2月8日質問項目1
1.令和5年度当初予算案
○山陰中央新報:山陰中央新報社の白築です。よろしくお願いします。
○丸山知事:お願いします。
○山陰中央新報:先ほど御説明いただいた来年度の予算編成の件で何点かお伺いしたいと思うんですけども、御説明の中にもあった、編成に当たって財源が不足したので財政調整基金を5億、多めに取り崩していらっしゃるというところで、近年にない対応になったかと思うんですけども、ここに至った政治的な判断だったりとか、そういったところをもう少し詳しく知事の思いが伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:当初予算の編成の中では、今回、国の経済対策などによって、県で活用できる臨時交付金や地方交付税というのが昨年の114億に比べて51億円と半減以下となったわけでありまして、当然やりくりをしていかなきゃいけないということで、いろんな見直しをしながら必要な対策を講じていくということで、制度融資や飼料高騰対策への補填金というのは従来から絞る部分もつくりながら充実をしていくように、事業継続の見通しを立てていただけるように予算を確保していく。また、観光施設整備の支援については、国の対策、補助金が十分に活用できるように、県の既存事業を1億円削減をするなどして総額3.5億円確保していくと。そして、いわゆる枠予算ですね、コロナ、エネルギー関係、物価高騰関係の枠予算、補正財源については、既存から約16億、規模を縮小するという形で財源を捻出しても、なお必要な対策に足りないということでありますので、必要な対策を削れば5億円追加する必要はなかったですけども、必要なものを盛り込んでいこうと思うと、例年の50億という水準では足りないということでありましたので、取崩しの追加をさせていただいたというところであります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
そういった、切れ目のない対策というふうにおっしゃって、今の県内経済の状況への知事なりの危機感という部分、もう少し伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:コロナというのは、非常に人の出入りとか、いわゆる飲食、飲み食いとか、そういう人の接触する場面での業態というのはものすごい影響が大きかったですけども、逆に言うと、影響がない業種もこれは一方であったわけです。今回のエネルギー、それから原材料、そして家計ベースでの様々な製品の値上がりというのは、全ての家計、全ての事業者、影響がない人はいないという状況でありまして、それがいつ終わるか分からない。これもコロナも同じですけども。コロナの影響も5類化ということで重く受け止めないという政府の対応は進んでいますけど、現実が5類化で何か変わるわけじゃないので、コロナが残ったままで新たな、全ての家計、全ての事業所に影響を与える経済的な悪化要素が県内経済全体を覆っているわけですから、率直に申し上げて、昨年よりも対策が必要な状況だというふうに認識するのが妥当だと思います。なので、切れ目もつくれない。骨格編成することはやろうと思えばできましたけど、対策を遅らせて、3か月後にしか島根県の、今年これだけやっていこうという全体の姿が見えないというふうなことをやってる余裕も、事業者の皆さん、家計にないですし、人口減少対策という意味で見ても、3か月遅らせる余裕が島根県にはないと。島根県とか、島根県内の県民の皆さん、また事業者の皆さんにそういう余裕がないという状況ではないかという認識であります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
先ほど御説明の中でもあった、国からの予算が大幅に減ってきていて、今後、5類への移行も踏まえて、さらに減っていく可能性があるかと思うんですけども、そういった中で、これまで打ってきた対策は引き続き打たないといけない状況があって、そこの難しさだったりとか予算編成への与える影響みたいなところをどう見ていらっしゃるか伺えればと思います。
○丸山知事:これからは、コロナの関係で経済対策的なお金は来ない。政府は大体そんな感じでしょうね。新聞報道によれば、ワクチン接種を年に1回にしようという勢いですから、秋冬1回きり。(訂正事項:回数については現段階で国からは示されておりませんので、訂正いたします)驚くべき金の削り方ですから、5類化を何のためにやっているのかよく分かりやすい話だなと思いますけど、とてもとても地方に裁量のある財源なんか来る感じはないですよね。多分、絶対来ないでしょう、このままだと。ですので、エネルギー・物価とか、そっちの関係では来るかもしれませんけど、コロナ関係での経済悪化要素というのは、もう気にしないと、感染すら気にしないわけだから。感染を気にしない、影響も気にしないと、そういうモードになっていくでしょうね。ただ、実態はそうきれいにいかないでしょうから、県内で起きてる状況を的確に把握して、できることを最大限やっていくということですし、当然、コロナ関係がどうか分かりませんけど、少なくともエネルギー・物価高対策については、まだその余地があるので、きちんとした支援を引き出していくということじゃないかと思います。
