6月23日質問事項1
1.島根原発
○山陰中央新報:山陰中央新報、原田です。よろしくお願いします。
島根原発2号機の審査書案了承についてお伺いします。
事実上の審査合格ということですが、一、二か月後には地元同意手続に入るとみられます。改めて今の心境というか、受け止めについてお願いします。
○丸山知事:過去の経験上、ここから結論が変わったことがないということから、事実上の合格という表現をされているんだと思いますが、手続としては、これからパブリックコメントがなされます。その中には個別の指摘事項、また場合によってはこの結論に対する意見が寄せられる可能性もありますので、それを含めて、このパブリックコメントに対する検討も含めて最終的な結論が出される手続だというふうに認識いたしておりますので、最終的な結論を出されるに当たっては、規制委には引き続きしっかりと検討して対応していただきたいということが県知事としての見解であります。
○山陰中央新報:先ほど、今後の再稼働についての判断のポイントだったり、手続の、総合的に判断していく考えというところ、お話ありましたけれども、知事はかねがね住民の避難対策について、判断の重要なポイントの一つというふうにおっしゃってこられました。先ほど、懸案だった福祉車両の確保について中電の協力が得られたと思うんですけれども、これで避難計画に大きな課題はなくなったという認識を持っておられますでしょうか。
○丸山知事:今のところ、県として認識している大きな課題はないというところでありますが、今ちょうど鳥取、島根両県の30キロ圏内の地域の自治体、都道府県と国の関係機関で、島根原発の避難計画に当たります島根地域の緊急時対応について関係機関で取りまとめを行っているところであります。そういった中で出てくる課題があれば、それを一つ一つ解決できるかどうかということを確認していく必要がありますので、最終的にはこの緊急時対応について、この地域の協議会で確認をし、そして内閣総理大臣を議長とする政府の原子力防災会議で了承されるまで、そういった事務的な詰めといいますか、課題検証をしていくという認識であります。
○山陰中央新報:先ほど、その判断をしていくプロセスの中で、関係自治体の意見をよく聞くというお話がありました。鳥取県側が安全協定の改定について、中電からの回答がないと議論のテーブルに着かないというふうに言っています。島根県は鳥取側の自治体とも覚書を結んでいると思いますけれども、中電と鳥取側で安全協定の協議が難航すれば、鳥取側の意見を聞かずに島根県として判断をするという可能性もあるんでしょうか。
○丸山知事:協定の問題がどういうふうに進むのかというのは、それは中国電力と、今、原田さんがおっしゃっているのは鳥取県、または鳥取県内の2市の話だと思いますけども、それがどうなるかということが定まってない中で、それを前提として島根県としてどう対応するかということについては、まだ考えは及んでいないというところであります。そうなったらこうするとかということ自体が両者の協議に影響を与えてもいけませんので、そういうことは差し控える段階、考えてもいないし、考えていたとしても、それについてこうするああするというふうに言うことは差し控えるべき立場だというふうに考えております。
○山陰中央新報:意見を集約する立場として、周辺自治体、鳥取県側も含めてなんですけれども、への配慮についてどのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:おっしゃっている意味がよく分からない。もうちょっと詳しく。
○山陰中央新報:関係自治体の意見をよく聞くという話もあったとは思うんですけれども、そういった意味でいうと、鳥取側の意見もよく聞いた上で判断をされないといけないと思うんですが、そういった意味でいうと、意見集約をするという立場としては、鳥取側にも一定の配慮が必要なのかなと思ったんですけども、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:配慮できる立場にあるのは中国電力しかないんじゃないでしょうか。そういった意味では、そういう配慮をどうすべきだと、配慮できる立場の人は中国電力でありますから、それに対して私が配慮すべきだとか、もっと配慮すべきだとか、配慮すべきじゃないとかということについて、まだ協議が続いている中であれこれ申し上げるということは適当じゃないだろうというふうに思っております。
