9月10日質問事項
○山陰中央新報:県内の医療状況について、ステージ3相当という判断を維持されました。数値上は一部で少し下がってきているものもあるとは思うんですけれども、改めてステージ3相当を維持した、に至った判断の理由と、それから現在の県内の状況についてどのように見ておられるかをお願いします。
○丸山知事:指標の中で、指標は5つありますかね、5つある中で、療養者数の数字、この数字がまだ基準を超えているというところと、新規陽性者数も、直近でこの新規陽性者数が、基準を下回ったという、まだそういう水準でありますので、医療の入院体制のところは直接超えておりませんけれども、現実問題として、自宅療養の方々も相当数おられるということも考えなきゃいけないということでありまして、医療がもともとの方針であります、全員の方に入院していただくという状況からまだ程遠いという状況は継続しております。そして、療養者数の数が多い、新規感染者の数も、今は基準を下回ってますけども、今の状況が、大きな8月中の人の動きによります感染者の増要素が落ちてきてるということは、これは明らかだと思いますけれども、学校が始まっているというところで、学校を介した感染のリスクというのは、まだ注意が必要だという状況でありますから、増減要素が入り交じっているというふうに捉えますと、一時的に新規陽性者数の数字が今の段階で直近下回ったということをもって、今後の確定的なトレンドかどうかということを確認できているわけではありませんので、全体としては慎重に見て、ステージ3のままであるというふうな判断が適当だろうというふうに考えたところであります。
○山陰中央新報:このステージ3相当の判断が解除になる基準というか、先ほど全員入院が原則みたいなお話もありましたけれども、そういった解除するための条件というか、こういう状況になったら解除できるみたいなものがありますでしょうか。
○丸山知事:単純にこうなったらということの判断はないですね。定性的な、数字で判断、トレンドもありますし、そういう県民の皆さんが憂慮されるような、我々としては対策は取っておりますけれども、やはり憂慮される自宅療養というのが、入院の後半からではなくて冒頭からという患者さんもまだおられるといったことについては、そういう定性的なところ、数字の、療養者数の一部の中、一部の数字で、一部の扱い、一部の問題でありますけれども、部分的であれ、そういったところがあるかないかというのは定性的な要素として考慮しなきゃいけないだろうと思っていますので、状況を総合的に見ながら判断をするということで、ここがこうなったら直ちにこうしますということはちょっと難しいんじゃないかと。
○山陰中央新報:そういった中で、9月18日からの3連休、それから26からの飛び石連休のところですか、旅行や、それから帰省などについて強い呼びかけをされたのかなと思うんですけども、改めてこの狙いをお願いします。
○丸山知事:8月の状況、8月の県外との往来に伴う感染者の増加というのを、まれに見る規模で8月に経験したわけでありまして、それが9月に入って、今の段階では下り基調というところが元に戻っては元も子もないわけですから、当然8月に生じた要素が9月に最少、それを最少にしていくということを県民の皆さんに呼びかけていく必要があるのは明らかでありますので、お願いをさせていただいたというところであります。
○山陰中央新報:それから昨日、政府が行動制限の緩和について新しい方針を示されました。これについて、ちょっと漠然としてですけど、評価をどのように考えておられるか、お願いします。
○丸山知事:知事会としても、出口戦略みたいなことを早急に示してほしいというふうにお願いをしておりました。それに対する一つの答えだというふうに捉えていますので、知事会の要望に応えていただいたという意味では評価をいたしますけれども、この内容を見ますと、やはりワクチンの効果、これは大きいものがあると思いますけれども、そこを非常に重きを置いた内容だということ。当然分科会のペーパーとかを見ますと、ワクチンの限界というのはそれぞれ示されています。時間経過に伴う抗体の減少とか、デルタ株の感染力の強さに対して、当初想定していたような社会的免疫を獲得するのは難しいというふうな判断もありますし、新たな変異株に対応しなきゃいけない、対応できるかどうかという課題もありますから、ワクチンの接種が希望者に全部行き渡れば問題は解決するというふうな、そこまでの行き過ぎた内容はない、そこまでの判断はないですけども、ただ、全体としては、ワクチンがいろんな問題を解決して、こんなことができるようになるというふうにおっしゃってる内容ですから、やはり危惧はせざるを得ない内容だと思いますね、危惧をせざるを得ない。大丈夫なんだろうかと心配しないといけない内容だと。