○山陰中央新報:すみません、ありがとうございます。
そういった中で、今後の地域財政運営方針の見通しというか、そういったところも、予算編成に併せて、現状と今後の展望だったりを伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:いや、大体見通しどおりにできそうだということですね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
細かいところになってしまうんですけど、事業見直しの部分で、美肌のところで約1億円ぐらいの削減があったかと思うんですけども、知事就任以来、美肌の観光はかなり力を入れていらっしゃった面もあると思うんですが、任期を迎えることもあって、この美肌観光の現状だったり、その予算削減の、ここも決断の理由だったりとかを併せて伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:いや、だから、事業者の皆さんが施設整備を優先してやられているから、そっちに合わせたって、さっき説明した1億円の削減の中の一部が美肌ですけど、施設改修のほうが大事だと、そういう勢いなので、事業者のニーズに合わせたということです。そのほうが国費が取れますからね。県の美肌予算というのは県費だけでやっていくわけだけど、施設改修、除却も含めた面整備は半分、観光庁が出してくれる。それを県と市町村でさらに上乗せして支援することで施設整備が進むということですから、どっちが優先かといったら、事業者がそっちを選んでいるから、そっちをやっていくということです。ただ、別に美肌観光をやめるつもりもないですし、言葉は悪いですけど、美肌観光そのままで純増なんかできる余裕はないんだから、そっちが必要なんだったら、こっちを減しましょうかと、一時的に。まあそういうことです。
美肌観光自体は、順調かどうかは別ですけど、せっかくの島根県の気候とか素材がもともとある話で、使える素材なので、使える素材として、なので継続していきます。ただ、今年については、そういう施設改修のほうがお金が要ると。それは事業者がそっちを望んでいるわけだから、そっちに対応するということですね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
予算関係、最後に、知事選を控えていらっしゃって、この4年間というのがコロナ禍とずっとあって、予算編成もそれに引っ張られる形になってきたかと思うんですけども、この4年の知事御自身の予算編成を振り返ってみられて、所感が伺えればと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:予算編成全体でいうと、恐らくいろいろな対策を、これは政府からの財源もありましたから、これだけ補正をしてお金を使うという機会はなかった、県財政としても非常に希有な3年間だったと思いますけど、それでもなお県内経済がコロナ前に戻ってるというわけじゃないわけですから、コロナ対策、それから物価高騰対策、これを2つやっていかなきゃいけないという意味で、より工夫して、これからもやっていかなきゃという、これまで以上にやっていかなきゃいけないということだと思います。コロナ対策をやることに伴う財政の悪化とかっていうこと自体は、財政調整基金、一時的に使うことはありましたけど、一時的な取崩しにとどまって、15億、コロナ融資の単独枠を増やすために取崩しはしましたけど、復元ができましたし、そういった意味で、コロナ禍での対策というのは、政府からいただいた財源の中で対応できたということで、財政悪化要素にはならなかったのではないかと思っております。ただ、今年の予算というのは、財政調整基金の取崩しが5億円増えてるわけなので、これまでのペースでいかなくなっているということではありますけども、この5億円に相当する対策を行わないことで県内事業者の皆さんが事業継続の見通しが立たなくなるとかということというのは、さらなる財政悪化要素ですから、雇用も悪くなるし、使うべきところでは使っていくということで、ちょっとモードを変えて、今年度については財政調整基金の取崩しをしましたが、今後ずっと55億円をやっていくということを決めてるわけでもありませんし、そうならないようにしていかなきゃいけないと。50億円ベースに戻すというのが一つの再来年度の当初予算の一つの目標になるでしょうね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
