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2月25日質問事項

○山陰中央新報:山陰中央新報です。

 政府の反応の件です。特に飲食店の支援について知事は一生懸命これまでも訴えて来られました。内閣府、経産省ともに事務方の方が会われましたが、反応も含めて、政府側の受け止めはいかがでしょうか。

 

○丸山知事:感染拡大防止の対応能力の向上については、東京都自体とからむ話でありますので、そういった意味で、厚生労働省単独での話が難しかったのだろうと。西村大臣との兼ね合いもあろうかと思いますので、まだはっきりと物を言うのが難しいというお立場だったのだろうなと思っております。

本日だと、緊急事態宣言の取扱が明日ということで、それとは重ならない日程だと思ったんですけども、国会で予算を審議される分科会が開かれた関係で、ご自身の担当じゃない分科会で質疑が出た場合に、副大臣、政務官が出ないといけないということもあって、お会いできなかったということで、致し方ないと思っております。

 そういった意味では、もともと日程調整も地元選出国会議員の先生方の日程が合うところからスタートしましたので、政府にどうやってお話をするかは、次の課題ですけども、5人の国会議員の先生方からお話しいただけるということでありますので、その先生方のご尽力に期待をしているところであります。

 

○山陰中央新報:政府からの前向きな回答は無かったという認識でよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:具体的に何かがあったわけではないです。

 

○山陰中央新報:今回の一番の成果は、国会議員の先生方に理解を得られたということでよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:はい。

 

○山陰中央新報:今後の展望ですが、知事は2月17日に表明された際に、1ヶ月状況の推移を見て判断する、とおっしゃられましたけれども、その考えについては変わってないということでよろしいのでしょうか。

 

○丸山知事:特段変えておりません。

 

○山陰中央新報:今日要請されたことで、何か認識が変わったり、改めて再度、今日は大臣に会われてないですけど、改めて要請するような考えはありますでしょうか。

 

○丸山知事:状況次第ですかね。

 一般的にはリモートにすればいいじゃないかっていう話があって、こういう私も東京都との往来を極力控えるように県民に要請している立場として、来にくいわけですけども、行った方が同じ日に物事が進みます。リモートですと日程調整が必ずどこかで出来ますので、数日に亘ってパラパラと日程が入っていくということもあって、そういう意味で急ぐ話なので、急ぎ上京しまして、直接お会いできたので、要請としては非常に効率的だったと思っております。

 

○山陰中央新報:大臣に会えなかったですけども、政府の方に理解を得られたというふうにお考えでしょうか。

 

○丸山知事:いや、それはもう全然、得られてないと思います。

 

○山陰中央新報:国会議員を通じて働きかけをするということもあると思うんですけども、知事自身として、今後どのように理解を得られていくお考えでしょうか。

 

○丸山知事:私が求めておりますのは、いずれも国政上の対応であります。

 ですので、正直に申し上げますと、私の話よりも国会議員、与党の方々のお話を聞いていただける可能性の方が高い、と思っておりますので、直接話をする必要があれば、そういったお話をいただいてしようと思いますけど、基本的には、地元の国会議員の先生方からの政府に対する働きかけ、それに対して、我々としてやるべきこと、連携してやるべきことをやっていこうという考え方であります。

 

○山陰中央新報:国会議員の方からは、他の都道府県と一緒になってやるべきだというような声も聞こえてくるのですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。

 

○丸山知事:私自身は直接聞いておりませんので、そういう取材があったのかもしれませんけど。私自身は、この内容が、複数の都道府県から声が上がらないといけないという内容だとは、思っておりません。

