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2月8日質問項目3

3.JFしまね

○読売新聞:読売新聞の林です。よろしくお願いします。

 JFしまねの問題についてお伺いさせてください。

 今、海上保安庁が島根県の沿岸部で摘発した85件の密漁事案について、過去5年間の数字ですけれども、JF側が漁業法違反での告訴をしていないという状況が続いているということが一部報道されております。この問題について知事として、報道ベースで御覧になっているかと思うんですけれども、どのようなお考えを持たれているか教えてください。

○丸山知事:あきれてる。あきれている。あきれ返っているというところですね。

○読売新聞:というところですかね。

○丸山知事:結局、漁業権って、法律だけで見ても、皆さんも、特に新聞社とか、テレビ局もお持ちのように著作権とかと同じ財産ですよ、無形財産。それは建物とか現金とかとは違うけども、富を生むことができる財産です。それは、今回の件でいうと、海藻を取ったり、魚介類を捕ったりすることができる権利を自分で持っておいて、それが人に荒らされているということを放置してる。皆さんはそんなことしますか。自分の車を何か、家の前に止めておいて、通りすがりの人がトンカチでもたたいていたら、それはやめろと言いますよね。自分の財産を傷つけられて、ほっとく人なんて、どこに存在するのか。見たことがないですよ、個人でいっても法人でいってもね。背任とか横領というのがそういう世界だけど、組織のお金を抜いてしまう、そんな犯罪以外で、そんなことをする人、普通存在しませんよね。

 誰が責任者か知らないけれども、自分の財産だったら、そんなことするのかと。人から預かってる財産だったら適当に扱うのかと。これは民法の世界だけども、善管注意義務というのがありますよ。委託を受けた人間というのは、人から預かってるものを善良なる管理者の注意をもって管理しなきゃいけないという義務がある。これは会社法でも使われていて、執行役員とか会社の役員というのは、会社の財産、それは株主のものだから、それを預かってる立場だと、だから善良なる管理者の注意をもって管理しなきゃいけないとなっている。その規定は水協法でも準用されてる。当たり前ですわな。漁業協同組合という組織が持ってる財産を管理執行する役職員というのは、ちゃんとその財産を管理しなきゃいけない。それをやってないという。やってないよね。だから、誰か知らないけど、そんなことをやってる人が、まあまあ法律違反だと思うし、もう法律違反でしょう。善管注意義務違反だな。で、もう、漁業法にも違反してると思うし。

 JFしまねにおいて法律違反があるということは、もう驚かなくなってるけども、今回もあきれ返るばかりの実態ではないかと。どこのどいつがこんなことできんのかって感じですね。これで給料もらってるやつがいるのかって感じだ。

 そんな、仕事しないんだったら、もうやめちまえというのが普通じゃないですか。自分の預かってる財産をちゃんと管理できないんだったら、その役から降りろと、そんな仕事するなと、そんなことが普通じゃないの。

○読売新聞:その点も踏まえて、今の話ですと、ですから県から免許を受けて漁業、県のほうから免許を受けてるという中でのそういう対応が取られているということですけれども、県として何か対応とかっていうのは、今考えられてることとかございますでしょうか。

○丸山知事:もうこれは、先ほど申し上げたとおり、水協法、水産業協同組合法かな、で求められている会社法、会社法を準用されてると思いますけど、そういう善管注意義務に違反してる。これは水協法上、追及しなきゃいけない話かもしんないけど、まあまあそういうこともあるし、そもそも漁業法という法律の中に、74条、漁業権を有する者は当該漁業権に係る漁場を適切かつ有効に活用するよう努めるものとするという努力義務が課されてます。事情を聴かなきゃいけませんけども、普通に考えて、努力した結果で今回のようなことが起きるわけがない。だからこの規定に反してる。

 さらに、同じ漁業法の92条第2項で、都道府県知事は、漁業権者が次の各号のいずれかに該当するとなったときは、その漁業権を取り消すことができる。第1号に、漁業に関する法令の規定に違反したときと書いてあるので、取り消すことが可能だという認識なので、取消しを検討することになります。

