5月12日質問事項1
1.新型コロナウイルス感染症
○山陰中央新報:山陰中央新報の木幡と申します。よろしくお願いします。
先日、土曜日、松江市内の施設への休業要請をしたということで、その関連で何点かお願いします。
休業要請をした松江市内の施設のその後の営業状況はどのように把握されていますでしょうか。また、店舗名の公表というのはいつ頃されますでしょうか。
○丸山知事:本日も続いて営業されていると確認いたしております。店舗名の公表ということを目的とするのではなくて、今は(新型)インフルエンザ(等対策)特措法の24条9項に基づく一般的な協力要請でありますけれども、一歩進んでインフルエンザ特措法の45条2項に基づいて、まん延の防止ですとか県民生活の混乱回避といった観点から、より強い形での使用制限という形の要請をさせていただくことを今検討しているところであります。法律上、それを行うと同時に公表をするという仕組みになっているというだけでありますので、現在の休業要請に対応していただけない場合に、もう一段強い使用制限といった要請をさせていただく必要があるのではないかということで、今検討しているところであります。
○山陰中央新報:45条に基づく要請も今検討されているというところですが、今回、こういった休業要請なり店舗の公表だったりというところで、したところで、調査に協力してもらえるかどうか、まだ分からない部分もあるとは思います。仮にこういう休業要請なり店舗名を公表した後に調査に協力してもらえなかった場合は、どのようにまた対応されますでしょうか。
○丸山知事:これは、今日の午前中の全国知事会議でも保健所の調査に対する協力の、はっきり申し上げませんでしたが、義務化をお願いしたいと、法改正をお願いしたいというふうに申し上げました。今の法律では、この調査に協力してもらうことを強制する仕組みがないというのが現状であります。あくまでも協力を前提としてしか物事が進められないという状況、これは残念ながら法律がそうなっていると。つまり人の、事業者なり個人の権利を制限するということについて、法律の範囲内でしか当然行政はできませんので、その範囲がこの点について及んでいないということで、これは制度的な限界があるということでありますので、これは法律を変えていただきたいということを繰り返し申しております。そういった改正、特に私は結核とか麻疹・風疹といった、いわゆる治療薬ですとかワクチンがあるもの、それをまとめてそういう義務化は必要ないと思いますけども、ともかくこれだけ世界全体、日本もそうですけども、この感染が個人、経済に大きな影響を与えているという状況の中で、治療薬、ワクチンがないという間は、そういった通常では行わないことを特別に行うということは合理性があるというふうに思っておりますので、まさにそのための特別措置法じゃないかと思いますが、残念ながらインフルエンザ等特別措置法の中にはそういった内容が盛り込まれていないという意味で、問題があると思っております。
ちょっと長くなりますけども、もう1点申し上げれば、政府の方針でいきますと、34都道府県の解除が検討されているといった報道もされております。全体としては日本全体、特定警戒に当たるところについても感染が収束の方向になれば解除されるということになるというふうに思いますが、それはつまりインフルエンザ特措法に基づく、今、私からすると不十分でありますけども、そういったもろもろの権限、仕組みもなくなってしまう、そして通常の世界に戻っていく。ということは、今この島根県松江市で起きていること、これは島根県松江市でしか起きてないことでは私はないと思います。個別のことがそれぞれ公表されてないだけであって。ということは、一旦、全国民の大変な苦渋の自粛という大変な労力をかけて何とか収束に向かわせてきたこの流れが、もう一度再燃するという火種を残しかねない状況でこの第一波を終わらせて大丈夫なんだろうかというふうに大変危惧するところであります。他県の知事さんからは火種という言い方をされていましたけれども、山火事に例えますと、火は収まりつつあるかもしれませんけども、そこらここらに赤い炭が残っているという状況、これで安心していいんだろうかと。その炭を一つ一つ消していく。出ている感染、既に分かっている感染、それから追求すべき、調査すべきいろんな感染拡大の可能性があるところ、感染の上流にあるところを一つ一つ丹念に追っていくということが本当の収束に向けた取組でありまして、まさにそういう取組をきちんと進めていくために必要な法制度がなければ、また全国民が今回の4月からゴールデンウイークにかけてのような多大なコストをかけて、負担をかけて、第二波に向かわなきゃいけないということになるんじゃないかという意味で大変危惧をしているところであります。
○山陰中央新報:すみません、少しお話変わるんですが、これまで会見で、知事は松江市の対応について問題点を指摘をしてこられました。改めて市のどういった対応が問題なのかを教えていただけますでしょうか。
○丸山知事:今申し上げたように、保健所の調査というのは一定の限界があります。濃厚接触者に自宅で待機をしていただく、これも任意になりますし、感染者から行動履歴を聞くということについても協力の範囲内でしか、これは当然強制できるものではありませんので、そういう限界があると。そして、今回も立ち寄り先の店舗の協力が得られない。これは当然、松江保健所で一生懸命やられたけれども、どうしても制度的にぶつかってしまう壁だったと思いますので、それは、そういったところが不十分な仕事をされているという受け止めは一切しておりません。ただ、今回の新型コロナウイルス感染症については、県民の皆さんの収束に向けた、感染拡大防止に向けた期待が大変強い、そのおそれも大変強いという状況の中で、これまでやってきたことに加えて、プラスアルファでこういうことができないかというふうに突き詰めて考える必要が私はあるというふうに思っております。厚生労働省のガイドラインでは、最後の日に確認すればいいとかというふうになっているということは、これ(松江保健所の対応)は、そういう意味でルールどおりだったかもしれません。ただ、現実にそういう運用で問題が生じた場合には、プラスアルファで我々が汗をかくことで、行政側が汗をかくことでできることがないかということを最大限考えていくということが必要だと思っておりまして、そこのところに若干といいますか、姿勢の差が出ているんじゃないかというふうに思っておりますが、私自身は、今回の例が典型ですけれども、感染症予防法の限界もあろうかと思います。
