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8月6日質問事項

○日本海テレビ:改めてなんですけれども、まず、感染のことからお伺いします。今の状況を、今、どう受け止めているのかということと、改めて県民にお願いしたいことをもう一度お願いします。

 

○丸山知事:今の状況って県内、全国。

 

○日本海テレビ:全国的なものを踏まえて。

 

○丸山知事:全国的な状況は今までで最悪の状況で、収束の気配が見えないという意味で、今後に向けても最悪を更新しかねない状況だということだと思います。県民の皆様には、特にこういう状況でありますから、帰省の自粛、控えていただく、都道府県を越えた移動を控えていただくということを、とりわけ徹底してお願いしたいというとこであります。

 

○朝日新聞:先日、中等症の患者の自宅療養をめぐって、政府の方針が二転三転したところがございます。島根県の場合には、基本的に原則入院の原則を守れるでしょうし、宿泊療養施設も十分に確保されてるところだとは思いますけれども、島根県の状況なども踏まえて、政府の方針変更についてお考えをお伺いしたいと思います。

 

○丸山知事:島根県は、一旦入院していただいて、退院直前に宿泊療養施設に移っていただくということは現在も行っておりますが、ともかく一旦全員入院していただくということを変えなきゃいけない、それを縮小しなきゃいけない状況には全くまだないと。ただ、今後の推移いかんによってはそういうふうになりかねないという全国的な感染状況の勢いでありますので、それを県内に波及させないように、県外との行き来を最小限にしていただくように県民の皆様にお願いをして、今後、そういった状況にならないように最大限努力をしていきたいというふうに、県内としては思っております。

 そして、政府と東京都も含めての状況ですけども、ありていに申し上げると、何というか、私は二転三転してるという状況は好ましいとは思いませんけども、二転三転せざるを得ない厳しい状況にあるということなんだろうというふうに思います。だって、自宅療養が1万7,000人、そして、メディアの皆さんはなかなか報道されませんけど、入院とか宿泊の割り振りを調整してる、つまり、調整してる間は自宅にいる、いないといけない方が1万人。だから、1万7,000人自宅療養とかというのは間違ってると思います。今この時点でちゃんとしたケアにたどり着いてない、自宅療養と同じような状況におられる方は、調整中の人も含めて2万7,000人だと。何でそんな適当な報道をするのかという、メディアの皆さんの見識が疑われる状況だと思います。

 もう1点、中等症の範囲がどうだこうだという話に注目が行ってますけども、目のつけどころが違うと。これまでは、これは全部の地域がそうじゃないですよ。そういうことが選択できるようになってますけども、これは感染急拡大地域、少なくとも東京都は射程に入ってるでしょう。これまでは無症状、軽症状者は原則宿泊療養ですよ。原則は宿泊療養だった。医療本体じゃないけども、一とこに集まってもらって、役所が管理する施設に集まってもらって、そこで療養してもらうという、放りっ放しじゃないものが原則で、やむを得ず宿泊できない人は自宅療養だと、数字はなかなかそうなってないけど。自宅療養が原則じゃなかったんだと。二転三転した結果も、(入院以外は宿泊療養を基本に変更することは)変わっていない。入院患者以外は自宅療養を基本だと。宿泊療養なんか当てにしないでくれと。ここが大きな変更点なんですよ。

