2月15日質問項目1
○山陰中央新報:今お配りいただいた、こういうツイッターも御紹介しながら、かなり強い思いが見えたんですけれども、改めてポイントと、この時間内でお話し足りない部分があれば教えていただけますでしょうか。
○丸山知事:申し上げたとおりで、この状況が医療逼迫とか緊急事態宣言を出さなくていいという状況なのかと、これがまさに医療崩壊じゃないのか、こういう状況が起きていないかどうかを政府が各都道府県に検証を求めて、こういう状況が起きているのであれば、重症化、重症病床の病床率が40%だとか、そんな話じゃないだろうと。これが起きても緊急事態宣言が発令されないのであれば、緊急事態宣言の意味はないだろうと。私は法律違反だと思いますね、裁量ではないと。まん防は「することができる」になっているけれども、緊急事態宣言は政府対策本部長、総理が一定の状況になったらやらなきゃいけないというふうになっている。こういう状況を把握することが、感染者数に一喜一憂することよりもはるかに大事だと。
数字がピークアウトするかもしれません。ただ、皆さん御存じのとおり、沖縄県を見てください。広島県、山口県、島根県、鳥取県ですら、第5波のようにすとんと落ちていきませんよ。後半になればなるほど高齢者の比率は上がっていく、重症化していくということは、もうこれまでも初期に比べて高齢者の比率は上がっているというデータもあるはずなので明らか。感染者数なんて、軽症だから大したことないんだと言っていた人たちが、感染者数が減ったから改善したんだというのは、まさに論理の飛躍ですね。はっきり申し上げて、重症化率が低い、だから重症者に着目すれば足りるというのは、感染者数が一定の水準に収まっている範囲内で成立した話であって、結局のところ、率が低くても感染者数が多過ぎて死者がたくさん出るような状況になるということは、それは医療逼迫を招いているんだから、医療崩壊と言えますよね、この例だと。
だから、もうベンチマークにするところを間違ったんだと、ベンチマークをもう正確に取りようがないから、個別の事案を確認して、日本国民として許容できないような状況が起きてないかどうかという観点から緊急事態宣言を出すべきでないかと。政府の自由裁量ではない。これは法律に基づく行政であって、法律は国民の意思ですよ。国民の意思に沿って行政府は法律を執行しなきゃいけない。その大原則に合っているのかどうかということを政府に考えてもらう必要があるんじゃないかというのが一つ。
これは、今のは政府ですけど、地方団体側も認識を改める必要がある。感染者数が多いから重症化のところを見とけばいいと言いながら過去最高の死者数になっているなど、都道府県側も見立てを誤った。感染者数が幾ら増えても大丈夫だ。大丈夫じゃない。
さらに、私が許せないのは、この状況になってもなお業務の省力化だ、オミクロン株に対応した対応だといって、感染を許容する方向で物事をどんどん進めようとする人がいる。これは、政府の感染症の専門家もその一人、一員だと、これを許容していると。
私はこの感染症というものに従事して僅か2年の素人だけど、こんなことは中学生でも分かる。掛け算で、片方の係数が低くても、もう一方の係数が高くなれば、掛け合わせて出てくる数字は増えるでしょう。中学生でも分かること。それを政府が厳選した専門家が間違った。そして、そんな人たちが6波の出口戦略を議論するといって2類から5類の議論をしようとしている。そんな人たちに議論させていいのかと、国民は信用するのかと。間違った人たちを排除するべきだ。政府に助言する立場で大きなミスをした人は除外すべきですよ。
そして、その間違った方向で物事をいまだに進めようとしている一部の都道府県知事も認識を改めるべきだと思います。だって、何もしない。自主療養だ、自分で選んで療養するという制度、もうこれを厚労省が認めた。それを使ってるだけだというふうに言い訳するかもしれないけども、自由に選べますよといって何もせず、登録だけ求めて、そして、挙げ句の果てに食料は自分で調達しろ。そう言われた人が、自宅に待機していてくださいねと言われて、待機してくれますか。それを期待するのは、それは甘ちゃんだよね。出ちゃうよ。私はもうそんな地域との往来は厳に慎んでもらわなきゃいけないと思う。人流抑制に意味はないなんて、そんなことはない。こんな地域がある以上は、そういう地域との往来は厳しく制限しなきゃ駄目だと私は思います。
ともかく、もう間違ったんです、その見立ては。間違ったことを認めて、反省して、自分はその任に堪えないといって間違った専門家はもうさっさと辞めて、新しい人を選ぶべきですね。そんな間違った人、間違ったことも認めず、いまだのうのうと座っているような人を、この国難においてアドバイスを求めるなんてことはやっちゃいけないと私は思いますよ。