 要請書につけておりますけども、全国知事会、こちらにちょっと2つ目の要請の真ん中ほどに書いておりますけども、3番目の段落ですね、「今回の緊急事態宣言措置は、飲食業を中心に営業時間短縮要請が講じられたため、緊急事態宣言の対象でない地域において要請が行われた場合はもとより、要請が行われていない場合であっても、飲食業及び関連事業者の売上が激減している状況を踏まえ、持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給、といったまとまったお金の給付、により地域間の不公平を是正し、全国の飲食業を支援すること。」という、内容としては、多くの都道府県知事と認識を一にしている内容だと思っておりまして、必要があればそういう対応をいたしますけれど、そういう政治活動をしなければ事が成らないのであればそれは考えますけれども、私自身はこの数字をまず受けとめていただいて、検討いただくスタートにはなるんじゃないかなと思っておりますし、首都圏のように1都3県で動かなければ相手にされないという政府だと思っておりません。

 

○読売新聞:読売新聞です。

今回示された要請書は、知事の中で、県内の聖火リレーが開催できるようにするための条件のようなものを示されたという認識でしょうか。

 

○丸山知事:満額じゃないといけないと言いませんけど、この部分で改善をしていただきたい。そして、そういう中で、オリンピックを安心して、喜んで迎えて、そしてこの聖火リレーで盛り上げていきたいと思っています。そういった理解でよろしいかと思います。

 

○読売新聞:何回かご質問させていただいていますが、感染症対策の改善・強化の要請の中で、例えば感染防止対策の具体的な措置を講じてほしいというお話ですが、特に具体的に想定されていることはありますか。

 

○丸山知事:私自身も、ネット上で、(島根県は)人口が少なくて東京都がどれだけ苦労されているか分からないのに、東京都にもっと努力しろなどと言える立場なのか、といったお話もあるのは承知しています。

 ただ私自身が東京都とか感染が拡大したエリアの保健所で一体どういうことが起きたのか、なぜ4,500床と言われているベッドが最大値で3,500床までしかいかなかったのか。3,500床まで一瞬行きましたけども、その後程なく2,800床ぐらいまで下がりました。

 自宅療養者と入院等調整中の方を足すと1万人を優に超えている段階で、入院患者が減っていっております。

 そういうことが、なぜ起きたのかというのは、重症化した方がかなりおられたから、数字が減っても実はスタッフがたくさん要って、受け入れられる人数が減っていったということだろうと私は見ていますけども。ただそれが本当に分かるのは、病院の状況を聞き取れる東京都の保健所なり東京都の担当局だと思います。

 現場を確認できるところは東京都ですし、そういう聞き取りをされて具体的な改善策っていうのは、東京都でやっていただかないといけない。推測はいくつかできますけど、私は何度か申し上げていますけども、都内の保健所で、入院先を探しても無いので高齢者施設に入居されている高齢者の方が、容態が悪くなって、入院先が確保できず、その保健師さんがご家族に、この状況でいくと亡くなってもおかしくない、という電話連絡をされていました。これは死亡宣告とまで言うのかわかりませんけど、通常、医療機関で医師が行われるようなことが、その保健所の中で起きている。これは1月16日のNHKスペシャルで見た話でしたけども、そういったことがどれだけ起きていたのか、起きているとすると、それが起きないようにしないといけない。ゼロにできないとしても、そういう中で、医療にかかることなく亡くなられた方がおられるんだろうなと想像しました。東京都で8人でしたか、共同通信の調べで出ている8人の方がどういう状況だったのか、それをケースメソッドとして回避できなかったのか、仕組みの問題なのか、個別のオペレーションの問題なのか。

 そういう検証をされているのかもしれません。ただ、そういう検証をきちんとやって、対応能力を上げているんだということを、少なくとも都民の皆さんには示される必要があるだろうし、それで皆さんが安心して、東京でオリンピックを迎えられるのではないか。

 これも東京都の話だから、また余計なこと言うな、と言われればそれまでですけど。ただ我々も最終的には、東京都の感染が広がれば、そこで緊急事態宣言が出て、飲食が主因であれば、結局のところ我々の地域でも飲食の利用控えが起きて、同じような苦境が生じかねないということで、無縁ではないと。我々は、間接的には当事者の1人だと思っておりますので、やっぱり改善をしていただかないといけない。第4波もそうですし、第4波が東京オリンピックの開催時期と重なった場合も含めて、今後東京都が第3波の教訓を経て、第3波で発生したような患者の波を少しでも抑えるとか、対応能力を上げるとか、そもそもどっちへ行かれるのか。病床数を増やしていくのか、保健所の対応能力などを増やしていくのか。