ただ、県知事として、この特措法、これは緊急事態宣言がないとできない権限もありますけども、県知事として与えられた権限を最大限工夫して使っていく、これは適法の範囲内で、そういったことを県民の皆さんに求められていると思って、努めて対応しておりますので、そういった意味で若干姿勢の違いがあるということです。ただ、県と市が意思疎通がうまくいってないとか、姿勢にずれがあるというふうなことを表に出していくということ自体が、県民の皆さんに不安を与えるからいかがなものかといった御指摘というのは当然頂きます。ただ仲よくすることでできることを諦めていくという考えは、私は一切ないと。もっとできないかということで詰めていくというのが私のやり方なので、そういう意味では、そういうことをどうしても会見などで触れる形で働きかけていくということになってしまっていることについては、私自身の非力の結果で、大変申し訳なく思っているところでありますが、ともかく県民の皆さんから頂いている期待、恐らく今やっている我々の対応というのを十分だと思っていただいている県民の皆さんばかりではありませんので、そういった皆さんの期待に全て応えられるかどうかは別ですけども、できるだけ応えられるように最大限の努力をしていきたいというふうに思っているところであります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
あと、最後に、今回、保健所は県と市の共同設置ということですが、設置者である知事、市長の間で考えが異なる部分も感じられるというところ、先ほどおっしゃられてた姿勢の違いというところもあるかもしれないですが、現状、そこが知事としてはできているというお考えなのか、そのあたり、お考えはいかがですか。
○丸山知事:折々、違いが出るところを折々修正していると、修正しながらやっているということじゃないかというふうに思います。共同設置というのはちょっと分かりにくい形態ですけども、物事の案件としては二人トップがいると決定できませんので、松江市内で生じている感染の案件については松江市長さんがやられると、安来の案件ですと私がやるという意味では、これは立場がはっきりしております。私自身は、松江以外の保健所を所管する行政の長、松江市長さんは松江保健所、松江エリアの保健所を統括される行政の長という意味では、どうしても同格になってしまうということで、いわゆる県知事として総合調整をするというところではなくて、並立の立場になってしまうということで、そういう限界が、どうしても制度上あるということであります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
○NHK:NHKの西林です。
すみません、さっきおっしゃってたことといろいろかぶってくるところがあると思うんですけれども、ちょっと伺わせてください。
緊急事態の宣言の解除が政府で検討されているというところで、ちょっと改めて、すみません、それに対する評価を聞かせてもらってもいいですか、先に。
○丸山知事:これは、政府において専門家の意見を踏まえて法律に基づいて判断されることですので、それは合理的に適切な判断をされることになるというふうに思いますので、その結果なり方向性について異論を申し述べるわけではありませんが、私個人の事情からしますと、今、こういう休業の協力要請をしたけれども続いて45条に基づく使用制限の要請をしようとしているときに、これは45条の規定は緊急事態宣言の地域でなければできませんので、そういった意味で、言葉がいまひとつですけども、権限をもがれる状況になりかねないという状況については、ちょっと残念だというふうに思っております。ただ、これは感染状況に応じて決まる話なので、権限が欲しいから続けてほしいというふうに言えるものではないと思いますので、ともかく法の制度をもう一度考え直していただいて、平時においても感染を一つ一つ丁寧に追っていって、そこからの広がりをできるだけなくしていくという仕事を保健所が十分にできるような権能を与えてほしい。特に、少なくとも新型コロナウイルス感染症が治療薬、ワクチンが皆さんの手元に届くまでの間で結構ですので、そういった立法措置をぜひともお願いしたいというふうに強く言っていかなきゃいけないと思っております。
○NHK:すみません、その45条に基づく要請も検討されているということですけれども、交渉に向けての手続では、国との協議が必ず必要になってくると思うんですけれども、現段階で進められているかということと、もしそういった調整がどのような方向で今進んでいるかというのを、話せる範囲で教えてください。
○丸山知事:今始めているところですけども、取りあえず向こうにボールが投げてあるというところでありまして、反応というものがまだ返ってきているわけではないということであります。
○NHK:もちろん向こうに今ボールを投げてる状態で、いつになるかというのは分からないと思うんですけども、知事の意向としては、発表したい、要請したい時期としては、例えば来週とか今週とか、そういった意向としてどれぐらいの感じでしょうか。
○丸山知事:いや、それはもう、できるだけ早くしたいという。一般論になりますけど、県民の皆さんの、松江市民の皆さんの気持ちはそういうことだろうというふうに思いますので、できることを最大限、県知事はやるべきだというふうに思われていると思いますので、これは度々申し上げますが、強い要請をする、その結果、手続として公表するという手順になりますので、公表ということを目的としてやるわけではありません。