それから、専門家について触れようと思ったんだけど時間がなかったんで。1月21日に専門家有志という方々が、21日の時点で、2週間前後でピークアウトする可能性があるという提言を出されました。これは有志と言うけども、厚生労働省のホームページにアップされている。広く報道されましたよね。一部の報道の中には、その見立てに基づいて政府も、あといっときすればピークアウトするという期待の下に政策判断されたというふうな報道もあります。まさに政府の判断を誤らせた人たちがのうのうとその席に座って、これからの日本の感染症対策とか6波の出口とかを議論する資格はない。仮に能力があっても、その資格はないと私は思います。これが言えなかったところ、補足ですね。
ともかく、感染者数を減らしていく努力をしなくていいという、オミクロン株だから仕方がないという開き直りをやめるべきです。そうしなければ、なぜ高齢者施設で感染が起きるのか、入所者の人が感染するのはなぜか。それは仕方ない、職員の方がやっぱり家庭があって、ずっとそこにとどまってるわけじゃない。その家庭の感染はどこから来ているのか。大人の行動もあるでしょう。でも、学校の感染が影響してないわけがない。それを放置して、何も手をつけずに、ただ単に学校の感染対策を強化して、何するんですかと。ちゃんとやってて、感染起きてるでしょう。これ以上何すれば感染が収まるの。具体論もなく空理空論を言って、学校を止めるべきじゃないとか、仕方ないんだという政策判断をされている。理解し難い。
私は、申し訳ないけども、学校の休校をしました。場所を選んで、学年を選んで、そして小学校低学年、それから進学、就職を予定した人たちへの配慮をした上で。何でそれぐらいの工夫ができないんだ。何で一斉休校しか思いつかないんですか。頭が悪過ぎる、工夫がなさ過ぎる。そして、現場任せで感染対策を強化して、学校継続。
よく見てください。保護者の方からの反応は。今日も子どもを学校に行かせてしまったと。保健所が崩壊している地域ですよ、大体が。積極的疫学調査をちゃんとやってくれない。学校任せとかという対応をしているところに子どもを行かせろと。自主登校も認めるというふうなことをしてるとこもあるけど、じゃあ休んだら学校、学びの保障はどうなるんだ。おまえたちが勝手に休んだから、おまえたち仕方ないだろって切って捨ててるじゃないか。感染を収めて、そして学校に行けるようにするのが学校の設置者の仕事じゃないのか。何か耳に心地よい空理空論で物が進まない状況になっている。どうやって今のような高齢者施設で、職員にもっと頑張れといって感染を防ぐんですか。
これは人に言っている話じゃないですよ。私の戒めなんです。日本陸軍の太平洋戦争における最大の愚かな作戦と言われているのは、ビルマ戦線におけるインパール作戦という作戦があります。インパール作戦の司令官、将兵に何と言われていたか。ばかな大将、敵より怖い。トップがちゃんとしないと、職員さんは十分な成果を出してくれません。私は、固有名詞は分かっているけど、牟田口さんという人だけど、そういうような人間であってはならないと思ってやっていますけどね。多くの人が戒めとすべき言葉だと私は思いますね。コロナが怖いんじゃなくて、コロナを指揮している我々が間違っているんじゃないかという臆病さを持って、我々がやっていることが正しいのかどうかというものを常に検証して、見直さなきゃ駄目ですよね。
私は2年前の一斉休校を見送りましたけど、休校すべきじゃないとか、一斉休校は駄目だとか、そんなイデオロギーとか教条主義じゃない。現実に対応することとして今必要がないから、そのとき必要がなかったからやらなかった。必要なときには工夫してやる。これが今回ですよ。
休校すると、学びを保障してないとかって言われるなんて心外極まりない。私は今回の休校で、休校した地域でクラスター起きてないでしょう。安心して学べる環境をつくることができた。これは保護者、生徒、それから先生方、そして保護者の勤務先の御協力あっての成果ですけど、そういった皆さんの御協力をいただいて、そういう環境をつくることができたと思っています。
片や政府は、少なくとも政府の専門家は、2年前の一斉休校に懲りたのか知らないけども、思考停止して、学校の感染対策を強化してとか、高齢者対策を強化してとか、そういう空理空論で何もせずに自然のピークアウトを待とうとしている。そんな人たちが2類を5類にしようかとかという議論をしようとしている。薄ら寒い世界ですね、背筋が凍る。品がないけどね、でも、率直な偽らざる感想です。
どんなに立派な政策でも、資格が要りますよ、そういうことをアドバイスするにはね。こんなことをやらかしといて、反省もせずにピークアウトの予測を間違った専門家有志は、これはいろんな分野の人が入っているから全ての人の問題じゃないけども、少なくとも感染症の専門家と言われる人たちは間違ったんだよ。間違ったけども間違ったと認めず、平気の平左でしかるべき席に座って、これからを議論しようとしている。あるべき姿じゃないと思います。