 それとも、もっと早めに措置を講じて患者数の発生を抑えていくのか。おそらく、大きく二つに分かれると思います。

 そのどちらかしかないと、同じことがもう1回起きるんじゃないかというふうにしか、私は県知事としてというよりは一国民として思えませんので。そんな対策がまとめられているのかもしれませんが、私は詳しく都政を注視しているわけではないので、ただ、そういった改善を最大限やってオリンピックに臨まれるというのが。

 開催都市は、施設を整備するというのは、その開催の環境を整えるっていうことですよね。そうすると、そういうことも含めて、東京オリンピックを開催する東京都で取り組まれるべきことじゃないかなと思います。

 

○読売新聞:地元国会議員の先生方への要請の中で、特に飲食店の支援に関して概ねご理解を得られたんじゃないかというご説明だったと思います。

 今、聖火リレーの中止を含めて検討しているということでございますが、このことも含めて理解されたという感触でございます。

 

○丸山知事:それは、ないです。ただ、お互い触れなかったというケースと、いかがなものかというご指摘はいただきました。

 

○読売新聞:いかがなものか、というご指摘をされたかたもあったということですか。

 

○丸山知事:はい、それは当然、私もそういう指摘は、あってしかるべきだと思います。

 

○フリー:フリー記者です。

今のお話お伺いして、諸悪の根源は東京都がブラックボックス状態であると、知らないうちに積極的疫学調査を縮小して、その調査の現状も報告しないというところにあると思うんですが、知事が2月3日に厚労省に要望書を出されて、積極的疫学調査の縮小についての調査をして欲しいと、それが無回答状態だったので、五輪反対の判断にまで踏み込んだという経緯があると思うんですが、今日の副大臣との面談で、具体的内容、回答はあったんでしょうか。調査が進んだとか。

 

○丸山知事:今日、回答できることはないというお答えでした。

 

○フリー:無回答状態が依然として続いているという理解でよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:もしかすると回答する必要はないと思われているかもしれません。

 

○フリー:それ自体が非常に問題だと思うんですよ。

 

○丸山知事:断定はできませんけども。そこのところは、細かく詰めてお話は伺いませんでしたけども、回答があったかなかったかという意味でいくと、なかったというのが事実であります。

 

○フリー:竹下先生も、注意するべき相手は厚労省の調査を進めない体制にあると思うんですけど、その辺については何かおっしゃってなかったでしょうか。

 

○丸山知事:注意というのは、物の言い方ですけども、私自身も、政治の世界に入って知事になって2年。今回の内容、やり方は、政治の世界の流儀の中でいくと、かなり乱暴なやり方だったっていうのは、間違いないと思います。私の受けとめですよ。注意されたわけではありませんから。

 

○フリー:注意する相手が、厚労省の職務怠慢というか、調査しない方を注意すべきでは。

 

○丸山知事:竹下先生とは、その議論はしていません。

 

○フリー:小池知事或いは東京都から、積極的疫学調査の縮小についての説明、釈明等は、いまだにないんでしょうか。

 

○丸山知事:釈明してくれとか説明してくれとか、私も求めてないので、特段ありません。

 

○フリー:厚労省に調査して欲しいのか。

 

○丸山知事:どこがそういうふうになっているかということは、ホームページで公表されたりしますけど、いろんな発表している中の一つに紛れ込んでいたら分からないので、そういう通知は厚労省が出されたので、それに基づいてこういうことをやりますよというのを報告してもらうようにして、それを更新される都度教えてくれれば、我々も、濃厚接触者の調査をお願いしても今はなかなか難しいんだろうなとか、あの地域からの濃厚接触者の連絡はないんだなとかというのはあらかじめ分かって、我々もそういう地域に往来自粛をすることについて一段強く申し上げることができますので、そういった意味で、重点化の通知をされたところで、実施状況を把握してもらって提供してもらえば、我々はそれなりの対応ができる、そういう対応をして欲しい。