○NHK:分かりました。
○共同通信:共同通信社の鎌田と申します。
先ほどの休業要請のお話に戻らせていただくんですけども、検査の協力だったり休業要請というのを市や県のほうからあるにもかかわらず、まだ営業を続けていたり、あと検査の協力に応じない、その2つについて、その施設はどういう理由で応じなかったりしてるっていうのは把握されてるものがありましたら教えていただけますか。
○丸山知事:島根県側として直接聞いておりませんので、要約して言ったら誤解を生むかもしれませんから避けます。そういう必要がないというふうに、そういう感染が広がらないような努力を自分たちとして一生懸命やっているからというふうなことをおっしゃっているというふうに伝え聞いています。
○共同通信:施設は施設のほうで対策もしてるし、広がるおそれはないと自分たちで認識しているので関与だったり検査の協力は必要ないと。
○丸山知事:そういう詳細は松江市のほうに聞いていただいたほうが間違いないというふうに思います。
○共同通信:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:ただ、我々としては、そうであれば、PCR検査をして、きちんとそれを確認をするということが何よりだというふうに思っているということでちょっと立場は違うということであります。
○共同通信:営業を続けられてるのは、何か理由はおっしゃってましたか。特に伝え聞かれてることはないですか。
○丸山知事:それは営業を続けたいからじゃないですか。
○共同通信:特に何か詳細な理由とかはおっしゃってなかった。
○丸山知事:休業する理由がないというふうな言い方をされているということですね。
○共同通信:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:我々としては、休業が目的ではなくて、何度も申し上げているように、調査に協力していただければ休業要請の理由になっているまん延防止とかということはもう自動的になくなりますので、ともかく必要な協力を得たいということであります。
○朝日新聞:朝日新聞の浪間です。
14日に仮に緊急事態宣言が島根県において解除された場合に、現在休業要請を出している施設に対する対応というのは、どういった形で今後なされることになるんでしょうか。
○丸山知事:14日で決まるという報道になってますけども、14日に決まって15日から外れるかどうか、6月1日なのか、そのスタートの時期がよく分かりませんので、14日に決まって15日から解除かどうかは分からないだろうなというふうに思っております。それが解除されれば、今進もうとしている45条の手続は取れなくなりますし、取っていたとしても撤回しなきゃいけないでしょう。24条9項については、これは緊急事態宣言の対象地域かどうかに関係なくできる規定でありますので、それは残ると思いますけども。実際、45条に移行しないといけないような状況になっていますので、24条で事が足りるというわけではないでしょうということですね。
○朝日新聞:じゃあ、移行する前に実際解除されたという場合は、24条9項の協力要請というのは残しつつ、引き続きPCR検査への協力とか、そういったものを求めて働きかけていくということになるということでしょうか。
○丸山知事:今申し上げたように、15日以降どうなるか分かりませんので、間違いないのは、緊急事態宣言がなくなったら、45条というのは、着手できていなければできない、着手していたとしても、その日付で撤回をするということになるということでありますので、その後、どう対応するかというのは、相手方がどういう姿勢で臨まれるかということも含めて、その時点でベストの対応を考えなきゃいけないだろうというふうに思っていますので、確定的に今こうするというふうに決めているものはないというところであります。
○朝日新聞:あと、緊急事態宣言が解除された場合に、現在、島根県の学校は休校という措置が取られていると思うんですけれども、その措置に関して緊急事態宣言が解除された場合に、何か新たな島根県としての対応というのを考えていくということでしょうか。
○丸山知事:当然、前提たる事実が変わってきます。緊急事態宣言が出たところをもって5月31日までの休校を決めているということでありますから、今の取扱いをどうするかということを考えなきゃいけないというふうに思いますが、先ほど申し上げたように、新聞報道のとおりだとしても、14日に決まるとして、解除される日はいつなのか、即日、翌日なのか、ちょっと時間を置いてなのかということで対応が変わってくるでしょうし、一つの考え方としては、今、この1か月はこういうふうにしましょうといった形で学校の現場で準備をしてもらってます。これはもう5月末まで緊急事態宣言が出されるという前提でいろんな準備をしてもらってますから、それを一回組み替えることが本当にいいのかどうかと、一旦準備をしてもらっていることをもう一回がしゃがしゃっと変えて混乱させて、対応するための準備期間をつくっていくのがいいかどうかということも、変えることのコストも考えなきゃいけないだろうというふうに思っていますので、そういうことも含めて、教育委員会と政府の決定される内容を踏まえて、よく検討しなきゃいけないというふうに思います。
○朝日新聞:ありがとうございます。
○中国新聞:すみません、中国新聞の松本です。
今の休業要請についてなんですけども、もともと目的としては保健所の調査に協力してもらうのが本筋なんだというお話だと思うんですけども、そもそも調査への協力要請をしなかった、せずに休業要請にされたのはどうしてなのか、ちょっと改めてお聞きしたいんですが。