○山陰中央新報:今日の会合で、規制委が中電に貸し出していたテロ対策施設関連の非公開の文書について、中電が無断で廃棄をしていたということが判明をしました。また中電のずさんな管理が明らかになったと思うんですけども、どのように受け止められていますでしょうか。
○丸山知事:そんな内容は、私は承知してません。まず廃棄された原子力規制委員会がどういうふうに対応するかという問題であるでしょう。まず審査側としてなのか、貸してた側としてなのか分かりませんけど、第一義的に原子力規制委員会が廃棄されたことをどう捉えるかということだと思うので、それに対して中国電力がどう対応するのか、その一連のやり取りを見た上で、第三者的にもっとちゃんとしたほうがいいんじゃないかと言える立場だとは思いますけども、まずは主たる当事者、相手方たる原子力規制委員会の対応が不明な中で、私が横から入って、けしからんなとか何だとか言っても、言うのはまだそういう段階じゃないんじゃないか、そういうふうに言うべき人は多分原子力規制委員会でしょうから。
いずれにしても、いいことじゃないでしょうから、なぜそういうことになったのかという事実関係を確認して、そういうことが起きないようにしたほうがいいでしょうけども、第一義的には貸し借りをされた当事者間で、または審査の一環だというふうに捉えられるのであれば、審査・許可権者側としてどういうふうに捉えられるかということがない中で、私のほうであれやこれやと、机をたたいてけしからんという段階ではないだろうと。状況の推移によってそういうふうになるかもしれませんけど、状況を詳しく知らないので、今申し上げることはないというところですね。
○山陰中央新報:すみません、あと、改めてなんですけども、知事御自身の現時点での再稼働の是非についての考え方を教えてもらってもいいですか、是か非かという。
○丸山知事:私の最初のコメントを聞いておられませんでしたか。
○山陰中央新報:最終的にはそうやって判断をされるとは思うんですけれども、現時点で言えることはありませんか。
○丸山知事:是とも非とも決めてないということを言っているんです。今申し上げた手順は、手順をきちんと踏んだ上で、そもそもが規制委員会が仮に許可をするとしても、それに対する説明も聞いていない、エネルギー政策上の原子力の必要性、また中国電力の電力安定供給のために具体的に島根原発2号機がどういうことでこの稼働が必要なのかという、そういう必要性の説明をこれから改めて聞くところでありますから、その前に再稼働とか決めてるわけがないでしょということですね。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
○NHK:NHKの浅井と申します。
安全協定についてお伺いします。
県内の周辺自治体3市が、松江市や島根県と同様の安全協定への改定を中国電力に求めております。まずその点について所感を改めてお願いいたします。
○丸山知事:それは特段ありませんけども、そういうことですよねと。周辺自治体の立場でそういうことが必要だというふうに主張されているということは一つの考え方だというふうな受け止めです。
○NHK:今日の昼過ぎの雲南市の石飛市長の会見の中で、先ほどのような立地自治体と同程度の、同様の安全協定を改定していくに当たって、県のほうにも助力を求めたいというような考えを示しました。そういった意見を踏まえて、今後、安全協定の見直しに向けて、県として関わっていく、どのようなお考えでしょうか。
○丸山知事:これは県議会でも今回お答えしてますとおり、周辺自治体としてそういうふうに言われるのはもっともだというふうに思います。ただ、松江市側でこの負ってるリスクが大分違うんだと、重いということをもって、立地自治体と周辺自治体を同じように扱うのは承服し難いというふうな主張もあります。それはそれで一つの考え方です。どちらかが一方的に間違っていて、どちらかが一方的に合っているということであれば、その側に立ってその認識を改めてもらうというアプローチをする必要があると思いますけども、これは立場の違いで、両方とも理屈がある。ただ、その両方を満たすことが、多分、中国電力はできないということですよね。なので、私自身は、その片方にくみしてこの問題、直接当事者ではない私が関与するということは考えていないということです。
○NHK:まだ中国電力側から協定についての方針というものが自治体側に示されていないという状況なのかなと思うんですけれども、まずはその二者間の状況を見ていかれるというようなお考えでしょうか。
