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4月20日質問項目

○山陰中央新報:山陰中央新報社です。よろしくお願いします。

 本日発表分の感染者数の実数なんですけども、松江保健所管内、過去最多になっております。呼びかけを続けてこられた知事として、高止まりを続けているこの状況について、受け止めを伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:松江保健所管内が何人でしたっけ。

 

○健康福祉部:113(人)です。松江市分がですね。

 

○丸山知事:保健所管内が……。

 

○健康福祉部:119(人)です。

 

○丸山知事:119(人)ですね。119(人)で、5時以降に発表があると思いますけども、119(人)のうち、6名の方が安来市、それから113名の方が松江市という内訳でありまして、松江市の数字は先週の98人という、そのときの最高の更新に続いての、数字が更新されている状況にあります。

 お手元の資料かな、お手元の横長のカラーの資料を見ていただきますと、先ほど申し上げました1月の最大値、1月のこれまでの過去最高、県内の数値は190人、ここですね、190人であります。本日の数字は186人でありますので過去2番目、190人に次ぐ数字となっております。

 今御指摘のあった松江市の数字は、この1月20日の、これまでの最高値が1月ですから、1月20日の最高値の中でのシェアというのは大体13%、190人中24人という水準でありましたけれども、昨日確認分、今日発表した数字ですね、186人のうち、松江市の数字が113(人)でありますので、四捨五入すると61%という状況になります。したがいまして、今の増加が7波だとして、1月が6波だとしますと、6波は松江市以外の感染増加に対してどう対応するかということが課題でありましたけれども、今、このところの数字は常に松江市が50%を超える、6割に迫る、6割になったといった数字でありまして、人口の規模は65万人中20万、大体そんな感じですから、3分の1の人口比のところが6割ということでありますから、松江市問題になっているという認識をせざるを得ないという状況であります。

 お手元の資料の、人口が多いので公平、客観的に見ようと思いますと、人口10万人当たりという数字が一つの目安になりますけれども、2枚目のグラフを見ていただきますと、ちょっと町村は除きまして、市をピックアップした人口10万人当たりの年明けからの推移でありますけれども、シェアが高くなっているということと連動しますけれども、松江市の赤の数字が島根県の全体の数字を大きく上回っておりまして、人口10万人当たりの数字が263(人)、2番目の市であります出雲市が160(人)、ちょうど県平均ぐらいでありますから、県平均を大きく超えているのは松江市さんという状況であります。

 もう1枚めくっていただきますと、これは実数ベースですね、人口との兼ね合いを気にしない生の数字でいきましても、人口10万人当たりの直近1週間の感染者数というのは、ここ数日、ここ1週間でさらにせり上がっているという厳しい状況にございます。

 一旦全国の数字、4ページ目を御覧いただきますと、4ページ目の数字は、県内全体の年代別で見た直近1週間の人口10万人当たりの推移であります。ここのところ増えておりますのは、このピンクというか、赤かな、ピンク色の数字でありまして、18歳以下、いわゆる高校生と高校生未満の年代がせり上がっている状況でありまして、ブルーの、いわゆる大学生から社会人に当たる10代後半と20代の数字というのは4月に入って急増しました。これは恐らく進学等に伴う人の移動、それから社会人の転勤等に伴う移動、採用等に伴う移動、その年代のこの4月の時期の移動で、人の移動が多かったもんですから4月当初はせり上がりましたけれども、今のところ足元では落ち着いていると。逆に、この18歳未満の数字が急増しているという状況にございます。

 この年代の数字と松江市の動向を重ね合わせてみますと、5ページ目のデータを御覧いただければと思いますけども、これは人口10万人当たりの松江市の年代別の数字であります。まず最初には、棒グラフのところで大きく松江市の18歳以下の数字と県内の18歳以下の数字を比較しています。人口10万人当たりの数字ですけれども、先ほど申し上げた全県の18歳以下の数字は、松江市以外の数字はほぼ横ばいまたは微増でありまして、松江市の数字が急増しているということに伴って、先ほど申し上げた18歳以下の県全体の数字が引き上がってきているという状況であります。