なぜならば、我々は行政として第5波までを経験し、5波もまだ収束道半ばでありますけども、これまでの経験を踏まえると、やはり5波、4波、3波という中で、やはり医療のキャパを超えた感染者が生じたと。医療とワクチンの効果を超えた感染者が生じた中で、行政としては避けるべき事態であった自宅や入院等調整中におられる方が在宅で亡くなられると。または、4波では高齢者施設の中で入院できずに亡くなったといった、そういう事例を3回経験しているわけです。その直近の第5波というのは、これは見方が分かれるかもしれませんけれども、オリンピックの会場の中、またはアスリートに対しては毎日PCR検査をして、それほど感染者は出なかった。でも、その外側はどうだったかというと、感染は急拡大をした。それに対する政府の見立ては、やはりワクチンがある程度、7月下旬までに進むので、デルタ株の拡大という要素、懸念はあったとしても、それほど大きな感染拡大につながらないだろうというふうな見立ての下での開催だったと思いますけども、結果的には競技会場の外の世界というのは見立てが外れたわけですね。史上最大の感染を経験した。で、ワクチンで重症化して亡くなるという方々が、特に高齢者を中心に減りましたので、4波に比べると死亡者数は減っておりますけれども、残念ながら在宅死亡という方は相当数発生したわけですから、やはりワクチンの力を過信して対応するということの一つの反省材料があるわけですから、そういったものに対して、より重きを置いた内容にしなきゃいけないんじゃないかと。ワクチンで何とかなるということをあまり重きを置くということは、それ自体が大きなリスクをはらんでいると思いますので、書かれている内容がいろいろ混乱している要素もありますから、どういうふうにこれを実行していくのかということまで具体的に決まっておりませんから、実際これを実行する中で、本当にこの内容でいいのかどうか、これをより慎重に、やるとしても実行していくと、その2つの観点というのは欠かせない内容だというふうに思います。
そして、今回の5波の経験を生かすという観点からすると、いつになったら先が見えてくるのかということに対する答えが要るんじゃないかというのも大きな課題だと思いますけれども、やはりこういう結果が生じてしまった以上は、医療提供体制を今以上に充実することができるのか、医療じゃなくてホテル療養とか在宅での訪問診療などのサポートをつけた形での自宅療養といったところも含めて、どれだけキャパを増やせるのかということ、言ってみれば、感染拡大した場合の受皿を充実、どこまでできるのかということの再検証が要ると思います。要するに、数を増やせばいいというのがコロナだけを見た見方ですけれども、現実問題は一般診療との兼ね合いもある。開業医の方々も第一次診療を担われてるし、病院もそれぞれの機能に沿った入院や手術に対応しなきゃいけない体制が要るわけですから、むやみやたらに入院を増やせばいい、ホテル療養を増やせばいいということはなくて、おのずから限界はある。もしかすると第5波への実績値が限界かもしれない。そうするとやっぱり医療の、在宅死が生じない、在宅での死亡が生じないような形でどれぐらいの感染者数に抑えなきゃいけないかというふうな、そういう発想が要るんだと思いますね。とすると、そこに至らないように早くブレーキを踏むとかということが、今の中でいえば重点、広島の湯崎(※)知事が政府に求められて、事実上認められなかったですけど、早めに強い措置を講じることで全体の波をちっちゃくしていくというふうなことを講じるべきではないか。
または、知事会でもお願いしてますとおり、我々は今、今回明らかになったのは、緊急事態宣言があんまり意味をなさない状況が生じていると。すみません、島根県とかで出れば、それはもう島根は効くと思いますけど、常態化している地域であまり効かなくなっているという状況を踏まえると、先が見えないから要請を聞いてくれないということでの解決策が今回の話かもしれませんけども、もう一つはやはりロックダウンなどを含めた、より強い措置を検討しなきゃいけないんじゃないかと。