○丸山知事:基本的に協定って、周辺3市と中国電力が締結されてる協定の話だから、当然そこがベースになるわけです。だから、我々、石飛市長が言われているのは助けの話でしょうね、当事者じゃないから。まずは当事者、まずはというか、徹頭徹尾、当事者間で決められる話ではあります。それに対して私が中国電力に対して何か口添えをするかどうかという話だと思いますけど、石飛市長が言われてる話はね。それは松江市との考え方は相入れない関与の仕方になりますから、そこは中立を保ちたいということです。
○NHK:すみません、最後にもう1点。知事、前回の県議会の本会議の一問一答のときに、同意権というか、同等の安全協定の中で、以前、県としても国と中国電力のほうに要請をしたというようなことも答弁されてたかと思いますが、改めてそういう要請というか、動きについても、まずは考えていないというようなことでよろしいでしょうか。
○丸山知事:伝えてほしいということであれば、それは伝えることはしますけども、私のほうでどちらが正しいといって判断することは避けたいというふうに思いますね。
○NHK:伝えてほしいというのは。
○丸山知事:3市側でしょ、そういうことを言われるのは。ただ、現実問題として、政府はこの問題に対して何ら動いてないわけだから、なかなか展望も見えないでしょうね。
○NHK:その伝えてほしいという声があればというのは、3市からそういう声があれば、県としても、県としてのどうこうという意見ではなくてということですか。
○丸山知事:そういう意味では、3市が伝えてほしい、松江市はそれは困るというふうに言われるかもしれませんよね。そうすると、中立に対応しなきゃいけないだろうというふうに思っています。
○NHK:ありがとうございます。
○丸山知事:要するに意見の対立する問題が、何度も申し上げていますけども、明らかに一方がおかしくて、そこのおかしい主張をされている方の認識を変えてもらう必要があるという調整というのはあると思いますけども、今回の話については、もう立場が違っていて、片方の立場からすると、それはそれでもっともだという主張が2つ並んでいて、それを同時に中国電力は受け入れることはできないという両方の内容なわけですよ、相矛盾するからね。だから、それを片方にくみして対応するということは中立じゃなくなるから、そういうことは避けたほうがいいだろうというふうに私は思っている、今、ということです。
○NHK:ありがとうございます。
○読売新聞:読売新聞の林です。
ちょっと原発関連でもう1問だけお伺いさせてください。
先ほど来、安全協定の話が出てますけれども、安全協定の話にかかわらず、島根原発、松江市という立地自治体があって、島根県というのがあって、それに今、周辺自治体として3市で、鳥取県の、鳥取側の2市というのがある中で、中電が今後、再稼働に向けていろいろ理解を得る取組をしていくと思うんですけれども、現在の中電との協定上でいったら合意の判断をするのは松江市と知事になるわけですけれども、合意するに当たってそういう、中電はやっぱり、一般論的な話ですけど、周辺自治体の理解を得た上で知事としても判断をしたいという思いというか、中電がそういう周辺の理解も当然得るべく取り組んでいくべきだという考え方はございますか。
○丸山知事:それは、総合的に判断するわけですから、幅広く意見を伺って物事を決めていきますから、その判断ができるだけ統一されているほうが、その方向での判断はしやすいでしょうけど、それは再稼働なのかということについて、それは両方の話でもありますからね、中国電力の側に立ってということじゃなくて、一般論として、その判断自体が地域間で対立を招かない形で決まっていくプロセスが、これは何につけても望ましいことでしょうからね、そういう一般論の範囲内で、そうだと思いますよ。
○読売新聞:分かりました。
ほかに、例えば住民の方への理解とかもあると思うんですが、そういう、いろんな方の理解を得た上で最終的に同意するというのに当たって、中電として今後、今後というか、1か月、その後の作業になるかもしれませんが、どういうふうに、同意を得るに向けてどういう取組をしてってほしいという希望とかあれば。
○丸山知事:私は、稼働を是とするか非とするか、中立で判断しなきゃいけない立場なので、中国電力が再稼働の同意を取り付ける方向でああしたほうがいい、こうしたほうがいいという立場に私はないです。それについては何の意見もないというか、私がこうしたほうがいいとかああしたほうかいいとかということを申し上げるつもりはない。それは中国電力の立場、中国電力がやりたいことをどうするためにどうしたほうがいいのかということは中国電力が考えてやられることだと思います。
