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1月12日質問項目2

2.少子化対策

○山陰中央新報:コロナからちょっと話題替わるんですけども、岸田首相が年始に異次元の少子化対策を表明されて、子育て関連の予算の倍増だったりとかということを今後、また示していかれるお考えなんですけども、知事として、こういった首相の姿勢への評価だったりとか、島根県も少子化対策、注力しているところではあるんですけども、今後、国、政府に求める点、この点に力を入れてほしいということがあれば、併せて伺えればと思います。よろしくお願いします。

 

○丸山知事:結局、少子化対策を抜本的に強化をしていこうという御認識を示されたことについては、高く評価をいたします。やり方については、一般論として言うと、やっぱり一時金で乗り切れる、子育てというのは、大学を卒業されるということをイメージすれば22歳まで、高校を卒業して就職されるということであれば18歳まで、20年前後にわたる親としての子どもさんに対する扶養期間がありますから、非常に長期の、経済的な負担等々を含めて、長い取組ですから、出産とか一瞬の支援とかよりも、やはり基本的にはそういう子育てができるような経済環境の若い世代を増やしていくということ、そういう中間層の厚みといいますかね、そういう……。行政的な支援って、できても、正直言ってごく一部、子育ての負担の中でいうと、経済的な負担の中でいうと一部なので、それを支える働く世代の経済的な基盤というのを、二極分化しているという指摘もありますから、底上げをしていくということを含めて、幅広い取組をしていただく、地道な取組が必要だと思います。

 例えば、昨日、ユニクロを展開されているファーストリテイリングの正規社員の方の賃上げの話がありましたけども、大きな企業が、ある意味、利益を削って、利益を、数字を落として人件費に充てていくという形でやっていただける方向というのは、これは政府の取組の成果だと思いますし、それはそれで大変ありがたいと思っていますけども、実はこういうことができるところがどれだけ広がりがあるかという意味でいくと、やっぱり利益が出ていて、利益水準を多少落としても経費で、費用増を吸収できる利益があるところというふうになりますよね。そうすると、やっぱりそういう大企業がリードしていただく、それに中小がついていく環境をつくってもらうためには、大事なことは、中小企業って基本的に最終製品を出荷している企業なんてごく僅かなので、大きな企業が非常に原価を抑えて、仕入れの単価を抑えて、様々なものを一次下請、二次下請に対して、様々な取引先に対して価格を抑えて、当然利益を出すためにこれまで取り組まれてきたんでしょうけど、そこをきちんと、それは、故のない値上げを受け入れてもらう必要はないですけど、この話は人件費だけではなくて、取引先に対する既存の取引の価格改定を、適正な内容であれば、きちんとそれを受け止めてやっていただくということと並行しないと、大企業の社員さん、大企業のグループ会社、関連会社の社員さんまではそういったことになったとしても、ほかのところ、取引先から波及する中小企業、要するに日本全体の企業に波及させようと思うと、そこもきちんとやっていただかないと全体に波及しようがないので、故のない、理由のない引上げ要請には応じる必要ないでしょうけど、やっぱり明確に仕入価格が上がっている、電力料金が上がっている、油代が上がっているということに対する価格改定をきちんと受け止めてもらえる、価格改定を認めるということと併せて、それとバランス取ってやってもらわないと、自分の会社の社員さんだけが上がればいいと、もうそれで社会的責任を果たしたと思われても困る。