○読売新聞:読売新聞の林です。
すみません、ちょっと予算の話で1点お伺いさせてください。
ちょっとすみません、これ突然聞かれるとちょっと困るかもしれないんですけれども、何か今回の当初予算、知事のほうで何とか予算みたいな感じで、何か名づけるとしたら、どんなこと出てくるかなという、ちょっと気になったんですけれども、何か思い浮かぶことございますでしょうか。
○丸山知事:本格予算です。ごめんなさい。
○読売新聞:分かり……。
○丸山知事:すみません、選挙がありながら、それを気にしない、そういう意味では積極的な予算ということでしょう。分かりません。謙譲の美徳を投げ捨ててる予算ということです。政治的には謙譲の美徳でいえば骨格予算にしなきゃいけないんでしょうけど、そんなことを言ってる場合じゃないということで、当面の、ともかくコロナに加えての、物価高騰で厳しい状況に置かれてる県内経済に対して、必要なこと、できることを最大限やっていくと。
すみません、短く、アイデアがないです。すみません。
○読売新聞:いや、こちらもすみませんでした。
○丸山知事:いえいえ。
○中国新聞:中国新聞の新山です。よろしくお願いいたします。
予算に話が戻るんですけれども、知事が年頭に今年の抱負というか、状態として、コロナ対策をしながら物価高にも対応して人口減にも対策するという、その三兎を追わなければいけない厳しい状況だという話があったかと思います。今回の予算なんですけれども、その三兎を追うような予算になってるかなとは思うんですけれども、一方で、コロナ対策、物価高対策というのにすごく負荷がかかっていて、最初にいたはずのウサギである人口減対策ですね、これに対して十分に手が打てていないんじゃないかという声もあろうかと思うんですが、知事御自身、今回の予算について、人口減対策という部分についてはどのようにお考えかというのをお聞きしたいんですが。
○丸山知事:人口減対策は、基本的には産業振興する、子育て支援の充実をしていく、子育ての負担の軽減をしていく、そして地域対策として中山間地域等の生活機能を維持していく、そういったことを進めるためのインフラを整備していくってことなので、基本的には県がこれまでやってきた対策を、人口減少対策という観点から、より効率的、効果的にやっていくということに尽きるわけなので、全ての部局がコロナ対策に忙殺されていくわけでもないし、それはそれでやるべきことをやっていたので、和牛振興みたいな感じで全共は全共で成果を出し、放課後児童クラブみたいなところというのは、ちゃんと定数も増えてますし、そういう成果は出てますから、物事としては両立しながらやっていくしかない。コロナの対応をやらなければ、もっと進めた余地は当然あるでしょうけども、コロナとかこういう物価高騰対策をちゃんとやらないと、雇用が縮んだり家計が苦しくなったりということで、結局のところは島根創生、人口減少対策の足を引っ張りますから、それぞれがばらばらにやるというよりは、やっぱり当面の生活、事業が成り立つということを危うくしてるのがコロナなり高騰問題なので、そういうことをきちんとやらないと人口減少対策もうまくいかないっていうことですから、これは何かトレードオフというよりは、こちらが増えればこちらが減るというよりは、両方ちゃんとやっていかないと、両方にとってうまくいかないというか、少なくとも2つの対策ですね、コロナ、物価高騰対策をきちんとやらないと、多分、島根創生の人口減少対策というのはマイナス圧力になっちゃうから、基本的には3者がバランスよくやっていくということがどうしても欠かせないということじゃないかと思います。どれも必要だと、どれかが欠けてもいけないという感じですね。
○中国新聞:分かりました。
○島根日日新聞:島根日日新聞の前田と申します。
予算についてお聞きしたいんですが、若干、以前の質問とかぶるところがあるかもしれませんけど、来年度予算の金額、4,800億、前年度比0.1パーですから、予算の姿としては、ほぼ横ばいということなんですけど、知事自身、予算編成に当たって、積極型で臨んだのか、あるいは緊縮型で臨んだのか、あるいは中立なのか、予算編成に臨む姿勢がどうだったかをお聞かせください。
○丸山知事:積極型です。
○島根日日新聞:その根拠は何ですか。
○丸山知事:財政調整基金5億も余計に取り崩してやってるのに、積極型じゃないわけがないでしょう。緊縮型でやるんだったら、5億円削って財政調整基金50億のままでやってますよ。
○島根日日新聞:分かりました。