○丸山知事:それは、協力要請は、たしか5月4日に松江市に提案をして、8日に、結構ですというお話があったので、選択肢として一旦なくなったということでありまして、その中で、加えて市中感染といった認識を松江市の会見で示されて、この問題がないかのような対応を今後されるのではないかというふうな危惧を覚えましたので、県知事として、国との協議は要りましたけども、県知事の権限でできることは何かと考えて、翌9日に休業の協力要請をさせていただいたというところであります。ちなみに、9日の1時に休業の協力要請を1施設にさせていただきましたけれども、結果的には5月9日の夕刻、松江市から調査の協力要請を県知事からしてほしいという依頼がありましたので、今日午前中、協力要請を、松江市からの要請を受けて施設側に対して島根県知事として特措法の24条9項に基づいて協力の要請を私からもさせていただいたところであります。
○中国新聞:すみません、確認ですけど、調査協力の要請を今日の午前中にされたと。
○丸山知事:そうですね、今日午前中。
○中国新聞:松江市の調査に対する協力の要請をされたということですか。
○丸山知事:はい。
○中国新聞:これは、松江市から県に対してそういう要請をしてほしいという要請があったのを受けてということですね。
○丸山知事:そうです。我々に協力しろじゃなくて、松江市に協力してもらう話なので、松江市から申出がないと、協力を受ける側の要請がなければ余計なお世話だと。
○中国新聞:これは、もともと36条の。
○丸山知事:何項ですかね。
○中国新聞:7項か何かに基づく松江市からの要請を受けて県が協力要請をしたと。
○丸山知事:はい。
○中国新聞:施設に対してということですね。
○丸山知事:はい。
○中国新聞:松江市からの協力要請は、5月9日の夕方にあったと。
○丸山知事:そうですね、休業要請をした日の夕方に来ました。
○中国新聞:分かりました。今日の朝、その調査への協力を要請したところ、施設側の対応としては、どうだったんでしょうか。
○丸山知事:率直に申し上げて、今店舗におられる店長さんを含めて従業員の方々が決定権を持たれてるという雰囲気ではありませんので、お伝えをしてるという、受け取っていただいて、会社として受け止めていただいているところじゃないかと思います。そういう意味では特段の、イエス・ノーとかという反応があるわけではない。
○中国新聞:それとは別個に、45条の協議を国と進めてるというお話ですけども、一応知事としては、休業の指示の方向に向けて国には打診してるという理解でいいですかね。
○丸山知事:そういうことですね。指示じゃないです。使用制限の要請だったと思います。店を閉めてもらうという言い方を使用制限というふうに。
○中国新聞:はい。それと同時に店名の公表もという。
○丸山知事:店名の公表は、それは法律上セットになってるという、同じ階段に2つ物があると、それはセットになっていると。この要請をすると、それは公表しなきゃいけないという仕組みになっていると。
○中国新聞:県は朝、調査の協力を要請した時点で、ちょっとまた状況変わってきてるのかなと思うんですけども……。
○丸山知事:いや、ただ、私の理解では、調査が始まったとしても、まだ調査が終わるまで時間はかかりますし、そういう意味では、今24条9項でお願いしている内容は5月の31日までですけれども、調査が完了すれば、その時点で終わるというお願いをさせていただいております。ですので、始まっただけでは物が全て終わってませんので、始まったから休業要請を解除するというよりは、終わるまで休業をお願いするということがまん延防止に必要だというふうに思っておりますので、取りかかったらできるだけ早く終わらせるということが一番いいというふうに思っております。
○中国新聞:今、じゃあ、再度確認ですけど、24条9項に基づいて要請してるのは、休業要請と、もう一つ、松江市の調査への協力要請、2本あるという理解で。
○丸山知事:はい、そうです。
○中国新聞:分かりました。ありがとうございます。
○丸山知事:当然、松江保健所から感染症予防法に基づく協力要請というのは別途されていますので、それに対する口添えみたいな形になりますかね。
○日本経済新聞:日経新聞の鉄村です。
感染が世界的に拡大する中で、今、PCR検査だけじゃなくて抗体検査というのが世界でも行われようとしてます。そして、東京都の小池知事も抗体検査を検討するということをおっしゃってましたけれども、知事としては抗体検査についての考え方を教えていただけますでしょうか。
○丸山知事:詳しく分かりませんのであれですけど、(抗原検査は)PCR検査よりも精度が低いと聞いております。PCR検査の精度は70%だと言われておりますけども、キットの場合はさらに下がるということで、確定的な診断、PCR検査でも退院の基準というのは2回行ったりするぐらいですから、その精度でどういうふうな使い方をしていくかということが、位置づけが大事だと思います。キットでセーフだったから大丈夫なんだとか、そのマル・バツをそのまま使えないということになりますから、そういう誤解を生まないように、うまく、きちんと理解をしていただいた上で普及していかないと。正確な診断に基づかずに、自分は感染してないとか、大丈夫だというふうに誤解されるのもよくないので、私自身は気をつけなきゃいけないのは何か、いいものができたからといって、それが万能だというふうに思っていいかどうか、どこまでの効果のあるものか、それは簡易だからすぐできるという意味での、多分アドバンテージは当然あると思います。ただ精度が落ちるということがあまり報道において載ってないので、そういう間違った認識で政策論が進むのは気をつけなきゃいけないなというふうに思います。そういうことです。
○日本経済新聞:恐らくこのPCR検査と抗体検査と違うのは、抗体ができてるかを確認するためのもので、抗体ができてればこれ以上抗体防壁になって感染が広がらないとか、そういうことを確認するためのものなんで、きっと恐らく意味が違うと思うんですけれども、それについてはどうお考えになられますか。
