10月29日質問事項3
3.鉄道事業法について
○山陰中央新報:山陰中央新報の原田です。
来年度の国への重点要望の関係でお伺いします。
鉄道事業法の手続の見直しについて、初めてこの重点要望に盛り込まれたと思うんですけども、改めてその狙いと、それから国に強く訴えていきたいことについてお聞かせください。
○丸山知事:鉄道事業者という、一概に言葉で言えば一つですけど、例えば本県の私鉄であります一畑電鉄さんのような、小規模の鉄道会社もあれば、新幹線という高度なシステムなり、運用のソフト・ハード含めて海外に輸出していこうとされるようなJRの本島3社のようなところもあって、規模が大小あります。そして、発足した経緯、特に国鉄の債務を国民負担を投入して軽減をされた後の債務を引き継いで、分割民営化されたJRといったところなど、完全に今の状況は民間でありますけども、大本、その発足の経緯等を含めて、みんな一緒くたでいいのかということの問題意識であります。それほど規模の大きくない鉄道会社が路線をどういうふうにしていくかということについて、民間企業として基本的に届出でできるというのは、それがおかしいとは言えませんけど、大きな、しかも国民負担を伴って発足できた、そして、今上場ができているという大きな会社について、同じようなルールで扱っていいのかどうかと、ネットワークを保持するという責務を、この発足の経緯を含めて持ってもらうということが、おかしな法律体系でもないだろうというふうに思っているわけであります。
○山陰中央新報:鉄道事業法については、2000年の改正までは地元の同意手続があったと思うんですけれども、今回の要望については、国の積極的な関与というのを求められる一方で、地元の同意というところまでは求めてないような要望内容になっていると思うんですけども、この廃止手続とかに係る地元の関与の仕方というのはどのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:そもそもが、今申し上げたように、いろんな鉄道会社が、鉄道がある中で、私は何か、言ってみれば首都圏とか3大都市圏の民鉄といいますか、私鉄のイメージぐらいまでであれば、届出でどうこうできるというのは、基本的に経済活動は自由だという世界であるんだろうなというふうには思いますけれども、全体として、いろんな収支、ネットワークを引き継いで発足をした、それまでの国鉄なりを引き継いで、国鉄自体にも税の特例なり、様々な税が投入されてきた。それで形成された資産を引き継いで、なおかつ負債は国民負担で軽減してもらって発足したという会社、そのネットワーク、営業路線を区切って引き継いだ会社が同じように届出1枚で路線を廃止できるというのは、正直言ってあんまり合理的じゃないと、公平じゃないというふうに私は思います。イメージが一畑電鉄だったり、完全に民間の鉄道会社をイメージすると、今の鉄道事業法というのは正しいというふうに思いますが、それを全部に適用していいのかというのが、この法改正自体が粗雑だったように私は思います。例外にすべき分野があるんじゃないかというふうに考えていますけど、そこで地元同意が必要なのかどうかというのは、それだときつ過ぎると。地元がオーケーと言うわけがないから、それは事実上できないということを決めてしまうことになるので、地元同意がマストというところまで申し上げるかどうかというところは、まだ一抹のちゅうちょがありますので、そういった書き方はしておりませんけれども、民間企業として、民間の経営判断でこういうことができないのはおかしいというふうに完全に言い切れる方と、そうじゃないでしょという事業者の方はおられるんじゃないかというふうに思います。
○山陰中央新報:島根県は三江線の廃止も経験をしてますし、それから、コロナ禍もあって、木次線についても多少危機感があると思うんですけれども、知事も先週、木次線、利用促進を呼びかけるために列車に乗車されましたけれども、改めて今の木次線の現状についてどのように捉えておられるかということと、それから、今後の県として木次線の利用促進についてどのように関わっていかれるお考えなのか、お聞かせください。
○丸山知事:木次線に乗った感想ですけど、私も正直申し上げて、木次までしかそれまで乗ったことがなかったので、木次よりも南に初めて、トロッコ列車に乗ること自体も初めてでしたけども、路線全体を堪能させていただいたということであります。特にトロッコ列車の場合ですと、ハーフオープンというか、列車の中に閉じ籠もる形ではありませんので、片側は山の緑で、もう一方は田園風景といった、そういった風情でありましたので、奥出雲、出雲の景観、自然を堪能できる、大変観光として魅力のある列車だったというのが認識であります。利用促進につきましては、どうしても沿線人口自体が減っているということ、そして、残念ながら、東京とか東京近郊のようなダイヤ、本数ではありませんので、ちょっと遅くなるかもしれないという仕事の場合に、使いやすいのかどうかという意味では、車から電車に引き戻すということは簡単じゃないかもしれませんが、先ほど申し上げましたトロッコ列車を観光のシーズンに入れていただいていますので、そういったものを含めた利用促進、そして、美肌の観光などにも取り組んでいますので、奥出雲の中にはpH値の高い温泉もありますし、トロッコ列車に乗っていると、何か歩かない森林浴みたいな感じでもありますから、そういったことも含めて、路線を楽しんでもらう。片側でもいいからバスなんかと組み合わせて、トロッコ列車の三段スイッチバックといった、日本でも数か所しかない鉄道の形態もありますから、そこをきちんとPRがまだ十分できているとも思いませんので、そういった希少性を含めてPRをしていくということで、地元利用と観光客の皆さんの利用の促進ということに取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
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