2月8日質問項目1
1.令和4年度当初予算案、島根創生計画
○山陰中央新報:山陰中央新報の原田と申します。よろしくお願いします。
新年度の当初予算についてお伺いします。
新年度は、知事の1期目の任期の総仕上げとなると思います。そうした位置づけで予算案に込めた思いや意気込みについてお聞かせください。
○丸山知事:総仕上げというふうになるのか、来年度の当初予算をどういうふうに編成するかによりますけども、来年度予算について申し上げますと、コロナの対応というのは、残念ながらまだ継続するものとして編成をせざるを得ないということで、直近の感染状況を踏まえた必要な施策を準備をしたところであります。医療提供体制の確保、それから保健所等の体制維持といったところに加えまして、県内経済の回復に向けた政策を実施していくということで、今ちょうどまん延防止等重点措置ということで、県民の皆さんの消費活動というのは大変低迷をしている状況でございます。当面は政府の事業復活支援金等の活用を、県内の商工団体等の御協力をいただきながら、これを漏れなく申請、適用してもらうということとともに、感染が落ち着いた段階を想定しまして、いわゆるGoToトラベルの関連の事業、それから残念ながら政府の政策としては、事業として島根県の場合は終了になりますけれども、GoToイートの県単独での実施といった形で需要喚起、きちんと講じていくという必要があると考えておりまして、そういった政策を盛り込んだところでございます。
あわせて、島根創生計画の関連で申し上げますと、既に出生率は高い、この島根の若い世代の皆さんの負担を軽減していくということが欠かせませんので、保育所等にも御協力をいただく形で、放課後での子どもさんの、小学校低学年の方々の預かりをハード、ソフトで支援をしていくといったことを含めて、サービスの拡充といったところにも取り組んでいるところでございます。そういったことを通じまして、コロナ対応、感染拡大防止と経済の回復、そして人口減少対策の取組といったことを切れ目なく実行していきたいというふうに考えているところでございます。
○山陰中央新報:1期目の総仕上げという認識は、まだコロナがこれだけ感染が拡大していると、なかなかそういった認識に立てないというようなことが現状なんでしょうか。
○丸山知事:いやいや、御存じの方はいらっしゃるかもしれませんが、任期最後の予算を暫定予算で組むかどうかというのは一つの判断ですから、本格予算を組むのは今年が最後というふうに言われると、任期の中で最後かと言われると、そうでもないんじゃないかということを申し上げただけです。
○山陰中央新報:分かりました。
島根創生については、なかなかコロナ禍であって、当初の想定どおりにいかなかった部分はあると思うんですけれども、今の現状についてどのように認識をされているかということと、先ほども少しありましたけれども、具体的にどういうふうに加速をしていくかという部分について、もう少し、よろしくお願いします。
○丸山知事:島根の人口減少という課題に対応していくというのが島根創生の取組ですけども、その大本になっている今の現状をさらによくしていくという、その今の現状自体が揺らいでいるのがコロナの感染拡大の状況なわけです。したがいまして、そのベースとなるところをきちんと固めていくということを最優先に対応することが、これは必要なことですので、コロナが必要以上に感染拡大しない、それに伴って、感染が拡大することによる痛み、感染が拡大しないように様々な自粛をしてもらうということに伴う痛みというのは、これは必然的に生じてまいりますので、そういったものの回復手当てということを同時に行っていかなきゃいけないと。
そして、人口減少の様々な課題というのは、つまるところは出生率の引上げ、そして島根で生まれたお子さん方に、島根で働き、島根で子育てをし、島根で老いていただくという人生選択をしてもらうための環境整備をしていくということについては、これはコロナで、県外の企業関係者に会いに行くということができないというようなのはありますけど、別にリモートでできることはできますし、企業セミナーみたいなものも、リアルタイムのリモート、またアーカイブで見ていただくといった形で、工夫してできることはできますので、それはそれで、できることをやっていくということでありまして、県の労力、特に県庁組織としての労力の使い方が大きくコロナに割かれているというところはありますけれども、それはそれで欠かすことができない対応ですから、これはこれで仕方がないと。それを行いながら、できるところをきちんとやっていくということが県知事として求められている姿だというふうに思っておりますので、それはコロナが収まっていけば、その内容をシフトしていくということもできますし、要はバランスですよね、バランスを感染状況に応じてうまく取っていく。特に今の状況ですと、不必要に感染拡大させるということは大きな痛みを伴いますので、ともかくこれまでも隣県、鳥取県と同じように取り組んできましたけども、感染が比較的、感染水準が低い地域といった地域でのそういう姿というのを維持できるように、コロナの感染拡大局面、最終盤に近いという期待はいたしておりますけども、最後までそういう、今回はまん延防止等重点措置の支援をお願いすることになりましたけれども、そういった中でも極力感染者数を少なく、経済の痛みを小さくしていくということを当面の課題として対応していきたいというふうに思っております。
