4月28日質問事項
○朝日新聞:ゴールデンウイークの帰省についてお伺いいたします。
今回の知事指示事項の中では、まん防地域と緊急事態宣言の地域に主に絞って帰省の自粛を呼びかけております。昨年は中国知事会として県外への、県外からの往来自粛と、帰省自粛というものを求めておりましたけれども、改めて、全国的にある程度第四波と言われる蔓延がある中で、絞った理由について改めて教えていただければと思いますが。
○丸山知事:去年は全国に緊急事態宣言が出てましたんで、そういう、状況が違う、つまり島根県と同じようにまん延防止等重点措置地域でもなければ緊急事態宣言地域でもないという地域はたくさんありますので、そこを、その2つのグループと同じような扱いをすることは適当じゃなかろうということ。そして、恐らくこういう呼びかけを、個別に呼びかけをしなくても、事実上、他県から、これ以外の地域からの帰省の自粛というのは多分自然とされると思うので、それを過度にする方向で私のほうから言うのも、もうこれだけ、1年以上にわたって帰省ができていない状況が続いてる、帰省シーズンに帰省ができてないということが続いてるわけなので、自然に任せても相当程度の帰省の自粛はされることを考えると、それを重ねて私のほうで申し上げると、ちょっときつ過ぎるのかなというふうな思いであります。
○朝日新聞:分かりました。
ゴールデンウイーク中に帰省だったり旅行者の増加などが見込まれます。県民の中には、それから2週間後以降のコロナ感染者の増加については不安を持たれている方もいらっしゃると思いますが、医療体制の整備なども含めて、その不安に対してのメッセージをいただければと思います。
○丸山知事:旅行とか観光というのは、基本的には、利用される場所というのはそれを、プロが対応されるわけですね、宿泊事業者、それから飲食事業者、土産物店等、それは業とされてる方なので、そこはそれぞれの業種のガイドラインに従って感染防止対策を徹底していただくということで対応していただけるんじゃないかということが一つであります。
そして、現実問題としては、既存株と変異株の違いがあるかもしれませんけれども、12月と1月の比較でいくと、そう大きく島根県の場合は感染者が増えたわけではありません。なので、ただ、帰省というのは明らかに、それはプロの世界じゃなくて家庭、実家、御家庭に戻られるということになるので、それを完全に同じように、日常、生活をされてる家族の皆さんと帰省された御親戚というんですかね、と同じような対応をされると、それはちょっと、もし感染があった場合に影響は避けられませんので、そういった意味で、帰省された方については、その家庭内でできる感染予防策を具体的に上げさせていただいて、こういった取組をしていただきたいということで、家庭内の感染を防いでいくというふうに、観光、旅行についてはプロ対応をしていただいて、家庭については、帰省の対応についてはいつもよりもレベルを上げて、若干よそよそしい帰省になるかもしれませんけれども、そういう対応をしていただくようにお願いをさせていただいたところです。
○朝日新聞:植樹祭についてお伺いいたします。
今回、知事指示事項の最後に付け加えられましたが、従来の行幸啓よりも難しい準備になるというようなお言葉がありました。これについて御説明いただけますでしょうか。
○丸山知事:それは、オンラインで、リモート形式で陛下、御体調に支障がなければ天皇皇后両陛下に御参加いただくということになるというのは、これは初めてで、前例があるわけではありません。ほかの県の、何年か前のこのケースをまねすればいいというものじゃないので、恐らく宮内庁側でも検討されなきゃいけないし、こちら側も対応できるかどうか、できる範囲がどこまでかということを確認しながら対応しなきゃいけないという意味で、これから企画をしなきゃいけないものが入ってくるわけですね。その企画を定めてからどうしようって決めて、その準備のために今度はどういうふうにする、それを会場とどう結ぶかということをつなげなきゃいけないので、これまでになかったオペレーションが事実上1か月前よりも、実はゴールデンウイークがある分だけ、1か月ないわけです。これが加わるわけなので、内容が一つ難しくなっていることと、それがまだ、中身が完全に固まってない形で準備期間が事実上1か月ないということでいくと、これまで想定していた両陛下が御来県いただくと、御臨席いただくという形よりも、準備としては難しくなると思って取り組まなきゃいけないという認識であります。なので、県職員一丸となって取り組んでいこうという指示をさせていただきました。
