5月31日質問事項
○朝日新聞:緊急事態宣言の延長についてお伺いいたします。
多くの自治体で、都道府県で緊急事態宣言6月20日までの延長となりました。五輪が7月の二十何日から始まる中で、五輪1か月前を控えた期間までの延長となりましたけれども、この期間についての所感をお願いします。
○丸山知事:政府の公式見解がそうならないかもしれませんけど、世間の受け止めは、やはりオリンピックを意識されたものだろうと受け止められて仕方ないんじゃないかと思います。
なおかつ、緊急事態宣言の期間というのは、その終了間際に延長すべきかどうかということは常に検討される性格のものでありますので、延長の必要性があれば、それはやってもらわなきゃいけないだろうと思います。
○朝日新聞:続いて、宿泊療養施設の稼働についてお伺いします。
今回の対策本部会議でも報告がなされましたけれども、現在、宿泊療養施設が稼働し始めて、1名の方が療養されているということで伺っております。県民の中には入院できない、入院ではなくて療養されることに対する不安もあるかと思いますので、知事からのコメントをいただければと思います。
○丸山知事:宿泊療養施設の今の使い方は、一度入院された方で症状が回復に向かっているということで、宿泊療養施設で滞在していただくということが可能であろうというふうに入院されていた医療機関の判断をいただいた方に今、入っていただいております。入院、現実問題として、まだ即応病床ベースで50%いっていませんので、入られないという状況にもなっておりませんけれども、医療機関の負荷というのは相当ありますので、そういうバランスを取って療養、治療に支障がない範囲内でこの宿泊療養施設を医療と組み合わせてやっていくという方針で、今、臨んでるところでありますので、大阪とか兵庫といった入院率が非常に低いところと同じような状況にあるわけでは全くないということで御理解をいただければと思います。
○NHK:今日発表された県の感染状況なんですけども、1か月ぶりに感染確認ゼロというような発表がなされましたけど、まず、それについての受け止めをお願いします。
○丸山知事:一日の数字で一喜一憂はできないということでありまして、2桁発生するという状況は大分起きなくなっていますけれども、まだ5人とか6人とかっていう感染者は連続して発生している状況ですので、まだまだ新規感染に対して迅速に封じ込め、迅速、広範なPCR検査を実施していくということの必要性は変わっていないということで、気を引き締めて引き続き対応していきたいと思っております。
○NHK:もう1点、病床について、即応病床ベースで213まで拡大したというような報告、先ほどありましたけれども、確保病床を253から増やしていくという方針、どういう方針か改めて伺ってもよろしいでしょうか。
○丸山知事:今、最終の調整中です。増やしていく方針です。
○NHK:何か規模感とかめどみたいなものありますか。
○丸山知事:まあ、それは正式な発表する際に御説明させていただきたいと思います。5月中と言っておりましたけども、ちょっと月をまたぎそうです。
○読売新聞:全国的な状況についてなんですけれども、少しずつ感染者が各方面で減少傾向にあるのかなという状況が今あります。今の政府の対応を、各自治体の対応を御覧になって、何か所感があればと思いますけれども。
○丸山知事:できることはやられているんだろうと。当然、社会生活、経済活動との兼ね合いを見ながら対応されているということでありますけども、かつてのように、接待を伴う飲食店とか酒類を提供する飲食店というとこの封じ込めは今できて、対策の効果も含めてできていますけども、そこを封じ込めても、なおこれだけの規模の感染者が出てるということでありますから、ある意味、どこかをどうこうすれば感染者がなくなっていくという状況では残念ながらないということで、ある程度人の流れを抑制していくということを通じて、何ていうか、端緒として明確ではない今の感染の発生源を小さくしていくという手法というのは、箇所が特定されていない現状においては適切なやり方だと、他に方法はないと思いますので、適切なやり方ではないかと思っております。
○読売新聞:例えば、知事、従来訴えられてきた家庭内感染を防ぐための呼びかけだったり、飲食以外で、その付随する呼びかけの部分については、何かまだ不足してる部分があるのかなっていう感じもありますが、その辺、いかがでしょうか。
