6月30日質問事項
○山陰中央新報:利用時間の延長、人数の拡大なんですけれども、知事はこれまで感染拡大防止と、それから経済回復の両立に苦労されてきたと思います。今の感染状況では、経済の回復に少し軸足を移してもいいというふうに判断されたということでよろしかったでしょうか。
○丸山知事:1月の末に従来の9人以下・1時間半という数字を申し上げさせていただきました。4月から5月にかけては、感染者、これは県外との往来によるものが主因だというふうに認識しておりますけれども、増えましたけれども、もともと1月28日以降、2月と3月の状況というのは、これは特に3月から4月の上旬もそうですけども、歓送迎会のシーズンを含めて、感染拡大を招いたわけではありません。非常に低い水準で感染は推移いたしております。従いまして、この9人以下、それから1時間半未満で感染拡大を大きく招くことはなかったともともと認識をいたしておりまして、そして、そういう状況がまた6月になって戻ってきたという認識でございます。
ということで、9人以下、それから1時間半自体は飲食を主因とする大きな感染拡大を招くことはなかったという基本認識に立った上で、これをもう少し拡大しても、同じように大きな感染を招くことはないのではないかと考えておりまして、これは、この見立てが完全に正しいかどうかということは、これはやってみないと分からないところはありますけれども、そういった推定をすることは可能だろうと思っておりまして、2月、それから3月、そしてこの6月の状況という実績がございますので、そういったことを踏まえて、率直に申し上げて首都圏や関西圏のように市中感染を前提として対応しなければいけない地域と、島根県の今の状況というのは市中感染がないという前提で対応できると思っておりまして、先ほど申し上げたように、県外との往来、それから県外の方との飲食といったことや、基本的な感染防止対策、またカラオケを利用する際の注意事項などをきちんと守っていただくことで、この数字の変更をしても問題がないように対応できるのではないかと考えて、今般こういった見直しをさせていただきました。
社会経済活動との両立というよりは、私自身に寄せられる声というのはどちらかというと利用者側、実際に飲食をされる側から、もう少し人数を増やせないだろうか、もう少し時間を長くできないだろうかというふうな直接のお声を伺う機会が多うございまして、そういった意味では、お店側からのニーズというよりは、一般の県民の皆さんが社会活動をする上で、飲食を介したコミュニケーションを地元や仲間と取っていく上で、もう少しこの窮屈さを解除できないだろうかというふうなお声に対応したという認識であります。
○山陰中央新報:今日、鳥取県のほうでデルタ株疑いのクラスターが発生をしました。一応鳥取のほうは、先ほどの呼びかけでも県内と同様に取り扱うということを言われたんだけれども、こういったクラスターが発生したことを受けても、この考えはお変わりないでしょうか。
○丸山知事:感染拡大の要素は薄いというふうな見立てもされておられますので、それは鳥取県の状況が今よりも悪化するようになれば、これはまたこういう判断を見直すことというのはあり得ると思いますけども、今直ちに鳥取県を外していくということまでが求められている状況ではないと認識しております。今後の状況次第だと考えております。
○山陰中央新報:今後の感染状況によっては適宜見直しをしていくというお話もありましたけれども、想定をされることとしては、例えばどういったことがあったら、またこの基準を強めたりするようなお考えでしょうか。
○丸山知事:やっぱり飲食の場を介した感染が多く見受けられるような状況になってくれば、やはり飲食の場というところでの活動を抑えてもらう必要があるでしょうから、場合によっては9人に戻したり、1時間半に戻したり、もっと厳しくしたりということはあり得ると。もともと9人・1時間半もそういう位置づけでありましたから、そういう飲食の場を主因とした感染拡大みたいなことが県内で確認されれば、そういった対応をすることを考えなきゃいけないと思っております。