 だから、赤の数字が(松江市の)18歳以下の全体の数字ですけども、もう一つ細かく松江市の数字を見ていますのが折れ線グラフの数字です。折れ線グラフの数字、上から2つを見ていただきますと、真っ黒の棒が6歳以下ですから、保育園児または保育園に行かれる前の子どもさん、それから緑の数字が7歳から12歳ですので、これは小学生の数字であります。この2つが切り上がってきているという状況でありますから、保育園と、それから保育園に行かれてない、家庭でおられる子どもさんもそうですけども、そういう保育園相当の年代の方と小学生が特に増えてきているという状況でありますので、こういったところに対する対策が必要でありますけれども、保育園というのは、基本的には家庭で対応することができないので通われているということでありますから、ここについては、正直言っていろんな要請をしようと思っても限界があります。

 学校については、これまでも1月、それから2月と、それぞれ県下でいうと1月が出雲、浜田、江津、それから益田、邑南、そして自主的に行われた大田市の小・中学校、そして2月が雲南市さんですかね、で学校の、小・中・高の形で行いましたけれども、今のこの松江市の状況を見ますと、学校の中でターゲットにすべきは、よく見ていただくと、中学生の世代というのは13歳から15歳ですので、これは下がっております。高校生の16歳から18歳の数字はもともと上がっていないという状況でありますので、学校の中でターゲットにすべき、焦点を当てるべきは小学校という状況でありますから、今週月曜日に松江市に対しまして、学校単位での発生状況などを見まして、松江市の小学校の休校を来週、これはウィークデーが、休みが4日間ありますので、その4日間の休校を検討されるべきではないかというふうに提案をいたしました、打診をいたしました。残念ながら、本日のところ、回答いただきまして、来週の4日の休校については行わないという御回答でありましたので、なかなか、島根県としては出せるアイデアは出しましたけれども、松江市において採用されないという状況ですので、大変危機感を持って具体的な分析をした上で、具体的な提案をするところまではいたしましたけれども、松江市さんにおいて採用されるに至っていないという残念な状況にあります。

 保健所設置市でもありますし、そういう意味では県知事と同じ立場におられますので、感染状況については我々よりも詳しく御存じな方々なので、私はこういう数字とか、こういった資料は提供していますので、この数字とか今の年代別の状況とか、これまでの6波に迫る状況、それに占める松江市の割合の大きさといったところを含めて、正直申し上げて、危機感を共有していただければ御理解いただける内容だというふうに思いましたが、理由を詳しく伺っていませんので、なぜ駄目なのかよく分かりませんけども、恐らくこの数字、客観的な数字ですから、同じ数字に対する数字の捉え方、危機感が全然違うということで、こういう残念な状況になっているというふうに私自身は受け止めております。大変大事な論点ですけれども、県としてできる提案、できる対策、できる分析は最大限いたしておりますけれども、残念ながら松江市さんにおいて採用されるに至っていないという残念で厳しい状況にあるというところであります。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 先ほどの知事の発言を踏まえてですけども、松江市問題だとおっしゃってる一方で、県側の提案をなかなか採用されていない状況があるというふうにおっしゃってたんですけども、これから先のアプローチの仕方というのはどういうふうに行っていかれるんでしょうか、松江市に対して。

 

○丸山知事:私の今のところの認識でいきますと、この数字を見て危機感を持たれていないということは、説明するとか、何か理解を求めるとか、そういうレベルの問題じゃないので、こういう数字でも、まあ、まだいっとき様子を見ても大丈夫でしょうと思われている方に何を言っても厳しいんじゃないかと。ちょっと県の能力を超えている、現状をどう捉えるかということにおいて、私はこういう状況を放置しておくことが、保健所の能力なりを超えて、今までのやり方を松江保健所ができなくなるということの危機感を含めて、つまり、感染を保健所の介入によって一定程度コントロールしていくというこれまでのやり方が崩れかねないような数字だというふうに思っておりますので、私は危機感を持っておりますけれども、松江市当局の認識というのは、そういう危機感をお持ちじゃないということか、それか、または別のグッドアイデアをお持ちなのか、それは分かりません。後者を期待しますけど。どちらかでしょうね。それは、申し訳ありません、私に聞くんじゃなくて、取材をしてください、松江市のしかるべき方々に。この数字で大丈夫だと思っているのか、それとも感染を抑える魔法のスティックを、ハリー・ポッターみたいにこう、くるっと回すとひゅっと収まるみたいな魔法のつえをお持ちなのか分かりませんけど、それは松江の県民の皆さん、市民の皆さんが関心のあることだと思いますので、別途取材をしていただければというふうに思いますけど、推測としては、危機感がないか、グッドアイデアをお持ちか、どっちかじゃないでしょうかね。

