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4月16日質問事項9

9.島根原発

○山陰中央新報:山陰中央新報、平田と申します。よろしくお願いします。

 島根原発2号機についてお伺いします。

 18日には松江市長選が投開票されて、新たな市長が就任されますし、先ほどあったように、出雲、米子のほか、また安来、雲南でも、この1年以内に市長の顔ぶれが変わりました。今後、地元同意という重要な局面を迎える中で、周辺自治体によるそれぞれの安全協定の立地自治体並みの見直し議論というのが避けて通れないと思うんですが、知事は立地と周辺の権限の差というか、異なる、それはそもそも異なるもので、立地の意思が最大限尊重されるべきだというふうにお考えでしょうか。それとも、周辺も立地並みの協定内容にすべきとお考えでしょうか。見解をお伺いしたいんですが。

○丸山知事:協定の当事者は中国電力とそれぞれの市ですね。権限を認めるかどうかは、その両者の間の協定の内容として決まることです。私、県知事としてこうすべきだという考えは特段持っておりませんけれども、それは究極的には中国電力がどこまで同意権を付与するかということの問題なので、その点についてかくあるべしというふうに県知事として言い切るといいますか、こうすべきだというふうに申し上げるつもりはありません。

 ただ、一般的には、つまり何がそうならないのかというと、やはり立地自治体である松江市が、もうPAZ、5キロ圏内のほとんどを占めているという、即時避難が求められる地域が圧倒的に松江市、ほぼ松江市だということの重みを軽視すべきじゃないという松江市のお考えでしょうから、それはそれで一つの考え方だというふうに思います。それを、その意向を中国電力として踏まえなきゃいけないという立場だろうから、周辺自治体から求められて、はい、そうですかというふうにやるわけにもいかないという立場なんだろうと。だから、立地自治体と周辺自治体の考えが違うから、周辺自治体の求められるとおりになりにくい。今のところはスタックしてるということですよね。そういうことだと思います。

○山陰中央新報:今、立地自治体として松江市のことが挙げられましたけども、島根県としても立地自治体なわけで、かつ島根県というのは周辺自治体、この今回の出雲、雲南、安来の3市の、また包括する包括自治体でもあるわけで、そういった立場からして、個々の意見というか、知事の意見というのは、今の段階では言えないということなんでしょうか。

○丸山知事:いや、私がこうすべきだと言って、中国電力に例えば周辺自治体に同意権を与えるべきだというふうに言う立場にないということです。与えるべきでもないというふうに言う立場にないということです。同意権を与えるか与えないかって中国電力でしょう。

 もう一つ申し上げると、この問題というのは、今おっしゃいましたけど、もともとこの協定、今の現行の協定の基本的な考え方は、周辺自治体の部分というのは都道府県知事が考慮するんですよ、だから都道府県知事も同意権を持ってるわけです。都道府県知事は松江市を所管している知事だからではなくて、松江市以外も所管しているから、その同意権を持っているんで、本来的には多分、協定が結ばれた当初の考え方というのは、当然その周辺の問題もあるでしょう、周辺のいろんな意見もあるでしょう、それは多分、島根県が考慮して同意するかどうかを決めるという構造だと思うんです。それじゃあ心配だっていうふうに周辺自治体が言われてるということなんでしょうから、周辺の問題は全くもって考慮されないわけではないですよね、今の体制でも。島根県知事じゃあ心もとないというふうに言われてるんだというふうに私は受け止めてますよ。構造的に周辺自治体の意向を無視する構造には現行もなってはないと思います。島根県知事が、当然島根県知事として判断するってことは、松江市のことだけ考えてやるわけじゃありませんから、周辺自治体、隣接してる自治体、30キロ圏以外のことも含めて、島根県知事がそういう要素も含めて判断するんだろうと私は受け止めてますけど、だからといって、どうすべきだ、こうすべきだということを、結局のところ、松江市さんは与えるべきじゃないと言われるし、周辺自治体は与えるべきだというふうにおっしゃる。私が、その言う相手は中国電力だけですよ。ですよね。私がどうすべきだと言うとしたら中国電力に対して言うことになる。そういうことを言うのは差し控えるということです。今のところ差し控えたほうがいいと思っていますし、そこのところは、基本的には中国電力の判断だということで、それに対して島根県知事として中国電力にこうすべきだということを申し上げることは予定してないということですね。