それから、もう1点ですけど、県の予算は中長期的に見ればシュリンク、縮小の傾向がありまして、直近のピークが平成13年度が総額で6,600億だったんですね。それが今回は4,800億円。かなり大幅に縮小してるんですね。この間、2,000億ぐらい、島根は減ってるという状況なんです。それで、その中で、特に公共事業を中心とする投資的経費、これがかなり減ってまして、直近の平成15年度はたしか2,200億ぐらいの投資的経費だったと思うんですが、これが今回900億円を割ってると。だからピーク時に比べれば3分の1にシュリンクしてると。それで、島根県の場合、非常に、島根県の経済というのは民間部門が非常に弱い、それだけ公共に依存するウエートが高いんですね、建設業を中心に。そういった産業構造があるんですが、そうなった中で公共事業を中心とする投資的経費が落ち込んでくると、乗数効果でやっぱりいろんなところに影響が拡大する。だから、極端に言えば県の予算が地域経済を牽引してる、そういう側面が非常に他県に比べれば高いわけですね。そういった中で、全体の予算も落ちるし、投資的経費も落ちる、それが地域経済に与える影響をどう考えていらっしゃるか、そこら辺をお聞かせください。
○丸山知事:持続可能じゃない財政規模でやったって、持続できないですよ。過去のピークって、それは平成16年の交付税ショックの前の話だし、バブルの崩壊後の公共事業中心で経済対策を政府がやってた頃の話だから、申し訳ないですけど、今、もう戻らない過去ですよ。そういうとこと比較しても仕方がないでしょう。私はもう、昔にそういうことがあったってことは、それは分かりますけど、そういう時期に私も、経済対策を取り組む側に、交付税課とかでいましたけど、そういう時代だったですけど、もう今、そういう予算規模で財政を組んだら、早晩予算が組めなくなるんです。だから適正規模を我々は模索しながらこれまでやってきてるわけなので、いや、それは1回きり、やることはできるかもしれませんけど、持続しない県予算、県財政が持続的に、安定的に事業ができなければいけないでしょう。だからそういうことのほうを重視してるということです。当時はそれを支える国の公共事業の予算の規模もあったし、交付税もあった。でも、それが両方ないわけです。だから、それは今再現、地方自治体がやろうと思ってもできないことなんですよ、あの規模に戻っていくということは、やろうと思っても。
でも、それは公共事業自体は当然、我々、前田さんおっしゃるとおり、県内の大きな産業のウエートを占めている重要な産業ですし、まだまだ山陰道の整備も終わってませんし、いろんな老朽化対策などで、小規模な修繕じゃなくて大きなやり直しをしなきゃいけない事業というのもたくさんある。そういった意味で、事業というのはやっていかなきゃいけない事業もあるから、それはできる範囲で最大限やっていくというのは変わらないんですけど、今のところの、そういう財政の持続可能性という話と、そういうインフラ投資をできるだけ進めていくということの両方の連立方程式を毎年解こうとして出てくる答えが今年のこういう予算なんです。
なので、公共事業を減らしていこうというふうにかじを切ってるわけでもないし、できるだけできる公共事業はやっていきたいというふうに思ってますけども、今年なんかは一昨年の豪雨の関連の災害関連予算というのが、どうしても事業が進んでくると減ってきますから、そういう自然減で減っていく部分もどうしてもあって、そういうところは減らざるを得ないと。そんな形で、公共事業の規模を年々ちっちゃくしていこうというふうに臨んでるつもりもないです。まずはやらなきゃいけないことはまだいっぱいあるので、そういった意味で、確保できる、組める公共事業予算というのは組んでいってる上での、で、結果がどうしてもこの数字になっている、過去の数字のようにはちょっといかないというような状況です。
○島根日日新聞:分かりました。
最後に1点。来年度は幾つか新規事業があるんですけれども、特に知事がお勧めの新商品はどれですか。個別の政策でいくと。
○丸山知事:いや、お勧めというか、正直、財政調整基金の取崩しをして増やしても、なおやっぱりやらなきゃいけないと思ったのは、飼料高騰対策です。飼料、畜産の。結局、今、畜産業というのは比較的、大規模にやられているところは大規模な経営をやられてますし、設備投資も大きくて、企業的な経営に近いところが多いわけですから、やっぱり事業の見通しが立たなくなるぐらいの高騰なわけですよね、今は、飼料価格の高騰というのは。なので、それに対する公的な支援がどこまで出るかということが、半年とか三月単位でしか決まっていかないということじゃあ、それは先々が見えないというふうな状況というのをできるだけ避けなきゃいけないと思いましたので、一応県としては、これ全額を支援するのは難しいですから、これまでも半額支援と、令和3年の10、11、12、三月分の価格を基準にして、それよりも上がったところについて、国費が入ってくれば別ですけど、国費が入ってこない残りの部分を半分支援していくというのが県の基本的な粗飼料と配合飼料に対する支援なんですね。これを今、1一3月もやってますよ。それが、例えば暫定予算で、6月でやりますっていうわけにもいかないから、当然当初から組みました。半年だけ組んで、それから9月補正でまた考えるということもできましたけど、やっぱり年間の経営が成り立つかどうかということを考えなきゃいけないような厳しい状況に置かれてる畜産の現状を考えると、やっぱり最大限、今年1年間どこまでできるかということ、1年間こういう対策をやるということを示すということが大事だと思いましたので、そういう意味で、半期分ではなくて通期、1年分、きちんともうこの時点でやっていくんだということについて議会に認めていただいてやっていこうと。