○朝日新聞:以前の9人・1時間半というのは、東京とか首都圏に比べると大分リスクを取られた呼びかけだったのかなと思うんですけれども、一方で、バーとかスナックとか、主に二次会を中心とされて営業されてるところからすると、なかなか1時間半ですと一次会で終わってしまうという声もあったかと思います。なかなかそういう恩恵を得ることがなかったのかなと思うんですけれども、今回の2時間ということがそういった店舗に対してどういう影響を与えるか、期待があるかということについて教えていただけると。
○丸山知事:著しく改善することにはならないですよね、一次会自体が30分で終わるわけはないでしょうから。ただ、私もどっちかというと、リスク低下ですけど、4時間でいいとか5時間でいいという、そんな見立ては私も持てないので、そういう方々が大変苦境に置かれているということは重々認識しておりますけれども、あくまでも感染防止対策と両立できる範囲内がどこかというふうに今考えて出せる答えというのは、プラス30分というところが今、限界だと思っております。
そういった御指摘、これまでもいただいておりますけれども、残念ながらGoToイートの対象店舗ではないという意味でハンディはありますけれども、何とか一次会を通常二次会で使われる店舗でやっていただくというふうな営業スタイル、なじみのお客さんへの営業をしていただくといった形で、多少出せる仕出しを取ってもらったり、一次会的な要素を入れていただいて、この2時間を御自身の店で使っていただけるようにしてもらうとかということしかないのかなというふうに思っておりまして、そういったお声は十分承知をいたしておりますが、島根県知事として今、そこに対応するために時間を4時間とか3時間とかというふうにできる状況にはないということであります。
○朝日新聞:以前、9人以下・90分という数字を出されたときに、飲食店でクラスターが発生したとしても、今の医療体制であれば対応できる数字だということをおっしゃってたかと思います。今回の12人・2時間以内というのも同じような考え方ということでよろしいんでしょうか。
○丸山知事:クラスターが10も20も起きれば、それは別ですけど、それはクラスターを全部受け入れるわけじゃないです。クラスターの起き方、島根県内での起き方というのはそれほど同時多発的に起きている状況ではないので、問題は、どちらかというと飲食店を介して感染が広がって、そこが家庭に広がって、職場に広がっていくという二次感染、三次感染といったところが懸念されますので、そういったところを早めに、症状が出た方を起点として無症状者の方々、その周辺におられる方々を幅広に検査をしていって、早めに治療につなげていくということを丹念に繰り返していくということで対応していきたいと思っております。それで対応が難しければ、当然今の基準をきつくしていくということを躊躇なくやるつもりです。
○NHK:すみません、先ほどのお話の中に少し答えがあったかもしれないんですけれども、前回、9人・1.5時間というふうな御判断をされたときに、様々な事情を勘案して、知事のお考えで決められたというふうにお話しされてたと思うんですが、今回は専門家の何か助言ですとか、そういったものはあったんでしょうか。
○丸山知事:いや、ないです。我々の実務的な、感染者を保健所を通じて把握するという実務で感じた経験から判断しております。これについての答えを誰か科学者なり医学者が持っているとは思いませんので、特段伺っておりません。現実問題として、定性的に何人とか何時間という言葉が出るわけがなくて、島根県で出てくる答えと東京都で出てくる答えは絶対違うはずなので、そういう意味では、我々の現場感覚でこういったことが可能ではないかという見立ての下に、これは確定的な数字、データとかということがあるわけじゃありませんから、これは見直すことを念頭に置いて立てた数字です。
○NHK:あと、鳥取でも出てるデルタ株についてなんですけども、感染力が2倍という話もございますが、今のままの、この呼びかけというところで十分かなというふうに、今、知事はお考えでしょうか、いかがでしょうか。
○丸山知事:これ以外、呼びかけることは思いつかないですけどね。基本的には、それはデルタ株が鳥取県内に県外から入ってきたということだと思います。ただ、これを、人の往来を完全に止められない中では、それはもともと避けられないことですから、早めに見つけて、早めに対応する、それ以上の拡大を最小限に抑えていくということを、まず平井知事、鳥取側のほうでやられるでしょうから、そういうことを期待しているということであります。
