7月29日質問事項
○読売新聞:昨日、先ほどご言及がありましたように、東京都、非常にショッキングな数字というんですか、大きい数字が出た中で、これに対する受け止めと、今回帰省支援再開ということですが、前回は特に大阪などの医療体制、1回目は積極的疫学調査の縮小などが一体的に危惧され、当該地域に危惧されていたこととしてあげられていたと思いますけども、今後どういう自体が想定されることを危惧して今回また再開、帰省支援再開されることにしたのか、再開に至った理由を詳しくお聞かせください。
○丸山知事:はい。たしか再開しようと決めたのは火曜日だったというふうに思いますけども、感染者が急増している、過去最高を更新した、ということでありまして、一番大きな問題は、過去最高の数字はたしか前回は1月の上旬、年末年始のお休み明けの数字でありました。そしてほぼ同時期に緊急事態宣言が発令して、ほどなく感染者が、いや、ほどなくというか、すぐに感染者数が減りました。減少に向かっていったという状況でありましたけども、いまの状況は過去最高を更新した段階で、もうすでに緊急事態宣言が、一番強い措置が出されている、そういった状況で過去最高を更新している。
つまり何かというと、東京都においては、前回過去最高更新時は、次の手段、緊急事態宣言という強い対策が控えていた中での過去最高でありましたが、今回はそれを実施している、次の手がない中での過去最高の更新でありますから、この過去最高を二日続けている状況を止める手立てが、客観的に見ますと存在しない中での急増だということで、感染者数の増加を減少に転じることができるという見込みが、客観的にはなかなか見出しがたい、ということでありますので、感染者数が更に増える、または、こういった水準で続いていくということも当然想定しないといけない。
そうしますと、医療機関にはとてつもない圧迫、負担がありますので、残念ながら何度も申し上げておりますとおり、1月、2月、3月、都で生じた自宅や宿泊療養施設、つまり医療機関によります十分なケアが受けられない環境下での、そこに大きな数が滞留し、大きな人数が滞留し、そこで様態が急変した方が亡くなったりということが生じないとも限らない。ということが一つ。そういった中で、そういった状況が起きてから対応するのでは遅いだろうということが、これは決めた段階、火曜日の段階での判断であります。私の考え方であります。
加えて、昨日、都知事が登庁された際だったと思いますけども、記者団の問いかけに答えられて、自宅療養者の健康状態を確認する体制を整えているとして、特に一人暮らしの方々などは自宅もある種、病床のような形でやっていただくことが病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる。というコメントをされております。
つまりは自宅療養、一人暮らしの方は自宅療養してもらうことを覚悟してくれというふうにおっしゃっている、と私は理解をいたしました。
他の人にうつす可能性がない、家庭内感染を引き起こさないという観点で、他の方、家族と、自宅の中で他の人にうつさないという観点では病院と同じ効果があると思いますが、その方の療養にとって病床と同じような環境にあるとは、とても思いません。
病院と自宅で、いる状況がイコールだという評価はとてもできません。そういった、ある意味、都知事が率直に言われた話だと思いますので、まさに医療崩壊、病院に入れられない、ホテルとかの療養施設にも入れられないという状況を覚悟してくれというふうにおっしゃっていると理解するのが、自然の捉え方だと思っておりまして、まさにこういった状況になりかねないというふうに都知事自身がお認めになっているわけですから、基礎疾患を有する方が、軽症等から急速に自宅で悪化するという状況に対して対応する術をお持ちだとは思いませんので、島根県、たいへん県内県外という区分けで、県外の方に対して厳しい対応、今回も県外に在住のご親戚に帰省を止めてもらうようにお話しくださいというお願いをしてはおりますけども、帰省ではなくて、身の危険が客観的に高いというところのご親戚、ご友人、近しいご親戚に手を差し延べてはいけないということは別の話しでありまして、6日は家庭ではなくて、実家等ではなくて指定のホテル、旅館、まあホテルですけど、ホテルに滞在していただくという形で一番リスクの高い県外から実家等に戻られて、家庭生活をすぐに開始されるといった形で感染が拡がることを防止するという制度設計にしておりますので、この制度を使っていただいて県に、実家に戻ってこられることへの橋渡しをして行きたいと思っております。
