8月4日質問事項
○読売新聞:今日、中国地方の知事会のほうでも話がありましたけれども、全国知事会の要望を踏まえたということで、今回、厳し過ぎるんじゃないかとの指摘もちょっと現下ある中で、今の感染状況、ちょっと重複になるかもしれませんけど、今の全国的な状況を踏まえて、こういう要請の必要性というものを改めて教えてください。
○丸山知事:先ほど申し上げたとおりでありますけれども、これまで幾たびも感染の中心、発生点となってきたとも言えると思います東京都において、過去にない感染拡大がやまないという厳しい状況にあること、そして、全国の数字も過去最高を更新しているという大変厳しい状況であること、そして、それを媒介しているのがデルタ株と言われる、これまでの変異株の中でも極めて感染力が強いウイルスであることを踏まえますと、過去最大の警戒が必要だというふうに思っておりまして、重ねて、昨年来、帰省や行楽シーズンについて度重なるこういった自粛要請に飽き飽きされてる方もたくさんおられるというふうに思いますけれども、客観的な情勢は、一番厳しい状況だということで、ぜひ御理解をいただきたいと思いますし、先ほどもちょっと述べましたけども、医療の提供体制として、軽症のみならず中等症の一部の方についても入院をさせることができないという状況が一部の地域、これ東京だと想定してまず間違いないと思いますけども、そういうまさに過去にない状況が生じているわけです。
昨年の8月は緊急事態宣言ありました。緊急事態という制度はありましたけども、法改正前の緩い緊急事態宣言でありましたけども、法改正でまん延防止等重点措置がそれまでの緊急事態宣言よりもより厳しいものになって、それをさらに上回るものが緊急事態宣言。今の私の受け止めは、政府の入院体制の変更というのは、その緊急事態宣言でもなお対応ができないので、緊急事態宣言をやってるさなかに急増しているという状況ですから、感染拡大防止で打つ手が限られていることで感染が拡大を、感染がすぐに終息しないという前提の下に、医療提供体制を制度的にカバー範囲を狭めざるを得ないというふうになっていることを政府が認めているのと同じです。
したがいまして、私の受け止めは、緊急事態宣言の特別版が出てると。特別版というスーパー緊急事態宣言という制度ができたのと同じであって、恐らくこの制度を基に東京都がこの制度を使われるということになるんでしょうから、そういう意味では過去にない状況が生じてるわけですから、去年と同じかというと、去年より厳しい状況ということで、重ねてということは大変恐縮でありますけども、欠かすことのできないお願い事だということで、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。
○読売新聞:確認の質問で恐縮なんですけど、今のお話だと、基本的に先般の政府の方針は島根県には適用されないという認識で間違いないですか。
○丸山知事:適用、もう、今の状況、また今の感染者数といいますか、今の入院者数が2倍になったとしてもそういうことをする必要はないという状況ですから、今のところそういうことは想定されないということでありますので、平井知事も心配して昨日聞かれたのは、ああいうことを、そういう必要がない地域にもやらせるということがないだろうなということを確認されたということでありますから、言ってみれば、ああいうことができるようになる、ああいう選択をできるというオプション、選択肢が増えたということであって、それを必要とされてる地域は通常、今の感染状況からすると東京都が想定されてるんだろうという、平井知事も同じ認識でありましたけども、そういう厳しい状況に東京があるということですから、やはり、人口の大部分を占める首都圏からの人の流れも含めて、全体として人の行き来を抑えるということが最も求められてるタイミングだというふうに思います。
○読売新聞:分かりました。
加えて、知事会の前ですけれども、我々、レクチャーのほうで、県外からの観光誘客事業の停止ということの御説明を受けたところなんですけれども、県としては、コロナ禍で低調にあった観光業の支援を目指して取り組まれてきた事業もあるかと思います。そういう中で、今回、停止ということに至った受け止めと、今後の再開に向けてどのような基準でやっていくのかというのを教えてください。
○丸山知事:島根県として、帰省のみならず、県民に旅行を控えてくださいというように、この夏休み期間中お願いするという判断をしたわけですから、そして、他県の、島根県以外の方については他県の知事がそういう要請をされていると。そういう中で、ほかの県に行って旅行しようと思ってた県民が我慢されるという状況もそうですし、ほかの県から来ないようにというふうに言われてる方々に対して助成をするということは理解を得られないと思っておりますので、我々がこういう心苦しいお願いをするに当たって、我々がやってることが全体として整合性が取れなきゃいけないということで、全てが即というわけにいきませんけども、できるだけ早くこの諸事業を停止するという対応を取らせていただきました。
