1月27日質問事項3
3.島根原発
○中国新聞:島根原発のことでちょっとお伺いしたいんですが、原子力防災訓練、2月2日と5日に予定してたものを、今日、5日はもう中止にされるというふうに伺ったんですけれども、住民参加もしないというところで、縮小を強いられている状況だと思うんですが、2号機の再稼働に向けて住民同意の議論も進む中で、避難対策の状況をちょっと見る一つの機会だったと思うんですけれども、縮小せざるを得なかった状況について、どう受け止めていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○丸山知事:当然でしょう。今この状況であえて実施することについて、これは住民避難訓練って、実際に参加していただく県民がおられるわけです。その方々に、こんな時期だけどやらせてくださいっていって御理解いただけるか。いただけないんじゃないですか。実際、原子力の問題を離れていろんな自粛が、部活動は時間制限がかかったり、高校生、休校が起きてないような高校だってそういう状況になるし、飲食店は時短を求められるし、いろんなことを予定どおりできないことを県自らがお願いしているわけですね。そういう様々な自粛を求められてる県民の皆さんが、この時期にあえてこういった訓練を予定どおりやりたいというふうに県、行政側の都合ですよね、そういったことで御協力、御理解がいただけるかということについて、それは私は自信がないので、そういったことは見送ったということであります。これは、再稼働の議論がされている中なので、それはコロナ禍においてもちゃんとできますっていうことを示したいとかっていう欲得で、私はそう思ってないんだけど、欲得でやろうとしているんじゃないかとかって思われたら、それはもう、コロナの対応、コロナへの協力全般に影響を与えるから、それは原子力防災のためだけに、これをどうするかということを決めれないでしょということです。参加される側の方の気持ち、それを周りで見られる方の一般県民の気持ちからして、やれたほうが、行政側、原子力防災からするとちゃんとできますよって言える機会だけど、そういうことを言うがために予定どおり実施するということが県民の理解を得られるかと考えたときに、得られないんじゃないかと思ったので、今回、中止をしているということでありまして、そういうことですね。
○中国新聞:今回の縮小というのが、再稼働の地元同意の判断のタイミングとか判断材料として、何か影響を与えることがありますでしょうか。
○丸山知事:ないんじゃないですか。だって、今回の避難の位置づけは、再稼働の同意申請が出てきた後の訓練だということと、緊急時避難対応を取りまとめた後、初めての訓練だということですけど、同意の要請が政府からあったから、または緊急時避難対応が決まった後だからといって、新たにクリアしなきゃいけない課題が出てきたわけではないんです。これまでも県外への避難等も含めて、住民参加の避難はやってきたわけなので、緊急時避難対応で新たに県の広域避難計画の中で予定してなかったことが追加されたという項目はありません。我々の広域避難計画が不十分なのでここを改めろと言われたことはありませんので、そういった意味では、できないこと、やったことがないことをこの訓練でクリアしなきゃいけないというふうな課題をしょっていたわけではありませんから、今回の訓練が特別な位置づけだというふうに、そうされたい方はおられるのかもしれませんけど、県側としては、これまでの訓練と同じ訓練、ちょっと冬にやるということがこれまでとの違いですけど、別にその日に雪が降ってくるわけでもないので、雪が降る中でやるとかっていうことじゃなくて、ちょっと冬の時期にやってみるということが新たな要素だったですけど、秋じゃなくて。それを、冬やったことがないから実効性が疑われるとかっていうことでも、秋田県とか何か豪雪地帯、(島根県は)雪国ではありますけど豪雪地帯でもないですから、特別な位置づけがあったものじゃないんじゃないでしょうか。それはイベントとして、政府側の審査が終わって設置変更許可が出て初めての訓練だった、それから緊急時避難対応が出て初めての訓練だったというのは、時系列で合わせるとそうですけど、何かクリアをしなきゃいけないことを実証が試されてた訓練じゃないわけなので、それが中止になったからといって、何か問題が起きるという性格のものではないだろうと、これは、と思ってます。
○中国新聞:一応今回、住民避難、中止になったわけですけども、年1回の原子力防災訓練での訓練が中止になったという意味で、何か改めて代わりに期日を設けるとか、そういったお考えはありますでしょうか。
○丸山知事:いや、今のところ考えてません。だって、もう年度末で、まん延防止等重点措置で保健所に人をたくさん送って、島根創生計画の事業でも先送りすることを前提でやっているという中で、原子力防災の、何か今回中止になるものをどこかでフォローするとかっていう形式のためにあれこれ仕事を組み直すというわけにいかないでしょう。
○中国新聞:ありがとうございます。
○山陰中央新報:山陰中央新報の高見です。
すみません、先ほどの原子力防災訓練に関連してちょっとお伺いします。