 中等症の方っていうのは境目の世界でどうするかという話があって、最終的には重症患者、中等症患者で酸素吸入が必要な人、これは中等症の2と言われる世界だと思いますけど、それに加えて、重症化リスクがある人に限定と、重症化リスクがある人も入院していいですよというふうになって、政府側が妥協したというふうに言われてますけども、これにしたって、重症化リスクがある人とか酸素吸入が必要な方とかいって、最終的には医師の判断だけど、保健所がなかなか連絡もできなくて、今、調整中の人たち1万人いますよ。昨日の患者が5,000人だから、丸2日たまってるんですよ。丸2日放置。2日たたないと保健所からもう連絡が来ないというか、体調管理、どんな感じですかとか、いつ来てるか分からないですよ。多分、連絡するのは看護師さんか保健師さんでしょうね。医師の判断なんかどこでするんですかと、こんな状況で。最初に行き先決めるときに医師なんかかまないですよ。保健所長さん1人とか、プラスアルファ2、3人いるかもしれませんけど、陽性者の状況を医師が聞き取ってでも、電話ででも取って確認なんかしてないのに。だから、普通に考えたら、1回自宅療養に放り込まれるんでしょう、これ。だから、自宅療養がメインになった。自宅療養ですよという宣言は相変わらずですよ。宿泊療養なんか期待しないでくださいねという宣言は変わらずですよ。そこがポイントなんだ。

 政府側の当初の案から最終案、修正されたと言われたところで変わったのは、中等症患者で、まさに中等症の2が明確に入院に振り替わったってことと、軽症も含めて、重症化リスクがある人は入院できますよだけど、重症化リスクって、どこかでお医者さんが、最初の時点でその判断してくれる人どこにもいないから、自宅療養に行かされるんじゃないですかということでありまして、状況は全然変わってないと私は思っています。

 東京都もいろいろと対策書いてますけど、分かりやすいのは、日本医師会の中川会長は、自宅療養にシフトされても医療現場の負担が多過ぎると、やっぱり宿泊療養がいい、で、看護師さんが対応してくれるからと言ってますけども、言ってるんですよ、実際に。自宅療養の患者さんをちゃんとオンラインだ、それから往診だということで、きちんとケアしますなんて一言も言ってないと思いますよ。誰も手形切ってない。でも、政府と東京都はそういう前提で言ってるけども。

 普通に考えて、皆さんも東京とかおられたことがあったら分かるけど、島根県の開業の先生だったら、車で出勤して駐車場もあって、だから、往診しようと思えばできないわけではないですよ。東京都のビルに入ってるクリニックなんて、先生自体が電車で通勤してるでしょ。その人たちはどうやって往診するんですか。自転車乗って行くの。自転車きーこーきーこー漕いで行くんですか。往診するための一揃えの資材とか持って、自転車で行けるんですか。車で往診なんて例外的ですよ、そんな体制整えてるの。東京のクリニックとか診療所の状況を見て、そんなことができる体制にあるのかと。で、やる気があるかっていうことも含めてですね。絵に描いた餅になってるように思いますよ。

 どこでお医者さんが介在するんですか。オンラインか訪問診療でもしてくれないと、お医者さんに行き当たらないでしょ。そんなことをやってくれる人がいっぱいいてくれる、医師会がちゃんとやりますとも言ってない。そんな中で、重症化リスクがあるから入れてやってくれって、介添えしてくれるお医者さんが自宅療養者についてくれる可能性は何%あるんですか。つまりは、自宅療養で頑張ってくださいっていうことに変わらないんじゃないかと。私は、書いてあることはいろんなことで医療に当たりますと、オンライン診療。でも、オンライン診療といったって、オンラインで受ける環境が、オンライン環境がなければ、おじいちゃんおばあちゃん対応できませんよね。クリニックにその機材があっても、おじいちゃんおばあちゃんはオンライン診療関係ない。当たれない。往診、誰がしてくれるんですか。どこに電話したら往診してくれるって分かるの。分からないよね。何か作文は成り立つけど現実が用意されてない。

 そんなことを踏まえると、ともかく、マスメディアが中等症の話に終始してそこの報道してるけど、全く目のつけどころ間違っている。自宅療養がメインになっていくという方針は変わっていない。そして自宅療養に対して、その症状が悪化したときに誰かが対応してくれるという体制は整備されていないというふうに、メディアの皆さん、取材すれば分かることを、垂れ流して書いてる。少なくとも今日以降、ちゃんとそれがなされてるのかどうか、そんな環境があるのかどうかという追加報道をちゃんとされないといけませんよ。

