3月23日質問事項5
5.東京オリンピック・パラリンピックの開催
○読売新聞:読売新聞の林です。新型コロナウイルスとオリンピックの関係の質問に戻らせていただくんですが、3月20日ですかね、組織委員会と政府、東京都など5者の会議で、海外客の受入れを見送るという判断がされたところでございますけれども、これについて何か御所見とかあればというふうに思いますが。
○丸山知事:まあ、当たり前だと思います。だって、招致したときは、インバウンドだ、世界から人を集めるなんていう前提だったのは分かりますけど、コロナがこんな状況で、それは入れれるわけがないから、当たり前だと思いますし、何かインバウンド効果が1,500億円だ、何か減るとかって新聞とかで書いてあったりするけど、そんなものは捕らぬタヌキの皮算用にもうなっちゃってるわけでしょう。来れるわけないよ、入れれるわけないでしょう。何を騒いでるのかって感じで、当たり前だと思いますけどね。
私は、オリンピックの開催に反対だというときには、観客なんて一言も言ってないですよ。競技者、競技団体の役員、その指導者とかマスメディアが来るだけでも大変だろうと、感染拡大要因として。なので、海外観光客が来ることなんて、私はもともとイメージしていなかったので、当然の結論だと思いますし、私はどっちかというと、そもそも国内観客だって、無観客でやるべきだと思いますよ。だって、東京だって感染、リバウンド、怖いんでしょう。そんな状況でやったら、東京にどんどん人を呼ぶとか、1都3県からどんどん競技場に人が来るとか、そんな状況をつくって対応できる自信があるんですか。ないでしょう。そもそもオリンピック開催してる期間に感染拡大局面に当たらないという保証はないわけでしょう。感染をそんな細かくコントロールできないでしょう、誰も、政府だって東京都だって。
そうしたら、これはオリンピックの開催を一大イベントとしてやる、ただ、これは感染拡大防止と両立させなくちゃいけないから、全体としては危機管理なわけですよ、リスクマネジメント。そうすると、普通は、普通はですよ、普通は最悪の事態を想定してやるとしても、私はやるべきじゃないと思ってるけど、やるとしても最悪の事態を想定してやらなきゃいけないはずだと思います、べき論として。私は権限ないけど。そうすると、オリンピックやってるときに感染拡大局面とか感染が拡大していて、緊急事態宣言してる中ででもやらなきゃいけないかもしれないということじゃないですか、物の道理として。一旦決めてしまえば、どこかで最終判断、4月中にされるという報道がありますけど、されてしまえば、それやらなきゃいけないわけでしょ。
そうすると、そこはその時点で感染がどの水準にあるかって分からないし、分からないということは、最悪を想定しなきゃいけない。そうしたら、もうやり方としては、あらかじめ感染拡大要因になるような人の移動とかということは避けてやるというのが基本中の基本じゃないですか。国内移動をわざわざ、外国からたくさん外国人が来られる会場に人を集めて、東京に、もともと体制が脆弱な、市中感染のまだ残り香が残っている、消し切れない東京都に全国から人を集めてとか、1都3県の人が出かけて競技場に向かっていくということが、少なくともいいわけはない。やっていいわけがないというふうに思いますし、とりわけ感染拡大局面になったら、緊急事態宣言の中でオリンピックを開かなきゃいけない可能性はあるわけでしょ。そうしたら、中学生や高校生は部活やっちゃいけないと言われて、社会人はリモートワークで、大学生もリモート授業で、そんな中でオリンピックだけリアル、そんなわけないですよね。だって、もう感染の収まらないうちは基本、できるだけリモートにしましょうということでしょう。リアルじゃなくてリモートにしましょうって、基本中のキじゃないですか。そうすると、残念だけども放映、映像で見るということで我慢するしかないんじゃないかと。
これも、高校3年生ぐらいの思考をするとそうなると思いますけど、何か特別な事由があって、私が知らないことがたくさんあるのかもしれませんけど、普通に考えれば、私はやらないほうがいいと思うけど、やるんだったらそういうことがセットにならないと、だって、緊急事態宣言下でいろんな不自由を強いられている人たちが怒るでしょう。オリンピックだけ特別だなんて言えるのかな。言えないと思うけどね。