昨年の春に、コロナに関する感染症のマニュアルみたいなものを、訓練のときに使えるものっていうのを作られたと思います。この感染拡大期だからこそ、本当に機能するのかみたいなところも少し気になるところであったりとか、県民から避難計画というところは割と実効性に懸念というのはずっと根強くあるところではあると思うんですけれども、知事、これまで避難計画の実効性、訓練を通じて高めていくみたいな発言をよくされてたと思います。年に1回の大事な時期での訓練が今回は規模が縮小されて、住民の参加がなくなったというのは、全く影響がないと、特別な事情がないと言い切れるかなというとこがちょっとあるかなと思うんですが。
○丸山知事:それは、そう思われるんだったら、そう書けばいいじゃないですか。私は自分の考えを示したからさ。
○山陰中央新報:はい。
○丸山知事:意見が違うんだったら、違う意見で書かれればいいんじゃないですか。
だって、マニュアルは、前回、感染症を前提としたマニュアルも、御指摘のとおり作って、何をすべきかということというのは決めてます。今回訓練をして、それからマニュアルを作らなきゃいけないというふうな訓練だったとすれば、訓練ができないことでマニュアルができないということになったかもしれないけれども、マニュアルは作れているので、何か必要なものができなくなるという意味での、そういう影響が出る訓練一部中止ではないんじゃないかというふうな受け止めですけどね。
○山陰中央新報:実効性を高めていくというところに関しては。
○丸山知事:何回やるとかって、そんな、何か1年1回やるとかね、形式論なんですか。
○山陰中央新報:いや、形式論ではないですが、注目されてるこの時期なので。
○丸山知事:訓練を通じて高めていきますけど、その訓練というのは、行政側でやる訓練は行政だけでやればいいけど、住民避難訓練は住民に参加してもらうんでしょう。住民の理解が得られないものを、やりようがないでしょうが。今出てきてくださいって、それは行政の都合でしょ、それだと。何でそんな時期に、こんな時期にやんなきゃいけないんだっていう不満を持つ方々に参加して、そういう方々の気持ちを考え。
記者さんは考えなくていいかもしれないけど、我々は考えるんですよ。だって、別に委託業者さんでやって、委託業者さんだったら、お金出して報酬払ってやってもらうって契約書の対価ですけど、住民避難訓練って、参加してもらうんですよ、地区を決めて。ボランティアなわけですよ。そういった中で、あえてこの時期に予定していたから、予定どおりやらせてもらいますっていうことで理解が得られるとも思えないし、あと、その対象となる住民の方以外の方が、島根県は何かの意図を持って、こういう状況であっても予定どおり避難訓練を、内容を見直しせずにやろうとしてると思われることが、まん延防止等重点措置に伴って追加された様々なお願い事項に対する協力を得られにくくするかもしれないというふうに考えれば、私からすると自然な、もうこれを決めた時点ではまん延防止等重点措置は検討しておりましたので、今のこの状況で説明させていただくと、そういう感染が緊迫している状況で、住民避難訓練の部分を中止をして縮小して実施するということは、ある意味自然だし、当然というか、自然だし、それに伴って何かクリアしなきゃいけない課題のクリアができなくなるという位置づけがあったものではないので、それは淡々と受け止めているということで、自然体の判断ですけど、評価ですけどね。
今思えば感染が落ち着いている秋に計画しておけばできたはずですよね。でも、現実問題として、あの時期は、やろうと思っても、設置変更許可が出て、それで住民説明会を各地で求められて、そっちのほうが優先だったわけですよ。訓練があるから、訓練を優先して、その後に説明会っていうわけにいかないし、職員数も限られているし、それは政府側から、東京から来てもらわなきゃいけないし、こっちの都合だけでできるわけでもないし、回数が少ないと言われる方がおられるかもしれませんけど、それはそれで、県もそうですし、各市も県の説明会以外に物事をやられてたわけなので、現実問題、なかなか秋にやるということは、設置変更許可が9月の中頃に下りたということからすると、現実問題として難しかったというわけで、感染状況は落ち着いている時期なので、そういう意味では適切な時間だったですけど、その時期は、それよりも説明会等の開催、またそれを通じた県民の意見を伺うということを幅広く行うということを優先してやったので、ちょっとそこは致し方ないところがあるんじゃないかと思ってますし、この時期に感染拡大するっていうことが見込まれていたわけでもないので、私は年が明けてまん延防止等重点措置が必要だと思ったのも、それはここ一、二週間の話ですから、これが分かっていたわけではないので、そういった意味で、できたほうが当然よかったですし、それは県民の皆さんにとっても確認できると、メディアの皆さんも確認ができる、我々も確認ができる、それは一番よかったですけど、ただ、今この状況では、予定していたから予定どおりやりますっていう感染の状況にないということでありまして、県として致し方ない判断だというふうに思っております。
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