2月17日質問項目
○山陰中央新報:初めてまん延防止等重点措置が適用になりまして、改めての所感と、あと、延長しないということで、これまでの効果をどのように感じておられるか、お願いいたします。
○丸山知事:今申し上げたとおりです。今申し上げた中に答えは入っていると。
評価としては、コメントで申し上げましたとおり、年末のオミクロン株の最初の確認は、出雲市内での飲食店でのクラスターからのスタートでありましたけども、そういった飲食店でのクラスターというものは確認されない状況に、飲食店等への一部店舗での酒類の提供の停止、また営業時間の短縮といったことをしていただくことで、飲食店等を介した感染拡大というのは非常に効果的に感染抑制ができたというふうに思っております。
まん延防止等重点措置の活用の仕方というのは、考え方は2つあると思います。感染の主体である家庭や保育所、それから高齢者入所施設などへの直接的なアプローチが少ないということで、ずれているんじゃないかということで適用に対して消極的に考えられる考え方、これも数多く指摘されているところであります。実際にそういった考え方の下で適用を求められなかった都道府県も比較的多くございます。
ただ、島根県としては、今回の適用というのは、この1月中旬の感染急拡大というのは何をもって抑えられるかと、ここまでやっておけば大丈夫だと、例えば、まん延防止等重点措置の適用がなくても乗り切れるという確信が得られる状況ではなかったわけであります。ということであれば、若干のずれがある、中心地帯とずれがあるとしても、飲食店への効果は期待できますので、そういったものをフル活用して県民の皆さんに安心していただけるような感染の抑制、急拡大を抑えていくということというので、措置をフル活用していくという考え方で臨みましたので、これは、適用したことについてはよかったというふうに思っております。
ちょっと細かな話になりますけど、非常に議論が混乱していると私は思っています、今の状況ですね。オミクロン株の評価について、評価が真っ二つに分かれていると。真っ二つに分かれているというか、要するに感染された方の状況、いわゆる臨床的な視点でいうと、非常に風邪症状に近い、重症化される方の比率が従来の株に比べると低いということ、そのことをもってインフルエンザとか風邪と同じようなもんだから、そう恐れる必要はない、またはまん延防止等重点措置や緊急事態宣言で様々な制約を社会に課すということは過大であるという考え方が、非常に今回の感染については、一般の国民の方々の中でも広がっているという認識であります。
これは、合成の誤謬というか、ミクロでいえばそうですけども、公衆衛生、社会全体としてどう捉えるかという視点とずれてしまっていると。それはなぜかというと、何度も申し上げるとおり、重症化の割合が10分の1になったとしても、感染者数が20倍になれば医療に与える影響は2倍になるわけです。だから掛け算で決まることの片方しか見ていない議論だということ。
それからもう一つ、臨床のお医者さん、病院で診られる、診療所で診られるお医者さんの立場からして、風邪症状に似ているというのは、それは正しいかもしれない。ただ、社会全体で見ると、ここ2年、インフルエンザって、もうほぼ流行していないわけですよ。もうないに等しい状況になっている。それはなぜか。コロナ対応で手洗い、うがい、それからマスクといったものを徹底したおかげでそうなっている。つまり我々がコロナ対応でやっていることで、インフルエンザは抑えることができているけども、オミクロン株は全く抑えられてないわけでしょう。だから、症状だけ見て同じだと言っても、広がり方が、感染力が全然違うものを、公衆衛生ですよ、公衆衛生の立場で同じように評価するというのは多分完全な誤りでしょう。それを政府がちゃんと、もうちょっと周知しなきゃいけない。