これは、伊原木知事が先ほどの中国地方知事会議でおっしゃいましたけども、度重なる、去年も今年もということだったんですよね。でも、よくよく分析すると、ゴールデンウイークもそうだったんですよ。去年のゴールデンウイークも同じように、まさに緊急事態宣言下でしたからこういうお願いをしました。お盆も第2波でしたからしました。でも、今回の反発はものすごい強いんですよね。これは肌感覚、またネット上のニュースのコメントを見ても、非常に、何でこんなことを求めるんだと、我々にという風当たりは強いというふうに感じます。
それは私なりの分析でいくと、やはり個別のコメントなんか見ても、知事会に対してのコメントとしてよく見られたのは、我々にそういうことを、普通の国民にこういうことを求める前にオリンピックの停止でも求めないのかというふうなバランス感覚の問題、だと思ってます。オリンピックを開いたような状況でこんな自粛を我々がしなきゃいけないのかというふうに、やはり思われてる方が大変多い、その思いが強いということだと私は思います。今回の飲食店の自粛、営業時間の短縮とか酒類提供の停止といったことがあまり守られていないと、客観的なデータありませんけども、東京都、都内でも守られてる率が下がってるんじゃないかというふうに言われてますけども、それは経営が厳しいこともあるでしょうし、利用される方がおられるということは、それは飲食店が店を開けても、行く人がいなければ繁盛しないわけですから、そういう自粛をしたくないという判断をされてる方が増えてることについては、やはり、そういうオリンピックが開催されてるような状況で、これはアスリートに対しての反発ではなくて、主催された側、オリンピックを開催をするのはアスリートじゃなくて組織委員会、政府、日本国内でいえば東京都ですね。そういった人たちが要請することについて、聞きたくないという拒絶感が非常に強いんだと私は分析しています。なので、全国知事会から出すこういった要請についても、ありていに言うと、そんなことを我々に言う前に政府に物申したらどうかという反発が強いんだと思います。
そういう意味で、いろんな自粛要請を聞いていただく環境として大変アゲンストの風が吹いていて、ある意味、何ていうんですかね、我々行政側、感染を抑える側、抑えることを担う側に対する国民、県民の皆さんの拒絶感が強くなってるということで、そういうことが、実際にかつての緊急事態宣言ほど街の様子が、自粛を求めてる事項が実行されてないことが顕著に表れているということだと思いますので、何というか、静かな抵抗が本当に国民の間に広がってる、それをどう乗り越えるかということを政府によく考えていただかないといけないんじゃないかと思いますし、
例えば、仮に私も同じ立場であれば、今からオリンピックを中止するっていうのは大変難しいし、実際の選択として取れないというのは、私も理解します。ただ、それをやっぱりやることは難しいと。実際に開催までこぎ着けて、実際、最終日まで競技される方々が既に入国されたりしてる中で、そういう方々に競技の場を与えずに帰ってもらうということが実際の選択としてできないということをきちんと説明されて、難しいってことを説明されて、そういった中でも、やはりこういうお願い事を聞いていただかないと国民全体が非常によくない方向に、よくない環境に、医療環境等含めて置かれると。そのために何とか協力をいただきたいというふうに理解を切々と求められないといけないんだと思いますし、例えば、私はちょっと今、正確にどうなってるか分かりませんけども、たしかちょっと前に、まだパラリンピックが有観客なのか無観客なのか決まってないという報道を聞きましたけども、この感染状況で有観客なんかできるわけないんだから、もう無観客で何とか開かせてほしいと。やはり、競技者の皆さんが楽しみにされてる、期待されてるこの開催を何とか、競技をしていただくということだけ何とかしたいというふうにやっぱり理解を求めていかれないと、まだ有観客でやるかもしれないなんていうふうなことを言ってるようでは、とてもじゃないけども、2年連続帰省を諦めろと、ワクチンを打ったけどもお孫さんに会うな。そういったことを聞いていただけるのが遠のくんじゃないかという、肌感覚を持って、やはり国民に行政側からの感染拡大防止のためのお願い事を聞いていただけるいろんな周辺の状況を整理していかないといけないんじゃないかというふうに思っております。
そういう意味で、私は私なりに、島根県内で帰省をするな、旅行に行くなと言っといて、県外客、県外のお客様を呼び込むために県費を使って支出をしてるということになれば、旅行したっていいんじゃないか、帰省させてもいいんじゃないかというふうに思われますので、当然、バランスを取るために、我々が県民の皆さんにお願いしてる事項に整合的な形にするために、観光振興という意味ではマイナスですけども、やはり、ここは停止をしないといけないと思って停止をしたとこであります。