それぐらいかな、補足は。
○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
知事がそういうふうに御指摘する状況の中、20日に島根県でもまん延防止等重点措置の期限が迫っていますけども、昨日も囲み取材で非対応になったと思いますが、現状、解除されるか延長されるか、お考えについてお願いいたします。
○丸山知事:これは、政府の日程に合わせて、直近まで状況を確認して判断するという方針でありますので、今の時点では白紙の状態であります。まだ決めていないと。
○山陰中央新報:何日に判断されるとかというところも含めて白紙という。
○丸山知事:まあ白紙ですね。政府に申し出なきゃいけない、仮に延長というときには申出のリミットがありますから、そのリミットまでには判断するという一般論ですね。
○山陰中央新報:分かりました、ありがとうございました。
○丸山知事:政府が決められる日の前日に関係閣僚会議が開かれる、夕方にですね。なので、その午前中には意思表示が必要だというふうに言われていますけど、政府がいつの日に決められるかということがまだ確定していないので、日付を申し上げることができない。木曜か金曜かだと思いますけど。
○朝日新聞:先日の官房長官の会見で、具体的にまん防の適用されている地域について、沖縄、広島、山口と島根を、感染状況がある程度抑制されている地域として上げられていたかと思います。そういう状況もあると思いますが、島根県知事として、現在の感染状況についてはどのように捉えておりますでしょうか。
○丸山知事:一本調子で当然下がっていませんよね。ピーク時の半分の水準、一時期は3分の1に近い数字に下がって、ちょっと戻って、ちょっと上がって横ばいで、結果的には今、ピーク時の半分ぐらいの数字ですから、減ったと言えば減った、ただ、減り切っていないという状況ですので、前者で捉えれば減った、後者で捉えれば減り切れていないと、そういう、見方としては2つあると思います。
○朝日新聞:すみません、関連してなんですけれども、まん延防止等重点措置が適用され始めた時期と比べて、県西部の感染が学校休校などで落ち着いてる一方で、感染の中心がかなり県東部に偏っている状況かと思います。今後、まん防の延長をする場合ですけれども、地域を限って適用範囲を決めるといったような可能性はあるんでしょうか。
○丸山知事:可能性はゼロではないと思いますけども、それは今起きている感染の状況、これは数字だけじゃなくて、感染の内容が、いわゆるまん延防止等重点措置というのは飲食の時短制限を中心とした措置ですから、飲食絡みに効果のある措置を継続するかどうかというのは、飲食絡みの感染者数が相当なければ空振りになるから、それは数字の中身次第じゃないでしょうか。
○朝日新聞:分かりました。ありがとうございます。
○読売新聞:ちょっと話戻りますけれども、今日のお話の中のことで、大阪府の対応において憲法違反だというような御指摘をされてたかと思うんですけど、ちょっと私、その話のあれが分からなかったので、ちょっと改めて教えてほしいんですが。
○丸山知事:憲法違反というか、法律違反と。ちょっと条文は後で配るようにしますけども、新型インフルエンザ特措法の中で緊急事態宣言を規定した部分があります。それは、一定の状況になったときに政府対策本部長は宣言を「するものとする」と書いてある、「することができる」ではなくて。これは、しなければいけないという解釈です。してもいいし、しなくてもいいんだったら、「することができる」と書かなければ。「するものとする」というのは、しなきゃいけないということです。その状況になっているにもかかわらずやらなければ、これは、政府対策本部長が法律に違反しているんじゃないかと、やらなきゃいけない状況でやっていないんじゃないかと、不作為が問われるということを申し上げたんです。
○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。
○丸山知事:もう一つ言うと、木原副長官、大阪府にはもっとやってもらうことがあると。だったらやってもらわなきゃ、具体的に言ってね。
そして、緊急事態宣言を適用するための条件として、政府として設定しているんだったら、みんなに言ってくれないと、予見可能性がないよね。条件を設けるんだったら、条件をちゃんと提示してくれないと、腹の中に持ってもらっても困るし、大阪府との間だけでやられても困るんじゃないかと。透明な行政をやってもらわなきゃいけない。だから、やってもやらなくてもいいんじゃなくて、やらなきゃいけないときにはやらなきゃいけないことだという認識を持って政府に対応していただきたいという要望ですかね。
○読売新聞:ありがとうございました。
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp