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7月9日質問事項1

1.緊急事態宣言、東京オリンピック

○山陰中央新報:山陰中央新報の佐々木と申します。よろしくお願いします。

 すみません、まずは新型コロナウイルスの対応の件で伺いたいんですけれども、午前中にも対策本部会議がありましたけれども、東京のほうで緊急事態宣言が4回目の発令ということで、延長と併せて発表があっておりますが、知事としての所感をまずお願いいたします。

○丸山知事:新型コロナの感染拡大という意味と、この時期でありますので東京オリンピックの開催を間近に控えてこういう状況になっていると、この2点、関連するので併せて所感を申し上げますけれども、残念ながら今年の2月に私が申し上げた、東京都が東京オリンピックを開催する資格なり能力があるのかどうかということが現実の懸念としてなってきて、開催はされますので、感染拡大の懸念のさなか、こういった国際的なイベントが開催されるという残念な状況になっているということで、厳しい状況だと思います。

 2月も申し上げましたけども、東京オリンピックを開催するというのは、少なくとも全世界からアスリート、そしてアスリートをサポートされるスタッフ、競技団体の関係者、IOC、またスポンサーといった方々が日本に集まられるという大きな国際的な人流が生じる。そして、最終的には無観客(一部は有観客)というふうになりましたけれども、もともとは観客を入れてということでありましたから、日本国内での人流も生じる。そういうことをこのコロナの感染が収まらない中、やらなきゃいけないということであるとすると、東京都というのは全国的にずば抜けて感染を抑える対策をしてこなければ、そのリスクに耐えられないんじゃないかというふうに申し上げましたが、残念ながら、オリンピックの話を抜きにして、最も感染拡大がしやすく、その制御ができない地域だという状況が変わらないままでオリンピックを、無観客といった対策が講じられておりますけれども、そういう開催を迎えられているということは、事前準備が、開催する準備としては著しく低水準だったということになっているんじゃないでしょうか。

 関係者の方々、いろいろ努力をされてきたのは分かりますけれども、結果としてはよろしくない状況の下でオリンピックが開催されるという残念な状況になっているという認識であります。

○山陰中央新報:すみません、東京では4回目の発令ということになったんですけれども、その辺りはどのように見ておられますでしょうか。

○丸山知事:5波まであって、第2波はそういう緊急事態宣言なしで自然収束しましたから、事実上、大きな波というのは4回、それが全て対象になっている、東京はですね。第4波は大阪スタートだったというふうに言えるかもしれませんけども、そのうち3回は東京スタートだと言ってもいいんだろうというふうに思いますから、日本で一番感染しやすい地域で、それが改善されないまま、この世紀の大イベントを迎えられているということで、昨年1年間の反省なりなんなりを生かせられなかったのかという意味において、昨日の会見も、大変総理に対して厳しい御指摘がありましたけども、それに比べて都知事に対する会見はいつもどおり腑抜けのような記者の質問だったように見受けますが、そういうメディアの姿勢も含めて、全国で緊急事態宣言という措置が公平に制度があって、まん延防止等重点措置という制度もあって、そして、それらの措置で感染を収めている地域は幾らでもあるわけです。だから私は、まん延防止等措置の内容がどうかとか、緊急事態宣言措置の内容がどうかということではなくて、これは大阪も入るかもしれませんけれども、東京・大阪オリジナルの、制度じゃない問題がやっぱりあるんじゃないかというふうに考えないと、専門家の方々も政府も、東京も大阪も駄目なんだと思いますよ。仮に東京と大阪を並べちゃ困ると言われると思いますけど、それはそうだと。なぜならば、大阪にはオリンピックないですから。一番きついことをやらなきゃいけない立場の人が、一番きついことを実現しなきゃいけない。それができてない。それは政府のせいでは私はないと思います、はっきり言って。その制度で全国、大体収まっているんですから。東京都オリジナルの出来の悪さがあるんだろうと。それを放置してずうっと来た。東京都も政府も、そして私はかねがね言っていますけども、オリンピックをちゃんと開くためには、事業主体である組織委員会がちゃんと東京都に対して、開催都市として開催にふさわしい環境をつくるようにちゃんと対応してくれというふうに言わなかった、なあなあでやってきた、そのツケが全部回ってきてると思います。