○山陰中央新報:もう一つなんですけども、2号機の審査が最終盤に差しかかっています。先日の会合では、中電のまとめ資料の精度に対して、規制委員会のほうが、最新知見の取りこぼしや曖昧な表現などがあるとして厳しく指摘してました。先日は更田委員長のほうが再稼働を目指す事業者としての姿勢に苦言を呈した場面もありました。知事として、この現状や中電の姿勢というものをけしからんというふうに思うのか、他プラントでもあることで、冷静に見ているという感じなのか、その辺の見解を伺います。

○丸山知事:けしからんと思うのかどうかって、ちょっと感情的なんであれですけど、こういうふうに厳しく審査をしてもらうのはいいことだと。至らないところをちゃんと指摘して直してもらうということは、規制委員会としてどんどんやってもらいたいと。それが、その程度がひどい場合にはまたあれでしょうけども、こんなことは審査の中で想定されて、きちんと直る、問題はちゃんと直していくかどうか。これをもって、今回のこの審査で言われたことだけ直していけばいいということじゃなくて、自らの設置者である島根原発についての安全についての自分の評価というものは、きちんと自分で考えを言い切っていかなきゃいけないということとか、そういうことを、この場面だけじゃなくて、きちんと受け止めて今後に生かすということを含めて、そういうふうに受け止めてもらうということも含めて、規制委員会にきちんと厳しく指摘をして直してもらう、それをきちんと受け止めて、今後も含めてきちんと対応してもらうというふうなことを両者に求めてきましたので、そういった意味で、今回の指摘事項をちゃんと踏まえて、今後も含めて、こんなことを指摘されないように、中国電力として対応してもらうというふうなことだと思います。それがけしからんというのかどうかというのは表現の問題なので、ちょっと私もこの世界が専門じゃないのであれですけど、100点満点じゃないといけないというのはなかなか厳しいので、90点とか80点とか、それはちょっと数字がどのレベルで評価されるのか分かりませんけど、問題は、よろしくない状況が分かったときに自らきちんと直していくということと、もう一つは、同じようなミスが起きないように、きちんともう一回、何でこういう規制委員会から指摘を受けるようなことになったかということの元を確認して、そういうふうにならないようにしていくということが再発防止になりますから、そういう再発防止も含めて、今回の指摘事項を重く受け止めて対応してもらうということで、善処を求めていくということだというふうに思います。

○山陰中央新報:すみません、最後、もう一つなんですが、これまで知事は、地元同意の手続について、安全性、必要性、避難対策などについて国から十分な説明を受けて総合的に判断すると言っておられて、特に再稼働に関しては、スムーズな避難体制の整備が再稼働への重要なポイントになるというふうにおっしゃっておられたと思います。現状、避難計画の実効性というか、完成度なんですけども、その辺の御認識というのはどういうふうに思っておられますでしょうか。

○丸山知事:地区別の避難先も、県外も含めて指定してますし、ルートも複数含めてお示ししてますので、大きな問題があるとは思っておりません。ただ、今は政府、それから島根・鳥取両県、それから地元、立地松江市と周辺の市とともに、緊急時の避難対応といった計画、事実上の計画をまとめてますので、そういった中で、より強化しなきゃいけない、改善しなきゃいけないというとこがあれば、それを改善していくと。また、日頃と、なかなかちょっと今、実地の訓練がやりにくい状況ですけども、実際にいろんな訓練をしてみて、そこから出てきた実務的な課題を直していくということを通じて実効性を高めていくという努力はふだんから続けなきゃいけないという認識です。