実際に医療逼迫、私は一部、医療崩壊に近い状況が含まれているけども、医療逼迫という言い方でもう政府も認めているとおり、少なくとも医療が通常どおり機能していない地域が発生しているということは、そういった誤った認識が広まっているということが大きく起因しているわけですから、ともかくオミクロン株の評価というものをいま一度きちんと公衆衛生の立場、社会全体としてどう捉えるかという立場から、侮っていいものでは全くないということをきちんと知らせなきゃいけないんじゃないかと思いますし、こういった状況が起きている以上は、感染を抑えるツールとして活用の必要性があれば、法律上定められた手続を使っていくというのが政府、行政側の、これは地方自治体も含めてですけど、責任ではないかと思っておりますし、感染の特性に合わせて対応ができていないということであれば、それは基本的対処方針の中で盛り込んで適用すればいいわけです。残念ながら我が国の最高権威の感染症の専門家の方々は、それに対して有効な処方箋を全く示せていないし、アイデアも出てこない。そこの問題ですよね。
そこの問題をもう一つ加えると、ちょっと話は長くなるけど、正直言って頭が悪いと。新しい状況が起きているときに、エビデンスがあるとかないとか、要するにまとまったデータがあるかどうかなんかやっていたら、現状を放置するしかないわけですよ。要するに一度悲惨な状況が発生してデータを集めて、こういう対策がよかったと。今の危機に無策でいて、それでデータを集めて次に生かしましょうという姿勢なわけです。それは、政府が専門家に対して求めている姿勢ではないはずですよ。一回は感染拡大させてもらっても構わない、その結果を踏まえてエビデンスなるものを集めてアイデアを出してくれということなんか、政府は一切求めていないと思います。そのエビデンスが十分かどうかというレベルで議論していること自体が、依頼者から受けているオーダーに対応していない、間抜けな人たちだというふうに私は思いますね。頭のいいばかじゃないかと。
新しく起きている状況には、新しいことを試さないと、トライ・アンド・エラーという発想はない。でしょう。当たり前じゃないですか。新しい状況には新しいことを試すしかない。そんな発想が頭にないこと自体が、アドバイザリーボードとかって言っているらしいけど、助言機能の崩壊を来していると。そんな人たちに知恵を求めることをやめたほうがいいと思いますね。
私は、平井知事が基本的対処方針の分科会に出られている。よく確認すると、見てください、厚労省の構成員名簿を見ると、平井知事の名前はないですよ。会議録を見ると平井知事の名前があって、平井会長ですね、全国知事会会長。オブザーバーです、オブザーバー。オブザーブって、観察する人です。陪席して聞く、聞いていいよという立場だ。まだ発言はさせてもらっている。非常に遠慮して発言されていますけどね。何でまともな処方箋を示せない感染症の専門家がずらずら偉そうに座っていて、平井知事があんな遠慮した物言いをされて、あの場に出なきゃいけないのかと。全くもって本末転倒。知恵を出してもらう先を間違っていると思います。
ともかく、インフルエンザと同じだというのは間違っていると。感染力が違うものを同じに扱うこと自体がもう、少なくとも臨床として、治療をするということにおいて正しいかもしれないけども、社会全体としてこの病気にどう立ち向かうかという、公衆衛生です、公衆衛生の立場からすると間違っている。今求められているのは、公衆衛生としてどうしていくか、社会としてどういうふうにこの感染症に立ち向かうかということが求められているので、私からすると、今の専門家の人たちは感染症の専門家かもしんないけど、公衆衛生のど素人。公衆衛生を語る資格はない。
たんぱく質がどうだこうだとか、そんな話はどうでもいいんです。社会としてどうしていくのかというふうな公衆衛生です。我々がどうすればいいのか、社会がどういうふうに立ち振る舞えばいいのかというところまでの提案ができていない時点で機能不全。医療逼迫という言葉があるけど、学術的に逼迫している人たちだね。
もう一つ苦言を申し上げると、今回の感染状況のモニタリングの指標、最初は、感染者数は除こうとしていたんですよ、第5波終了して。病床とかの状況、重症病床の状況が重要だということになって、今回も、たしか東京、大阪、両方とも重症病床の利用率が何%を超えたら宣言を要請するのを検討するかしないかとかというふうに置いてあるけど、これも、今となっては間違ったということですね。それはなぜかというと、なぜ重症病床を着目するかというと、それは重症者があふれてしまうと人が亡くなってしまうからです。人が亡くなってしまうから重症病床に着目した。でも、今の状況はどうか。昨日はたしか236人か何かで、これまで神戸市がまとめて死者を報告して200人を超えたというイレギュラーな日をあっさり超えたわけです。そして昨日もたしか230人かな。相変わらず同じ水準でいる。
つまり、死者を出さないようにやんなきゃいけないというふうに構えていた人たちが、過去最大の死者数になって、何のアイデアも出さずに傍観している。そして昨日、厚生労働省のアドバイザリーボードの脇田座長は、感染者数がピークを越えたといって世の中を楽観させるコメントを出されているけど、軽視していいと言っていたコメント、数字を、ピークは越えたからって、意味がないんじゃないのと。着目しなきゃいけない数字の楽観、数字が下がったって世の中を楽観させて、死者数が過去最大を迎えようとしている、更新したという状況に対して、何の警戒感も危機感もないということが非常に危機的だと思いますね。
私は、昨日から申し上げているけど、おととい、2日前かな。精度の悪い数字を足し上げて物事を管理していくというのは、統計学とか社会調査の基本をもう一回勉強し直したほうがいい。多分教科書の最初の50ページぐらいのところで出てくるレベルの間違いを犯していると思います。精度の低い数字を足し上げて評価しても仕方がないでしょう。
もう一つ言うと、直近1週間の数字が0.9になったというのが根拠みたいですけど、申し訳ないけど、直近1週間には祭日が入っていませんか、祭日が。建国記念日が入っていますわね。建国記念日は外来が開いていないわけですよ。医療機関からの検査依頼がなくなる日が入っている。その週の数字を捉えて数字が下がったというのは詭弁だね。少なくなる要素を無視して単純に前の週と比較するというのは、これも社会調査とか統計でいうと落第点、単位はあげれませんな。学部の勉強をもう一回やり直したほうがいいと。
今、日本の教育は、自ら課題を捉えて、それを解決していく力を身につけさせようとしている。残念ながら、今の私が問題にしている人たちは、そういう能力は全くない。課題を発見できていないか、課題を発見していても無視しているか見過ごしているか。そしてアイデアも出てこないという意味で、大変緊迫した状況だと思いますけども、何とか県民の皆様の御協力をいただいて、県内については、まだ県民の皆さんが安心して外に出よう、いろんな行事をやろう、いろんな集まり事をやろう、飲食に出かけようと思ってもらえる、まだ水準じゃないと思っています。まだ50(人)を超えていますから、ずっと。2桁ですけどね。多分もう一段のやっぱり感染を抑えていくと、感染者数を減らしていくということが人間心理として安心して行動していただくために必要だと思いますので、今申し上げたように、安来市、それから松江市には特に注目をして対応していきますし、その他の全県的な注意もしていくということで対応していきたいと思います。
それからもう一つ、経済を回すと言っている人たちがいますけど、この感染者数で、みんなが消費行動しますかと。感染しても特別に病院に入れてもらえるとかという確信があるようなエスタブリッシュメントはいいかもしれないけど、普通の人たちは、今はけがでもしたら救急車来てくんないかもしんないと思って外出控えていますよ。
東京消防庁は、用意している救急車が90%とか92%とか94%を超えると、今そういう状況になっているので、特別編成して対応しています、直ちに消防車を呼ばずに、一回ここに電話してから呼んでくださいというアラームを社会全体に流しているんです。我々行政は、そういうものを無視して、大したことないと思って見過ごしているけれども、ちゃんとした仕事をしようと思っている組織はアラームを流している。そのアラームを、我々は耳を塞いで聞かなかったことにしようとしているんじゃないかと。大阪市の救急、東京都の救急は一体どうなっているのか。マスメディアの皆さんも取材は可能だと思いますけど、全国組織であればですね。と思います。そんな感じです。長くなりました。
○山陰中央新報:解除要請の判断理由についてなんですけれども、知事も冒頭のコメントで触れておられましたけれども、1週間の人口10万人当たりの陽性者数というのが一番大きいということなんでしょうか。