 東京都内にある開業医さん、駅ビルに入ってるクリニックのお医者さんが往診して回るとかっていう姿を想像するのは、ちょっと私はできません。私は取材しなくてもそれぐらいの想像はできますけど、書いてあることが本当にできることなのかという意味において、極めて空疎感が強い、という意味で大変危機的な状況だと思います。これはメディアの報道も含めて。それは何かというと、今起こっていることの確かさが検証されずに報道されている。ポイントが外れて報道されているということは、つまり、報道を聞いた人は、見た人は、そこまでの危機感を持てない状況で置かれているというのが社会的に極めて問題だと。政府の対応、東京都の対応も問題だと思いますけども、それを伝えられるメディアの皆さんの報道の仕方も、十分ではないんじゃないかと受け止めてますので、トータルとして非常に危険だというふうに思います。

 それから、もう一つ、私はびっくりしたんだけど、朝日新聞の現場報道ですけどね。私もちょっと縁があるんだけど、重症、中等症の患者を受け入れる東大病院(文京区)でも、ICUを3床閉じてコロナ重症病床を1床増やした。さらに3床を閉じ、計12床にする予定だと。10床ある中等症向けもさらに増やすことを検討する。分かりますか。これまで、今まで東大病院は重症病床を10床、中等症病床を10床、それしかやってない。あれだけの規模がありながら。片や、千葉大学は中等症と重症向けの31床を2週間後に60床に増やすと。30床はやってるわけですよ。30床を60床、片や20床を22床。一番恐らくお医者さんがいるであろう東大病院ですらそのレベルしかやってない。それを行政は放置してるんだよ。東京都知事、何で呼び出さない、東大病院の病院長を。何で押しかけないんだ。それでやってくれなかったら、何で文部科学大臣と厚生労働大臣を引っ張り出して、ちゃんとやれって言わないんだ。東大病院だけなのか、こんなのは。こんなので重症病床が足りないとかって、国民、都民が納得するのかと。俺たちは大事な研究をやってるから、コロナなんて風邪プラスアルファみたいな病気の診療なんかしないと言うんだったら、もう全ての高度先進医療の補助金なんか止めてしまえと。こんなとこに国費をつぎ込むべきじゃないよ。国家の一大事ですよ。総理が毎晩5人の大臣と一緒に協議して、都知事が何やられてるかは知らないけど、もう病院諦めてくれと言わなきゃいけない状況になってるのに、こんなことしかやってない旧国立大学の病院があるわけだ。信じ難いですね。病院としてやらなきゃいけない支援はしなきゃいけないだろうけど、全ての補助金を止めるべきだと思いますよ。みんなが頑張らないとクリアできないでしょ、こんなの。自宅療養で中等症の症状で入院できずにいる人たちがたくさんいるんだとすると、こんなこと許されないと思いますよ。だって、重症と中等症合わせて20床診てる病院なんて東京都内に幾らでもあるでしょう。それが、一番、すみません、偉そうにしてる大学病院がこのざまだよ。東大病院の病院長のコメント聞いてみたいよ。こんなものを放置してたらさ、みんな頑張れないでしょ。何でできないんだと。島根大学医学部附属病院がこんなことやったら、私許さない。何でこんなことが許されるんだと。

 昔、「踊る大捜査線」という高視聴率番組があって、青島刑事かな織田裕二さんが主人公で、事件は会議室で起きてるんじゃないと、現場で起きてるんだというふうに、有名なせりふがありますけど、感染は机の上で起きないんですよ。文言をいじくり回して書いたところで状況はよくならない。現場が回るようにしないと感染とか治療はうまくいきませんよね。だから、さっき申し上げた、本当に書かれてることが、会議室で決まったことが、ちゃとそれが実行に移されるのかどうかっていうことを、事件報道と同じように、政治部が厚生労働省や官邸で取材をするだけではなくて、こんなことをやるってなってますけど本当にできるんですかって、病院とか診療所に電話かけて聞いてみないと、それで流してたら、そうしてくれるんだと思ってたら、いつまでたってもならないといって対応が遅れますよね。そういうことを含めて、メディア批判というのは政治家としては御法度なんだけど、私はちょっと今の対応は承服し難い。