例えば東京で感染拡大しているデルタ株という要素があるということがありますけれども、リスクを拾い上げていろんなことを制約していくということはありますけれども、例えば今回、第四波は大阪スタートで、それから全国という広がりだったですね。今回の、私は来るだろうと思ってますけど、第五波、これは、数字的に見れば東京スタートで全国に広がるかどうか。そういう意味で、我々は若干時間を持っていますので、感染の起点となる市中感染地域ではありませんから、そういったタイムラグも持っているということで、そういった感染拡大の波ですとか、そのデルタ株というものの脅威が現実に島根県について及んできた場合には、それはまたそのときに早く判断をしていくことで対応していきたい。ただ、遠くにあるリスクをもって早めに懸念し過ぎてしまうということも、先ほど原田記者からお話があった、社会経済活動との両立という意味で締め過ぎるということも考えられますので、幸い感染が遅れて来る地域だということ、これは定性的に事実だと思いますから、そういうタイムラグを利用しながら、そういう切迫した状況になりそうであれば、また戻していくということで、別にこれでずっと、五輪開催みたいに、開催しますと言って引かないわけでは、私はありませんので、この数字はこの数字で、ある意味、仮押さえの数字として9人とか6人とか5人とか、それは適宜、状況に応じて厳しくしていくということは想定した、前提とした数字です。
○読売新聞:まず、補足の質問なんですけど、ちょっとNHKさんの御質問の補足で、12という数字は、ですから実務の状況を踏まえて、皆さん、県のほうの実務に当たっている方のさじ加減とかも含めて出てきた数字ということでよろしいですか。
○丸山知事:要するに、9人・1時間半もざっとした数字だというのは正直にお話ししてますので、申し上げると、やはり9よりも若干引き上げても大丈夫ではないか、1時間半を若干引き上げても大丈夫ではないかという判断の下で、その若干を人数の場合は3と置き、時間の場合は30分で置いたということで、そういう刻みで考えていくのかなと思っています。
○読売新聞:今日引き上げられた上で、ちょっと総括的な質問なんですけれども、もともとこの9人以下・1時間半という基準を設けられるときに、当時としては全国でやってるとこも、そういうことを呼びかけられてるとこも少ない中で、県のほうからもリスクを取った呼びかけだというようなお話もされていたと思います。そういうのを踏まえて、これからも続きますから、こういう飲食の基準を設けることが、県下のそういう飲食店の経営とかにどういう効果があったかという、何か実感としてあることがあれば教えてほしいんですけれども。
○丸山知事:やっぱり最初1月末に言ったときは、出やすくなったと。大人数を避けてください、長時間を避けてくださいだと、どこまでがよくて、どこまでが駄目なのかというのは分からなかったので、目安を示してもらってよかったという声は多かったと思います。
ただ、最近は、今の感染が落ち着いていることが影響しているんでしょうけれども、やはりもうちょっと増やしてもらうのはできないんだろうかという話も伺うようになりました。ですから、そういう数字を示していくことは、私は大事だと思います。
特に島根の県民の皆さんは慎重で真面目ですから、仮に私がですよ、私が今、30人で4時間でいいですと言ったら、もうこれほとんど意味はなくなるでしょうね。聞いてみて、県民が聞かれて、まあそれぐらいだったら大丈夫なのかなと思ってもらえる線でないと、私が言うから県民がその線で動いてくれるわけではなくて、それは県民からある程度、まあそういうもんなんだろうね、何となく置かれている数字が納得できるというか、腹に落ちるというか、そういう数字設定をしなければ、100人以下で6時間以内って知事が言ってるからみんなどんどん100人以下の二次会、三次会まで行かれるかって、それ絶対行かれないでしょう。ですから、県民の皆さんの肌感覚と我々がやってる実務感覚に合った数字を示していかなければ、これはいけないと思っていますので、そういった意味で、今、私が出せる、ちょっと中で検討して出せる数字というのはプラス3人のプラス30分というところだということですね。
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