○丸山知事:そういうことです。感染状況が、感染急拡大の局面を抑えて、その感染急拡大が再発するというおそれがゼロではないですけども、ほぼなくなったと評価していい水準まで下がって、下げ止まっていますけれども、今、一定の水準の横ばいで推移していると。その状況が、感染状況として保健所で把握をして、迅速に調査をかけて、そして検査をしていくということが今滞りなくできていて、医療も逼迫をしていないということで、我々としてこれまでやってきた迅速・幅広な疫学調査、検査といったものを展開していくというやり方で対応可能な状況に今なったということが、今回の重点措置を解除する一番大きな理由です。
○山陰中央新報:それと、また今後、もし仮にこういった、第6波ではなくて第7波、それ以降のことも含めてなんですけれども、こういったまん防をもう一度要請するようなときが仮に来たとして、そのときの判断基準というのも同じように10万人当たりの数というのを重視されますか。
○丸山知事:私は、自分で数値基準を置いて自縄自縛に陥ることは絶対に避けようと思っていますよ。大都市部の都道府県では一般的に用いられているやり方ですけど。だって、その数字だけ見ていて大丈夫かどうか分からないでしょう。私はそういうやり方はしないです。今回こうしたからって、次、感染拡大するときの株の内容も分からないのに、そんなことを決めたって仕方がない。
県民の皆さんからすると、事前予測可能性が、数字があったほうがいいと思われるかもしれませんけど、私は逆に、マイナスのほうが今回の例を見ても大きいんじゃないかと。重症病床に着目したら、重症病床はあふれていないのに中等症病床があふれて死者がたくさん出ているという状況になっていますよね。だから、事前に予見できたかどうかという意味で、予見すべきだったと私は言いませんけども、結果的には、重症病床に着目するやり方がうまくいかなかったんじゃないかというふうに我々は反省しなきゃいけない状況になっている。ただ、誰も表立って反省している人はいないのが危ないですけど、我々がやんなきゃいけないのは、こうなると私は、島根県はそういう状況に絶対しないように頑張りますけど、全体として見れば、もう死者数しか正常な数字は出てこない状況になっているんじゃないか。死者数が一番、今の感染状況の深刻さを表している数字じゃないかというふうに思いますから、これは第5波を超えて、第4波に迫ろうとしているんじゃないかという状況ですよね。
だから、そういう感染の出方が当然違うから、そのときの状況で考える、そのときの状況でこういう指標を注目していくというものがあれば、それはできるだけお示ししたいと思いますけど、今の段階で、来る敵が分からないのに、この数字で、今回のオミクロン株のときの、今回のこのまん延防止等重点措置と同じやり方でやりますというのは、戦い方として間違っている。
これは、これもことわざですけど、あんまりいい例えじゃないけど、軍人は前の戦争を準備するというんです。やったこと、過去を踏まえて将来に備えようとする。前の戦争がもう一回起きると思って準備するけど、戦いは同じ要素になるわけがないから、新しく来る敵、新しい感染の状況、これを早く、感染が起きた状況を踏まえて、当然厚生労働省に海外のデータを取ってもらって、どういう特性があるかという情報を提供してもらって、国内の感染がどういう状況になるかということを見極めながら判断していかないと、敵と正しく戦えない、感染症と闘えないでしょう。
だから、同じような基準でやるつもりは全くない。状況に応じて、また判断します。学校の休校が有効だったら学校の休校をするけど、有効じゃなければやらないし、保育所への登園自粛というのが有効であればお願いすることもあるかもしんないけども、それが有効じゃなければお願いもしないし。それは、そのときにおいて何が有効だと思われるかというものを、私はエビデンスの確認なんかしませんからね。起きている状況をできるだけ正確に把握して、政府のように正確なデータがそろわないという状況になる前に対策を講じていくと。現状が把握できないような状況になるというのは、もう危機ですよ。その前に対策を講じていくというのが、有効であるというふうに期待できる方策があって、それが県民の皆さんに受け入れられる可能性があるかどうかということを見極めて、必要な対策を講じていくということで、数値の指標とか対策というのは臨機応変で対応するということです。