 私はかねがね申し上げておりますけれども、東京都は感染者数が1,000人近いですよね。これは500人の数字のときも400人の数字のときもそうですけども、ずうっと感染経路不明率5割、このところずっと5割以上、今ほぼ6割、続いてます。そして感染経路が分かった人の中でも2割は、昨日の数字でいうと2割は家庭ですよ。8割が感染経路不明と、実質ですよ。そんな状況で、後ほども話があるでしょうけど、そもそも飲食店に力を入れてやることが正しいのかどうかと。感染経路判明者の中で1割に満たないんですよ、飲食関係の人たち。だから、4割が判明してるわけだから、4割の1割だとすると4%。感染者の中の4%を、これを4%に抑え続ける効果はあると思いますけど、この4%を2%にするために、こんな金融機関に手を回すとか、酒の卸業者に手を回すとか、そんなことをやって、全体としていかなる効果があるのかと。これまで感染を、その数字に、飲食関係を抑えているという効果は認めるとこですけども、これ以上力をここに注いで、飲食業者の皆さんを苦しめて、全体としていかほどの効果があるのかということは極めて疑問ですよね。

 そして、何で感染経路不明者が、形式上6割、実質8割、こんな状況が続くのか。これは恐らく東京都も厚生労働省も見向きもされなかった積極的疫学調査をちゃんとやってないんじゃないかというふうに推定しなきゃ駄目なんでしょ。感染経路不明者が多いということは、調査ができてないからですよ。なぜならば、もう症状が出た人が陽性になって判明する。島根県の場合は、陽性になった人から感染の可能性がある人たちをピックアップして調査をする、その中から見つけてくる人は無症状の人も含めて見つける。そして感染を広げる可能性がない14日前まで、その人がどこで感染したのかというのを調べるために遡って接触者を調べて、そこでまた感染者を見つけるということをやっているから、島根県、そんな数字じゃないですよね。でも、そういうものを放置しておくと、先ほど申し上げた例でいくと、感染の原因となったところを調べなければ、その方が1人で接触して感染してるんだったら1人ですけど、ほかに同じような感染者がいるかもしれないということで調査を広げて、ほかの感染を防止できるわけですよ。そうしていけば感染者数は収まっていきますよ。しかも、無症状の段階から見つけるから、感染者は増えてもそれほど重篤な患者はいない。

 鳥取と島根の場合は同じパターンですよね。そういうことを徹底してるから我々はこの水準で抑えているけど、感染経路不明者6割、いや、それは1月の上旬とか、1,000人とか2,000人とかというときだったら分かりますよ。それが500になっても5割だ6割だっていうことは、調べてないんじゃないかと私は思ってます。

 だから、家族とかを調べるから家族はいっぱい出てくる。数が多いから大変だと。分かります。でも、だったら感染者の総数が減ってきたら率が下がるべきだ、感染経路不明者は。同じような調べ方を、感染者が少なくなっても低い水準での調べ方をずっと続けてるんじゃないかと私は疑ってます。でも、そんなことを疑うのは山陰の県知事の仕事じゃなくて、東京都だって、毎週毎週、がん首そろえて知事の前でモニタリング会議やってるでしょう、そこに感染症の専門家入ってる。政府だって、感染症の専門家はたくさんそろえてやってる。何でこんな何度も繰り返されるんだとか、何で感染経路不明者が下がらないんだとか、そんなのは普通、科学者とかじゃなくて、普通にセンター試験の思考力問題ぐらいで出てくるような話ですよ、考えられる原因は何かと。データを見れば分かるじゃないですか、何でここだけこうなるんだと。だからそれをずうっと放置してきたんじゃないかと私は思いますけど、それは当事者がちゃんと調べて検証されればいいと思うけども、少なくとも制度の問題、政府の対応の問題、これはゼロではないと思いますけど、それ以上に東京都の対応がよろしくないから東京都で問題がずっと起きるんでしょう。少なくともそう推定をすべきだ。そういう推定もせずに放置して何度も同じことを繰り返してるからこういうふうになってるというふうに私は推測をしています。

 政府の対応も、それはいい内容じゃないと思いますけども、政府だけが対応を問われてる、責任を問われてる。総理だけがおわびをされてる。そんなことはないだろうと。何度もこんな状況を引き起こして申し訳ありませんと、都知事は都民に謝るべきだと思いますよ。強力な措置を講じていきますとかって、結果に対して自分の所見を述べるとしたら、まずは何度も何度もこんなことに至って申し訳ないというところからスタートだと思いますけども、そんなことも言わないから都民の協力を得られないんじゃないですか。それは飲食店の人たちの問題とかじゃなくて、飲食店を使う人たちの問題じゃなくて、行政側の対応が真摯さに欠けてるからじゃないかと思います。

 加えて申し上げると、政府が今回、大きな間違いを犯したと私が思うのは、やはり5者会議で、まん延防止等措置の解除を前提として観客を上限1万人と決められました。しかも、加えて、それに加えてですよ、大会関係者は、大会関係者になぜスポンサーが入ってるか理解できないけど、大会関係者は別枠だという詭弁、二枚舌を組織委員会が恥ずかしげもなく言われましたけど、それに対して感染抑制をする立場である政府も東京都も何の異議も言われない。普通に考えたら、政府も東京都も真面目にやってない。そんな詭弁を認めてたら、ほかの人に対して示しがつかないと普通思いますよ。それだったら、本当にそういうことを認めるんだったら、それは大会関係者も含めて2万人というふうに正面から言わなきゃいけない。1万人と言って、別枠で1万人いいんですという詭弁を認める政府と東京都に協力する人は大分減ったと思いますけどね。

 オリンピックを開催すること自体も、全面的な賛同が得られているわけじゃない、国論を二分してると言えるでしょう。そういった中で、感染を抑える立場にも東京都と政府はあって、その中に5者会議としても入ってる。5者で決めた内容として、それは決めたのか決めてないのか、黙認なのか分からないけど、黙認したんだったら、それはそれで問題。決めてない内容をそういうふうな二枚舌を使って言ってるんだったら、それを言った時点で抗議すべきだ。そんなことをせずに放っていたら、政府の言っている要請なんて、それはもう詭弁、二枚舌でしのげばオーケーだと、別にオリンピックだけそんなことを認める必要ないだろうというふうにみんな思いますよね。そういうことを認めてるから、どんなに呼びかけてもこの間、第4波以降、都民の皆さんの十分な協力が得られずに、感染は広がり続けた。一旦数字が減っても、これは3波と4波の間もそうだし、4波と5波の間もそうだ。感染者数が減ったのに、調査のレベルを上げることなく、これは推測ですけどね、やってるから、把握できる感染者を見逃して、そこから感染が広がってるというふうに私は推測してます。

 なので、実務的な対応が、東京都ができていないと。東京都も政府もオリンピックを特別扱いにしてそのような詭弁を認めてしまったがゆえに、真面目に政府の、東京都の要請事項を守ろうというインセンティブ、気持ち、気概がやはり失われていったというふうに考えるべきじゃないでしょうか。

 すみません、長くなりましたけど、何かそんな感じです。

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○読売新聞:読売新聞の林ですけれども、五輪関連で1個、追加でお伺いさせてください。

 本日、対策本部会議のほうで、東京も往来自粛の地域ということで継続しました。先日来、知事のほうで五輪の観戦とかは例外事項に当たらないという認識を示されていましたけれども、五輪期間が緊急事態宣言期間と重なることが確定したという中で、改めてですが、そういうような認識で今もいてということをちょっと御確認したかったんですけれども。

○丸山知事:ちょっと五輪の開催地を全部把握してませんけど、五輪の開催地が、もう緊急事態宣言は沖縄と東京だから、もともと往来を控えてくださいという地域であって、そもそも観客としては行く人いないはずだから、でも、私の基準からすると、彼らが別枠と言っている大会関係者で、島根県に在住しているような人は、私からすると観客だと。スポンサーの招待を受けて行きますというのは観客だと、観戦だろうと。そういうのは控えてもらわないといけないでしょうね、もしそんなものがあれば。

○読売新聞:ですから。

○丸山知事:考えは変わらない。

○読売新聞:変わらないということですね。分かりました。

 観客として行く人は、やっぱり無観客なのでもちろんいないでしょうけども、いろんな人流が起きる中でということも踏まえて、そういうふうな一連のことを踏まえて例外ではないということですよね。

○丸山知事:私は、オリンピックだからといって特別なことは何もやってません。そもそも葬儀とかやむを得ない仕事とかと同列に言えるのかと、言えるわけないでしょ。それは東京でやられるサッカーだろうがプロ野球だろうが、それは同じだと。控えてくれと言ってる中に、プロ野球の何か、伝統の巨人阪神戦だろうが、何かの大事な大会だろうが、スポーツ観戦であれば、それはもう不要不急でしょ。例外じゃないでしょ。例外じゃないです。例外とは認められませんと。でも、ただ、最後は要請ですから、行かれる方がおられるのは仕方がない。ただ、それを私がいいですよ、プラチナチケットだから仕方ないですねとかっていうのは申し上げられませんということです。

 

