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4月16日質問事項2

2.聖火リレー

○読売新聞:すみません、読売新聞の林ですけれども、知事、6日に東京のほうの記者会見で、聖火リレーの、もう実施するという方針を明らかにされました。それでしばらく時間たちましたけれども、知事のほうにも県民あるいは県外からも、批判を含めていろんな声が届いてると思います。ちょっと時間を置いて、その辺の意見に対する受け止めであったりとかあればと思うんですが、よろしくお願いします。

○丸山知事:聖火リレーを中止する、そういうことを通じて東京オリンピックの開催について異議を申し立てるというふうなことについて御期待をされていた方々に対しましては、そういった意味での期待というのは裏切ったんだろうというふうに思います。ただ、県内の苦しい状況にある飲食事業者の皆さん、その取引先の皆さんの窮状をきちんと救うためには、やはり政府によるきちんとした対策が欠かせませんので、その実現に対してマイナスの影響が生じかねないことというのは避けるべきだということで、そういう意味では、今申し上げた、冒頭の御期待と県内の飲食事業者等の支援に道筋をつけていくこととの、どちらを優先するかということで、後者を優先したということであります。ただ、飲食店の支援が具体的にまだ引き出せているわけではありませんから、飲食の業界の皆さんからも不十分だというふうな御批判があることは新聞報道を通じて把握しておりますけれども、残念ながら、政府の政策を実現するのは政府であります。それを民主主義の力でつないでいくのは国会議員の先生方でありますので、国会議員の先生方、これは島根に限りませんけれども、34道県、実質的には島根県と、知事会長である立場を考えられて参加されなかった徳島県も含めて36県の道県知事から、それぞれの国会議員の皆さんに対して働きかけはされておりますので、そういった皆さんの奮闘を強く期待しているというところであります。

○読売新聞:県としてはこれから、これまで聖火リレーの中止を検討していたので、県として、知事として行動することがなかなか難しかったという現状があったと思うんですけれども、今後の要望とか、どういう形になるか分かりませんが、どういうふうに国にまたアプローチかけていきたいということか。

○丸山知事:皆さんよく御承知だと思いますけども、島根県知事が要望する、全く物事は動かない。全国知事会が要望する、全く物事は動かない。34県知事が個別に取り上げて要望する、全く動かないという状況で、動いてもらうのは、もう与党しかないじゃないですか。だから回数行けば済むんだったら、みんな回数行きますよ。分かり切ったことでしょ。我々の言うことを真面目に聞かないんだから。言うことを聞く、政府を支えておられる方々から言ってもらわないと、物事が進まないってことは、もうこれまでも自明の、もう明らかになり過ぎてることでしょ。そういう意味で、私自身も別に政府に仕えてる立場ではないので、動いて物事がプラスに働くとも思えませんから、政府を動かす力のある人たちがきちんと、この感染非拡大地域の飲食業の窮状を支える側として政府に伝えてもらう、それが一番早道だと私は信じているところなんです。

○読売新聞:分かりました。

 聖火リレーの音響の問題に関しては、その後、組織委員会とのやり取りとかで、進展があったとか、特にございませんか。

○丸山知事:ないですね。組織委員会も、大阪、松山ね、想定外の事態に直面しててんやわんやでしょうから、私どものことを検討する余力がないんじゃないですかね。

○読売新聞:分かりました。了解しました。

 

○NHK:NHKの保科と申します。

 組織委のほうから、スポンサーありきというのは、リレー、外せない要素だというお話が知事にあったと思うんですけれども、三重県の鈴木知事が、スポンサーの演出に、リレー終了後に強い懸念を示されておりまして、改めてこの組織委にはどのようにこのスポンサーの在り方を考えてほしいというふうにお考えでしょうか。

○丸山知事:私は組織委が考えることではなくて、スポンサーの皆さんが考えることだと思いますよ。組織委から伺った話は、スポンサーの皆さんは東京オリンピックですね、これはパラリンピックじゃなくてオリンピックの聖火リレーなので、オリンピックを盛り上げるという気持ちでやられてるんだと、その気持ちを尊重してるんだというふうなお話でした。そして、その資金というのも自分で出されてやられているということで、あまりあれこれ注文をつけられる立場にないというお話でしたから、基本的には組織委員会の言われようだと、スポンサーが自分の考えでやってるんだということなので、スポンサーの、別にこれ、社名出てるから、日本コカ・コーラ、それから日本生命、そしてNTT、トヨタ、もちろん公表されてますからね。こういう会社の方々が、この感染状況の中で、屋外だからいいんじゃないかという話もありますけど、密になってるという指摘も受けながら、私は聖火リレーの方が走っておられることを多分あれこれ言われる方はおられないと思いますけども、それにくっついてというか、それよりも目立つ形で音楽イベントのような形で大音量を出してディスクジョッキーが大きな掛け声をかけて大音量、それから高い音を出しながら行進をしていくということが、盛り上げる効果はあるでしょうけど、あるかどうか私は疑問ですけど、あるとしても、会社のためになってるのかと。この会社は立派な会社だなと、さすが、日本に名立たる著名な会社だと、この商品を、この各社の商品、サービスを買おうというふうに思われる効果が生じているというふうに思っておられるかどうかということですよ。

 少なくとも島根県内でそういう効果はないでしょう。どちらかというと、マイナスの効果が生じることを私は保証しますけども。お金を出してオリンピックを盛り上げる、これはすばらしいスポンサーシップだと思いますよ。ただ、自分の会社の名声がマイナスになったり、ブランド価値が落ちたり、商品の売上げが落ちかねないというリスクをしょってまでスポンサー契約の中で確保した権利を行使しないといけないのかどうかということを考えるべきだと思います。権利としてはあると思います。組織委員会との関係で、スポンサーの資金提供をする際に、そういうことができるという権利を保持されていると思いますけども、持ってる権利を全て行使することが自分のためになるかどうかという思考回路が抜けているんじゃないかと。

