3月23日質問項目2
2.島根原発
◯山陰中央新報(白築):原発についてちょっとお尋ねしたいことがありまして、質問します。
ウクライナをめぐる問題で、原発が攻撃をされてる状況がありまして、原子力規制庁の更田委員長も、そういった軍事攻撃については、事実上、ちょっと抗うことができないというふうに発言をされてたりします。さらにそういった先日の東北のほうの地震で、ああやって原発にトラブルも起こったりしておりまして、安全性について新しい不安材料というのがまた散見されるようになっているんですけども、今後、知事がもろもろの判断をされるに当たって、そういった新しい懸念に対してどの程度考慮して判断をされるのか、ちょっと伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○丸山知事:地震も、原発に対する武力攻撃も、あまり世の中一般で明確に意識されてなかっただけで、客観的事実としては前々からずっとありますよね。当然ロシアのミサイル、北朝鮮、中国というのは、日本を射程に入れたものはたくさんあるでしょうから、それはウクライナ情勢があったから出てきたわけではなくて、認識されるようになったということだと私は思ってます。
では、物理的にミサイルが撃たれる状況にあるからといって、ミサイルを撃たれる前提で日常生活を日本社会が過ごしているかというと、そうではなくて、日米安保、そして主権の侵害とか武力による現状変更を認めないという基本的な国際秩序とか抑止力が働くことで、物理的にはミサイルだったり潜水艦だったり戦艦だったり、いろいろあるでしょうけど、日本を武力攻撃する要素というのは客観的に存在しているけども、それを前提とした社会構造にはしてないわけですよ。
北朝鮮というのはもう、朝鮮戦争は休戦であって、戦いを休んでいるだけなので、多分戦時体制なんです。我々はよく理解できませんけど、彼らからすると、戦争を休んでるだけなので、いつ再開されてもおかしくないから軍事力に多分偏った体制を取ってるんでしょうけど、日本社会も韓国も、そういう体制ではないわけです。ということは、やはりそういう国際秩序ですよね、撃てるけども撃たない、撃てない、攻撃できるけども攻撃できない、しないという環境をきちんと政府なり国際社会が協調してつくっていくということが一番の話であって、どんな攻撃にも耐えれるものは恐らく存在しませんよね、この世の中に。
なので、多分そういう客観的な日本周辺の各国の武力というんですかね、武力の水準をそのまま攻撃されかねないということで国際的にというか、諸情勢がそういうふうに認識しなきゃいけなくなったら、そういうモードに変えなきゃいけないんでしょうけど、これまでというのは、物理的に攻撃能力がある、攻撃の射程範囲に入っているからといって、攻撃を前提とされた社会、仕組みを直ちに取らなくていい環境を政府なりがつくってきたと。それをきちんと、今回のロシアがある意味、その秩序に対して挑戦をしてきたという状況ですから、やはりロシア、また、ロシアの特に指導者ですよね、指導者、または意思決定に関わっておられませんけども、ロシアの国民がこういうことをするということは国益に全くプラスにならないし、そういうことをすることについて利益があるとか、そういうふうにやってみようというふうに思わないように他国が認識するような、やはり国際社会が一致協力した対応を取るということが一番大事な、ウクライナ情勢で起きたロシアのいわゆる蛮行に対しての、蛮行が日本において起きない、ほかの国においてもそうですけどね、他国においてウクライナ以外の、ウクライナの状況を改善しなきゃいけないですけども、これ以上広がらないようにするということが大事なんじゃないかというふうに思っていますので、そういうことですかね。
更田委員長がおっしゃっているのは、それはある意味、当然のこと、原子炉に限らず、それが首相官邸だろうが国会議事堂だろうが防衛省の建物だろうが、よく分かりませんが、市ヶ谷の統合幕僚本部があるところにしても、どんな攻撃にも耐えられるような構造は多分、分かりませんけど、武器なりミサイルなりの、アメリカとかロシアの水準でいけば、ないんだろうから、そういうものはあくまでも自国を攻撃されないための抑止力として持っているものであって、使うものではないという形が、そういう認識が国際社会で徹底認識されるように対応するというのがウクライナ情勢に対する一番の現実的な対応じゃないかというふうに私は思っています。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
