さんが、私と小池都知事が同じことを言っても、それは小池都知事だったら取り上げるけど島根県知事は取り上げない、それは別に普通だと、仕方がない、当然のことだと思うので、であれば、それは分かり切ったことだし、それは当然なことなので、それに対して言葉を強くするなり、全国的に注目されているものとの兼ね合いで自分の決意を示すなりしていかないと取り上げてくれないわけですから、取り上げてくれなければ改善は絶対されないわけです。
これは、だから、そういう弱い少数派である以上は、そういうトリッキーにやらないと、オーソドックスにやってたって問題すら認識してもらえないし、問題解決にはつながらないから、それは島根県が置かれている状況から、私はやんなきゃいけないなと思っている工夫の一環ですよね。それは、逆に言うと、知事らしくないと、知事というのはもうちょっと泰然として、調和的にとか、言葉を選んでとかということが一般的に求められますよね。でも、そこからすると、いかがなものかという御指摘というのは当然だと思います、御批判はね。でも、そこで合格点を取っても、島根県がよくならないのに合格点取ったってしょうがないでしょう。島根県にとってプラスにならない合格点を取る気はない。県民のためにならない上品さは必要ない。なぜなら、県民の皆さんの期待に応えて結果を出していくというのが県知事に求められていることだから、県知事として標準的な枠組みの中で、標準的に立ち振る舞うということの価値というのは、それに比べればごみみたいなもんだと。ただ、島根県民全体が誤解されないように、県民はこんなキャラクターじゃないので、そういうことは十分に気をつけながら、県民の皆さんに不利益が生じないような範囲内で、県知事として努力できること、一応工夫の一環であります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
先ほどの発言に関連して追加の質問なんですけども、そういった問題を表舞台に出して問題提起されるスタイルをずっと取っていらっしゃって、それが時に事を動かしたり、逆にすごい大きなハレーションを生んだりという状況が生まれてたと思うんですけども、先ほどの話で、それはもう織り込み済みで、今後もそういったスタイルというのは貫かれていかれるというのを、改めて教えていただければ。
○丸山知事:だから、調べてみても、誰が言ったのかよく分かんないし、格言というか、ことわざなのかも分かりませんけど、よく言われることは、これは(読売新聞)林さんの会社の一番偉い方が本で書かれた言葉なんですけどね、「悪名は無名に勝る」。これは政治家について言われたことですけど。これは一般的にも言われていることで、何かというと、これは悪さをすればいいということではなくて、知ってもらうということがいかに難しいかということを言ってる言葉なんですよね。私は、問題を知ってもらう、島根県に対する改善のための支援措置の必要性を知ってもらうためには、無名よりも、適切な範囲内で悪名のほうが有効であれば、悪名でやんなきゃいけない。知ってもらうことのほうが大事、知ってもらって、改善につながる状況を発生させることのほうが大事じゃないかというふうに思っているので、そこは、当然許容される範囲というのは一定の枠がありますからあれですけど、なかなか、県民がこれだけ頑張っていて、これだけ厳しいわけですから、県知事は当然、日本一頑張っている県民に対応する県知事というのは日本一頑張らなきゃいけないんだから、ほかの人がやってないからとか、何か、大人げないとか、みっともないとか、非常識だとかって言われるぐらいは、それは仕方がないと割り切って、結果が出る方向で行動なり発言をしていかないといけないと思っています。
やっぱり何か物事を、のみ込めることとのみ込めないことがある、我慢できることと我慢できないことがあって、小さなことであれば我慢をしますけど、大きなことで、大事なことで県の規模がちっちゃいからとか、私が1期目の、まだぺいぺいの知事だからということで、県民の皆さんに不利益が生じるようじゃいけませんので、私はありがたいことに1期目ということで、平井知事と違って全体をまとめなきゃいけないとか、そういう知事会の中でもそういう職責を負ってないので、自由に発言をできるポジションですから、そういう立ち位置で、行動範囲も自分で狭めずに、発言範囲を私からすると過度に狭めずやっていかなきゃいけない。度々メディアの皆さんに対して苦言を呈して恐縮ですけど、やっぱり私は、私の扱いというのがどうしてもそれはいろんなものの関係上、小さくなるのは、これはもう仕方ないと、それは分かっているんです。分かっているけども、分かっているので、それに対応しようと思うと、その一線を一つ超えないといけないというのは、御理解いただける方と御理解いただけない方がおられるかもしれませんけど、私はそういう考え方でやらせていただいてます。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