○山陰中央新報:県議会等でも議論があったかと思うんですけれども、創生計画の、先ほども言われた2つの大きな目標、合計特殊出生率の話と人口の社会増減の目標がそれぞれ立てられていると思うんですけれども、もともと高い目標だった上に、さらにコロナ禍でハードルがさらに上がってるというふうに感じるんですが、その辺、目標を軌道修正するようなお考えというのは現時点でありますでしょうか。
○丸山知事:ともかく今、原田さんおっしゃったとおり、コロナの対応というのが島根創生の取組に加わってる状況でございます。それと、影響なしという状況ではありませんので、それは影響が出てますけれども、まずはコロナの感染というのが収まった後でないと、そういった腰を据えた議論というのはしようがないので、そういうことを議論してるいとまはないというのが今のところだと思っておりまして、先々の課題としてそういうことが考えられるかもしれませんけども、今、当面する課題ではないという認識であります。
○山陰中央新報:分かりました。
財政運営のほうも依然として厳しい、一時的なものでやりくりをしてる状況というのはあると思うんですけども、コロナに加えて災害の状況なんかもあって、基金残高や県債残高で中期財政運営方針で定めた目標が達成できるかどうかというのが非常に厳しい見通しだと思うんですが、この目標については、どのように受け止めておられて、修正するお考えはあるかどうかというのをお願いします。
○丸山知事:これもコロナがどう推移するかにまたよりますから、結局コロナの話が落ち着かないと、目標をどうするのかという話、目標自体を変えていくのかどうかということの議論をする段階にならないと思っていますので、まずは今できることを当然やっていくということの中で、コロナが落ち着いた段階で検討すればいいんじゃないかというふうに思っております。別にコロナがあるから無駄遣いをするわけでもないし、コロナの対応をしながらも、それは当然、予算の査定なり執行なりというのは厳格に行っておりますので、そういった財政の健全化ということは並行して進めておりますから、そういったことを最大限取り組みながら、出てくる結果を見て、取組として非現実的な目標になっているということになれば見直せばいいですし、まだまだ到達可能な目標として維持すべきだということになれば維持すればいいし、もっといい数字にできるということであれば目標を上積みすればいいと思いますし、ともかくコロナが、というよりは、制御不能なものに対応している間というのは、取りあえずそれに対する対応を終わらせてからの話になるんじゃないかというふうに考えているところであります。
○山陰中央新報:分かりました。
○中国新聞:すみません、中国新聞の松本です。
ちょっと予算のことに戻るんですけども、島根創生計画についてなんですけども、そこの部分だけコロナの対応でできるところということでしたけれども、島根創生に焦点を当てたときに、戦略的な考え方みたいなところはあると思うんですけども、そこをちょっと教えていただきたいんですが。
○丸山知事:何を教えればいいの。
○中国新聞:どういう戦略をもって今回の当初予算の中で島根創生計画の実現に向けた政策を打ち出しているかというところなんですけども、そこの部分の考え方です。
○丸山知事:これは別に当初予算に限りませんけど、まずもう既に高いですけど、出生率を引き上げるために、まず若い皆さん、若い方々に島根に残ってもらう、戻ってきてもらわなきゃいけない、そういう意味で産業振興をしていく。コロナの対応でいくと、コロナで廃業が増えるといったことを最大限避けていかなきゃいけないということで、雇用を確保していくと、若い方々の雇用を確保していって、そして若い方々が島根で子育てをしていく際に必要になる様々な公的な支援、学校、教育の充実だとか、今年度の予算で新規事業で上げているのは、放課後児童クラブの充実、これは継続してやってますけど、さらに放課後児童クラブだけではなくて、保育所が学童を小規模で預かっていただくという国の制度もありますので、そういったものに対応してもらえるような支援措置を講じていくという形で、子育てをされていく、仕事と両立しながら、共働きで仕事をされているという世帯が多いわけなので、そういった子供さんの学び、育ちに必要なサービスを、保育の待機児童の解消はほぼ実現できているので、次は小学校低学年の方々に対するサポートを充実していくということを今取り組んでいます。