基礎疾患を有するかどうかということについては、医者の診断書などを求めるといったことはしません。これは、とどのつまりは一泊5千円の支援しかしませんので、自己負担は5千円程度生じるでしょう、食事をすることを含めて。その自己負担を6日間続けることを覚悟して、それでも帰ってきたいとおっしゃるということ自体が、それだけのリスクをご自身でお持ちだということの証明になるというふうに思っておりますので、そういった形で、単純な帰省ではなく、帰って来られることに対して自らも負担をしながら、不自由な生活を前提として6日、最低6日はホテルでの宿泊をしてもらうという負担を伴う形で帰ってもらいますので、感染拡大防止との両立は図られているという内容でありますからこれを実施するとしたものであります。
従いまして、一般論としてもリスクが高い、そして都知事自身も他のコメントを考えると相矛盾するところもありますが、先ほどの自宅、一人暮らしの方は自宅でといったご発言を見る限りには、そういう状況を想定されているというふうに判断しておりますので、二重に必要だというふうに思っております。
加えて申し上げると、東京都の対応として過去最高を更新した27日に担当の局長さんが、悪戯に不安を煽ることはしていただきたくないと言われたことに対する都知事の見解は、28日に言われた見解は、いまは陽性者数だけの問題ではない、ある意味これまでどおりとは違う、紀元前と紀元後で言うとワクチンがあるかないかの違いはしっかり伝えていただきたいという趣旨だと思います。ということで、局長の発言と同じ認識だと、その根拠は何かというとワクチンがあるんだからというお話しをされています。
厚生労働省のシステムでみんなが、行政担当者が見れるシステムがありまして、東京都のワクチン接種の状況の最初の数字を見ますと、高齢者については69パーセントだというデータが確認できます。2回接種がですね。ただ若い方の接種はこれから、何パーセントかという数字はわかりませんけど、60何パーセントと進んでいるわけがない。
ということは、私からするとこの発言に対する評価を申し上げると、確かにワクチン接種が、希望される方に全員行き渡っていれば紀元前、紀元後という捉え方は正しいと思いますけども、どちらかというとワクチン接種が行き届いていなくて、若い方に打ってくださいと都知事は言われますけども、若い方が打とうと思っても予約が入らないという状況下では、まったくもってまだワクチン接種が進んでいない、つまりワクチンという防弾チョッキを着ていない人がたくさんいる中で、それが、皆さんが防弾チョッキを着ているというふうな誤った認識の下で、これから対応されようとしているという意味において、都知事、それから担当部局を含めて認識が極めて希薄、不適切でありますから、そういった意味でも前面に立たれるべき東京都の公衆衛生部門を率いられる都知事のご認識というのが、誤ったものであるということも含めてリスクが高いというふうに思っております。
ワクチンは2回接種した後に2週間程度の期間を経てから抗体が十分に確保されるというふうに言われていますから、今から今の数字以上の効果は出ないわけです。今の数字よりも2週間前の数字が今ワクチン効果がある方だと思いますので、そういった意味でも一部ワクチンが接種されているということをもって、ワクチン接種後であるというふうな言い方をされること自体が極めてミスリード、間違っているし、それを公言されるということで都民の方が誤解されるという意味において著しく不適切、危機認識の低さに驚くばかりというふうに思うところであります。
そういった状況でありますので、客観情勢は厳しい、そして担当される組織の認識が著しく不十分ということを考えると、東京都の感染状況というのは良くなるというふうに考えることは、医療機関も直ちに良くなるということを前提として我々側の人間が行動することは間抜けだと思っていますので、こういった対応をさせていただいております。
○読売新聞:ありがとうございました。
○山陰中央新報:今回の制度とは関係のない質問になってしまいますが、よろしいでしょうか。
○丸山知事:はい。
○山陰中央新報社:鳥取県知事の方がですね、全国知事会の会長に立候補されるというご意志を示されましたけども、率直に受け止めをいただけますでしょうか。
○丸山知事:最後は選挙ということになりますので、候補者として手を挙げられるという報道だったと思います。