○丸山知事:感染拡大地域の感染状況をつぶさにデータを持ってるわけではありませんので、そういうことも含めて検討していただいたほうがいいとは思いますが、私のほうでやるべきことをやってない状況じゃないかというふうに指摘するにはちょっとデータがないと。データを持ち合わせていないと思っております。
○読売新聞:先ほど、東京五輪のお話ございました。1か月前のタイミングまで延長したということで、そこの前提、日程を踏まえたようにも一般的には見られるんじゃないかというお話があったと思いますけれども、今、五輪においては、結構IOCの方々の御発言とか、世間の批判を集めてる部分がございまして、その辺、今、所感ございますか。
○丸山知事:やっぱり決定権を、これ開催都市契約なんでしょうけども、IOCとか東京都と、違うか、日本の組織委員会か。日本の組織委員会、それから東京都とIOCの間の契約で決定権がIOCにあるから、IOCの判断事項だということで、自由な発言がされてるんだろうと思います。
ただ、権限があるということは、つまりは何事もそうですけど、決定をする権限があるということは、決定した後生じる結果について責任を負わなきゃいけないわけです。そして、日本側とIOCとの関係での契約だけがIOCを規律するかというと、実は全く違いまして、IOCはIOCとしても守らなきゃいけないルールがあります。これ、何かというとオリンピック憲章です。彼らは自分たちはオリンピアンだと、オリンピック精神に基づいて、その象徴としてオリンピックという大会を開くんだと。そういう、ある意味高い理念を持って行うイベントなんだというふうに言われてます。それが、いわゆる、何というか、同じ最高峰のものであってもプロスポーツとの違いだということですよね。それで、日本だけかもしれませんけど、非常に神聖なもので、トーチリレーと言わずに聖火リレーと言ったりしてるわけです。でも、そのオリンピック憲章というものをIOCの委員は守らなきゃいけないんです。守らなきゃいけない。それは、自らが自らに課しているルールだと。我々がとやかく言う話じゃないのかもしれないけども、そういう意味でいくと、オリンピック憲章の中でオリンピックの基本的な、オリンピックを進めていく、オリンピズムって言うらしいですけど、その基本原則が7つほど書いてある、7つ。その2番目に、オリンピズムの目的は、人類の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類と調和のとれた発展にスポーツを役立てることであるという、非常に高尚なこうまいなルールを掲げてあります。
そういうルールに服すべき人たちが、少なくとも私が問題だと思いますのは、このIOCのパウンド委員かな、アルマゲドン、これは聖書の中で出てくる話だからキリスト教世界の話だろうけど、世界最終戦争でもない限り実施できるというふうにおっしゃっています。第二次世界大戦とか第三次世界大戦ぐらいじゃあ止めないというふうにも取れますけども、そんな方針でIOCが物を決めて、IOCはオリンピック憲章を守ってると言えるのかと。自らが守ると言ってる、これは、オリンピック憲章というのはIOCの定款を兼ねてますから。自らが守らなきゃいけないルール。そういう高い理念を掲げてスポーツを振興していくと言ってる人たちが、ちょっとした戦争が起きてるぐらいで止めるもんではないといって開催するのがオリンピックなのかと。それは形式的にオリンピックであっても、オリンピック憲章に合致したオリンピックじゃないんじゃないかと思います。
これはIOCの中のルールだから、IOCの中で、そんなもん抽象的な空文だということでやられるっていうことは可能だと思いますけども、私はこういう高い理念がオリンピックというものの価値を高めて、ある意味スポンサーが列をなして、公式スポンサーになりたいというふうに列をつくられるという、まさに大本になってるわけですね。その高尚さ高邁さがなくなったオリンピックっていうのは、結果責任ですよ、そんな物事を決めたら、オリンピックは高尚なものでなくなって、単なる総合的なスポーツイベント、スポンサーからお金を集めてやるという商業主義的スポーツイベントに成り下がるというふうに私は思いますので、そういうふうに言われないような開催するかどうかの決定をしなきゃいけない責任を負ってると思います。
もし、情勢をきちんと把握せずに、仮に日本で感染が拡大するとか、選手や競技団体、関係者の間で、オリンピック村で感染が拡大させたり、私に言わせると、ジャイアンのようなIOC委員がホテルに籠もらずにあちこち出かけて市中で感染を拡大させたりすれば、それはもう近代オリンピックではなくなる。何ていうか、オリンピックの価値をなくしてしまう結果になると。世界選手権と何が違う、世界選手権以下だな、各競技ごとの。彼らは、IOCはそういう責任を自ら課して、そのオリンピック憲章に基づいて判断しなきゃいけない責務を負ってるんだから、何でもやっていいわけじゃないということだと、私は思いますので、自ら課したルール、自ら課してるオリンピックの理念に沿ったオリンピックの開催ということを、自ら今回の東京オリンピックの開催がオリンピック憲章に合ってるのかどうか、オリンピック憲章に反するものにならないのかどうかということを問われてるんだと思います。
最後は結果責任を負わなきゃいけないんでしょうから、もし感染拡大、日本における感染拡大、または選手、競技者を通じた感染の持ち帰り、みんな集まるわけだから、バブルシステムの中で、といったところで各国の競技者、関係者が集まって、バブルシステムの中で接触するわけでしょ。そうすれば、そりゃ感染を持ち帰って、日本のみならず参加国に対する感染拡大に及んでしまえば、それはもう人類と調和してないオリンピックを開いた人たちだというふうに、そういう批判を受けなきゃいけない立場だというふうなことをよく自覚されて判断されなきゃいけないだろうと思います。
オリンピアンだとかオリンピックコミュニティーとか、偉そうなことを言うんだったら、そういう高い責任を負ってる判断次第だということで判断されるべきだと思いますので、何でもやっていいというわけではなくて、自らの課した規律を守んなきゃいけないでしょと。同じ仲間として、私は組織委員会とかJOCか、JOCはこのオリンピックコミュニティーと言われてる世界の中のメンバーだから、そういうことを申し入れられてもいいと思いますけども、政府の仕事じゃないでしょうかね。やはり、高い理念に基づいて実施する総合的なスポーツの祭典だということから生じる制約、条件にかなった開催の可否の決定をしなきゃいけないんじゃないかと私は思います。
日本との関係でフリーハンドを得てるということは事実かもしれないけども、自らが課したルール、オリンピックの理念に沿ってるものかどうかという意味での規律に服してるということをきちんと自覚していただかないといけないし、こんな発言をする人がIOCで委員でいるということが適当なのかどうかということは議論されてしかるべきだと、私は当事者じゃない人間として普通に思いますけどね。
○山陰中央新報:先ほどのお話の追加、補足的に伺うんですけども、最近、オリンピック憲章というものが置き去りにされて議論されているなというふうに言われてるんですけども、知事として、憲章が読まれてないままに、皆さんIOCはじめ日本の関係者の皆さんが憲章を読んでないなっていう御認識でいらっしゃるということでしょうか。
○丸山知事:いや、IOCの委員が読んでない雰囲気だから仕方ないでしょう。一番の認識しなきゃいけない人たちがちゃんと認識してないから仕方がないんじゃないか。いや、だからもう、何というか、オリンピック憲章って、たまに政治利用とか、私もちょっと聖火リレーのとき言われましたけど、オリンピック憲章ってオリンピックに携わる人たちが守らなきゃいけないルールなんですよ。だから、IOCとかJOCとか組織委員会が政治利用しちゃいけない。だから、競技者もしちゃいけない。私は外だから、オリンピック憲章に服してないわけ。分かりますか。私はそんなルールは関係ない。政府も関係ないです、多分。だから、政治的に利用と言ったけど、政治と、何ていうか、公的な財政支援を受けてる以上は、政治にオリンピック自体がタッチしちゃってるんだから、それは仕方がない。でも、よくあるのは、オリンピックの政治利用だと言って、政治にあれこれ公的な支援を頼んでおきながら我々に口出すなというためにしか使ってない。自らの義務のことを軽視、あまり守らずに、何か人にけちつけるために使ってるという感じはしますね。
だから、憲章って憲法だからね、オリンピック。最高法規って書いてあるけど、オリンピック憲章の中には。だから、正直、緊急事態宣言がある中でも実施するとかっていうのが、今の規定のとこに触れるかどうか別だけど、アルマゲドンはちょっと駄目でしょう。第三次世界大戦でも止めないって言ってるのと同じだよ、アルマゲドンなんて言っちゃったら。人類の最終戦争だからね。そんなこと平気で言わせて誰も注意しないって、正直言ってIOCは腐ってるって感じがしますね。でも言われてもしゃあないでしょう、そんな発言する人を放置してるんだから。何が人類とか平和とか、そんなことを言う資格がないでしょう、アルマゲドンなんて言う人。私はハルマゲドンだと思ったけど、アルマゲドンだな。いや、勉強になったけど。