○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
○NHK:今後のスケジュールというか、政府とのやり取りというのはどのようになっているんでしょうか。
○丸山知事:報道で流れているとおり、今日、関係閣僚で会議をされて、政府の考え方を表明されるんでしょうから、それを諮問機関に、あさって、かけられたり国会に報告されたりして、政府の決定はあしたじゃないかと、正式な決定はね。それを受けて、島根県として対策本部会議を開いて詳細は決定しますが、大枠としてはもう、今日お示ししている内容が大枠であります。当然月曜からどうするかという話ですから、早くアウトラインというのは、概要というのはお示ししたほうがいいだろうということで、今日の会見の段階で大枠をお示しして、できるだけ早く週明けに備えていただくということのために、今日、会見でここまで言わせていただいているというところです。
○NHK:1点なんですけれども、もちろん各県によって状況が異なるのは理解していますけれども、延長を改めて要請していた知事の中には、リバウンドを懸念するという声もあったんですけれども、今回の、先ほどの発言にもありましたように、そういったリバウンドの可能性、今、可能性として低いと考えられるような水準にまで、今、感染者の状況が落ち込んでいるというような理解なんでしょうか。
○丸山知事:リバウンドのリスクというのは常にあるでしょうね、常にあります。例えば県外との往来が緩くなってしまえば、県外由来の感染も増えてくる。だから県外往来というのは引き続き自粛をしていただく。そういう意味で、もう絶対に大丈夫ですなんていうのは、それは言い切れませんよ。ただ、島根県としては、今の感染者数というのはコントロールできている、対応できている数字で、どういう感染がどこで起きているかということが把握できているような状況なので、そういう意味で、それは増えるかもしれませんけども、それでも対応できるだろうと、今のやり方で、言ってみればまん防前の島根県のやり方で対応できる範囲に収まっているという認識です。
厳密に言うと、島根県は、小さなリバウンドは経験しています。一度ピークの3分の1ぐらいまで下がったけれども、半分まで戻りましたね、大体。それがまた一つ下がっているという状況でありますから、小さなリバウンドは経験をして、今のところ、その小さなリバウンドを一つ頭下げることができているので、そういったことは繰り返されるかもしれませんけど、リバウンドが来れば、そのリバウンドの原因を確認して、それに対して対策を講じていくというやり方を丁寧にやっていくしかないんじゃないかというふうに思っています。
○NHK:分かりました。ありがとうございます。
○中国新聞:今、下がり切っていないというお話もありましたけども、その要因としては、主なところになるかもしれないですけども、どんなふうに考えていらっしゃいますか。
○丸山知事:それは、オミクロン株の特徴ですよ、感染力がすごい強いから。
○中国新聞:あとですね、高齢者施設なり、学校の対策なんですけども、具体的にはここの中では触れられていないと思うんですけども、何か考えていらっしゃることがあればお願いします。
○丸山知事:いや、それはもう、対策は明らかなんですよね。学校の活動オリジナルで、学校の活動って、別に何かお客さんがたくさん来て人が往来するわけでもない。高齢者の入所施設もそうですよ、新しい新規入所者が入られるだけだから。人の往来というのは、基本的にはないわけです。ただ、そこに日々通ってくる人がやっぱりおられるわけです。学校の場合は、そこは全員ですよね、全員。高齢者入所施設の場合は、施設入所者は施設の中から出られませんけど、職員の方は家庭と往来をされる。そこですよね。つまり家庭ですよ。家庭から持ち込まれるんです。だから、私が何度も言っているように、本当に家庭に対して何のアプローチもせずに高齢者とか学校を守るって空理空論じゃないかと申し上げているのはそこですよ。家庭からの持込みをいかに抑えられるかということなんですけど、実際は無症状感染もあるので、症状があればすぐに受診してくださいということを徹底していただくこと、これが一番です。でも、無症状があるから完全にできない。だって今、簡易検査キットで高齢者施設の人に毎日、簡易検査でもやれればやりたいですけど、それが物がないんだから。どこだって同じでしょう。対策ないわけですよ。