当然、皆さんご承知のとおり全国知事会の新型インフルエンザ対策本部の本部長代理、会長に次ぐ職責を十分に担われ、そして政府の分科会で知事会の代表として委員として出席をされ、つまり専門家の方々と意見を交わし、そして政府の当局者との調整の前面に立たれ、そのお立場で活躍ぶりというのは極めて的確な仕事をされていると評価をいたしておりますし、そういった意味ではこれは大変難しくてですね、私なんかは人口の少ない地域の代表として申し上げたりしますけども、これは東京都から島根、鳥取まで含めた全都道府県の意向を取りまとめてですね、立場は違いますから非常に難しい調整をされながらコロナ対応を知事会としてどうして行くべきかということを牽引されている。その実績からしますと、知事会長として就任されるに値する実績をお持ちだと思っております。
従いまして、私自身は平井知事が候補として立候補されるのであれば、それを支持していきたいと思いますし、そういった支援の拡がりを、汗をかく必要があれば私自身も汗をかいていきたいと思っております。
○山陰中央新報:平井知事の方から直接、事前に相談等受けられましたでしょうか。
○丸山知事:それはございません。
○山陰中央新報:先ほど必要に応じて支持をされるというふうにおっしゃいましたけども、例えば推薦人を務められるだとか具体的な方策、お考えとかありますでしょうか。
○丸山知事:これは私自身を客観的に分析してということですけども、推薦人というのはこういう人が支持してくれてるんだと、保証人みたいなことですよね。そういう推薦人になること自体が支援を拡げるような人じゃないといけないだろうと思っていまして、私自身は最近いろいろと物議をかもす発言もしておりますので、推薦人になるということが平井知事の支持を拡げることに、プラスになるかどうかということは平井知事のご判断もあろうかと思いますので、私自身はやぶさかではありませんが、結果的にそうなるかどうかというのはわからないと思います。
ただ、自分自身は一票を持っておりますので、その一票は平井知事に投じたいと思っております。
○丸山知事:ちょっと説明が不足でしたが、小池知事も自宅療養者の健康状況を把握するという体制を整えているとおっしゃっています。私も詳細は承知していませんけども、さすがに第3波の現状を踏まえて改善されていらっしゃるという、そこは信頼しています。ただ、問題は、医療に負荷が掛かった時に、その方の状況が良くないと分かったときに対して、医療の入院してもらうとか、訪問看護師さんとか、お医者さんが訪問してケアをするとか、そういうところの体制まで医療逼迫の状況でそんなことができるとは思いませんので、少なくとも状況を確認することはできても、そこに対して逼迫した医療の中から、そういうレスキューを出せるという体制まで整えられているのか、整えられているとしても現実に大量の感染者が発生して、入院もできない、病院の方でも手術、これは都の方ですでに要請されてますけど、予定されていた手術の延期とか、診察の一部停止とかを含めて対応してくれと言われている。そういった状況であるでしょうからそういった中で、お一人を対応するためにお医者さんが出かけていくとか、入院のベッドに入れる、とかは想定しがたいわけですから、半分はできているけど半分はできていない、という意味において観察はできても状況が悪化したと認知した後に、実際に医療を届けることができるかという意味で考えると、それはできるとはとても思えませんので、自宅療養自体のリスクは残ったままだと受け止めていまして、そういった状況に島根県民の近親者が置かれることを避けるという意味で、今回こういった制度を設けたということであります。私ちょっと説明が足りておりませんでしたが、そういう認識であります。
失礼しました。ありがとうございました。
○丸山知事:もう1回補足します。厚生労働省のシステムの中で確認できるデータとしては、東京都内の全年齢を対象としたワクチン接種2回目を終えた人の率は、22.5パーセントということでありますから、約8割の方は、ワクチンという意味でのガードは完全に整ってはいない。1回打たれた方はおられるかもしれませんけど、2回は必要だと言われていますので、そういう意味で、ワクチンは開発されて、供給はされてますけども、実際のワクチンに伴う免疫獲得といったところに至っているかっていうのは、概ね5分の1に留まっている中で、ワクチンが全部行き渡って2週間経っているっていうふうな認識を示されることは極めてミスリードだと思っております。
ありがとうございました。
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