○読売新聞:それは、直ちにということでしょうか。

○丸山知事:この漁業法は、欠陥のある法律ですよ、欠陥法律。何かというと、取り消すでしょ、県知事が。取り消すと、漁業権を誰も持ってないことになる。今は、JFしまねに与えている漁業権を取り消すと、誰も漁業権を持たない状況が生じてしまうので、今のこの状況ですと、密漁と言われる事象が何の取締りもできなくなる。水産資源が保護されないという弊害が生じます。なので、そういう法改正、多分、簡単なのは都道府県知事が管理すればいいと思いますけどね。そういう取消しを書いてるのに、取り消した後の手当てはしてないという欠陥法律なので、それを、法改正をまず求めていく。まあ一定の期間が要るでしょうから、そういう意味では、取消しは、取消しの事由が、この取消しに当たるかどうかは、まあ1、2か月あれば判断できると思いますけど、取消しの施行期日を1年ほど先に置いて、その間に法律改正をしてもらうというふうなことを求めていくことになるんじゃないかと。これから取消し事由があるかどうか、もう一回精査はしますけど、まあ新聞で報道されてるのが事実だとすれば、弁解のしようがないんじゃないですか。

 自分が預かってるもの、究極は多分、組合員、漁業者のもの、漁業者が広く便益を受ける共有財産ですよね。預かっている、なおかつ、みんなのための財産をたなざらしにしている、盗みに入っても放ってる、そんな人が漁業権なんてものを持ってていいわけがないでしょ。資格がないでしょうが。

 なので、基本取り消す。1年ほど、制度的な手当てはしてもらわなきゃいけないので法律改正を求めて、それを実現してもらう期間として1年ほど置かなきゃいけないだろうと。その間に、本当にこんなことが二度と起きないということが、我々が確証、島根県として確証が持てるような状況が起きれば事後的に撤回してもいいけど、これからちゃんとやりますということを言葉で言ったって、JFしまねの場合は信用できません。信用するに値しない。なぜならば、境港で5,000万円を超える横領事件があった。それを再発防止、チェック体制ちゃんとひきますといって島根県に回答しておいて、課長も置かない、部長も置かない、支所長かな、誰も管理職がいない、そんな状況でお金を動かすことを認めているという現状がこの前の検査で明らかになりました。やると言ったことをやっていない組織が、やると言う。だからそれを信用すると、私はそんなあほじゃない。言ったことをやらない組織が言ったからといって、やるでしょうというふうに信用するわけにいかないでしょう。そうでしょう。

 私は、信頼できる行動を取られてる方が言うことは信用しますよ。問題が起きて、それを直しますと言って、直してない人、私、立場が違うけど、私が必要だと思って出してる命令を実行しない人、そんな人が口で言ったから、そんな人が、そんな組織が口でやりますと言ったからやるでしょう、そんな、私はお人よしじゃないし、島根県もそんなお人よしじゃない。再発防止、何でこんなことが起きてるのか、何でこんなことが5年も続いているのか、原因を確認をして、その根本的な原因が解消されない限りは、それは口で言ったって駄目でしょう。それはもう信義誠実の原則とかからいったって、それは信用するに値しないでしょうね。

 私らは、紙で出てきたから、言葉で言ったから信用しますっていうのが普通の商売だけど、この行政の世界では。みんな誠実に行動してくれるから。でも、これまでのJFしまねの行っている行動は、そういうふうに信用するに値しない行動が続いているので、これから告発しますとか言ったところで、それは信用できないし、告訴期限がもう6か月なんでしょ。そしたら頑張ったところで4年半年ぐらいはもう治癒できないわけだから、そういう意味ではもう、こういう、先ほど申し上げた漁業法で、漁業権に関わる漁場を適切かつ有効に活用するように努める、努めなきゃいけないという義務に違反してるのはもう確定してるんだから、治癒しようがないでしょう。

 だから、基本的には、私はなされてる報道なり、あと、私が思いもつかないような理屈が出てこない限りは、取消し可能だと思ってるし、取消しはすることになるんじゃないですか。ただ、やり方を工夫する。施行時期、実施時期を、猶予期間を置きます。それまでに法改正をしてもらえば問題は起きないし。法律が改正されずに、JFしまねが信用できるような状況にならなければ、それは実行されることになるけど、それは仕方がないよね。水産庁がちゃんとやらないの、そんなの、こっちがかぶれない。欠陥法律を直さないのは役所のせいだ。