○山陰中央新報:菅総理が昨日、ワクチンの大規模接種センターを東京都に設置するというような指示を防衛大臣にされたようなんですけども、都市偏重というような指摘もありますが、その辺りについてどのように受け止められていますでしょうか。
○丸山知事:ワクチンの配分はファイザーがベースで、これは大体公平に配られたというふうに認識してます。それで必要量は来るめどが立ったというふうに言われてますので、その点は公平で、それに加えて、実施されると言われたのは東京、1都3県、検討と言われているのは大阪ですかね、そういう大規模な接種センターをつくられると。そのワクチン自体はファイザーと別枠で、何社だっけな。
○山陰中央新報:モデルナ。
○丸山知事:モデルナ社の別枠のもの。そういう意味では、配分されるワクチンは、その分まで加えると向こうのほうが、多分人数以上のものが配られるんだというふうには思いますので、形式的には不公平な感じがしますが、私は、誰も表立って言われてませんけど、東京都、大阪府の今の感染状況、特に大阪は、まさに医療が一部機能不全に陥っているんじゃないかと言われてるような厳しい状況だし、自宅で亡くなってる患者さんが9人でしたっけ、も明らかになってますから、言ってみれば、三波の東京都と同じような状況になってるわけですよね。そういった中でワクチンの接種業務、そして、たしか1万4,000人ぐらい自宅待機、自宅におられる方がいるわけです。1万1,000人が自宅療養、たしか3,000人ぐらいが振り分け待ち。ですから、それはただならぬ状況なわけですよ。そこの方々を保健所が対応しなきゃいけないという意味でいくと、多分接種に割ける、少なくとも役所側のリソース、人員は著しく低下してるという、感染拡大防止とワクチン接種を並行してやる能力が下がっている地域だと私は思っていまして、そういうところに対しては、都道府県、まあ都と府ですよね、都と府、そして大阪府と東京都内の市町村に任せるという標準的なスタイルでは大幅に遅れてしまうんじゃないかと。早く終わらせるという立てつけではあると思いますけど、実際は標準的なスタイルがなかなか、例えば感染が比較的抑えられてる地域に比べると思いどおりにいかないということも想定された対応なので、実質的には遅れないようにされてる措置なんだろうというふうに、私は、実質的にそういうものなんじゃないかというふうに想定してますし、もう一つは、東京都の場合はオリンピックもありますから、そういったことも加味されて、特に偏重、大優遇をしようというよりは、遅れないように、今の東京の置かれている状況が、東京に次ぐ感染状況だという状況と、オリンピックを控えてるという特別な地域だということを含めると、政府が直接乗り出さないといけない、そうしないといけない地域になってるということなので、優遇されてるというのが形式的な見方かもしれませんけども、実際はなかなか優遇されているというよりは、ベースになっているところがうまくいかないことを想定して、てこ入れをされているんだというふうに私は、私なりに理解しています。なので、けしからんというふうに言うのは、政府に言うのは酷かなと。東京都、大阪府がもっとしっかり対応しなきゃいけないんじゃないかと。特に大阪はもう今の感染状況なのであれですけど、東京都についてはまだあそこまで行ってない状況なので、予防的措置かもしれませんけど、東京都は恵まれてるかもしれませんね、オリンピックがあるおかげで。という感じはしますが、大阪府とかに対しては、事実上、あれだけの窮状、緊迫した状況が続いてると、やはり政府が直接てこ入れをするということは事実的に公平な状況をつくんなきゃいけないと、結果的には遅れないようにしなきゃいけないということのためにそれだけのてこ入れが要るというふうに判断されたんだろうという意味で、妥当な範囲なんじゃないかなというふうに受け止めております。
○読売新聞:ちょっと話それますけども、先日、丸川珠代五輪担当大臣が東京都の感染対策に対して、感染対策の方向性が見えてこないという御指摘ですね、そういうのをされて、小池知事からも発言があったりして、ちょっと応酬があるような形になってますが、そのことについて知事、これまで東京都の感染対策についていろんな御指摘をされていましたけれども、御見解とかあればお願いしたいと思います。