つまりは、発生が確認されたら、発生の端緒を早く見つけて、早く介入していく、保健所が。もうその繰り返しです。ここのところの学校の感染もありますけど、学校の中で家庭から、家庭で感染が広がれば、その子が無症状で学校に行くのは避けられないですよね、それは誰のせいでもない。そこで症状が出たり、仮にほかの子どもさんにうつって、そこで症状が出たり。そこで早く、そのファーストタッチのところを、初めてその感染を見つけれる場面を逃さないということですね。なので、これは結局、医療の世界ではなく、もう保健所の世界なんです。あと、学校と施設の協力をいただいて、それをきちんと丁寧にやっていくしかなくて、これはもうミクロの対策しかないと思うんです。
幸い島根県の場合は、1月中旬の部分休校をやらせていただいたんで、あのときは、正直言って家庭の感染が学校の中で広がるケースもあって、それがまた別の家庭に戻っていくみたいなことがあったので、学校を止めることで一旦、各家庭の中での感染にとどめてもらって、学校が感染を広げる場にならないようにしましたけども、今は、感染は大体、学校でも、それはケースはありますけど、今のところ家庭の中での感染者がおられて、家庭の中で感染が広がって、その子が感染が見つかるというパターンで、そこで学校の広がりがないというケースが多くなっています。全く学校の感染が疑われない、疑うものはゼロだとは言いませんけども、今は家庭での感染がちょっと学校に染み出す、染み出したその瞬間で確認ができて、これもだから家庭の中での濃厚接触者の待機とか、そういう保健所がやるべき仕事をちゃんとやって、家庭での対策をちゃんと講じてもらっているから学校に持ち込まれるケースが減ってきている。
そういう、魔法みたいに棒を振れば何か対策ができるなんていうものは存在しないでしょう。なので、感染ルートは明らか。保育園も学校も高齢者施設も、全てそこに通われる、集われる方の家庭由来でしょう。なので、家庭から持ち込まれるのを早く発見して、その都度対策を講じていく。だから、保健所がワークしていなければ、保健所がきちんとワークしていないような状況で、保健所がそういう機能を失っているような状況で、一体どうやって高齢者施設とか保育園とか小学校の感染を抑えていけるんだろうかと。魔法のつえでも持っておられるんだろうかと。
私は、島根県は保健所の機能という形で、それを発揮する形で、そこでの感染の広がりを抑えていくというツールを今、この手に島根県知事は持っています。それが対応できる範囲内であれば、まん延防止等重点措置みたいなことや、学校の休校とかはやんなくていいと。ただ、必要が出てくれば、とても今のやり方で、従来のやり方でカバーし切れないという状況になれば、もう政府に重点措置をお願いするとか、市町村長さん方と協力して、理解をしてもらって最小限の範囲で学校の休校などをするとかというのは、それは臨機応変でやっていくという感じですね。
○中国新聞:ありがとうございました。
○丸山知事:ちょっと配っている資料に付け加えて申し上げた内容なんですけど、松江市に、いわゆる登園自粛のお願いの延長を検討してもらうようにお願いする予定です。これは決して、いろんなやりくりをして何とか20日まで登園自粛ができたという御家庭が多いと思いますけども、その方々に、さらに延長してくださいということではなくて、その先も対応が可能であれば御協力をお願いしたいということでありますので、いろんなやりくりをして20日までの算段はついたけども、それ以上と言われても対応できないという御家庭があれば、それは登園していただくということは当然だと思っています。そういった形で、難なくできることだとも思っていませんし、今やっていただいている方々が自動的に延長できるという状況でもないということは松江市とも確認をいたしておりますので、そういった形で、可能な範囲で御協力をいただきたいという内容として松江市に検討していただいている内容でありますので、報道の文面で触れる機会があれば、その意図を入れていただければ大変ありがたいというふうに思っております。
私から補足は以上です。
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