その中で、価格転嫁が進んでいけば、この1年間の中でね。今実際、鶏卵というのは、鶏の卵というのは鳥インフルエンザで他県の大きな農場が生産停止に陥っているので、需給がきつくなって値段が実際1.5倍ぐらい上がっていると。そうなってくれば、これは対象から除きます。生産費、販売価格が上がってくれば対象から除きますけど、そういうのが酪農とかという世界でこの1年間で起きてくれればいいなという期待をしながら、できるだけこの1年間示せる、ちょっとある程度無理をすればそういうことができたので、そういう、力を、お勧めというか、厳しい方に対する支援なので、お勧めとか、何かこう、明るい話というよりは、力を入れたという意味で、畜産の飼料対策を通年分計上したというところです。そうしないと、せっかく全共で全国有数の成績を取っていただきましたけど、なかなか今直ちに増頭ということが難しい、逆に生産規模をちっちゃくしようかっていうふうに考えておられるようなところもあるぐらいですから、そういうところに対して最大限支援していかないと、今回の全共の成果というのを、しまね和牛全体、畜産農家全体の中に広げていくということは難しくなるので、せっかくの今回の成果を広げていくためにも、今、この時期に畜産の生産が縮小するようなことにならないように、県として最大限できることをやっていこうというふうに思ってやりました。
○島根日日新聞:ありがとうございました。
○山陰中央テレビ:すみません、山陰中央テレビ、安部と申します。
すみません、ちょっと予算の関連で、追加でお聞きしたくて。
知事、もう本格予算を編成されたというお話なんですけども、溝口前知事のときも選挙前のところでは本格編成をしていたというところを聞いてます。やはり知事として予算編成の当初から、もう骨格ではなく本格編成が必要だというところでお話を進められていたんでしょうか。
○丸山知事:そうですね、私、4年任期あるので、4回本格予算を組もうと思ってましたので。1年目は溝口前知事の本格予算だったので、そういう意味では、4回本格予算を組んでいくというのが私の基本的な考え方です。
私は、これは、私がいつ辞めることになるか、これは分かりませんけど、次は臨みますので、あと4年後かもしれませんけど、切り替わるときも私は本格予算を組もうと思ってます。なぜならば、やはり私はね、3か月なんかで肉づけなんかできないんですよ、はっきり言って。3か月で県行政を全部新しく、全部見て、こうすべきだ、ああすべきだっていうことを、トップに新しく就任して3か月なんかで全部を見渡して、これをやるべきだ、あれをやるべきだなんて判断するのは、はっきり言って不可能です。なので、ちょっと個性が出たぐらいの予算を幾つか積んで、本格予算というふうにするしかないんですよ。はっきり言うと、骨格編成ということは、つまりは肉づけをする候補というのは全部整理されているんです、事務方が全部。それを新しい知事に上げていく。そこの中で知事から指示があったことを直していくぐらいの話にしかならないので、私は、私の後の知事さんは、私の本格編成の予算を1年間実行してもらって、1年間やる中で、次の年の予算で多分、自分のやるべきことはこうだというふうにやっていかれたほうが、とてもとても3か月なんて、3か月後の、例えば本県のこういう調整だと、6月補正で肉づけをしていくとか本格予算をつくっていくなんて、まあ無理ですよ、普通に考えて。1年間やっぱりじっくり腰を据えてやってもらって、やられるのが多分私はいい、私はよかったので、私は3か月で丸山カラーを全部出して、6月補正で予算編成しろと言われたって、私、政策企画局長やってましたけど、それでもやる自信がないぐらいだから、やっぱりそういう、私も溝口知事も多分同じ思いで多分本格予算を組まれたんだと思いますけど、やっぱりなったばっかの人がいきなり3か月で自分のカラーを出し切った当初予算を編成するって、なかなか、よほどのケース、よほどのことがない限り、副知事さんから知事になるとかね、そういうことでもない限りは無理だと思うので、私は毎年毎年、本格予算を組んでいこうと思ってますし、コロナがなくなってるかもしれません、物価高騰もなくなってるかもしれません。でも人口減少対策は多分残ってるので、人口減少対策やらなくていいというふうに、そんな短期でなるわけないので、それも骨格を組んで、3か月遅らせるとかっていうことのいとまがない状況は変わらないから、私はそういうふうにしようと思ってるんです。なので、再選に臨むかどうかというのは直近で決めましたけども、再選に臨む際に予算をどうすべきかという意味では、もう本格予算を組んでやっていこうというふうには前から決めてました。