 これだけコロナ報道をしてるんだよ。3波もやってる、4波もやってる、そして5波、3回目だよ、大きな報道は。東京と大阪と山陰は分かれてるけど、東京の人たちは3波経験してるでしょうが。初めてじゃないんだよ、行政も含めて。それで現場と公式発表をつなぐ検証取材をせずに報道されてたら、それはいけないですよね。何が問題なのか、どこで避けなきゃいけない死者が出そうなのか。そこをきちんと確認して、政府の対応が十分なのかどうかっていうのは、やっぱりメディアの皆さんがチェックしないと、記事にもならないし報道にもならないし、国民の皆さんへの注意喚起もならないし、政府や都道府県に対するチェック機能にもならないので、今のこの状況っていうのは極めて危機的だと思います。

 なので、ちょっと対策本部会議は県民の皆さん向けだったのであれですけども、これまで県民の皆さんの近親者、1都3県に在住の近親者で基礎疾患を持たれている方の帰省支援について、一時帰県ですね。避難的に県に戻ってこられるということに対する支援について、私は選択肢の一部として提示をしておりました。ですので、該当される県民の皆さん、自分のお子さんが基礎疾患をお持ちで、コロナに感染してしまうと重症化しやすいというふうな状況にあって、なおかつ、これはその要件に該当しても仕事で1都3県を離れられない、いろんな事情があってできない人がたくさんおられると思いますよ。でも、可能な人は、やっぱりこれ戻ってきてもらうように、県民の皆さんからお声がけをいただくということが必要な状況じゃないかというふうに思います。なので、この場でそういう可能な方はこの制度を利用して、一時的に島根県内に戻ってきていただくということをお勧めいただくということをお願いしたいというふうに思っております。

 ちょっと感情的になりましたけども、本当にそういう意味で大変危機的だと思います。東京は3波の経験がありますから、この客観情勢は3波以上のことが起こりかねない。医療の体制を強化しましたとかっていうのが公式見解ですけど、それが多分、それに頼ると危ないので、やっぱり入院される方を制限しようというふうに、政府と東京都が考えて取られた行動だと私は思ってますので、平仄を合わせて、政府が表立って動かれましたけども、東京都の状況を東京都から聞かれて、東京都と調整しながらやられた内容が二転三転しましたが、落ち着いた状況というのは、極めてまだ危険な状況だというふうに思います。

 そして、メディアの報道、政府側、東京都側の説明に対するメディアの検証がやはりちょっとまだ甘いので、やっぱりそういう意味で現実感が、実現できるものなのかどうかっていうことの確認がされてないことが、実現されるかのように報道されている。新聞はモードチェンジしてある感じがしますけども、特に、テレビの情報番組とかテレビのニュースの世界は、いまだに相当オリンピックの結果報道が占めてますけど、そんな場合じゃないんじゃないかと。キー局の皆さんは、関東エリアのローカル局を兼ねてますよ、テレビ局の免許としては。東京の状況をもっとちゃんと伝える必要があるんじゃないかと、もっと取材されてと思います。なので、そういう意味で社会的な緊迫感、私はこんなことまでチャレンジしなきゃいけない状況になってるっていう意味で、東京の医療は危機的だと、だから協力してほしいっていうふうに総理と小池都知事は言われるべきだと思いますけども、それも言われない。言われないけども、メディアがそういう警鐘を鳴らされることも可能だと思いますけどされていない。私が言ってることが外れていれば、これはこれでラッキーだと思っていただいて、でも、危機管理っていうのは、一番楽観的に物を見てると大やけどをするんですから、やっぱり悪い方向に進みかねないという前提の下で、行政側はやっぱりやらないといけないと思いますし、そういう意味でのメディアチェックが大事な時期なんじゃないかなというふうに私は思います。

 すみません、長くなりました。

 

○朝日新聞:ありがとうございました。


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