○丸山知事:言い忘れましたけども、オリンピックについて聞かれましたが、私は何の権限もありませんけども、一つ、オリンピックのやり方として検討しなきゃいけないことはあると思ってます。それは、こういう形で都議会議員選挙でも明らかなように、国論を二分しているオリンピックの開催。それについて万全を期すと言われてますけども、ウガンダの、あの泉佐野のキャンプの話にしても、何かこんなので大丈夫かというようなことが起きてる状況で、私は、これは組織委員会と、政府だと思いますけどね、もしかすると東京都かもしれない。天皇陛下を開会式にお出ましいただいて、開会宣言をしていただくということが、そんなことを本当にお願いしていいのか、お願いできる状況なのか、お願いできる立場なのかということを組織委員会、政府、それから東京都は再度検討すべきだと思いますよ。天皇陛下は、憲法第1条で日本国民統合の象徴、そういうお立場の方を、これだけの国民世論の議論になってる場にお出ましいただいて、開催宣言をしていただくということをお願いしていいのかどうかを、やっぱり自分の胸に手を当てて考えなきゃいけないんじゃないかと。組織委員会は多分開催者として、そして政府と東京都は感染、それをサポートする立場であり、感染を十分に抑えられなかった立場として、通常の、私も植樹祭でお出ましをお願いした立場です。でも今回は全国的なコロナの感染の状況があってリモートでの行幸啓となりましたけれども、やはり陛下にお出ましいただくっていうことは、お出ましいただく環境をつくらないといけないのであって、それができてない状況でお願いをするということが適当なのかどうかということをちゃんと考えないと、何かIOCのルールで決まってるからとか、そんなことやめて、総理が代行してやってもらうとか、観客を入れるのが普通だろうけど、観客入れないわけでしょ、今回。普通の状況じゃないんだから。考えるべきですよ。それは、陛下は政治的な御判断をされない立場、この問題で御判断をされるわけにいかないでしょうから、それは周りが陛下のお立場をきちんと考えて、お願いしている側がお願いを取り下げるということを考えなきゃいけないんじゃないかという状況になってると思います。私だったら、島根県内が感染がひどい状況で、陛下にお出まし、行幸啓していただけるような状況でなければ、それは取り下げますよ。それは我々が、お出ましをお願いする立場がそんなことをしていいのかどうかということをちゃんと考えないと、それが常識だと思うので、そういうことを検討しなきゃいけない状況にあると思いますから、よくよく考えていただきたい。

 憲法第1条の規定で陛下のお立場ははっきり書かれてあるので、そういう方に開会式にお出ましいただいて開会宣言をしていただくということを本当にお願いする気なんですかと、お願いできる状況なんですか、お願いできないような状況にしてしまっているんじゃないかと。であれば、お願いする立場からお願いを取り下げないといけないんじゃないかというふうに思っておりますので、付け加えます。以上であります。

○読売新聞:読売の林ですけれども、今のお話、ちょっと確認なんですけれども、要は憲法で天皇陛下が国民の象徴だとされてる中で、国論を二分してるようなこういう問題に、陛下に御挨拶してもらうことは、それはおかしいんじゃないかという。

○丸山知事:避けるべきだと。避けるというか、それは陛下がやられることではなくて、それはお出ましをお願いしている立場がお願いを取り下げるべきだと。

○読売新聞:なるほど。

○丸山知事:そういうことに陛下の判断を仰ぐとかっていうことが好ましくないでしょうから、それは周りが陛下をお呼びできる環境なのかどうか、よく考えればそうなるんじゃないかと思いますけど、考えてないんじゃないかと。

 私は、陛下とか宮内庁にお願いすることじゃなくて、それは呼んでる側、お願いしてる側が取り下げなきゃいけない状況に来てるんじゃないか。早く開会宣言を、総理しかないんでしょうけど、代わってもらわないと、もう開会式近いから、間に合わなくなるんじゃないかと思いますので、今のオリンピックを取り巻く状況というのは、私が橋本会長の立場だったら取り下げますけど、そんなことをお願いできる状況じゃなくなってるって自分だったら判断しますけど、そういう判断にならないものかなと思ってます。

○読売新聞:もう1点いいですか。もう1点。

 今の知事のお話というのは何か、先日の宮内庁長官の推察と…。

○丸山知事:いや、そういうことではなくて、私は、規模が全然違いますけど、陛下に、天皇皇后両陛下でしたけども、天皇陛下にお出ましをいただくということの準備を経験した者として、それは、そのお出ましをお願いする側が、お出ましいただけるような環境をきちんと整えるということが大前提だと。それができてない状況でお願いを取り下げないのは正しくない。それはどこかに紙で書いてあることではなくて、日本の常識だと思いますし、その判断をするのは、お願いをしてる側がお願いを取り下げる形でやるべきだと。

○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。


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