 私は、政府の要請にもう一つ付け足していただきたいのはそっちですよね。大きな企業がリードしてもらうのは、そこ、賃金水準のリーディングカンパニーとして、そういう春闘などを通じてそういう物価上昇に対応した賃金の引上げをやっていただくということもそうですけども、取引先との取引価格の改定に対して真摯に対応してもらうということをしていかないと、申し訳ないですけども、大企業の従業員さんの給料は上がっていくけど、ほかは全く上がっていかない。最終的に生じるのは所得階層の二分化が進み、物価上昇に見合った賃上げがなされる人たちと、物価上昇に見合った賃金改定がなされない、実質賃金が下がっていく、消費を事実上減らしていかないといけないという二極化が進んでいくという懸念、これに対する対応として、やはり大きな企業、社会的責任として今回、いろんな賃上げの要請に、政府の対応に協力していただいていますけども、やっぱり加えて、もう一つ、中小企業、その動きを日本全体で広げていこうと思えば、そういう波及の経路をきちんと広げていただかないといけないんじゃないかと。そういうことが日本全体でのいろんな会社に所属しておられる子育て世代の実質賃金が上がっていく、実質賃金が減らない。そういうことが子育てをして、子どもを産み育てていってみようと思う一番の原動力なので、そういうこと、当然出産とか、非常に大きな費用負担がかかるときに一時金というのは、それは当然有効な政策だと思いますけど、大本は、やっぱり親御さん、子どもさんを産み育てる若い世代の所得がしっかりしているということが一番の子育て、子どもが増えていく一番のベースだと思うので、そういう価格改定を、取引先との条件の見直しとか、様々なコスト増要素を買う側が受け入れていくということを大企業から率先してやっていただくということをあわせて、これは残念ですけども、恐らく株価は下がるでしょうね。一瞬は下がるでしょう、利益が下がるから。でも、社会全体でそれをやっぱりやっていかないと、結局のところ、日本国民全体の、少なくとも個人消費がシュリンクしていって、結局少なくとも国内的なGDP拡大につながらないので、そこは一時的にやっぱり企業業績が下がる、利益率は下がるかもしれませんけど、そういうことをきちんとやっていかないと、日本経済の個人消費がシュリンクをしていくという形で、結局企業業績が悪化していく。そこは社会全体でそういう取組をしてもらうということが大事なのではないかと。

 なかなか企業経営者の皆さんも頭が痛いでしょうけども、御自身の社員さんだけではなくて、取引先に対しても、取引先がそういうことができるような、負担のしわ寄せを売る側に押しつけるようなことがあるのであれば、それを全てやめてもらうと。そうすれば、中小企業など取引先が下請、二次下請がそういうことができるようになってくるということなので、そういうリーディングカンパニーとして、CSRとして、サステーナビリティーとして、ここに何かこんなバッジをつけている人たちは、日本経済の持続可能性を高めようという意識を十分にお持ちだと思うので、あのバッジをしている方々は絶対。ぜひそういうことをやっていただきたいなというふうに思っています。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 この点に関連してなんですけども、ちょっと本筋とは違うかもしれませんが、東京の小池知事が同日に、18歳以下のところに5,000円をというのを表明されていまして、ちょっと財政力の違いによってそういった支援を受けるところと受けないところが生まれてしまうのはいびつかと個人的には思うんですけども、この点、知事として何か、こういった動きへの御所見があれば伺えればと思います。

 

○丸山知事:今、東京都の中でそういうことに優先的にお金を振り向けて取り組んでいかれるというのは、一つの賢明な御判断だと思いますから、それはそれで評価されるべきだというふうに思います。決して都財政も楽なわけじゃないでしょうから、優先的にそういう財源を捻出してやられるということでしょうけど、制度論として申し上げると、それがよくないとかということじゃなくて、いいことだと思います。ただ、そういうことをできるところが東京都に限られるという状況を改善してもらうということが必要だということが、これは政府に対してお願いしなきゃいけないことだと思いますけども、ある意味、税が偏在している、地方税というものが、それこそ、はっきり申し上げて、今回、例えば企業が賃上げをしていきますね、大企業はね。でも、大企業は、ありていに言うと東京に集中していますよね、本社がね。利益に課税される部分は減るかもしれないけど、きちんと大企業に勤務しておられる方々の都民税とか区民税とかでちゃんと戻ってきますよね。だから、大企業が偏在している、そこに税源が偏在する、それは企業関係税もそうですし、個人関係税もそうですけど、そういう状況を是正しないと、東京都はそういうことをできるでしょうけど、我々はそういうことはできない。残念ながら県民所得の水準は我々のほうが低いので、本当は5,000円というのは我々のほうにより必要な感じがしますけど、そういうところができないということは、税源の偏在是正といったものを考えてもらうということも必要になってくるんじゃないかと思いますけども、これはいろいろと賛否両論あるでしょうからあれですけども、そういう税源が偏在しているということがあらわになった事実でもあると、その裏返しでもあるということじゃないでしょうか。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 


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