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6月23日質問事項2

2.東京オリンピック

○山陰中央新報:山陰中央新報、原田です。

 話題替わりまして、東京オリンピックの関連のことで質問します。

 東京五輪の観客について、21日の五者会談で上限1万人というのが決定しました。東京都のまん延防止等重点措置が7月12日以降も続いた場合は、無観客も視野に入れているということのようですけれども、まずはこれについての所感をお願いします。

○丸山知事:今、原田さんが言われた内容の外ですけど、一番の今回の五者会議の結果のポイントは何かというと、大会関係者は観客ではないので別枠としてこの会場に入れてもいいんだという判断を五者会議でされたということ、これが今回の決定の最大のポイントだと思います。何がポイントかというと、世の中に与える影響が大きい。それは何かというと、我々は観客というのは入場者のことだと思って、ずっとこの問題というか、オリンピックに限らずですよ、イベント主催者は基準を守ってこられたでしょう。それが、主催者側が入れる人間というのは別枠で、観客、お金を、チケットを買って入ってもらう人と同規模でも構わないんだという、極めて大胆な、一般国民の感覚からすると二枚舌を使われたということです。その二枚舌を組織委員会だけではなくて、五輪担当大臣が入った会議で、都知事が入った会議で、つまり政府と東京都が了承されたということが極めて衝撃的で深刻なわけです。

 つまり、そういうイベント規制に服する側の東京オリンピックというイベントが、そういう二枚舌を使っていいんだということを政府と東京都が認めたということの影響というのは計り知れないと思いますよ。これはほかのイベントにも影響を与えるでしょう。飲食店だって、一般的な国民の感覚としての表現を使わせてもらうと、こういう二枚舌、詭弁を言っていいんだというふうに国民、都民に理解されたということが、今後の感染拡大防止のための様々な自粛、規制を行う上ですさまじい障害になってくるだろうというふうに思います。

 その影響は数字で表れませんけども、あれだけ政府と東京都が懸念されていたリバウンド、リバウンドの危険性を10倍以上高める効果があるんじゃないかと思いますよ。あれが許されるんだったら、おまえ、こんなことやんなくていいだろうと思われて、事業者としても多分、都民としても当然だと思うので、ちょっと深刻な事態が生じてると私は思ってます。酒類提供も何か面白いネタですけど、酒類提供なんか比べ物にならない。酒類提供も同じかな、分からないけど、ともかく規制を受ける側は、ああいう詭弁、二枚舌を使っていいんだということを政府が、東京都が、感染防止を図る側が認めてしまったということが極めて深刻なので、私はもう、ここまで堂々とやられると、だって、五者会議で決まった事項か知りませんけど、武藤事務総長は、その考え方というのは開会式だけではなくて競技会場にも適用されるんじゃないかと。要するに大会関係者は観客じゃないというのが、開会式だけのロジックじゃないというふうに言われていますから、そうなるとなかなか、よくある、分かりやすい例なので、私が巨人・阪神戦のイベント主催者として、巨人とか阪神だったら、巨人側が、巨人側は自分の得意先に無料チケット1万人分配って、これ主催者側の関係者ですから。こっちの阪神、阪神阪急グループだからね、グループの関係の得意先だからといって1万人とかって別枠に入れていいんじゃないのと、それが何で駄目なんですかって言われますよね。観客と入場者は違うんだって言い出したら、店の外にはお酒の提供しませんって貼り紙書いといて、監視の人が来たら、いや、うちはアルコールは一切出してませんって言いながら、お客さんには、あ、あれは、うちは酒っていうのは日本酒のことですから、ビールとかワインだったら出します。もうそんなことにならないですかね。言葉遊びとかね、言葉のあやとかで規制を骨抜きにしたりしてると、それは真面目に守ろうという人がいなくなるんじゃないかという畏怖感というか、恐怖心を持たなきゃいけないと思うんですよね。

 何度も申し上げますけど、感染を抑える最大の武器は、協力金とかって対価を支払う、十分じゃないかもしれないけど対価を支払うような自粛とか規制ではなくて、それを守ったとしても別に誰からお金をもらうわけでもないという無償の自粛で大半は成り立っているわけですから、そういう協力を得られる度合いが著しく低下するんじゃないかと。飲食店の規制にしても、別に常に規制を取り締まる人が店を見てるわけじゃない。それは守らなきゃいけない、取締りの人が来てるからやってるふりをするとかっていうんじゃなくて、守ると決めたから守るといって守ってくれてるわけだから、そこは強制とかじゃなくて、自発的に守ってくれてる要素もあるわけですよね。そういうことをやる気をなくしてしまうということになると思います、著しくなると思いますから、感染リバウンドが防げなくなったんじゃないかなというふうに危惧します。これが一つ。

 もう一つは、酒類提供の兼ね合いでいくと、IOCは別としても、日本企業たるスポンサーの皆さん、こんなことをやって恥ずかしくないかというか、大丈夫なんですかと。実際に酒類提供で、スポンサーの中でお酒を販売しているところは1社だけだから、非難が集中して、今回、酒類提供は、そんなスポンサーが言ったわけじゃないとかっていう感じで撤退されましたけど、それは複数いればいいってわけじゃなくて、複数だから目立たないだけで、赤信号みんなで渡れば怖くないみたいな感じでこんなことに名を連ねていて、国民の怒りを買うことはないのかと。普通こういうのというのは、BtoBの商売じゃなくて、BtoCの商売のところがスポンサーになってますよね。個人に消費をしてもらう、サービスを買ってもらうという会社がこんなふざけたことをしていて、みんなもやっているからといってやってる姿が本当に恐ろしい。日本国民の怒りを買う、今回の酒類提供が典型だと思いますけど、スポンサーという一くくりにされているからといって、自分の個別の会社がイメージしにくいからといってこんなことをやっている人たちがいるのが信じ難いと。ちゃんとホームページにも載ってるし、こんなことをやらせようとしている人たち、全部じゃないと思うけど、でももうみんな一緒くただよね。特別枠をもらって入場する権利を持っている人がどこなのか分からんけど、ちゃんとホームページに載ってるから、会社名がね。この人たちは、こういうリクエストをしている人たちなんだ、少なくともしてるかもしれない人たちだというふうに認識されるけど、それが本当に広告料として会社の株主価値を高めることになるのかと。再三聖火リレーの車列のことから言ってるけど、まだ分からんかと。だから、組織委員会がやってる形になって、仮に名前が出てきても、スポンサーという集合体だから自分たちの会社名はさらされないという、そういう、そのようなバリアで守られているというふうに思われているんでしょうけども、このSNSも発達している時代に、それはホームページに載っかって、一覧で分かるんだから、一覧で分かるようにスポンサーだからしてあるわけだから、国民の目に、国民一人一人がそういうことに気づいてそれぞれの会社を評価することになるということに対する畏怖心が足りないなというふうに思います。

 いずれにしても大問題だと思いますけど、私は聖火リレーの経験からして、こういう方々、政府、東京都、名立たる大企業、この人たちがタッグになった物事を、島根県知事一人の力で変えれるとは思いませんので、改善を求めていく気もありません。心配はしますけど。だから、感染拡大が来る確率が10倍になったなと思って、県内の感染につながらないように今後の対策を講じていかなきゃいけないなと。私からすると台風みたいなもんだから、台風に来るなと言ったって来ちゃうから、台風が来るのに備えておかなきゃいけないなと思っているところです。長くなりましたけど。


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