医療体制の縮小、特例として、特例というか、中等症の一部も自宅療養だと、そういう制度を設けないといけない。それから、具体的に想定されてる都道府県がそれを使いますといった段階、つまり、政府がそういう制度を設けたのであれば政府が、そしてそれを使わないといけないようであればその団体の長が、これまでにない厳しい、つまり医療のカバー範囲をこれまでよりも縮小して対応しないといけないような厳しい状況になってるということを率直に訴えて協力を求めないといけないんじゃないか。これで、今回の変更でより医療がしっかりしたものになるんだとかって、確かに重症病床にシフトするんだっていう意味ではそうでしょうけど、全体としてはカバー範囲が縮小される。
今、たしか3,400とかぐらいしか入院患者、東京都入ってないはずだけど、もともと6,000確保病床を用意してるって言ってたのに3,400でもうバンザイすると、バンザイせざるを得なくなってるってことなんだと思いますけども。そういう厳しい状況にあるから何とか協力してほしいというふうに、厳しい状況にあるからこういうふうにせざるを得ないんだ。だから、制度の構えもそうだけど、国民、住民の皆さんにもぜひ協力してもらいたいというふうにきちんと訴えないといけないと思います。
私は、オリンピックの中止論を招くことを懸念して何となく状況が悪くなってるっていう、状況が悪くなって制度を、医療のカバー範囲を狭めないといけなくなってるということを濁して説明されてる姿勢を政府に感じますけども、それは一番よくないパターンだと思います。オリンピックの中止が現実の選択肢としてあり得ないという話は、それはそれで説明をする。そして、今の窮状、厳しい状況というのはきちんと国民にお伝えして、それに対応するための協力を引き出す、何とか理解を求めていくというふうな形でやらないと、オリンピックの中止論を高めてしまうから今の危機的状況をきちんと伝えないというふうな、私はこの説明ぶりに感じますけども、それはよくない。こんなことをしなきゃいけなくなってるんだと、中等症の人を入院させられなくなってしまってる。それだけ厳しい状況なんだと、これを抑えるために、誰かが何かをやってくれるのではなくて、ともかく行動をいろいろ抑えていただくということしかもう手が残ってない。何とか協力をしてもらいたいというふうにお願いをしなきゃいけないし、もし自分は重症化リスクが少ないからいいじゃないかという方がおられるのであれば、もしあなたがそういうことにならなくても、感染を広げて患者さんを増やしてしまえば、事実上そういう人たちの命を危うくする行動になるんだから、ともかく、自分が若くて健康だから大丈夫とかっていう、そういう狭い範囲ではなくて、周りに与える影響、今の医療が逼迫した中で感染を広げるというのは、人によっては命を奪いかねないことになると、そういうことを好きこのんでやる方はおられないはずだから、そういう自分の行動の与える影響というのがこの状況下ではそういうことを招きかねないということを含めて、広い視野で自粛の理解を求めていくというふうにしないといけないと思いますので、やはり、政府の説明の仕方、そして、これを適用されるであろう東京都の都知事は、きちんと今置かれてる医療の窮状、そして、今の感染状況が継続した場合にどういう厳しい状況になりかねないかということを具体的に、あまりいい話にならないでしょうけど、やっぱりそういうことを避けるために自粛をお願いするわけだから、そこをぼやかして説明されるべきではないというふうに思います。これは希望ですよね、まだ説明されてないから。
そういう形で、やっぱり今起きてる状況がそういう制度を設けなきゃいけなくなってるっていう状況、それを使わなきゃいけないと思ってるところがあるという状況。そういう状況を、そういうことをやらなきゃいけなくなってるっていう状況は非常に厳しい状況なんだということをきちんと認めて、はっきりと今回の制度の改正の趣旨を説明することっていうのは、まさにこんなことをやらなきゃいけなくなってるから、それをちゃんと伝えて自粛を引き出すというふうに使わなければ、その効果が半減するのでないか。ただ単に医療の縮小だけに終わってしまう。医療を縮小しないといけない状況になってるから自粛を強くお願いするというふうに、ちゃんと伝えていかないといけないんじゃないかというふうに思っております。
島根県はまだそこまではないですけど、ともかく帰省と旅行を控えいただくということを、ワクチンが普及してる中でもぜひ徹底をしていただきたいということを、重ねて県民の皆様にお願いをさせていただきます。
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