○丸山知事:その精度自体がまた高くないということだと思います。そのキットで抗体があると出たからといって、精度が95%のものだというものでもない。70%より低いみたいですけど。なので、どう使うか。簡易診断みたいな、多分インフルエンザでもそうだと思いますけど、どういう使い方をすればいいのかということをよく確認をして使うんだろうと。抗体があれば感染しないという抗体なのかどうかというのもちょっとよく分からないみたいですから、抗体があるということと再度の感染をしないということと、またこれも違うようですから、そういう意味で、本当にこのコロナというのがどんなものかということ、抗体の意味ですね、抗体の意味も大事ですし、抗体の有無を確認する精度としてどれぐらいのものかということも含めて、その正確な内容を基にきちんと使っていくということが大事だと思っています。PCR検査(1日)2万件とかっていう話も政策論でよくありますけど、皆さんよく新聞で、テレビでも出てますよね。10人分ぱかっと入れて何時間動かすわけですよね。そうしたらフルで入れば、それはフルで動きますけど、当然、その日のうちに5人分しかないとなったら、それで動くわけですよね。だから100パーセント稼働なんか2日も3日も待って全部埋まってから動かすみたいなことをやるのは本末転倒なので、ある意味、フル稼働で2万件できるということは、つまり実務的に考えれば2万件できるわけがないというふうな話なんですよね。でも、そういうのが何か、もう2万件とかって独り歩きして、2万件を4万件にすればいいとかって話になりますけど、どうしても実際は島根県内の検体というのは必ず10でぴったり来るわけでもなく、当然空きがあって動かしていく。それほどの検体が来なければフルでは動きませんから、そういう非常に観念的なイメージで物事が議論されている嫌いがあるので、そういうことがあまり度重ならないといいなというふうに思ってます。
○日本経済新聞:話がちょっと違うんですけれども、昨日、民間金融機関の方に要請されましたけれども、それで34件で5億円余りということをおっしゃってましたけれども、それは知事としてはどういうふうに受け止めてらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:大体平均すると2,000万円弱の融資申込額でありますから、やはりこれは資金繰りとして、要するに平均ですから幅もあると思いますけども、大きなところも比較的大きくないところも、いろいろ使っていただいてるんだろうなというふうに思いました。ゴールデンウイーク期間中ですから、銀行の窓口を開けていただきましたけども、どうしても本店に限られていたり、全ての店舗ではなかったようですから、実際にフル稼働で相談を受けられてるのは連休明けからだろうというふうに思いますので、これから、これまでのペース、ゴールデンウイーク期間中のペースよりも多くの申込みがあるんだろうなというふうに受け止めております。
○読売新聞:読売新聞の土谷と申します。よろしくお願いします。
ちょっとまた話が戻って、休業要請の施設のことなんですけど、9日の夕刻に松江市からの調査協力への要請をしてもらうというのはお話があって、本日午前中に要請をされたということなんですけど、ちょっと時間がたったのは何か理由があるんでしょうか。
○丸山知事:いや、特段はないです。
○読売新聞:すみません、ちょっとまた話が変わってしまうかもしれないですけど、午前中に要請されたときは何か反応というのは現在のところまで、まだ来てないということでよろしいんでしょうか。
○丸山知事:そうですね。
○読売新聞:実際に休業要請について、その施設側から完全に拒否の姿勢が出てるのかどうかというのはいかがでしょうか。
○丸山知事:会社側の考え方というのはファクスで頂いておりますけれども、これこれこういう理由で休業が難しいというふうな書かれ方はされておりましたが、我々が個別案件に対応した書きぶりというよりは、一般的な書きぶりでありました。それは実は休業要請をした5月9日にファクスで来たというレベルでありますから、我々の個別の中身を具体的に検討されての回答じゃないので、紙で正確に頂いているものはない状況かなというふうに思っております。ただ、実際に休業されておられませんので、決定されているのは休業しないという方針で臨まれているというのが今日までのところでの受け止めです。
○読売新聞:あと、45条への移行で、国と協議しないといけないということなんですけど、その協議自体が始まったのはいつになるんでしょうか。
○丸山知事:今日ですね。
○読売新聞:すみません、また話は飛んで、今日の全国知事会のことなんですけど、実際の施設だったり感染者への調査への協力の法改正ということで、それは罰則を伴うものっていうのを知事は要請されるんでしょうか。
○丸山知事:最後はそういうものがなければ担保するのは難しいのかもしれませんね。それ以外に氏名を公表するとか、そんなことがあるのかもしれませんけど、ちょっと法律論としてどういうものがあり得るかというのはいろんなものがあると思いますけど、そういう罰則というのも一つの実効性を担保する措置だというふうに思います。
○読売新聞:要望の最後で地域交通を支える業種への支援ということも言及されていたと思うんですけど、具体的にどのような支援を想定されていらっしゃるんでしょうか。
○丸山知事:具体論はないです、まだ。ただ、問題認識として、観光、宿泊、飲食といったところは比較的皆さんよく認識をされておられますけども、実際のところエアラインといいますか、飛行機は減便になったり、JRも特急が減便になったりということもあります。若干評価が厳し過ぎるというか、大手に厳し過ぎるというふうに言われるかもしれませんが、大きな会社というのは、これまでの営業利益率とか、利益率である程度、収益力がある企業なので上場されている企業なわけですから、ある意味不遇の期間があっても、その後、取り返す収益力をもともとお持ちだと思いますが、県内での地域交通を担われている方々というのは、そういうJRですとか大手のエアラインのような収益力といいますか、利益率はないわけですね。そうすると、今回の旅客収入ですとか運賃、いろんな収益機会を失ったという期間が長く続いたということがそのまま取り返す機会に恵まれにくい。観光バスとかですと、若干観光のキャンペーンとかで波及するところがあるかもしれませんけど、いわゆる定期の路線バスとかで外出を控えられたり、タクシーに通常ですとお年寄りがお買物で使われてたというのを手控えられたというのは後で戻ってくるものじゃないわけですね。そうすると、それが直接マイナスに響くということがあまりクローズアップされてない感じがしました。ただ、原案には入っていたので、ぜひこの点も強調して言ってもらいたいということを知事会長にお願いをしたというところであります。民間セクターで担っていただいているところでありますけども、我々の生活にとって欠かせないサービスでありますので、そういったものがいわゆる大手と地域交通を担っている方々のもともとの収益構造が、収益力が違うので、そういった観点もきちんと入れて支援が必要じゃないかというふうなことを申し上げたところであります。