そして、なおかつ人口減少の現れ方というのも、離島・中山間地域と松江・出雲の旧市地域とは大分違いますから、そういった地域、過疎地域での機能を確保していくための小さな拠点を使った、生活機能の確保ですとか、空き家の解消といったところに対する新しい支援メニューを設けていくといったこと、そして、実際に子どもさん、県外に大学進学等で出られる、大学や専門学校の進学で出られる方々へのアプローチとして、就職のアドバイザーを広島事務所に増員配置して、山陽圏での具体的なアプローチの密度を増していくといった形での新規事業を立てていくといった形で、基本戦略が毎年変わるわけじゃなくて、基本的な考え方は変わりませんけども、そういった中で新規とか拡充のメニューを追加をして、足らざるところを足していくといった形でそういった人の流れをつくっていくという考え方、これは大きくは、令和元年度から変わらず、そういった枠組みで取り組んでおります。
○中国新聞:あと、先ほど、最初の質問とかぶるかもしれないんですけども、1期目の総仕上げという点で、ちょっと考え方いろいろあるかと思うんですけども、1期4年の中での今回の当初予算案の位置づけというのは、どういった思いがありますでしょうか。
○丸山知事:私はそういうのはあまり、自分の任期の中で何年目だから、まあ1年目はちょっと特別な位置づけがありましたけど、2年目も3年目も4年目も、1年目で、1年かけて島根創生計画をつくって、基本的な政策の枠組みをつくっておりますので、それを着実に進めれる範囲で最大限進めていくというやり方なので、もう4年目でここだから無理してここまでやるとか、ここら辺で控えておくとかということじゃなくて、今やんなきゃいけないこと、今年一年見通して最大限やれるところを取り組んでいくというやり方を積み重ねていくというやり方ですね。
○中国新聞:分かりました。ありがとうございました。
○山陰中央新報:すみません、山陰中央新報の佐々木です。
先ほどの質問と関連するんですけれども、当初予算の中でふるさと島根定住推進事業の中で、先ほど知事もおっしゃいましたけれども、大学生への働きかけとかアプローチということで力を入れていかれるということですけれども、この年代に絞る理由というのをちょっともう一度、確認の意味も込めてお願いいたします。
○丸山知事:それは担当から聞いて。その年代って、何歳のこと。
○山陰中央新報:大学生とか。
○丸山知事:大学生。だから、大学、進学先として多いから、山陽が。
山陽、岡山、広島が最も専門学校、大学含めて、県外での18歳、いわゆる18歳時点での進学先として一番多い先だからですけど。
○山陰中央新報:人口増に向けて若い人に残ってもらわないといけないという観点かなと思ったんですけど。
○丸山知事:残ってもらわなきゃいけないというか、出られた方に対するアプローチは、残っている方に比べて、やっぱり積極的にやらないとできないので、なので体制をこれまでよりも強化をしていくということです。出られてしまうと、やっぱり友達がどこら辺に就職するかとか、大学の先生に勧められるところとか、そういう行った先でのペースでやっぱり就職先を選ばれるケースが多いので、そういった意味では、島根ということを選択肢に持ってもらうということは、それは自然体でいくとなかなか、自然体で放っておくとそうならないという問題意識で、やはりこちら側から大学別に出身者にアプローチをしていくとか、連携協定を結んでる大学もあるので、そういったところに対して出向いていくとか、そういうことも含めて、就職の際に島根での就職というのを具体的にイメージしてもらえるようにするためには、出身者だから当然選択肢に入れてくれるだろうと思わずに、きちんとアプローチをしていくという必要性があるというふうに我々は分析した結果であります。それを一遍にというのもありますけど、そこはやはりお金もかかることですから、密度の濃いところから先にやっていくということで、まず山陽側、広島、岡山を厚めに対応していくということですね。
今回は、学生就職アドバイザーの県外事務所、広島事務所への配置に加えて、民間企業に業務委託をすることで、低学年時からのつながりを確保すると、そういうことです。
○山陰中央新報:分かりました。ありがとうございます。
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