 漁業者がかわいそうだと言う人もいるけれども、今のこの状況をつくってる、その原因は何なのかと。それは、会長を選ぶ権限は理事会にある。理事を選ぶ権限は総代にある。総代を選ぶ権限は組合員にある。組織に問題がある。役職員に問題がある。JFという組織、組合員ではなくて職員とか幹部に問題があるとしても、それを正す権限は、水協法上、組合員に与えられている。ちゃんとした総代を選ぶ、ちゃんとした総代がちゃんとした理事を選ぶ、ちゃんとした理事がちゃんとした会長を選ぶ、また選ぶ選ばないじゃないとしても、ちゃんとした業務執行をしてもらう、ちゃんとやれと言わす、言う。ちゃんとやらなければ理事会で物を決めるときに否決すればいいんだもん。総代会だってあるでしょう。そういう組合員として与えられてる権限を、組合員の皆さんがきちんと行使してないことが現状を招いてる。そういう意味で、その責任の一端は確実にある。なので、そんなことになったら困るというのであれば、自らの権限をきちんと行使しなさい。それをしてからの話ですよ。自分ができることをやらずに、人に助けてもらおうったって、助けてもらえないですよ。現状を改善するのは、まず自分の行動からです。JFしまねは、組合員から成り立ってる。組合員がちゃんと行動すれば、組合の問題は解消されるはずだ。それは特定の役員のせいとか、そんなことだけではない。問題があるものを、問題を、その問題を解消しようという仕組みを働かせていない、最終的には組合員の側に責任もある。組合員の側にも責任の一端はある。それは県の指導がこれまで十分でなかったという意味で、県側にも責任の一端はあるでしょう。でも、組合員の皆さんにも責任の一端はある。一番、今のJFしまねの問題を解消する権限を持ってる、権限、権能を持ってるのは組合員の皆さんだ。だから組合員の皆さんが真面目に、真剣に行動されれば、いろんな問題というのは、組合員の皆さんが困っておられる問題というのは、ほぼ100%解消すると思いますよ。それを行政側とか人に求めてるから問題が解消しないんじゃないでしょうか。総代にちゃんと仕事をしてもらう、またはちゃんとした人を選ぶ。理事にちゃんとした人を選ぶ、理事にちゃんとした仕事をしてもらう。会長にちゃんとした人を選ぶ、会長にちゃんとした仕事をしてもらう。人を替えるか、今いる人にちゃんと仕事をしてもらうということを求めることはできますよ。選んじゃったから仕方がないじゃない。

 これは政治の世界も同じですけど、投票するときだけが民主主義じゃないんです。自分たちが選んだ人、自分たちが選んだ人に、今の県政とか、今の市町村行政、今の国政で、こういうとこが足りないから、こういうところを直すべきだというふうに働きかけるのも含めて、これが民主主義なんですよ。選挙のときだけ民意が注入されてるんじゃ、それは間は空白だから、そういう働きかけをしていくということが民主主義だし、そういう意味で、組合員がJFしまねという協同組合を運営していこうと思うのであれば、それは選んでしまったから仕方がないじゃあ駄目。次選ぶときに、人を選ぶ、または今選んだ人が不十分な仕事をしてるんだったら、ちゃんと仕事をしろと言う。それはできるでしょ。それを皆さんがしてるのか。誰かが何かをやってくれるとかって待ったって、組合員から成る組織だから、組合員の方が一生懸命やらないと、組合の問題は解消しない。これは明らかでしょう、この問題に限らず。

 だから、漁業権が取り消されると組合員が困りますといっても、組合に問題があってこんな問題が起きてるんだから、組合員として、組合を変えれば問題はなくなるでしょう。その余地は残しますよ。そういう意味で、許可を取り消すとしても、そういうふうな改善がなされるに必要な期間というのは置くという意味も含めて、先ほどの法改正の意味も含めて、それは一定の期間は置かなきゃいけないだろうと。ただ、もう取り消すべきかどうかというのは、これまでの行状でもうほぼ決まってる。やるかやらないかは今決めれる。それをやる時期を先に置いて改善を待つ。または制度的な不備を直してもらう期間として一定期間を置くということを、今、私の頭の中では考えてます。

 なので、こういう問題は早急に解消されることと、何でこんなことが平然と行われてきて、誰も指摘せずに続いているのかという根本問題をちゃんと突き詰めて、その根っこを正さないといけないでしょう。やりますって言ったって、口だけだったら何とでも言える。

 何とでも言って、やらなかった実例が実際にある。5,000万円の横領問題なんて、屁とも思ってなかったということが、ほぼ明らかになってる。それが分かってる以上は、これからこうしますということだけで、はあ、ようござんしたねというふうに言うことは、私が県知事である以上は絶対言いません。

○読売新聞:すみません、ありがとうございました。

 一応確認なんですけれども、先に県としての事実確認が先行するということだと思うんですけれども、もう既に予定されてることはございますでしょうか。

○丸山知事:報告徴求を今日付で出しますよ。

○読売新聞:分かりました。後ほどこちらにもということですね。

○丸山知事:多分報道対応すると思います。資料提供すると思いますけど。

○読売新聞:分かりました。ありがとうございました。


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