なので、権限もないし、第三者のたわ言の世界でしょうけど、普通に考えれば、無観客じゃないとリスクマネジメントできないんじゃないかな。緊急事態宣言下でとか、オリンピックの時期は感染拡大させないことができるという魔法のつえがあれば観客を入れるということもできるでしょうけど、それでない、そうできないリスクがある以上は、やっぱりセーフティーにやるというのが普通の判断じゃないですかね。
100億円とか900億円とか減収の話がありますわね。ありますけど、この話はちょっとまた例えが違うけど、オリンピックでの東京都の国内での人の出入りとかで感染が拡大でもすればですよ、今回の第3波、今回の休業の協力金だけで今、山陰中央新報の原田さんが質問された予備費の執行を見ると3兆6,292億円も予備費を使ってるわけです。感染拡大をさせてしまって、営業時間短縮させるだけで3.6兆円使ってるわけですよね。使わざるを得なくなってる。そしたらもう感染拡大させないためだと思ったら、900億円を国と東京都で折半するぐらいでやるというのが、そのほうが安くつくと思いますよ。だって、感染拡大させたら、これって営業時間の短縮だけだから、皆さんあんまりイメージ湧いてないかもしんないけど、感染して入院すると、これは公費医療なんですね、指定感染症だから。全額国費なんですよ。感染者がたくさん発生するって、多分これに加えて、この3兆6,000億円だけで足りなくて、1兆円かかってるかどうか分かんないけど、もっとお金かかってる。そことの兼ね合いだと思いますよ。900億円、入場料収入が取れたというのは、今や捕らぬタヌキの皮算用または死んだ子の年を数えるみたいな、何かもうあり得ない、今はもうカウントしようがないものをカウントしてるのに近いんじゃないですか。これは900億円の公的負担が生じるとかという話だけを取ると大ごとだとなるけど、それをせずに感染を広げてしまったら何が起きるかとの比較だと思うんですよ。まあ800億円なのかな、900億円のうちの100億円が海外で、残りが、800億円が国内だとすると800億円なんでしょうけど、もう100億円もなくなった、800億円どうするかって話なんでしょうけど、そのお金は、そうしないことに伴って生じ得る財政負担との比較で、どっちがいいかを対応すべきで、900億円を惜しんで感染拡大させたら、もっと桁が2桁違ってくるということとの兼ね合いで考えるべき話で、私は、アスリートの皆さんが観客の声援を受けて自分の力が出せる、そういう環境で走りたいとかプレーしたい、その気持ちはよく分かりますし、アスリートの活躍を生で見たい、何十倍だっけ、物すごい倍率のチケットを得られたチケット保有者からすると、まあ何言ってんだ、ばかやろうって話だと思いますけど、でも、現実問題として、いろんな物事を両立させていこうとすると、なかなか東京に、観客半分にしてでも、でも観客半分にするって一つ一つの話だけど、オリンピックって短期間に同じところで、同じ都内で何か所もいっぱいやってるわけでしょ、いろんな競技を。集中度合い、全然違うと思いますよ。だから、プロ野球とかサッカーとかって、そんな、一時期にがばっとやらないからさ、ぽつんぽつんと都市をめぐっていくイベントの開催と、競技が短期間で集中して行われるというものを、そんなミクロの基準で考えたって仕方がないと思う。集まってんだから、同じ期間の中に集中して。
どれぐらい、3週間ぐらいだっけ、開催するのは。それぐらいだよね。それぐらいであれだけの競技をやるわけでしょ。それを競技場の半分だからいいとかという話じゃないんじゃないか。オリンピックの運営はあんまり詳しくないけど、普通に考えたらそういうふうに不安に思いますよ、国民的には。やらないほうがいいんじゃないのと。何でわざわざ東京なんかに人を集めるイベントをそのまま開催するのかというふうに考えることだと思いますけどね。だから、海外は当然。国内だって、それは東京なんかに集めないほうがいいでしょう。と思います。
○読売新聞:分かりました。
○朝日新聞:朝日新聞の浪間と申します。
聖火リレーについてなんですけれども、冒頭の新報さんの質問ともちょっとかぶる部分があるんですが、25日に聖火リレーが始まるというところで、丸山知事が提案というか、問題提起されている、東京の感染対策が不十分という点とか、あとは都市と地方で飲食店の支援に格差があるというような、そういった状態が解決されないままに東京オリンピックのプレイベントである聖火リレーが始まると。そういうことについては、どういうふうにお考えでしょうか。
○丸山知事:私の問題提起の響き方はそれぐらいなんだということだと思います。私は、私が関与させてもらっているのは島根県内のとこですから、全体の聖火リレーの在り方についてあれこれ言うつもりもありませんけど、大本のオリンピックの開催との兼ね合いでのプレイベントを島根県として、今、この県内事業者が置かれている状況を考えると、よしとは言い難いというところまでですから、それを聖火リレー全体で捉えて、やっていいのかどうかというふうには、全国の皆さんには届かなかったということだと思います、そういう動きは広がってませんから。
○朝日新聞:その響き方はそれくらいなのかというのは、組織委員会とか政府とか、そういったところというよりは、全国国民に対する響き方という、そういう。
○丸山知事:まあ政府、政府というか、組織委員会ですよね、まずはね。まずは組織委員会。で、関連して政府、あとはほかの知事さんですかね。私のやり方自体が、ちょっと筋が違うものを結びつけて議論を進めてるんじゃないかという批判はあるでしょうから、そういうところが受け入れられにくい要素だとは、ほかの知事さんにはね、思いますけど、まあそれは致し方ないというふうに思いますけど。
○朝日新聞:そういった受け入れられない、あまり全国にうまく響かなかったというところについて、残念だとか、そういう思いというのはあるんでしょうか。
○丸山知事:いや、聖火リレーについてどれだけの関与をするかということの判断ですから、私は大本の聖火リレー自体は、それ自体が、よく誤解されるんですけど、聖火リレーをするのに密が起きたりスタッフが入ってきたりするので感染を恐れて嫌がっているんじゃないか、これは違いますからね。そういう意味では全く、それぐらいの感染リスクを負ったとしても対応できると思っているので、そういう意味では、聖火リレーの在り方をこう変えるべきだとかということよりは、本体の話が問題があるので、そのプレイベントを県として協力していくというのは難しいということなので、聖火リレー自体には、ほかで聖火リレーの在り方を全般見直してほしいとか、お金かけないようにしてほしいとかというところの投げかけは、私の本質的なとこではないので、そういう意味では、私自身、だからもともと意図してないというところではありますね。
○朝日新聞:25日に予定どおり始まって、東京オリンピックに向けて、東京オリンピックを開催する流れが、聖火リレーを通して、その流れになっていくという、そのこと自体に懸念を今も感じられているということでしょうか。
○丸山知事:いやいや、聖火リレーをやることで、例えばオリンピックが間近になってきたなとか、楽しみにしている人たちが喜ばれるというのもあるでしょうけども、東京オリンピックを間近な問題として考えてもらうと、それは東京オリンピックの在り方が、今の感染対策の状況で大丈夫なのかどうかということを考えられる方も増えると思いますし、これは両面あると思いますけどね。オリンピックというものが間近に感じられるイベントでは確かにあるでしょう。そういったときに考えることというのは、楽しみにしてるって楽しむ方もあるし、大丈夫なのかなって思う方もいるでしょうから、そういった意味で、オリンピックというものを具体的に国民の皆さんが受け止められる機会としては、これは両面あるかなというふうに思います。メディアの皆さんも大分注目されますからね。
ただ、全地域で感染拡大を抑えて聖火リレーを、島根県はもう正直申し上げてやる自信はありますけど、緊急事態宣言が発出された地域で、まだリバウンドが不安だと言われているような地域にも、いずれは行くわけでしょうから、そういったことを行うタイミングで感染拡大のタイミングと合った場合に、そういうイベントの開催、ある意味イベントですからね、イベントの開催が滞りなく行われるかどうかというのは、まだまだ続く課題だと思いますよ。
○朝日新聞:ありがとうございます。
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