島根県だって可とするか否とするか、それは決まってないんだから、我々の理解を得られるように、まずやらなきゃいけない。ほかの同意権者である、まず松江市、そして周辺も影響があると言われているわけだから、やりたいことがあるんだったら、それについての理解は幅広いほうがいいでしょうねという一般論ですね。
ただ、私は、再稼働すべきかということについて、判断するスタートラインにまだ立ってない状況なので、私というか、島根県に対しても中国電力は中国電力としてきちんとした説明をしなきゃいけないし、原子力規制委員会も説明をしてもらわなきゃいけないし、資源エネルギー庁というか経産省も、それを望まれるんだったら、我々に、県民に対してきちんとした説明をしてもらわなきゃいけないという、それを求める立場です、どっちかというと。再稼働のために中国電力はああしたほうがいいとか、こうしたたほうがいいとかという立場にはない。だから、その説明を受ける立場であります。
○読売新聞:分かりました。ありがとうございます。
○中国新聞:中国新聞の松本です。
同じく原発の関連で、避難計画のことでちょっとお伺いしたいんですけども、緊急時対応なんですが、今、進捗状況、現状をどう見ておられるか教えてください。
○丸山知事:終盤に来てるんだと思います。
○中国新聞:政府の原子力防災会議に諮るタイミングというのは、どれぐらいと見ておられますか。
○丸山知事:それはまだ、地域協議会の中でまだ結論が出てないので、政府がいつ頃とかっていうふうに言える段階にないと。
○中国新聞:今後、また改めて課題が出てくればというお話ありましたけども、先日も福祉車両の関係で中電に対応を取り付けたところですけども、その段階で特段課題は思い浮かばないというお話をされたと思うんですけども、それに変わりはないでしょうか。
○丸山知事:そこの状況については変化はないですね。
○中国新聞:大体おおむねまとまってるような状況なのかなというふうに受け止めるんですけども、実効性に関してはいろいろと課題も指摘されるところがあると思うんですけども、知事御自身として、今の計画、地域防災計画の避難計画なんかも含めて、実効性についてどのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:それは、県の広域避難計画、市町村の計画を含めて、それは具体的な内容で実現可能性も含めて物事が決めてあるというふうに受け止めてます。
○中国新聞:結局のところ、段階的避難とか、そういう難しい、住民の理解が欠かせない計画なのかなと思うんですけども、そこら辺の意識づけとか、あるいは複合災害なんかでいろんな事態が想定される中での、本当にちゃんとバスが来てくれるのかとか、そういったところでの不安というのは住民の間では結構、やっぱり根強いところはあると思うんですけども、そこら辺、どのように払拭していくか、お考えをお聞かせください。
○丸山知事:これは、我々が望むと望まざるとにかかわらず、中国電力が規制委員会の設置変更許可を得て再稼働の申請をしてくれば、いやが応にも県民の皆さん、対象地域の皆さんの関心は高まります。皆さん方の報道も、よりスペースを取られてやられるでしょう。そういった意味で、検証を受けるということのプロセスの中で、どういった計画なのかということをきちっと説明をしていくということなどを通じて、再稼働すべきなのかどうかと、認めていいのかどうかという議論がある意味盛り上がる中で、そういったことを含めて、今の避難計画の内容などを逆に我々としても広報していくということ、これが必要になってくるんだろうというふうに思っております。
県の広報とか市の広報で情報を提供するというのがオーソドックスなやり方ですけれども、やはり関心が高まったときに見ていただくのが一番広報効果としては高いので、そういった、今後、いずれそういうふうになるでしょうから、そういった段階で我々の避難計画はどうなっているのかという説明を丁寧にしていくということなんだろうというふうに思います。これはただ、再稼働のためにやるんじゃなくて、もともと使用済核燃料が発電所内にあることで、これは平時で、再稼働しなくても必要な内容でありますけれども、それをきちんと説明をしていくということであります。
○中国新聞:ありがとうございます。
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