やっぱり契約の問題じゃなくて、それぞれが課されてる、日本国政府とかJOCとか、それぞれだってルールがある。IOCにだって、自分が従わなきゃいけないルールがある。その範囲でやらなければ、その組織として問題を問われる。それが問われないようだったら、正直言って、オリンピック憲章に書いてあることなんて、馬の耳に念仏、日本流に言うと、御託を並べてるだけで誰もそんなこと思ってないと。人類とか平和とか屁とも思ってないということを証明してしまうということになるんじゃないかと。そんなものに、何ていうか、聖火リレーでいわれるとこの聖だね、神聖さ、高尚さ、高い理念とか崇高な理念とかっていうことは、実はうたってるだけで、全く屁とも思ってないということを証明することになりかねないから、IOCとしても組織のありようを問われてると私は思いますけどね。
だから、私はそういう意味ではIOCの良識が問われてる事態なんじゃないかと。契約の関係で日本側から何かを言ってしまうと賠償の問題、損害賠償なのかな、いろんな問題があって言いにくい、言えないという事情は、これはもう契約上そうなっちゃってるかもしれないけども、でも、例えば契約上どうなっていても、やっぱり近代国家は奴隷制を認めるようなことをやっちゃいけないし、人権に反するようなことをやっちゃいけないし、IOCはIOCの最高法規たるオリンピック憲章に反するようなことをやっちゃいけない。別のルール、それ以外のルールもあるでしょ、それをちゃんと守んないと、オリンピックが単なる総合スポーツイベントに成り下がるんじゃないかと。ある意味、この高尚さ、理念、理想の高さがやっぱり人を引きつけて、いわゆるイベントとしてのブランド価値を高めてるというのが、多分いわゆるマーケティングに基づく評価だと思いますけど、それを打ち捨てようとしてることにならないのかと。これまで彼らが言うところのオリンピアンが、名前忘れたけど、あの近代オリンピックの父以来ずっと築き上げてきたオリンピックの価値をおとしめることにならないようにしないといけない義務をIOCの委員さん方は持たれてるんじゃないかというふうに思います。そんなことをおまえに言われる筋合いはないと思うけど、結果的にはオリンピックっていうのが総合スポーツイベントになるかどうかっていう岐路に立ってるんじゃないでしょうかね。あまり、人類、この場合の人類っていうのは、感染拡大した場合の日本人、そして、競技者間、関係者間で感染が拡大したときの自国への持ち帰りという意味での感染拡大という意味では、これは世界に及びますよね。そういった人類とか平和とかというものに思いを致すかどうかが問われてるんじゃないかというふうに、ちょっと私も県知事の会見の中で一番高尚なことを申し上げてるけど。
遡って考えればそういうこと。何かおかしいと、やっぱ普通、発言聞いて思いますよね。何がおかしいのかなって調べてみると、やっぱりちょっとオリンピックの理念と合わないんじゃないかというところが、何か遡っていくとそういうことで、調べてみるとオリンピック憲章っていうのがあって、そういう権利と義務を書いてあるんだから、それに沿って決定がなされなきゃいけない、IOC。決して開催都市契約とか、開催国とIOCとの関係の契約だけで物が決まるんじゃなくて、それぞれ、島根県知事が決定的権限があるけど、島根県知事として守らなきゃいけない県民を公平に扱うとか、いろんなルールが当然、私、権限を持ってる者については、個別の契約だけの制約じゃないですから。そういった意味でオリンピックの主催者、開催決定権者としてふさわしい判断をしなきゃいけない責任はIOCにあって、パウンド委員という方の発言っていうのは、IOCの委員会の中で問題にならないのが不思議な、こんな発言をする人がIOCの委員として決定権の一部を持ってるということ自体が恥ずべきことじゃないかというふうな議論にならないのが不思議でならないというところですね。最古参らしいけど、まあ、やめときましょう。
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