 ただ、私自身は、いろいろ批判のある手法でありますけども、学校の短期の休校というのは、お手元の資料の2ページで、県内において、これは出雲市も含めてです、松江と都市化の度合いがほぼ同じだというふうに言えると思いますけども、人口規模も同じ社会構造の地域、出雲市が1月の時点で186(人)という1週間当たりの人口10万人当たりの感染者数というピークを迎えましたけれども、休校を経ることによって感染者数を減らした、ほかの地域も同じです。これ2月かな、2月の雲南(市)も同じです。ですので、結果は出ている内容だというふうに思っていますので。

 家庭の感染というのを家庭内で止めるって難しいんです。帰省をされた方に伴う感染って、出ちゃうんですね。なぜならば、何度も申し上げているように、食事、トイレ、お風呂、洗面を共用してしまえば、それは感染リスクが普通に会話するとかというレベルと全く違う高さなんですから。そういう家庭内の感染って、なかなか抑えるのは難しい。ただ、そうなってしまうと、子どもさんがおられれば、そこで家庭内感染が広がって、感染されたお子さんが学校に来られるというのは、ここまでは避けられない。

 ワクチン接種を大人がしているから無症状感染で、子どもさんも無症状感染だと。学校の先生が気をつけるとか、家庭が気をつけるとか、そういう範疇を超えて家庭の感染が学校に持ち込まれざるを得ないというのは、これは学校の不手際とか生徒さんの注意力のなさとか、そういうことじゃないわけです。だから、そういう今回のオミクロン株の特性を踏まえると、そういうことは避けられないわけなので、それを一旦休校する、つまり家庭と家庭が交じり合う場所って、これはもう避けられないわけですね、それが避けられない学校という場所で家庭間の接触を一定抑えることで、家庭で生じてしまった感染を家庭内でとどめるという効果が構造的にあるはずです。

 発症する方は、1週間、学校に出られずにおられれば、自分が発症したり親御さんが発症したりして、そして感染者として確認をされて、そして治療なり隔離をされて、学校に感染として及ぶことはないし、濃厚接触者になったとすると、自宅待機をされるので学校に持ち込まれることがないという意味で、一旦そういう家庭と家庭が交差し合う場所での感染の持込みというのを1週間、といっても、土日も含めればウィークデーの5日プラス前後2日あれば9日ありますから、3回ぐらい、三次感染ぐらいまで生じ得る、その期間の間に発症が出て、確認されればそこで止まる。無症状感染のままで分からないものは、これはもう避けられません。だからある程度残りますけど、有症状の感染を家庭の中で、ある意味あぶり出すことで、あぶり出されたものというのは学校に持ち込めないと、そういうことで感染を抑えることができると私は思っています。ただ、学校の学びが止まるという副作用はありますけれども、そういった意味で、今回のオミクロン株の感染力の強さ、そして感染に至るスピードの速さがあれば、2週間も3週間も休校する必要はないので、1週間と土日で家庭で踏みとどめるという効果を発現することで、それ以降の学校での感染、また社会全体での感染を抑えることができると私は確信しております。