 私は、東京都内の保健所の皆さん、それから医療機関の皆さん、これは本当に日本で一番厳しい感染に対応されたので、その方々が怠けているとかそんなことは一切言いません。

 とてもじゃないけども、我々の保健所とか、島根県庁が経験したことがないことを取り組まれてきたので、それをどうこう言うつもりはありませんし、実際に自宅で亡くなられた方が出られたので、調査よりもそこのフォローに重点化していくという判断は、間違ってないと思います。

 ただ、どういうふうに縮小するのかとか、どれぐらい、どういうことをやるのかっていうことは、いろんなやり方があるので、そのやり方を我々も教えてもらって、それに対して対応していくという意味で、情報を集約してもらって提供してもらうということで、我々が身構えて感染を抑えることができる。そういうフォローをして欲しいというお願いだったんですけども。いろいろと担当課がお忙しかったのか分かりませんけども、特段の回答はなかった。

 

○フリー:そこがないと五輪開催については反対せざるをえないと。積極的疫学調査の回復とおっしゃいましたが、現状把握をしてどうすれば回復するかというのを具体的に示されない限り、反対を続けるという意見でよろしいか。

 

○丸山知事:全体としてどうかということですので、積極的疫学調査は大事だと思うし、神奈川県も、復活されました。患者数が減っていけば、いずれ復活することができるというふうに私も思います。減っていけば当然調査の対象は減るので、大事だってことは、東京都当局もご承知でしょうから。

 私が言っているのは、次の感染拡大局面に対して、どこまで耐えられるか、ということを確認しないといけないんじゃないかということを含めて、総対応能力というのはそういうことです。

 ただ、もう一つ言うと、全体としていろんなやり方があると思うので、積極的疫学調査だけで、どうこうとは考えておりません。

 

○日本テレビ:日本テレビです。

 竹下議員が先程、コロナ対策が大事だが、聖火リレーとは次元が違う話だという発言をされていました。

 また、知事が聖火リレーの開催について決めるべきでないというような発言もありました。

 これらの発言を受けても、コロナの要望をクリアしてから、聖火リレーをするかしないか判断するというお考えに変わりはないということでしょうか。

 

○丸山知事:そこのところは変わりません。

 島根県の予算は、県議会の議決を経て、島根県知事が執行することになっています。

全国47都道府県、国民こぞってこのオリンピックの開催に協力していくっていうのは、理想的な姿だと思いますし、それがベストですけども、残念ながら島根県内ではそういうふうに呼応することは難しいという状況ですので、私の立場からすると、そういうふうにできる環境を、今申し上げた、2つの項目を政府と東京都で改善していただいて、私が決めるわけじゃありませんけども、少しでも多くの国民の皆さんが安心して楽しみにできるオリンピックにしていくっていうことが大事なんじゃないか。

 開催することが決まっている、だから、やらなきゃいけないというふうに、組織委員会とか政府とか東京都がおっしゃるのは、それはわかります。開催を進める立場の方がそう言われるのはわかりますけども、それに我々が無条件で従わなきゃいけないのか。7,200万円は島根県が傾くほどの金額ではありませんけれども、だからといって、今の状況ですと、何が起こるかというと、東京都で第4波という状況が起きれば、もう1回島根県は同じ状況を経験する。その時に、島根県民は真面目に感染防止をしますから、また同じような状況が起きる。となると、今のこの状況で支援がなければ、今のこの状況で島根県の飲食店は大分減ります。そして、もう1回来たらまた減るんです。なくなっていくんですよ。島根県の飲食店がどんどんなくなっていいって、私は言えないです。