先ほどの発言をまとめると、そういった認識に立ちつつ、知事の判断には大きく影響はしないというふうな捉え方でよろしいですか。
○丸山知事:島根原発だからどうだとかという問題ではないですよね。これは原子力発電所の問題というよりも、我が国の社会がどういうことを想定した社会として組み立てるか、どういうふうな、いわゆる戦時体制みたいな、戦争を前提とした社会を覚悟して国民の皆さんに、そういう客観情勢になって、それを政府が国民に示して、それを国民に理解してもらって、そういうふうに移行していくということではあると思います。そうすれば多分、原発は停止してしまおうとか、そういうことになるでしょうね、選択としては。そういうことっていうのはあるでしょうけども、今の状況がそういう状況にあるかないかという意味でいくと、政府はないというふうに思っているということなんだろうという認識です。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
すみません、続けて、先ほどの質問の中でも触れました、先日の地震によって電力の逼迫というか、足りない状況が起こっているところで、こういった状況を踏まえて、中国地方でも同じようなことが起こり得る可能性もあることを前提に、知事として、今回の状況についての受け止めというか、伺えればと思うんですけども。
○丸山知事:東北電力とか東京電力か、なぜあんなことになってるのかさっぱり分からないので、新聞ベースでしか答えようがないですけど、やっぱり悪いことが重なると、マイナス要素が重なる、天気が悪くて太陽光発電の発電量がほとんどなかった、これは連動しますよね、寒かった。で、地震があった。で、どこかで書いてありましたけど、夏の冷房に対応した電力需要が一番多いのは夏なので、それに比べて3月というのが比較的電力需要が通常であれば少ない時期で、火力発電所の点検の時期にもともと当たっていたと、そういう複合的な要素なんでしょうね。なので、地震は避けられないし、いつ地震があるか分からないので定期点検しないというわけにもいかないし、ある意味、やむを得ない。それか、やはり電力自由化の例外を設けて電力会社、もともとの地域電力に一定のバッファー(余裕)を持ってもらうということを全ての電気料金に賦課して余裕分を誰かが持つと、いつでも稼働できるような火力発電所を必ず誰かが持っておくというふうなことをするかどうかなんでしょうけど、その余裕がもともとあるのかどうかよく分かりませんから、これは、これを教訓に、どういうふうに地震という突発事象に対応するかというのは、エネ庁、経産省、電力業界がこれから考えられることじゃないかというふうに思います。
何か大きな、誰かミスがあったというよりは、太陽光発電というのはそんなものだし、寒くて電力需要が上がるのは仕方がないし、3月だから気温が下がってけしからんって言えるわけでもないし、こういうことが最悪あり得るという、今回のようなケースに対応できるように備えると思うか、備えないと思うか。備えることについて利用者なりの負担を求めることについて、そこが理解されるかどうかということじゃないでしょうか。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
原発関係、もう1点お伺いしたいんですけども、鳥取側で明日、県議会が開かれて、是非について3月中に大方のめどが出る見通しになってまして、だんだん自治体の判断が出そろってくる中で、鳥取側では全て出そろってくることになると思うんですけども、そこに対しての受け止めというか、あればお伺いしたいと思いますが。
○丸山知事:それぞれ議会なり市長さんなりが、熟慮されてそれぞれ適切な時期に判断をまとめられてお示しをされているという状況だというふうに受け止めていますので、それを総体としてどうこうと言う立場にはありませんけども、島根県知事としては、この島根原発2号機の再稼働については、関係自治体、また県議会の御意見、そしてこれまで住民説明会等でいただいてきた御意見などを踏まえて総合的に判断をしていくということでありますので、そういった、それぞれの御判断が出そろった上で考えを固めていくということになります。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
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