○読売新聞:ありがとうございました。
○山陰放送:BSSの秦と申します。
先ほどの地域交通に関して質問させていただきます。
先ほどの、これまでクローズアップされていなかったというところで提案をしたという、指摘をしたということなんですが、知事のほうにそういうふうな、何かエピソードなりが現場から上がってきたんでしょうか。そういった実情が、困っているんだよというような、あるいは知事がいろいろ考えてみて、そういった視点があったなというふうに気づかれたのか、どちらなんでしょうか。
○丸山知事:正直申し上げて、日曜日のとあるテレビ局の特集がありまして、そこで大手の航空会社の話があって、それを我が身に引き寄せて、この地域に落としていくとどういうことが起きてるかなというふうにイメージすると、やっぱりいろんな、鉄道、それから路線バス、そしてタクシーといった我々の身近なところでも、通常ですと上げられている収益が蒸発してしまってるという状況がこの地域でも生じてるなというふうに思ったものですから、そういう意味では私自身が認識するのが遅かったということも含めて、あまりクローズアップされていない側面があるなと思ったので、あえて申し上げたというところであります。
○山陰放送:すみません、続けて、先ほどから何度か話題になっていますけども、施設への協力要請について確認させてください。
要請自体は9日に市からお願いしますということで賛同があってから、毎日、基本的には何らか文書などで要請はされていたということなんでしょうか。それとも、その要請自体が今回、知事が初めてしたということなんでしょうか、これどちらなんでしょうか。
○丸山知事:松江市がどういうふうなアプローチをされていたか、保健所がされていたかはちょっと詳細に把握しておりません。努力はされていたはずです。ただ、毎日毎日電話をしていたかとかってことについては把握してませんけども。
○山陰放送:では、県としては今回初めて、今日初めて要請したということでよろしいですか。
○丸山知事:我々は松江市(松江保健所)が施設側に対して協力を求められるというこの基本構造に対して、そこがうまくいっていないということを受けて、我々からもこの協力を受けてくださいということを横から申し上げているという構造ですよね。基本の構造は松江市(松江保健所)と施設の間の関係で、純粋に当事者同士ではうまくいってないということで、新型インフルエンザ対策本部の本部長、島根県本部長として特措法でそういう協力の要請ができないわけじゃないと、包括的な規定ですが、24条はですね。そういうことで口添えをしてるような感じでしょうかね。島根県知事に協力しなさいという形じゃなくて、松江市に対して協力をしてもらうように要請をするという文書を今日お渡ししたということです。
○山陰放送:そのタイミングが今日になったというのは、やはり昨日まで、あるいは今日の午前中まではその動きを見極めていたということになるんでしょうか。
○丸山知事:いや、それほど深い意味はなくて、ほかのことをいろいろやっていたということも含めてです。
○山陰放送:施設側からのリアクションがあまり芳しくない場合は、すぐにまた動かれる、何かアクションを起こされる予定はあるんでしょうか。
○丸山知事:いや、ですから、今も申し上げているとおり休業、これは協力が一番のメインテーマですけども、協力が進んでない、調査が進んでないという状況ではまん延防止の懸念があるということで、ある意味ばんそうこうのような、問題の本質的な解決ではないわけですけど、そのばんそうこうを貼るべきだという判断をして休業の要請をさせていただいてますが、それはそれで、調査が進んでいない間は必要だという考えですので、より強い措置を取り得るのであれば、そこをきちんと県としてやれるように、島根県としては取り組んでいくと。ただ、国との協議がありますので、オーケーと言われるのかどうか分かりませんけど、我々としては法律の範囲内でできること、できそうなことというのはチャレンジをしていくということです。
知っていただきたいのは、皆さんからよく言われますけども、何でこんな状況で公表もできないんだと言われますが、できない仕組みになっている。これは公表が目的じゃないですけども、感染症予防法ではそういうことはできませんし、今回も使用制限をするということに付随して、たまたま公表がついてくるだけの話で、この施設の名前を公表しなきゃいけないと思って公表するのではなくて、強い使用制限をかけていくというときに付随してそういう手続になっているから公表になるということでありますので、そういう意味では、協力をしないところを公表するといった仕組みは、厳密にはないと。実は24条9項というのはいろんな業種に協力要請とかできますけど、45条2項というのは、例えば飲食店とか、あんまりないかもしれませんけど、バスとか公共交通とか、生活の維持に必要な理美容とか、東京で問題になった、ああいうところというのはもともと対象から、45条2項から外されてますから、そういうものについては全くそういう公表という手続が出てくるような話はないということでありますから。もともとは感染症を予防するために、こういう新型の治療薬、ワクチンがない感染症が広がって、それに対するまん延防止のために、これだけ多大な社会的、人的、経済的なコストをかけて、本当にロックアウトじゃないけどロックアウトの6掛けぐらいのことをやって、ここまで感染を抑えてきてるということの前にやれることというか、やるべきことがあるんじゃないかというか、あると私は思っているので法改正が必要だというふうに申し上げてます。