 ただ、この数字を見てもらうと分かりますけども、同じ都市構造の出雲市で効果が発現されたのは、1月の上旬の直近1週間当たり人口が、10万人当たりで186人という数字の水準でしたよ。このときは、私はこういう効果が発現できたと、発揮できた状況ですけど、今の松江市さんの数字というのは、それを大幅に上回る263(人)です。ですから、全く同じような、こう上がったものがこう下りるような効果を発現するのは難しいかもしれません。ある意味、出雲に比べると時期がもう大分遅れているわけですから。だからより深刻なんです。同じことをやったとしても、出雲市と同じような効果は期待できない。ただ、それは効果がないわけではなくて、上昇ベクトルが強いので、抑える力が一定だとすると、こう落とすんじゃなくて、横ばいだったり、上がる力が、上がる幅がちっちゃくなったり、その程度に収まる。でも、それは感染を減らすんです。一次関数の傾き10だったものが5になるとか3になるというのは、これは感染を減らしているんです。できればマイナスにしてほしいですけどね、なってほしいですけど、それぐらい感染が進んでいるというのがこの数字なわけですよ。

 出雲市の数字はまだ、急にせり上がりましたから、感染の蓄積度は少ないわけです。松江市のこの数字見てください。高いところにあって、こうなっているわけですから、こうやって上がっていったところよりも感染の蓄積がはるかに大きいわけですよね。正直言って、市中感染がより進んでいるんです、これだけの数字が続いているんですから。なので、より難しいから、遅らせる理由が全くないと思う。様子を見ているという、そんな余裕があるような数字じゃないと私は思うんだけど、私は思うし、そんなことぐらい分かってくれるだろうと、保健所を持っているところだからと思っていたけれども、そうはならなかったというところが残念なところですね。

 ですので、何ができるかというと、数字に対する評価を全面的に改めてもらわないと、上品な言葉で言うと釈迦に説法ですかね、もうちょっと下品な言葉はあるけど、そっちはやめておきましょう。釈迦ということにしておきます。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 先ほどの話だと、これ以上、県としては市にこうしてくださいとかっていうアプローチは、もうしないというふうな、そういったことでいいのかというのを確認と、とはいえ、先ほど松江市問題とおっしゃったように、松江市が止まらないと、それに引っ張られて県内の感染者も止まらないと思うんですが、上定市長との直接協議で危機感をまた共有するとかって、そういった方法もあるとは思うんですけども、その点についてはいかがでしょうか。

 

○丸山知事:いや、私は、この数字を見て気づかない人が、私が話したからって気づくことないです。私のこのだみ声を聞いたからといって変わるわけがないでしょう。これは数字ですよ。この数字に対する感性の問題です。棒グラフとか折れ線グラフとか算用数字が私の声に替わったところで、変わらないでしょう。

 私、もう正直申し上げて、2回目ですよ。そんな世の中、甘いもんじゃない。申し訳ないですけど、JFしまねと似ていますね。これは、このままでいいとトップとかトップの周りの人たちが思っているという状況を、市民の皆さんがそれでいいと思われるかどうか、そういう市民、県民の皆さんの声しか、認識を変えてもらうことはできないんじゃないですか。

 県知事としては言いましたよ。私が直接話していませんけど、野津教育長が松江市の藤原教育長さんのところに月曜日に話しに行って打診をしている話ですから、県としてできるだけきちんと直接伝えるという対応はしていますし、松江保健所がこの数字を理解できないわけがない。今の状況を変えられるのは市民の皆さんの声しかないんじゃないですか。ですから、きちんと報道していただかないと、市民の皆さんは状況を把握することすらできないので、県政記者クラブの仕事かどうかは微妙ですけど、市政所属の記者の皆さんと相談していただいて、こういう状況でいいのかどうか。

 いいという見方もあるんです。日本全体はね、はっきり申し上げる、日本全体のスタンダードは、こんな数字でびくびくしているほうがおかしいというのがジャパンのナショナルスタンダードだと思います。でも、それが県民の皆さんが望まれている姿かというと、そんなことはないでしょう。医療崩壊しなければいいのか、保健所の業務が崩壊しなければいいのか。私は違うと思っています。私がお願いしていることなので大変心苦しいですけど、今、松江市内の飲食、これは松江市に引きずられて県東部全体になっていますけど、県東部の飲食は4人以下でお願いしないといけない状況にあります。これが、あなたが厳し過ぎるからそうなっているんだという方もおられるかもしれませんけど、私は、私が8人と言おうが12人と言おうが、こんな感染者が出ていたら、松江の飲食店街に大勢人が出られるということはない、決して経済との両立はできない。

