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9月7日質問事項1

1.原発

○山陰中央新報:山陰中央新報、原田と申します。よろしくお願いします。

 緊急時対応の了承の件でお尋ねします。避難計画をめぐっては、段階的避難の難しさや要支援者の避難など課題を指摘する声もあります。こういった現状についてどのように受け止められているかを、まずお願いします。

○丸山知事:具体的に何を答えるって、段階的避難と。

○山陰中央新報:そういった、それは一つの事例でして、こういった課題が多くあるということについての受け止めをお願いします。

○丸山知事:それは抽象論で答えようがないですから、段階的避難についてどう捉えるかということでありますけれども、令和元年度の原子力防災訓練の中で、無作為抽出1,000人に対するアンケート調査を島根県としても実施しまして、指示に従い屋内退避をすると答えた方の割合がおおむね6割という結果でありました。また、政府が行いました福島第一原子力発電所事故後の調査におきましても、屋内退避の指示を受け取った住民については、おおむね6割が実際に屋内退避をしたというふうな回答が得られております。このため、島根県では原子力災害時には4割程度の方が指示に従われない可能性もあるということで、自主的な避難行動を取ることを想定した対応を考えております。

 事前にこういった誤解をなくしていく、そういった、まず取組が事前に大事であります。したがいまして、関係市の各戸に配布しております県の広報紙、そして一般の方が参加されます住民学習会や施設見学会、そして実際の訓練時におけます緊急速報メールによります避難情報の配信、そういった取組の中で、そういったことをある程度重点を置いて広報していくということがまず第1。

 そして、第2に、実際にそういった事態に仮になった場合におきまして、まずは屋内退避をしなきゃいけないということを必ずしも全ての住民の方がご存知ではないという前提で、我々行政サイドが屋内退避と、それを求めている理由ですね、プルーム通過時に屋外で行動することが、かえって被ばくのリスクを増すおそれがあるということから、そういうことが必要なんだということを含めて、そういった広報をきちんと行うことを通じて、テレビ、ラジオ等、マスメディアを経由してしっかり伝えていくということが大事だと思っております。そういった事前の対応、そして事が起きたときの対応を含めて、そういった課題に向き合っていかなきゃいけないというふうに思っております。

 あと、何でしたっけ、例示で挙げられたのは。

○山陰中央新報:要支援者の避難についてはどうでしょうか。

○丸山知事:要支援者の避難につきましては、まず、市町村におきまして災害対策基本法が改正されまして、個別の避難計画をこれからつくられるということで、これは原子力災害に限らず、災害全般について求められている内容でございますけれども、現在におきましても要支援者名簿は既に整備を、一定の基準でそれぞれの市ごとに整備をされておりまして、発災時にその対象者を把握することは可能な状況でございます。そして、要支援者の安否確認や支援の要否の確認などを行う体制も各地で整えられているというふうに理解いたしております。ただ、実際にそういった計画どおりに物を動かすということについては、普段の訓練等で、また人事異動のたびに確認をしていくといったことが欠かせないと、計画をつくって終わりという話ではないというふうに思っております。

 そして、今申し上げました制度改正の中で、自然災害を含めて個別の要支援者の状況を確認して個別の計画をつくっていくというふうな作業がこれから進みますので、そういったことを通じて、より詳細な要支援者の状況の把握と、それに対するサポートの在り方ということを並行して検討して、充実をしていくということを通じて、この避難計画、避難を実施する際の、通常の行動が難しい方々への支援を的確に行っていくということに取り組んでいくということになるというふうに理解いたしております。

○山陰中央新報:冒頭コメントでも、不断の見直しを行いというコメントがありましたけれども、やはりまだ課題はあって、それについて訓練や、先ほど言われたようなことを通じてさらに改善をしていくという考えなんでしょうか。

○丸山知事:不断の見直しって、例えば要支援者についても、状況の変化があれば、それは追加される方もおられるだろうし、出られる方もおられるということもありますから、何にしても、現状を維持していくためにも不断のチェックは必要だということですし、訓練も、本当の訓練はできません。本当の発災時と同じことを実際に行うということは社会的混乱を伴いますのでできませんので、そういったことで同じことは実現できませんから、それに近い形をどうやってつくっていくか、それをどうやって参加されてない方も含めて、その結果を共有していくかということに取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。

○山陰中央新報:知事はかねがね避難対策が同意手続のポイントの一つという認識を示されてこられました。今回の了承を受けたことが同意手続に一歩前進というか、何か影響を与えるようなことになるんでしょうか。

○丸山知事:それは、それぞれがつくっている計画をそれぞれが持ち寄って検証し合うということを政府も含めて行ったわけでありますので、一定程度の合理性、具体性の確認が取れたということだと思いますし、それぞれの計画なり対応を相互に理解するというプロセスが得られたという意味でいきますと、それはそれぞれの自治体が、例えば島根県内だったら島根県が県内の調整は行ってきましたし、鳥取でも同じことが行われたと思いますけども、そこの両者の、鳥取県、島根県の両者、そして当然避難に当たって自衛隊や海上保安庁、その他もろもろの支援体制の実施部隊でもあります政府、関係者が確認をし合ったということで、閣議決定に近い了承であります。原子力防災会議はたしか全閣僚がメンバーだと思いますので、そういったことで、ある意味、政府がやるべきことについて我々が必要だと思っていることを盛り込んでもらっていますので、そういった対応をするという約束をしてもらったという位置づけだと思っておりますので、一定の前進だというふうに思っております。

○山陰中央新報:ありがとうございました。

 

○NHK(浅井):原子力防災会議の知事コメントに関連してなんですけれども、4番目のコメントの中で、国から県民や立地自治体、周辺自治体に丁寧に分かりやすく説明していただく必要があるという御発言あったかと思うんですけれども、具体的にこれどういった形での説明の場というのが求められるかなと。あと、県としては、そういう国への働きかけなどはどのように考えてますか。

○丸山知事:それは働きかけはもう重点要望でも繰り返し行っておりますので、当然のこととして求めている状況です。

 やり方についてはこれから、今検討中です。

○NHK:ありがとうございました。

 

○朝日新聞(清水):原子力防災についてお伺いします。

 今回承認された緊急時対応について、今後、避難訓練等で実効性を高めていくというようなコメントになっておりますけれども、昨年はコロナ禍を理由として、住民が参加するような大規模な避難訓練というのは行われなかったかと思います。今後もコロナ禍が続くと想定される中で、どのように、より実効性を高めていくのかということについて教えてください。

○丸山知事:それは訓練で実効性を高めることができないとしたら、訓練以外のところで高めていく。訓練ができない状況を工夫してできないかというふうに考えていく、そういうことですね。あと、訓練せずとも分かっている課題があれば、それを直していく、そういったことで、できることを常にやっていくということじゃないでしょうか。そういった、避難というのはある意味、今回のワクチン接種に似ていて、行政側がデスクワークで徹夜すれば何か物事が進んでいくという話じゃなくて、住民の皆さんの自発的な行動といいますか、行動を取っていただくということが基本になりますから、そういった意味での行動をどういった形で呼びかけたり、どういった形で準備をすることが県民の皆さんの円滑な行動につながるかということを頭の中で考えることは、頭の中で考えて改善していく、実際にやってみないと分からないことについては、大規模な訓練がやれないとしても、小規模な訓練をやってみるとか、市町村単位でやってもらうとかという工夫もあるかもしれません。ちょっと固まったものはありませんけれども、できることをやっていくということになるんじゃないかというふうに思います。

○朝日新聞:ありがとうございました。


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