ただ、これは人権を制限することになりますから、そういう人権の制限をどこまでできるものか、もしやるとすると、もしかすると補償みたいなことをしなきゃいけないかもしれない。でも、そういうものの補償で済ませたほうが、恐らく今、社会的な、経済的な、いろんなものを止めて、みんなを止めて社会的なコストをかけていることに比べたらどっちが少なくて済むのかなと考えると、何となくピンポイントで感染の元になっているところ、感染が関係するところをきちきちと一つ一つ押さえていく、そこにコストをかけていくほうが社会的コストも小さくなるんじゃないかなと。これは漠然とした思いですけど、ともかく今回の4月からゴールデンウイークにかけてのようなことというのは大変影響が大きいですし、その前の自粛も大変影響が大きいですから。もともとの感染症予防の基本は、大変御批判を頂いてますけども、感染者のお名前もお知らせしない、どこに立ち寄ったかも基本的にはお知らせしない。ただ、それは保健所がちゃんと先回りをして、そこの消毒をする、そこで濃厚接触した方の検査をして、感染が広がってないかどうかを確認する。そういうことを通じて、行政側が、保健所側が先回りをすることで、あそこが感染したんじゃないか、ここが感染してるんじゃないか、だから出かけるのやめようとかって、そういう妙な自粛をしてもらわなくていいような仕組みがもともとの感染症予防なわけですね。それが今、崩壊してるという状況を立て直すことが、多分一番大事な状況、恐らく東京、大阪が典型だと思いますけども。感染者数が減ったところで、これまで7日とか14日とかで感染された方がおられて、その方の発生源調査とか行動歴調査、前後14日間、28日間、発生源調査だと28日間で、後ろだとまた……。だから14日間・14日間ですからね、1か月の調査をして丹念に押さえていって、それぞれの協力をいただくというのが100点のやり方で、それがどこも100点でできているわけじゃ恐らくなくて、島根の今回生じてるような問題も、恐らく島根だけではなくて。これは東京で3月の下旬に小池都知事がよく言われていましたけれども、夜の街のクラスターというのがまさに追い切れなくなった典型例だったわけですから、そういうことがこの第一波が仮に順調に終息していった後に、もう一回同じようなことが起きないようにする、そのために同じ法制度で大丈夫なのか、同じ保健所の体制で大丈夫なのかという基本のキのところをやるということが、もう一回自粛、全国的な外出自粛と、人の動きを止めるといったことをやるよりも、はるかに効率的で効果的なやり方なんじゃないかなと私は思っているので、こういう言い方をさせていただいてます。
島根県政というよりは、我々も波及を受ける側なので、やっぱり全国の政策としてもそういうふうにやっていただく、我々が今直面している課題もそういうことで解決をしていく可能性が高いので、身にしみて感じてますし、これは島根の課題だけではなくて、全国的な課題だと。第二波を防ぐために必要な対策だというふうに思っていますので、繰り返し言わせていただいております。
○山陰中央新報:山陰中央新報の平井です。
2点伺います。
1点目が、PCR検査の関係なんですけれども、県の検査件数がこのところ1日数件から多い日で15件程度となってます。先日、9日の会見でも、知事は検査件数が少ないという県民の指摘があるというふうにおっしゃっておられましたが、検査件数を増やす必要性だとか、そういったことについて何かお考えがあればお聞かせください。
○丸山知事:これは政策としてどうするか、今日の知事会でも、より積極的にPCR検査を、抗体検査と同じような感覚でやっていったらどうかという話もありました。PCR検査をやるべきものでやってないとこがあるんじゃないかという問題があるとすると、これは直ちに直さなきゃいけないと思います。ただ、数字をたくさんやればいいという考えも持っておりませんで、今回の帰国者・接触者外来への相談の目安が改正されたということで、ある程度増えてくるというふうな、これは県独自の対応ではなくて国の政策としてそういうふうな、(対応を)取られたということで自然と若干増えてくるというふうに思いますし、私自身としては、特に新たな感染者が判明したときに、できるだけ早く行動歴調査、感染源調査をすることで関係する方々のPCR検査を、濃厚接触者というのが国の基準かもしれませんけども、余裕があるときは接触者も含めて、御希望があればきちんとやっていって、この感染の広がりに漏れがないように対応していくということに心がけているところであります。余裕があるので、もうちょっとやったほうがいいというのはありますけど、これは基準を変えていくしかないことだと思ってまして、基準を変えたときに、平均10件増えるような基準の変え方とかというのがあるわけではないので、やっぱり基準をどうあるべきかと考えて、それに対応していく。もし保環研の検査能力を超えるような状況になれば、優先順位を決めて翌日朝に回せば回っていきますので、そういうことで、必要なときに必要な検査をきちんとできるようにしていきたいというふうに思っております。
ただ、政策として、先ほどお話のあった抗原検査ですとかPCR検査のもっと大胆な使い方というふうになってくれば、また制度も変わってくるでしょうし、体制も多分変えなきゃいけないというふうに思いますけど。ちょっと愚痴になりますけど、よくPCR検査を民間がって言われますけども、皆さん御存じかもしれませんけど、民間に出すと1週間ぐらいかかるんですね、島根からだと、東京に送って。であれば、島根で翌日に回してでも、翌日検査したほうがいいので、あまり民間を使うということはないということで。よさそうなものがあるという話はあるんですけど、じゃあそれが実務上使えるかという話はまた別の話で、正直、うまくいってないものにはうまくいかないなりのやっぱり理由があるので、どうしても皆さん、よく公務員マターだと、役所が怠けてるからだというふうに言われることが多いですけども、決して怠けているわけではなくて、うまくいかないというか、物事のいいところだけ取り上げられて期待されているものというのは、現実に落としていくとなかなかそういいとこばかりじゃないのでうまく回らないというとこがあって、一度抱かれた期待に対してなかなか応え切れないというところでいろいろハレーションが起きますけど、そういうところは丹念に、できれば報道していただければというふうに我々も思っているところであります。
○山陰中央新報:すみません、もう1点なんですけれども、松江市との関係の部分なんですが、先ほど知事は県と市が意思疎通うまくいってないということを表に出すことで県民の不安をあおるという御指摘もあるということをおっしゃって、その上で、仲よくすることでできることをできないというのは違うということをおっしゃいました。このスタイルについては、今後もこのスタイルを貫いていかれるお考えなのかどうかをお聞かせください。
○丸山知事:いや、私が考えていることが全部正しいとは思わないので、当然認識が違うときには向こうのお考えも聞いて、私のほうが物の見方が狭かったり間違ったりするところは直していきます。ただ、お話を伺った上で納得できなければ、私のほうがいいと思ってる政策にできるだけついてきてもらうように私は努力していきたいと。特にこれは、この基準はやっぱり、県民の皆さんの期待を、法的な制約があったり物理的な制約があったりして、法的な制約ですね、プライバシーのこととかあって100%お応えできませんけども、100%できないとしても、80%、70%を71%にできないか、72%にできないかという努力はやっぱり我々が日々していかなきゃ、公務員がしていかなきゃいけない話なので、そういった意味で、できるだけ県民の皆さんの期待に沿えるように、それが県民の皆さんにとっての安全だったり安心につながることですから、そういうことの軸でいくと、やっぱりそこの水準を落としていくということについては、できるものを諦めるということよりは、できそうだったらやってみようというふうに考えて私は対応していきたいなと思ってます。
○山陰中央新報:すみません、その御自身のお考えが正しいと思われた際には、会見の場を通して県民の皆様にお伝えされることがやっぱり大切だとお考えでしょうか。
○丸山知事:いや、意見の対立がある、もともと相対で話をして解消していくのが正しいというか、一番近道だというふうに思いますけども、折り合いがつかないものについては、やはりこれは最後は県民の皆さん、市民の皆さんが選ばれることだというふうに思いますので、そういう意味では、問題提起をしていく立場でもあると。ということで、私の考えが間違いであれば、それは報道なりを通じて私自身が考えを改めることになるでしょうから、やはりある程度世に問うということも必要であろうということで、報道で表に出ないようにするのが基本でやってますけども、そこからはみ出るものが、今回、何回か、2回ぐらいあったということでしょうかね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
○山陰中央新報:すみません、1点だけ。山陰中央新報の片山です。
政府が検討しておられる緊急事態宣言の解除に関する受け止めの確認なんですが、知事は、個人や経済に大きな影響、負担をかけてきた中で、このタイミングでの解除というのは、理解はしつつも、知事の権限がなくなることや、加えて、まだまだ感染の火種が残ってる状況を危惧されていらっしゃると。その上で、疫学調査の協力の義務化など、法改正が必要だというような認識でよろしいんでしょうか。
○丸山知事:まあそうですね、基本的にそういうことだと思います。火種が残ってるということ自体、私は、それ自体が問題だとは思いません。その火種をコントロールできる、あそこが危ないからあそこを気をつけなきゃ、そのためにあれを準備しておこうとかという、その火種が全部消えなきゃこの緊急事態宣言が終わらないという必要はないと思います。ただ、ともかくその火種があるけども、それをその地域の保健所の体制がきちんとモニタリングして対応できる範囲に収まっているということがないと、また3月の下旬のような、クラスターが多発して追い切れないみたいなことが、夜の繁華街の接待を伴う飲食店をずっと自粛してもらうというやり方をされるのかどうか分かりませんけど、そうでないとしても、なかなか協力が得られなくてクラスターが起きて、クラスターが起きたところで協力が得られなかったら同じようなことが起きるでしょうから、やっぱりそういう状況をつくろうと思ったら保健所の体制とか人員とかということ以外に、やっぱりちょっと制度がないと、実際この間、クラスターが追えなくなったというプロセスを、多分全国で検証していただくと分かるんでしょうけど。やっぱり協力が得られないというふうなお話をしきりに東京でされてた記憶がありますので、そういうことが再燃しない仕組みはまだできてないと思います。そういう中で平時に戻していくということについては、そういうリスクは負っている。そういうリスクを負ってるけども、きちんとその地域で再発しないように対応しなきゃいけない責任を各県知事が負うということ、政府もでしょうけども。なので、私自身は若干、そういう体制というか、制度がなくて、今の時期で、東京都とかはまだ先ですからあれですけど、そういう体制がないとなかなか震源地、実際に大きな感染者が急増したエリアのコントロールって、再発、第二波防止というのは相当難しいんだろうなというふうには、ちょっと第三者目線ですけど思いますね。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
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