 東京や大阪では、風邪やインフルエンザと同じだから気にするな、重症化リスクのない人はどんどん外に出て、感染なんか気にせずにお酒飲めばいいじゃないかという雰囲気がまん延していますけど、そういうメンタリティーに島根県民の皆さんは少なくとも今ないですよ。私もそうですけど、風邪やインフルエンザだからといって、かかっていいとは思わない。仮に同じだとしても。違うけどね。そんなメンタリティーをお持ちじゃないから、気にせずいろんな消費活動しましょうって呼びかけたところで、そうなられない。ということは、島根県における、それは松江市も含めて、コロナの感染拡大防止と経済活動の両立というのは、今の水準よりももっと低い水準で感染者数を抑えて、感染のリスクが、ゼロというわけにはいかないですけど、それほど高くないというふうに安心してもらえる環境をつくることでいろんな諸活動がコロナ前に近い状況に戻っていく、そのルートしか今ないと思っています。なので、医療崩壊しなけりゃいいだろう、保健所の業務が回っているうちはいいだろうって、そんなことをやっていると、松江の水郷祭をやる前に、松江市内の飲食店がどんどん店を閉めなきゃいけない状況になっていきかねないんじゃないかと。

 私は、この4月になりましても何度かお酒を4人以下で飲ませていただく機会がありましたけど、私はあれですよ、飲食店の経営者の方にお会いすると、それは当然、4人ということをお願いしている立場ですから、早く8人とか10人できるように頑張りますんでというふうに言っていますよ。そうしなきゃいけないと思っている。

 タクシーで帰りますよね、お酒飲んだら。タクシーの運転手さんだって同じですよね。遅い時間まで飲んでくれる方は少ないし、台数も少ないし、乗車されても売上げはとてもコロナ前の数字なんかに到底及ばないって期間が1月から、もうこの4月まで、もう4月終わろうとしていますからね。1月の新年会の時期、3月の送別会の時期、4月の歓迎会の時期、これ年間でいうと本当、4本、5本に上げる、売上げを上げる月が、4人という制限の中でしかお客さんを迎えることができないという状況が、もう4か月も続いている。これってもう早く終わらせたいと私は思いますよ。

 それは感染の問題だけじゃない。病院が逼迫しなきゃいいじゃないかということじゃなくて、島根県におけるウィズコロナじゃないけども、経済をどう回すかという観点でいくと、やっぱり下げられる感染者は下げて、それに伴う県民の皆さんへのいろんな負担についても御理解を得ながら、最小限にしながらそういう姿を目指していくというのが県民の皆さんから求められている島根のウィズコロナだと思っていますので、この松江の感染者の状況というのは、とてもとても経済が回っていくような、そんな数字ではないということです。

 こんな話は、もう1回目のときにしていますから、市長さんには。ロジックも示して、数字も示して理解を得られないんですから、島根県知事としてはちょっと松江市内については今、お手上げの状況ですよ。それを変えられるのは、市長さん方に対する、市に対する、それでいいのかという声が上がらないと認識を改められないんじゃないですか。来週でいいとか再来週でいいとか、もっと様子を見ようとか、そんな数字じゃないんじゃないかというのが私の数字に対する見方。

 私からすると、よく例えられるのは、コップの水が半分残っている。これを半分も残っていると見るのか、半分しか残っていないと見るのか。よく言われるじゃないですか。私は、今の状況はコップに5分の1、水が残っている。私は5分の1しか残っていないと見る。松江市さんは5分の1も残っていると見られている。ちょっと理解し難い状況ですよね。それで経済が回るのか。

 いろんな人がいろんな、コロナの治療薬がちゃんと開業医の先生方まで出せるような、そういうインフルエンザと同じような状況になれば5類になってこんなことはなくなりますけど、それまでの間は、いろんな立場の方が少しずつちょっと我慢をしていただいて、全体としてうまく回るように少しずつ協力をしてもらわなきゃいけない。飲食店の皆さんにも利用される皆さんにも協力をしてもらっている。学校の、もし休校になるとすると、親御さんも生徒さんもそういう負担が生じる。そういう負担を最小限にしながら、やっぱり何とかその方々以外の方のためにも協力をしていただくというところを探してお願いをしていくというやり方を当面続けないと、なかなか東京マインド、大阪マインドに島根県民の皆さんがなるとはちょっと思えないということです。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 先ほど、日本全体のことにも少し触れられたと思うんですけども、徐々にびくびくしない方向にというか、緩和の方向に行ってるというふうに知事もおっしゃっていて、実際、国全体だったりとか、東京都を含めてですけど、ゴールデンウィークも例年のようにというか、以前のような強い自粛を求めたりという動きはない中で、島根はやっぱり自粛を求められるわけですが、それについても先ほどおっしゃったように、安心できる数値になるまでは、基本的にこのスタンスを変えないということでよろしいですか。

 

○丸山知事:もう一つ違う側面があって、1ページ目に、ちょっと見にくい表ですけど、初めて見ていただく表にしています。横軸が、一応第6波を年明けと、島根県の場合、年明けだったので、年明け以降として、4月の17日までの数字を、横軸が人口10万人当たりの感染者数です。縦軸が人口10万人当たりの死者数です。ですから、人口の多寡は関係ない客観的な数字にしています。もうはっきり分かるように固有名詞を入れていますけど、非常にばらつきがあります。私は、感染者数が多くても、死者が出なければ、それはそれで感染症対策としては一つのやり方だと思います。ただ、この指標を統計上処理すると、一番この点の分布に近い直線というのは、この直線になります、統計上。そうすると、これはやっぱり感染者数が増えると死者数が増えるということですよ。

 厳密に言うと、例えば福井県ですね、福井県が下のほうにあるかもしれません。感染者数が島根県よりも2倍ぐらい、感染者数2倍ぐらいで死者数が人口10万人当たりで同じだから、感染者数が2倍になっても死者数が変わらないという例がないわけじゃない。ただ、これは、そこに持っていけるというのは、ある意味偶然なわけです。感染者の増を許容して、どう動くかというと、基本的には死者数が増える。ほかの県もそうですけど、別に感染者数を増やそうと思って増やしているわけじゃない。抑えた結果がこうだから、これがその優劣とかというつもりはないですけど、感染者数を抑えようと思ってこの数字まで抑えられているのに、それを放棄して、わざわざ死者数が増えるような感染容認政策を島根県が取る必要ないですよねと、そんなリスクを取る必要ないですよねというのがこの数字だと思います。

 なので、今のやり方を継続していけるうちはやっぱり継続をして、感染者数も少ない、死者数も少ないというこのポジションをわざわざ自分で放棄する必要はないと思っているんです。いや、これができなくなったら、こういう状況が保てないかもしれません。ただ、この努力を放棄する必要は全くない。このポジションをわざわざ手放す必要はない。わざわざ死者が増えかねない政策を取るべきじゃないと思っています。

 もう一つ言うと、これだと数字がはっきりしないので、縦表で実数を置いています。感染者数は人口当たり46番目ですね、人口10万人当たりの数字。死者数は47番目です。特に今回の往来について言うと、感染を抑えるために申し上げているので感染の状況を見ていただくと、島根県の感染者数の2倍を超えているところというのは、宮崎県以上です、30都道府県ある。3倍を超えているところは14都道府県。4倍を超えているところは3つ。5倍が2つ。やっぱり感染者数を抑えているので、多くの県が、感染者数がうちよりも多い県なんです。そうすれば当然、県内にいるよりも感染リスクが普通に高いですよね。わざわざ高いところに行ってもいいですよと言うポジションに、島根県の場合、ないので、お勧め、御自由にどうぞといってわざわざ感染者を増やすような対策を取るつもりはないということです。

 真ん中だったり、正直言って上のほうだったりするところはいいでしょう、出ていったほうが感染者数が、市中感染の度合いが低いんだから。自分の感染リスクが高まるわけじゃ、逆に、ないわけですよ。そういう方々にとっては自由で構わないでしょうけど、低いところにとっては、出ていくほうがリスクが高いのに、わざわざ控えなくて結構ですよと言う必要がない、ポジションが全然違いますよね。なので、こういう客観的な数字が出ている以上は、わざわざ行き慣れないところに行って感染リスクにさらされる、で、感染して帰ってこられて県内の感染者数が増えていくということの方向に傾くようなお願いを何とかせずに、今の足元の数字も過去最高に迫る数字ですから、そういうことを許容できる環境にはないということで、県民の皆さんに、ぜひともほかの県とか、多くの県、それから全国的なスタンダードからすると、正直言って少数派、極めて少数派の対応かもしれませんけれども、島根県の立ち位置からすると、わざわざこれを緩めて感染者を増やしていくということをやることに合理性が見いだせないということなので、今までと同じスタイルで何とか治療薬の普及なりなんなりを待つと。

 そして、県内の数字を抑えていけば、県外往来自体を許容できる数字とかになれば、また治療薬の普及なんかなくても、そういうことも、県外往来を細かくとやかく申し上げなくても済むタイミングも来ると思いますので、ともかく今のこの最高水準に近づいている、なおかつ、見ていただくと分かりますけど、福井県とかだって、うちの倍なわけですよ、人口10万人当たりの感染者数、倍ですよ。だから、同じような山陰側の県ですよね。そういう県、別に大阪に近いわけでもない、そういう県が、感染者数が人口10万人当たり2倍になることは普通にある。ということは、島根県が今200(人)前ぐらいで最高を更新とかって言っていますけど、400(人)になることだって全然あり得る。400(人)になったって大丈夫ですなんていうことを軽々しく言えるような状況には、医療の関係を含めてもそうですし、保健所もそう、経済の面からいったってそうだし、わざわざ、これぐらいの数字だから2倍にしたっていいじゃないか、ある程度感染者数が増えたっていいんじゃないかというふうにかじを切れるような、すみません、かじを切るような、私には度胸がないです。堅実にこのコロナ対応をやっていくというのが、今の中で、100点じゃないと思いますけど、いろんな選択肢がある中で、50点、60点、70点、どれも100点じゃないと思いますけど、一番点数の高い合理的なやり方じゃないかと思って、こういうお願いをさせていただいています。

 

○読売新聞:読売新聞です。よろしくお願いします。

 確認なんですけれども、まだ、当然こちらでも取材するという体でなんですけれども、松江市の関連なんですが、松江市のほうは、休校措置が取れない理由というのは何か示してるんでしょうか。

 

○丸山知事:いや、取れない理由というロジックなのか、取る必要がないというロジックなのか、それすら分かりません。今の林さんの話というのは、やりたいけどやれないのか、やる必要性は認めるけど(やれないのか)、やる必要があると思われているかどうかも分かりません。私は、この数字だと枕を高くして寝れませんけど。

 

○読売新聞:理由自体、伝わってないということですね、現在。

 

○丸山知事:はい。何というか、電話でのやり取りでは聞いていますけども、どういうふうに再度言われるか分からないので、私のほうで不正確なことを言ってもいけませんから、正式に取材をして聞いていただければと思います。

 

○読売新聞:分かりました。ありがとうございます。

 

○丸山知事:ただ、私が何度も申し上げているように、この数字に対する認識が違うとすると、この程度の数字でやる必要はないと思われている可能性もあるでしょう。やる必要はあると分かっているけど、いろんな問題があってできないと思われているかもしれない。それはいろんなバラエティーがある、やらないロジックはいろいろあるでしょうから、そこは最終、どういうふうに市のほうで言われるのか、まずその正式な取材をされてから答えられた内容じゃないといけないと思うので、私は人づてには聞いたり、電話で聞いている職員はおりますけども、ちょっと具体的に申し上げられるほど正確さを期せる内容がないと、だからよく分からない。

 

○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。

 

○山陰中央新報:すみません、往来のところでちょっと追加でお伺いできればと思います。

 例えばですけど、県外からの観光客の方、どうしても大型連休ですので、島根に行ってみたいわという方はいらっしゃると思うんですけど、そういった方々に対しては、今回は、知事としては、そういった方もちょっと今回は御遠慮くださいというふうな呼びかけをされるのか。