つまり、何度か私も申し上げたことありますけども、今は要請が発動できる感染を抑止するためのブレーキ、発動して2週間とか3週間で利くブレーキを今持っていないと、感染者数を減らすだけの。非常に利きの悪い、ブレーキが利かない自転車やバイクに乗っているのと同じなわけですよね。なので早めにブレーキを踏むとか対応が要るんじゃないか、またはブレーキをもっと強くするということが要るんじゃないか。
それはなぜならば、医療のキャパシティーは限界があるので、それを超えた感染者数にならないようにしなきゃいけないという意味での対策というのは、今回のような、人の気持ち、ここまで頑張ればこういう先が見えるという、その気持ちの対策というのも要るのかもしれませんけども、より直接的なブレーキの問題、ブレーキをもっと早く踏むとか、そういう改善点も併せて要るんだと思います。そういった意味で、この点だけが、今回示されたところだけが先行していくというのは網羅性に欠ける。ある意味、ワクチン一本足打法と言われてきたこれまでの流れをちょっと引きずってる感じがするので、やはり今の措置の適用のタイミングを前倒しをしていくことの検討ですとか、今の緊急事態宣言を超えた制限を法制化していくということも含めて、幅広に考えなければいけないんじゃないかというふうに、今回の内容がはっきりしないところが多いので的外れなところはあるかもしれませんけども、全体として見れば、こういう対策も要るでしょうけども、こういう対策だけを先行していくということについては相当なリスクがある。いろんなことを準備していかなきゃいけないんじゃないかというふうな感想を持っております。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
○読売新聞:今日の呼びかけの中で、児童生徒の保護者の方への呼びかけも新たにされているところです。今日、会議の中でも、20歳以下の方の感染者が増えているというお話が、報告がございましたけれども、その辺も踏まえて、新たにここ追加された理由と県民への呼びかけをお願いいたします。
○丸山知事:まず、当然やられているとは思いましたけども、やはり学校が再開したタイミングでありますので、この前段の内容というのは御自身について呼びかけている内容ですけれども、子供さんの場合は保護者がこういった対応をしていただかないと、特に小さなお子さんの場合はいけませんので、改めて学校が、どうしても小学校が特に、ワクチン接種は子供さんされない。そういった意味で、どうしても政府が強力な措置として考えていますワクチンの空白地帯が制度的に生じるし、そこに接触は必ず、リモートでやれば別ですけど、通常の学校の中ではやはり接触が生じるわけなので、そういった意味で、ワクチンの効果が及ばないエリアとして、やはり明確にお願いしておくことが適切ではないかというふうに思って、前段の内容、これまでの内容で保護者の方、当然こういうことをやられていると思いますけども、念のためにきちんと明記して呼びかけてということにさせていただいたところであります。
○読売新聞:すみません、ちょっと細かいんですけど、これ児童生徒っていうと小学生、中学生、高校生ぐらいまでを考えれば、大体よろしいんですか。
○丸山知事:たしか児童が小学生かな、生徒が中・高生かな。
○読売新聞:特に保育園、未就学児は特に……。
○丸山知事:まあまあ、それは入ってます。
○読売新聞:あ、入ってる感じで。
○丸山知事:はい。未就学児も含めて。
○読売新聞:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:特に小学校以下というところが未接種の年代ですから、ワクチンの直接的な効果は効かない。保護者とか教職員の方が打たれたと。打たれれば、そこの部分というのはガードされる部分はありますけども、御本人自体の空白地帯ではありますから、そういったところに対する呼びかけを明確にしておこうということであります。
○読売新聞:ありがとうございました。
※湯崎の『崎』の右側は「大」ではなく「立」
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp