11月1日質問事項
○広聴広報課:昨日行われました衆議院議員選挙につきまして、共同取材を始めさせていただきます。
○山陰中央新報:衆院選の結果が出まして、全国で自民党が絶対安定多数獲得して、島根県からも1区、2区ともに自民候補が勝ったということですけども、率直な受け止めをお願いします。
○丸山知事:議席数の改選前との増減という見方もあると思いますが、やはり国会の運営をしていく上では過半数、安定多数、絶対多数ということが基軸になりますので、そういった意味で、自民党、公明党、連立与党において絶対安定多数を確保されたということ自体は、やはり連立政権が国民に評価をされ、次の政権を信任、委ねられたという結果だというふうに受け止めております。
○山陰中央新報:幹事社としては、ちょっと原発の関連で御質問したいと思うんですけども、島根1区では、島根原発2号機の早期再稼働を積極的に打ち出した細田候補が当選して、反原発の亀井候補が敗れました。山陰両県で見ても、原発推進の自民候補が当選されてますけども、これについて結果をどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:そういう見方もできると思いますし、シングルイシュー、それだけを争点にして争われた総選挙でもないわけですから、そうでもないんじゃないかという見方、両方あるんじゃないかというふうに受け止めております。
○山陰中央新報:シングルイシューという言葉が出ましたけども、原発をめぐる論戦というのは盛り上がらなかったかなと感じますけど、そこについてはどう感じてらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:私自身は論戦を見ていないので評価を差し控えますけど、それは取材された皆様の受け止めがどうかっていうことじゃないかというふうに思います。出口調査とかで、何を軸に決められましたかというふうなデータがあれば、それを基に分析は可能かもしれませんけども、選挙結果だけでは評価が難しいかなというふうに思います。
○山陰中央新報:そうした中で恐縮なんですけど、この結果を受けて立地自治体としての判断とか、周辺自治体の対応など、どう対応、いうのがありますでしょうか。
○丸山知事:これ国会議員、衆議院議員という国会議員の選挙、つまり国政でいかなることをやられるかということを訴えられた選挙だとすれば、それは細田候補、細田代議士は、ある意味戦術、求められたというか、その前からそうですけども、安全だというか、原子力規制委員会の審査で許可が得られたものについては安全性は認められたという前提で、なおかつ地元の理解を得ながら原発の再稼働を進めていくっていう政府方針で物事を、国政を進めるべきだというふうに訴えられたと。そういう、言わば政府方針のとおり、今の政府方針を訴えられて、それがシングルイシューかどうかは別にして、その候補が当選されたっていう意味でいけば、何かが大きく変わるわけではない。政府は、9月15日に経済産業省から島根県に対して再稼働を進めたいというふうに求められた、理解を求められた。それはただ、我々としてはそういう法制度、法律上の制度以外に、事業者である中国電力と結んでる協定に基づいて、いかなる判断をするかという別のスキームがあるわけですから、それは自治体の立場で、今まで申し上げてきたように住民説明会、それから安全対策協議会、原子力安全顧問、関係自治体、そして県議会の御意見を踏まえて、総合的に判断していくという考えに変更はないということです。
仮に、原発再稼働反対という政党が多数を仮に占められたとしたら、それは政府方針が変わった、政府方針が変わっていくだろうっていうことであって、それは政府の話であって、協定を結んで地元に同意権を与えるとか、それはどこどこが範囲に当たるかって話はありますけど、そういう仕組み自体を否定された方はおられないと思いますので、県としてはこれまで申し上げてきた手順に沿って判断をしていくということについて、正直申し上げて総選挙で政府がもう再稼働を進めないというふうになれば、またこれ別ですけど、そういう結果になった以上は、これまでどおりの政府の考え方だから予定どおり、予定どおりっていうか、これまでの島根県としての構えの中で判断をしていくということに変わりがないということじゃないかと思います。
○山陰中央新報:分かりました。最後に1点、すみません、原発を含めたエネルギー政策で、新政権に何を求められますか。
○丸山知事:原発を含めた。
○山陰中央新報:エネルギー政策について、新しい政権に求められるものはありますでしょうか。
○丸山知事:やはり安定供給、中国で起きてるような停電だったり、今年の、前の冬の電力不足みたいなことがあるといけない、不足することがないようにっていうことは必要でしょうし、それが家計や家庭で負担できる水準でないといけないでしょうし、それと安全性、その前提となる安全性、そのバランスを全体として取ってもらうっていうことで、今の政策を変えなきゃいけないとかっていうことまで申し上げることはありませんので、そういう国民が求められている要素というのは幾つかありますから、そういうものを実現してもらうっていうことじゃないでしょうか。今のエネルギー政策がおかしいとか、何ていうか、大きな変更を求めなきゃいけないっていう立場、そういう考えはないです。原子力、原発の再稼働を進める、なおかつそれは地元と事業者が結んでる協定があるのであれば、それをちゃんと踏まえた上で進めるっていうことを政府も認めてるわけですから、法律上安全協定、法律上規制委員会が安全だと認めたものについて、それを一つ一つ地元に確認を取って、事前了解権なんか設定せずに事業者で判断してやってしまえとかという立場じゃないわけですから、それは今のやり方が強権的だとも言うこともできないでしょうし、それが今の姿勢で対応していただくっていうのが基本じゃないかというふうに思います。
○日本経済新聞:安定多数、絶対安定多数得られたことで、これから国会運営とか予算編成が始まると思うんですけれども、これからどんな経済対策を要望されていきますでしょうか。何かお考えがあれば教えてください。
○丸山知事:一つには、絶対安定多数という形で国会を円滑に運営できる足場を得られたわけなので、やはり内閣での編成作業、与党での経済対策の編成作業、そしてそれを数字に落としていく政府での予算案の編成作業、そして国会審議というもの、これはそれぞれ迅速に進めていただくっていうこと。それと、中身として、やはりコロナ対策自体は私はもう度々申し上げてるように、感染拡大しやすい大都市に重きを置いた対策だったと思っておりますので、そういう偏重がない日本全体を見渡した上で必要な対策を漏れなく盛り込んでいただきたい、バランスよく盛り込んでいただきたいということ、この2点であります、まずはですね。まずは、経済対策、補正予算の編成についてはですね。なので、総理が言われている年内に補正予算をというスケジュールというのが、やはり年明け、いつもやられてる通常国会冒頭で、1月にその補正予算を国会通していくっていう手順よりも、もう早くやっていただくっていうのは非常に国民の皆さんの思いにかなったスケジュールだと思いますので、そういった早め、できるだけ早く対策を講じていただくということ、中身は十分なものにしていただくということ、この2点を期待いたしております。
○中国新聞:最初の質問にちょっとあったと思うんですけども、県内の2人の当選者への期待をちょっとお聞きしたいんですけど。
○丸山知事:これは、細田博之先生は当然、税調の幹部をされたり派閥の長であったり、日本全体を、日本の経済社会全体を俯瞰して国政をリードされるお立場でもありますけれども、あわせて特定有人国境離島法の制定や人口急減地域の組合、新しい雇用創出のための組合の新法だったり、新過疎法ですね、新しい過疎法の制定において、この島根県の実情を踏まえた政策を実現していただいてきた実績のある方でありますので、引き続きそういう島根目線での政策の実現に引き続きお力添えをいただきたいと思いますし、竹下亘先生の思いを引き継がれて、ふるさと創生を引き継ぐという公約を掲げられて、ダブルスコアで大勝された高見候補といいますか、高見さんには同じく人口減少に苦しむ県内の各地域に活力をもたらしていただけるような政策なり、自治体への支援といったことを実行していただけるように、若い力で御奮闘いただきたいというふうに期待をいたしております。
○中国新聞:すみません。立憲民主党の亀井さんが比例でもちょっと復活できなかったというところで、1人議席、県内からの議席は失ったということなんですけども、それについて受け止めを。
○丸山知事:それは、島根の実情を御存じな国会議員の方が、やはり一人でも多くおられるということについては大事なことですね。やっぱり合区というのは減ったわけですよね。そういった意味で、島根県の実情を御存じな方の議席が得られなかった、比例区がそういう形で、前回同様得られなかったということについては、国政において島根県の実情を御存じな方が1人減ってしまうという意味合いで残念に思います。
○中国新聞:あと、竹下先生が亡くなって、県と国政のパイプっていうのがちょっと小さくなるんじゃないかという懸念も県民の中にあったりするのかなと思うんですけども、それも踏まえて印象としてどうですか。
○丸山知事:それは、当然竹下亘先生の存在っていうのは非常に大きいものが、客観的にありますから、それを当然、第一は高見さんが努力されると思いますけども、それを長年培われて築かれたものの、そのフォローというのは高見さんお一人では難しいでしょうから、それは我々、私、県知事、それから市町村長が、ある意味、竹下亘先生に甘えてきた部分はありますから、そこは我々のほうも、我々のほうがより一層汗をかいて、竹下先生お一人に話をして進んでた事柄も、それじゃあ済まなくなるとすれば、もっとお願いして回る先を増やしていく、もっと頻度を上げてお願いをしていくといった形で、全体で、島根県全体で、島根県の政治、県民、それから市町村民の負託を受けて行政を担っているこの知事なり、市町村長さんを含めて、そしてほかの国会議員の先生方も含めて、全体としてフォローしていく、大きな穴の穴埋めをしていくっていうことで、みんなが頑張んなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
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