 

○丸山知事:まず一つ、46都道府県の住民の方が島根県知事の呼びかけなんて、まず目に触れることはないでしょう。無理です、はっきり言って。県民の皆さんだから、島根県民だから島根県知事の話を聞いてくれますけど、自分とこの知事が御自由にどうぞと言っているのに、島根県知事が何か言ったって、もう正直言って、まず効果は期待できないのがまず1つ。

 もう一つ、これまでたくさん県外往来で感染者は確認されていますけども、旅館やホテルなどで、観光に絡むところでの感染拡大というものは確認されておりません。これはなぜかというと、旅館、ホテル、飲食店も含めて、当然それぞれのガイドライン、要するにプロが対応されるわけですよ、プロが。よほどプライベートな、友達のうちに泊まったとか、実家に帰省したとか、それは家族以外の人と、赤の他人、生活を全く別にしていた人とトイレやお風呂や洗面を共用するわけだから、感染はそっちのほうがはるかに多くて、ホテル、旅館に泊まるというのは、一回きれいにされたところに、クリーンルームに入られて、一緒に来られた人との間で家族のような接触をされるだけなので、外の人たちとそういう帰省とか飲み会をするとか、そういう接触はないわけですよね。だから、そういう構造からしても低いですから、きちんと各業界で対応していただくことで感染拡大の芽になるという可能性は極めて低いというふうに判断しています。

 ただ、これは県民の皆さんの気持ちとして、自分たちが県外に行って同じようなことをできない中で、県外から来られて自由にやられているということに対して釈然としないとか、自分が我慢していることに対して、そことのバランスで納得できないというふうな気持ちをお持ちになられるのは、これはもう十分に理解します。理解しますけれども、止めようもないし、止めることについての感染対策上の合理性も乏しいので止めませんし、それはそれで経済振興にもなりますし、感染拡大防止と両立する形で県外客に来ていただくということについては、県民の皆さんの気持ちとして釈然としないということは重々理解をするんですけども、それを止めることは、それはそれで感染対策という合理性がないということと、実際にやったとしても効果がないということと、あと、経済的なマイナスが大きいということです。

 釈然としない、自分たちが、県民の皆さんが耐え忍んでやられていることとの兼ね合いで、自分たちがこんな制約があるのに、なぜ県外の方が自由にこういう行動できるのかというアンバランスについて理不尽さを感じられるというのは十分理解をするんですけども、それは県内、県民の、行かないこと自体が、我慢していただくこと自体が御自身のためにもなるし、島根県のためにもなるし、それが無駄にはならないわけなので、そこの点を御理解いただきながら、難しいかもしれませんけども、御理解をぜひともお願いをしたいというふうに思っております。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 先ほどの関連で、部活動については、今日のリリースで、学校長が認めた場合にはゴールデンウィーク中も練習試合をしていいというような発表があったと思うんですけども、その点が、県外との往来のところとの考え方の整理というか、どういうふうに受け止めればよろしいですか。

 

○丸山知事:だから、部活動は、趣味だと思えば旅行と同じでしょうね、好きでやっていることだと。ただ、やはり文武両道という学校の教育方針なり、自分のために勉強も頑張るし部活も頑張るという、そういう中で一生懸命やっている子どもさんからすると、決して楽しみにというか、何かレジャーで行っているわけじゃないと私は理解していますし、なおかつその部活動の成績を基に自分の進路、自分の進みたい、その競技で自分の行きたい、自分のためになる学校なりに進学をしたい、そういった推薦を取るためにしかるべき舞台できちんとした成績を残したいと、進路にも関わる、そういう意味でいくと、観光とは違う、それより大事な仕事に近い、私が申し上げた例外事項でいきますと、通学と見るのかやむを得ない仕事と見るのか、自分のために欠かせないものとして許容するつもりです。ちょっとそれ、部活動まで入れていませんけど、そういうことです、例外として扱ってしかるべきではないかというふうに思っております。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。


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