 そういう意味で、組織委員会の説明によると、スポンサー各社がやってることだからということなので、そういう鈴木知事のような問題提起は、それは日本コカ・コーラの会社が受け止めて、どう思うかでしょう。それぞれの、4社ありますよね、一部に政府の出資が入っているから政府に配慮してやり続けないといけないと思ってる会社があるかもしれませんけど、基本的には1社を除いて上場企業ですからね、株主も含めて、こういったスポンサー契約で得た権利だからといって、機械的に行使していって、よく言われる、自分の会社の企業価値が高まってることになっているのかどうか、売上げが増えるのか、ブランド価値が高まるのか、立派な会社だと思われるのかという判断を、何度も申し上げてますけども、広報担当者などに任せっきりにせずに、経営全般を見られている方が判断された結果なのかどうかが疑問だし、結果だとすれば、そういう会社なんだなというふうに思うしかないというのが私の受け止めです。どっちなのかは知りません。会社の経営まで、全体を見られる方が、これはいいんだと、金を出したからにはここまでやんなきゃいけないんだと思ってやられているのか、広報担当者に任せっきりにしててこんなことになってるのか、それは知りません。それは皆さん、また取材する権利があるから、広報はあるでしょうから、それぞれ聞いてみてください。私が直接聞く立場にないから。

 決して、ごく一部のメディアを除いて、あの車列をマスメディアが報道されることはありません。そういった意味で、マスメディアに載らないという意味での強烈な保護の下に日本の公道を走ってるスポンサーの車列でありますけれども、現実に見てる人はたくさんいる。そういう人たちが立派な会社だと、みんながみんな思って受け止めるかどうかという内容なのかどうか、現物を見たほうがいいと思いますよ。あの紙なんか、パワーポイントでこんなになってますぐらいの話じゃなくて、音も映像も見られた上で、これが我が社のお金の使い方だと、これが株主に貢献できる、企業価値を最大にしていく上場会社としてのお金の使い方なんだというふうに思われるかどうかだと思います。

 そういう問題意識として私は受け止めていますので、私は車列をなくせとかも言いませんけど、せめて音量ぐらい下げたほうが御身のためじゃないかといって私は申し上げてる。そんなことは余計なお世話だという結論であれば、今までどおりで島根県内を走行していくんでしょう。それはそれで、もう自業自得な世界です。私は、どちらかというとアドバイスとして申し上げたつもりですけども、余計なお世話だということであれば、ああいう音量で、ディスクジョッキーの方が大声上げて、機械音の高い音を鳴り散らして聖火ランナーの前を走行されるんでしょうね。オリンピック本体が商業主義だというふうに言われますけども、聖火ランナーの本体、私からすると、私からするとというか、皆さんが報道されるのは聖火ランナーの方、それから、その聖火ランナーがどういう思いを受けて応募されて、どういう気持ちで走られたかということが報道に、そこにしか載りませんから、私もその話に感動するし、懸命に走られてる姿に感銘を覚えます。私はそこが本質的な姿だというふうに思いますけども、その本質的じゃない部分、それにコマーシャリズムが乗っかるというのはあると思いますよ。オリンピックだってそうだ、スポーツイベントだってそうだ。ただ、全体の構成が、メインとサブが逆転している聖火リレーになっているんじゃないかと。聖火リレーというよりもスポンサー車列になっているんじゃないかということを申し上げていますので、それは権利です。権利だから行使するかどうかは確かに、それは組織委員会から説明聞きましたけども、スポンサー各社が判断することですと言われましたから、まあスポンサー各社にもう一回考えてもらうしかないんだろうというふうに思いますけど。

 だから、私はもう、島根県知事として組織委を通じてスポンサーに直接お願いすることというのは音量の制限だけですけど、大本の考え方はそういうことで、私はアドバイスとして申し上げてる。同じ公に、向こうも上場、公開会社と、公にいる身として、アドバイスとして申し上げておくとそういうことでありまして、オリンピックの競技場本体の比ではないコマーシャリズムの比重の高さ、それをオリンピック本体のプレイベントとしてやることが本当にいいのかどうかと。もうちょっと脇に下がるという謙虚さがないと、コロナの問題がなければ、別にあれでいいと思います。コロナの感染下でなければ、別にあれでおかしくなかったと思うし、当初の契約がおかしい契約だとも思いませんが、今ここ、この状況になってみると、いろんな自粛を強いられている中で、ああいう音楽イベントが、車に載っかって移動してるようなコンテンツが会社のため、株主のためになっているって判断されるのは大変奇異ですよね。奇異というか、見られてないんだと思いますけど、何かこう、パワーポイントでこういうことをやりますからとかっていって、めくるぐらいで見られてるんだと思いますが、現物を見られるべきだと思いますよね、現物の映像を。決してマスメディアに流れないけど。

 そういう意味で、皆さんが見せない、皆さんがって、撮影をされてる、その各地の映像を配信されてる会社、マスメディアが報道から外しておられますけれども、そういう報道に載っても恥ずかしくないと思うこと以外は、あまり公道でやらないほうがいい。沿道で見てる方のことをそういうシビアな目で物を見られない方だというふうに甘く見られないほうが私はいいと思いますけどね。これはアドバイス。条件とかではないし、組織委員会に求めてはおりませんけども、世間一般で見れば、ああいうものを、権利があるからといって、当初設定された権利どおりに行使しているという会社は、それを経営者まで含めてそういうふうにお考えだとすると、なかなか厳しいんじゃないかなと思いますけど。そんな感じです。

○NHK:分かりました。ありがとうございます。


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