○山陰中央テレビ:分かりました。ありがとうございます。
追加で、この会見の場でも知事、骨格予算にすることが政治的謙虚さとしては正しいかもという発言をされていますけれども、今回の本格予算の編成で仮に謙虚さを指摘される方がいらっしゃった場合に、今回の余裕がないという以外に、追加でこういう、納得してもらうために御説明しようと思っている考えとかは……。
○丸山知事:ないです。そんな謙虚、上品にやってる余裕がないんですと、もうそれですよね。人口減少対策もコロナも物価高騰も、どれもです。という感じです。そういうことだと思います。
○山陰中央テレビ:はい、分かりました。
すみません、あと、県債の残高の資料もありますけれども、やはり年々減ってはいるものの、臨時財政対策債を含めると、平成12年の水準の8,000億円のところとかっていうところで、やはりこういう県債の発行を抑えるために、知事も先ほど事業の見直しをしていかないといけないというふうにおっしゃっていましたが、今後どういった部分のところの見直し、事業の見直しができて、こういう発行を抑えたりというのができると、今考えていますでしょうか。
○丸山知事:いや、県債の発行残高は一定の目標を持ってますけど、減らし続けなきゃいけないとも思ってませんし、やらなきゃいけないこととのバランスですよね。
○山陰中央テレビ:バランスというのは、じゃあ、もう必要なものがあれば、それは発行して、そういう対策を打たないといけないという。
○丸山知事:うん。それが国土強靱化のための県債なわけですよ。じゃあ、県債残高減らすっていう目標を墨守して、かたくなに守って返済残高を増やさないっていう選択をしようと思えば、国土強靱化予算に付き合わないという選択肢だってあるんです。でも国土強靱化予算でこれまでできなかったことができるようになるとか、進めなきゃいけなかった事業がより早くできるという効果があるんだから、これはやっぱり国の、これは端的に言うと補助金を活用して事業をしていくかどうかという選択に際して、これは県債をこの分、発行してでもやっていこうという判断をしてるということです。なので、ただ、それは、これまでの方針で減らすとしていた数字と別枠管理して、きちんと別枠管理していくということなので、むやみやたらと県債残高を増やしていくというつもりはなくて、国の特別な対策として力を入れて対策が組まれたものについては、これを活用していくという方針でいるので、こういうふうに、言ってみれば、見てください、これ、国土強靱化のための県債を除けば減り続けてますよ。だから県債残高減らしますとかっていう数字的な美しさというか、数字的なベクトルに沿って従来方針どおりちゃんと健全化させてますというだけ言おうと思ったら、国土強靱化の県債は別枠で発行してやっていきますとか、これを国土強靱化のための県債を含めて残高を落としていきますというふうにすれば、ほかのやつが減るだけですよ、ほかの事業が減る。ほかの県債発行を減らしていくということしかできなくて、国土強靱化じゃないやつの公共事業を減らしていくかどうかというふうになるけど、それはそれで、そのベースがあってもなお整備が進まないところを増やしてやっていこうとしてる話だから、そっちを減らせないわけですよね。
だから、やっと小泉内閣以降、公共事業は基本的に横置きか減らしていくというふうになってたところが、国土強靱化の対策で、時限措置ですけど、インフラ整備をちゃんとやっていこうというモードになったタイミングでこれを使わない手はないでしょという、そういう個別判断をしていくと。県債残高がただ単に減っていけばいいというだけでもない。必要なものは発行してでもやるし、減らしていけるものは減らしていく。
これは、県債を発行するというのは、基本的には下の臨時財政対策債を除けばハード整備の財源ですから、ハード整備をどこまでやるかということとの、必要性との兼ね合いで決めていくということになります。これを減らせば公債費という借金払いの金額は減っていくので、基本的には借金払いの公債費というものは減っていったほうが、それは財政運営は楽になりますから、基本的には減らしていきたいというのが基本モードですけど、減らせばいいっていうわけでもないので、必要なものは発行していくと、そういうことです。ちょっと分かりにくいですけど。
○山陰中央テレビ:分かりました。ありがとうございます。
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