○山陰中央新報:そこなんですけども、再稼働への重要なポイントになるっていうところで……。

○丸山知事:あのですね、重要なポイントになるに決まってるでしょう。どこだってそうですよ。

○山陰中央新報:はい。それで、再稼働の条件を満たすためには、避難の判断基準というか、その目安というものはあるんですか。

○丸山知事:言われてる意味が分からない。

○山陰中央新報:いわゆる……。

○丸山知事:どこの時点でどういう避難をするかっていうやつでしょう。

○山陰中央新報:そう、いや、どういう避難ができれば再稼働の同意の条件になるっていう。

○丸山知事:いや、そういうものはないです。

○山陰中央新報:目安はない。

○丸山知事:いや、何をもって目安とされるかじゃないですか。目安がないとかって言われても困りますよ。その目安というものが何かということをあなたが示してないからさ。

 うちの島根県のつくっている計画の中の、どこの部分に数値目標を設けるのかという具体的な話があるんですか。

○山陰中央新報:いや、今さっき、大きな問題はないとおっしゃっておられたんですが、例えば細かいことでいうと、例えば避難経路に、その避難手段の確保ですとか、要支援者の運ぶ搬入というか、搬出の手段ですとか、そういった細かい問題っていうのは、まだ解決されてないと思うんです。

○丸山知事:だから福祉車両の確保が課題だというのは、これまで何度も申し上げてますから、だから、全ての問題が解決するとは言ってないですよ。

○山陰中央新報:はい。

○丸山知事:大きな課題がないと言ってるだけで。

○山陰中央新報:ただ、再稼働をする、その再稼働に同意するっていう、地元として同意するっていうタイミングのときに、避難計画が今どこまで進んでるかっていう、だから、ここまで進んでるから知事として同意する、しないっていう判断になると思うんですけども、その自分としての基準というか、完成度がどこまで到達していれば、自分として再稼働の条件になるっていうふうに、同意をする、しないっていう判断になるっていうふうな、そういった基準、御自身の基準というものがおありなのかなというふうに思うんですが。

○丸山知事:だから、円滑な避難が実施できるかどうかじゃないですか。

○山陰中央新報:そうなんですけど、円滑な避難には、まだここが足りない、ここは十分だっていうふうな基準というものが御自身の中にはあるんでしょうか。

○丸山知事:よく分かんない。何を言ってるのか、何について言ってるの。円滑な避難ができるかどうかということ……。

○山陰中央新報:その円滑な避難というのは、言葉では分かるんですが、円滑な避難というのは、何をもって円滑な避難と言うのかっていうことです。いわゆる知事がそこをどう判断するか。円滑な避難ができている、これだったらできてる、できそうだと思うときに再稼働の一つの目安というか、再稼働の同意する一つの判断基準になるかどうかなんですけど、ここまで積み上げて、ここまで完成度があるっていうふうなときに、自分として再稼働を許す、許さないっていう判断基準になるかどうかっていう目安、自分の中の基準ですね、どこまで到達するかっていう。どこまで到達していれば……。

○丸山知事:いや、だから、到達度の基準というのは、何ていうの、到達度というものの定義がないからさ、答えようがないですよ。その到達度がどこまでに達すればっていって、到達度の基準がないじゃん。だから、これだと円滑に避難できないんじゃないかというふうな、指摘がないような状況になるということでしょうね。

○山陰中央新報:指摘がないようになる。

○丸山知事:そう。言葉尻を捉えないでね。言おうと思えば何でも言えるからさ。それはみんな努力してやることだから。だから、福祉車両が足りないという課題はある。自分だけで移動できない方というのは、通常の車両で移動できないから、そういった福祉車両、対象となる人に対してそういう車両は不足しているという問題は解決しなきゃいけないというふうに思ってます。

○山陰中央新報:そこは、再稼働の判断をする上で重要なポイントであるというふうにはお考えですか。

○丸山知事:それは課題として、その方々が円滑に移動できない状況が見込まれるんだったら改善しなきゃいけないだろうし、それが改善できないと円滑な避難ができるって言えないでしょうね。

○山陰中央新報:そのポイントというのは、福祉車両だけじゃなくて、ほかの項目にもあるというふうに、課題……。

○丸山知事:特段それ以外については想定してませんけどね。

○山陰中央新報:やっぱりそこが一番の懸念事項ということですか。

○丸山知事:まあそういうことですね。

○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。

 

 

○広聴広報課:そのほか、御質問ございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

○丸山知事:ありがとうございました。

○広聴広報課:では、会見のほうを終了させていただきます。ありがとうございました。


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