 我慢しろ、この改善ができるまで賛成できないって言っちゃいけないってことは、島根県内の飲食業がそういう状況になっても、県知事として良しとしろというふうに、私がその島根県内の状況を聞きつけると、そういうふうになってしまうので、そういう判断はしがたい。何としてもその島根県内の飲食業が何とか残れる。結果的に残れないところもあるかもしれません。ただ政府として、感染拡大地域と、同じと言いません、当然、家賃も安いですし、そういうコスト差はあるでしょう。ただそれに準じたような支援をしていただくことで、何とかこの3月を乗り切れるとか、4月以降も営業できるという道筋をつけてもらうということをお願いするっていうか、言うことすら許されないことなのかっていうと、私は、違うと思ってこういうふうに言わせていただいています。

 この日本の政治とか経済とかの中枢の世界でいくと、ルール破りの常識外れたことをやっている、それはわかります。そういうふうに評価されて仕方ないというふうに思いますが、そうせざるをえない。

 この状況で、我慢をして、オリンピックに協力するのが国民の義務だ、国民の責務だという論には、私は島根県内の飲食業を中心とした厳しい状況を見ると、分かりましたとは言いがたいところです。

 

○テレビ朝日:テレビ朝日です。

 今の知事の話で、政府や東京都へ要請するという言葉があったと思うが、東京都には直接働きかけとか要望を出すことはされないのでしょうか。

 

○丸山知事:私は東京都に要請する立場ではありません。対等なので。私が今申し上げた話は、東京都民の皆さんがそもそも望まれていることで、東京都として普通にやられるべき事だと私は思っています。島根県知事が要請しなければいけない話ではなくて、都民の皆さんが望んでいる話ではないでしょうか。感染拡大をまた同じ様に起こしてもらって構わないと都民は思われてないですよね。累計で何人症状がありながら自宅療養をされたかわかりませんけど、この状況を再現してもらって構わないという方はおられないと思います。私からはお願いすることではなくて、当然やられておかしくないことを私はやるべきと言っているだけです。

 

○テレビ朝日:確認ですが、感染の対策を推測される、想像されると話されていたと思うのですが、自治体間との意見交換ですとか情報交換は政府が介さなくてもできると思いますが。

 

○丸山知事:私は、必ず全国知事会は知事出席の会議は出るようにしています。最近は全員出席で同時間を過ごすというよりは入れ替わりでやることが多いですけど。ここ5回ほど小池知事はご本人は出られてないですよ。都知事だからなのか、小池都知事なのかはわかりませんけど、都知事は二階幹事長にもお会いできるでしょうし、総理にも大臣にもお会いできるでしょう。私のような初見ではそういうことはないので。

 おそらく都道府県といいますけど、都・道府県、と考えておられるのではないでしょうか。都は別格なんですよ。私が申し上げたところで人口は20分の1。世田谷区とか練馬区よりも小さいところですから、私があれこれいってお聞きになるような方と思っているので、政府を介してお願いをしているということです。

 小池都知事は、「都としてきちんと対応している」というコメントをぶら下がりでされたと思いますけれど、私の指摘に対しては特段対応するところはないお考えなんだと思います。ただ、それを正すのは都議会だったり、メディアだったり、究極には都民が決められることだと思いますよ。

 こういうことで都の第3波というのが、改善点がゼロだと言えるのかを都民が判断されることだと。私も元都民ですし、長男も学生で下宿させてますけど、もう一回(第3波と同じようなことが)来ていいですよと長男は思ってないと思いますけれど。普通の感覚でいったら改善点はゼロということはないと思いますし、改善点がゼロだったかを検証しなければいけないと思います。私は、要望はいたしません。

 

○日経新聞:日本経済新聞です。

 東京都に対して言うお立場にないというご説明でしたけれど、改善効果が働いたかどうかというのは東京都側から知事に説明がないと判断しようがないと思いますが、そこは強化されたかどうかは東京都ないし、都の当局に聞いて判断されるということでよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:私もホームページでアップされればそれを読みますし、改善事項であれば紙でも出されるでしょうから、読んでわからないところがあれば、部下職員に聞いてもらったりはしますけど。誰か直接説明を聞きに行かないといけないとは思ってはいません。中身の問題だと思います。