先ほどおっしゃったことに追加で、さらにお尋ねして恐縮なんですけども、強い言葉というのは、時に相手との関係性だったりを崩すという危険性もはらんでると思ってるんですけども、今回、松江に対してかなり強く批判をされてることにも通ずるところがあると思うんですが、そういった強い言葉のデメリットみたいなところは、その反省点も踏まえて、今後何かやり方を見直していくとか、それでもこのやり方を続けるんだとかって、それはどちらに。
○丸山知事:私ね、一応、ちょっと会見模様を見比べていただくといいと思うんですけど、1回目に比べると、2回目のほうが冷静に発言してますよ。ただ、文字に起こすとあまり変わってないというか。文字に起こすと、ワードで落とし込んでしまうとあんまり変わらないでしょうけど、そういう意味で、自分なりに人に見られる存在だということは意識しながら、改善できるところは改善していきます。
それから、これは当然、この問題で立場が違うというのは、立場、見方が違う、意見が対立する、それは顕在化しちゃってますけど、別に私は、だからほかのところでどうこうするとか、そういうことを、ほかの分野で尾を引かせるとか、そんなことは一切するつもりはありません。この問題は意見が合わない。けども、意見が合わないという状況はオープンにしていく。それは県民の皆さんなり市民の皆さんに、そういう2つの立場、見方があるということの中で、どっちがいいだろうかというふうに考えていただく一つの契機だと思っていますから。
私が優しく、何かこう、ぼやっとした言葉で物を言っても、皆さん書けないでしょう、記事にできないじゃないですか。だから、そこは皆さん方のニュース性というものとの兼ね合いでそういう言い方をさせていただいているのは、これは工夫の一環なので、別にこれが私と(松江市)上定市長さんとか、県と松江市との関係でほかのところに影響していくということは私はありませんので、当然、県と市町村が連携して物事に取り組んでいく、今回のこの件については連携できなかったというだけの話なので、じゃあほかのところで連携するのをやめるとか、そんなことは全く県民の皆さんのためにならないから、ならないし、私も望んでないし、上定市長さんも望んでないでしょうから、それはそれ、これはこれということであります。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
○丸山知事:県内はそういうもの、ほかの方がそう思っていただけるかという話はあると思うんで、そういう意味で、上定市長さんもそれは十分理解されていると私は思ってますし、けれども、例えば東京とかの方々がどう思われるかとか、日頃付き合いのない方に遺恨が残ってもいけませんので、そういうことというのは当然配慮、できるだけ、配慮してやめるということはしないですけど、やる中で配慮する。
意見が対立する人も、立場が違ったり、重きを置くことの比重が違ったり、そういうことだと思うんですね。基本的に目標が、例えば私と国会議員さんの意見が違っても、2人とも、どちらも島根県が発展していくようにやっていこうという共通目標は同じなんですよね。だから、そういう意味で、個別の物事で意見が違ったとしても、大きな目標が共通している方々とは、そういう意味で大きな関係のそごが生じることはないと思っています。
それは、だから、それぞれの市町村長さん全般同じですよね、町民、市民は県民ですし、そういう意味で、同じ方々のために仕事をするという意味では同じなので。ただ、東京の人たちはちょっと違うので、よく気をつけなきゃいけないかもしれませんね。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
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