○丸山知事:丸川大臣は多分、オリンピック担当大臣なので、オリンピックの開催を視野に入れた東京都の医療体制をどういうふうにしていくのかということの方向性が見えてこないということを発言されたというふうに理解してます。それはコロナ対応もあるでしょうし、熱中症対応もあるでしょうということだと思いますけども、率直な感想は、いろいろ三波とかでばたばたしてたのかもしれませんけど、今頃そんなことをやってんのかなというのが、遅い議論だなというのが一つ。
元は、すごい本質的な話ですよね。コロナの感染拡大地域、拡大しやすい地域でオリンピックという特別な医療体制を組まなきゃいけないものができるか。私も2月から申し上げてますけど、そういうことの詰めを今されて、すみません、今頃されてるのかなという意味で、ちょっと遅い対応だなというふうに思うのと、正直、東京都が、都知事が何か実務的に詰めてるんだとかというふうにおっしゃってますけど、あんまりそれは多分、公式コメントはそうかもしれませんけど、現実問題としてはなかなか解がないんじゃないかと。どうやって対応していくかって難しい、ちょっと答えを出しにくい、すごく難しい課題なので、まさに答えに窮しておられるんじゃないかというのが本音のとこじゃないかというふうに思ってまして、だって今回、ワクチン接種は政府が会場を設けてやりますけど、そのマンパワーは自衛隊中央病院でしたっけ、たしか目黒区にある、あの大きな病院のはずですけど、そういう意味では、コロナ対応の、コロナの患者さんを受け入れるとか通常医療に対応するという体制は多分縮小せざるを得ないわけですよね。そういうことを、もう都知事の指揮下じゃなくて、もう政府が自分の直営の政府の病院だから、そういう判断をされてやられてるという状況ですし、組織委員会が日本看護協会に看護師500人派遣してくれとか、誰に言ってるか知らないけど、東京都かな、組織委員会がオリンピック用の診療病院を30選ぶとか、都内に10だっけな、都内に10で、都以外で競技が実施されるところが20なのでしょうけど、そういう要請をされたということに対して、すごい反発が、世論的には反発がありますよね。だから、本当にこの医療の状況、コロナ対応を優先するのか、外からお招きするアスリート、大会関係者、競技団体役員みたいな外国から来られる人の医療に対して、どちらを優先するのか、どうバランスを取るのかという、バランスの取り方が物すごく難しくなってると。少なくとも国民の受け止めは厳しくなってるという状況なので、なかなか答えが出しにくいんじゃないかと。
でも、そういう状況ははっきり言って分かっていた話だから、とっくの昔に分かってた話なので、それはやると言われてる組織委員会だって、東京都だって、政府だって、やるという方針で臨むんだから、その課題をどう乗り越えるかというのがまさに都知事だったりオリンピック担当大臣だったり橋本会長だったり、その方々の仕事ですよね。まあ頑張っていただくしかないんじゃないかと、腕の見せどころじゃないですかという感じですよね。もう前から分かってる話なんだから。前から国民は懸念してたし、感染状況によっては、感染が収まってれば、感染が収まった時期に開催できるという確約がつかないわけだから、感染が完全にコントロールできない中で開くということは、感染拡大局面はあり得る。そういう中で開くという方針で臨んでた方々がちゃんと考えてやること。前から分かってたことだから、それが多分想定よりも、多分楽観的に見られてただけで、状況は厳しくなってるけど、でも、それは想定された範囲内ですよと。感染状況をコントロールできないのは分かってるんだからね。
私はけんかしながらでもいいと思う。何か表でがたがたやってみっともないというふうな見方は間違っていて、これは国民が物すごく関心を持ってることなので、けんけんがくがくやられたらいいと思いますよ。国民の反応を見ながら、どういったやり方だったら国民の理解が得られるか、特に東京都民ね、医療機関、医療のリソースを外国人、オリンピックのために入国される方々のために一部割くという判断をされる地域の住民の皆さんの受け止めがどうかということを確認しながらやられる意味でも、表立ってやられるほうがいいし、そういう今の動きが表で見えるのはいいことだと思いますけどね。水面下で決まって、あ、こんなことになったのみたいになって、オリンピック開催期間中にがたがたするよりも、前もってオープンな形で物事を決めていく、議論していくというのがいいと思います。だからいい流れだと私は思います。
○読売新聞:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:開催に向けて頑張っていただきたいと。
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