 

○日経新聞:飲食店の支援強化と都の感染対策強化の2点は、あくまで両方とも取組がなければ、満額回答でなくてもとおっしゃいましたが、例えば支援金は見えてきたけど都の対策は見えないとか、片方でなくてあくまで2点、両方に一定の成果がなければ五輪リレーの開催は難しいとの判断に変わりないということでよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:この2つは関連していて、結局のところ感染対策の強化をしていただかないともう一回同じ事が起きるので何とかしてほしいと思っています。ものすごく極端にいうと、飲食店の支援が十分、十二分になされ、2回、3回受け止められるとなれば、だいぶ違うかもしれません。支援の内容が薄くて度々となるときついということもあるかもわかりません。

 本来的に第1点目は、私が言ってやられることではないと思うので、もしかすると宣言の解除という局面なのでそこに集中されているかもしれませんけど、リバウンドするかもしれないという状況でやられているのであれば、リバウンドしないようにすることと、リバウンドしたときの対応を前回よりもレベルアップすることを並行してやられるべきだと思います。

 

○日経新聞:以前、知事会で成人式の件で杉並区の例を出されて発言されましたが、敢えてあの場でそういう発言をされたのは、都内の首長の危機感のなさなのか、もしくはそれを統括する都知事のガバナンスの欠如なのか、どういったことに怒り、憤りを覚えて発言されたのかを教えてください。

 

○丸山知事:あの時は、まだ何団体か複数やられる予定で、最後は1区だけになってその首長さんが東京都からの圧力が云々と言われたので、私が言ったからではなくて、都として成人式という形で人を集めてしまうと、分散開催しても終わった後にどこかで一緒になるということを招きかねないとの意識を持って対応されたのだと思います。後で知りましたが。

 島根県の感覚で言うと、一生に一度の式です。でも成人式の日にやらなければいけないというわけでもない。時期をずらして、1年後に2年分をやろうとか。一生に一度のものを止めるべきとは申し上げません。ただあれだけの感染者が出て、緊急事態宣言の最中に一生に一度だから変えずにやろうというのは。そういう意味では区長さんですよね。特別区ですから保健所も持たれてますから。あの局面でいくと区長さんが、成人式をできる、やってもいいんだからというメッセージを送ることが、これくらいいいんじゃないのということもありますから、緊急事態宣言が出たときに即座に判断される内容だったと思います。

 いろんな事情があると思いますし、一面的で正しい客観的な評価ではないかもしれませんが私から見たらそう思えたということです。

 もう1つ申し上げると、その後に、神奈川県で横浜、川崎、相模原3政令市でやられていたというのを見てびっくりしたというのは付け加えておきます。

 

○NHK:NHKです。

 他県との連携は今のところ考えてらっしゃらないとのお考えだと思いますが、他県と連携していく方が集団での要望活動やより求めておられることの実現に近づくのではないかと思いますが、あくまで県単独でいかれるというお考えはどうしてなのか、教えてください。

 

○丸山知事:そういうことではありません。正直に申し上げますと、島根県自体はオリンピックと絡めた要請をせざるを得なかったので、島根県から声をかけていくのは良くないと思っています。おそらく適当な方からそういう動きをしてもらってそれに名を連ねさせてもらうと考えています。私自身が声をかけることは、この問題の解決のためにはならいということです。

 

○NHK:オリンピックと今回の要請2点と切り離すことはなく一体として考えていくということでしょうか

 

○丸山知事:私はオリンピックと絡めて言わなければいけないというわけではありません。全く別の問題として解決されれば、私の問題としても解決する。私と同じ様な要請のされ方でなければ賛成しないということではありません。オリンピックと切り離してこういう支援をすべきと同じ様な状況にある県でやっていこうという話があれば、私は当然名を連ねるつもりです。

 

○NHK:切り離して考えて皆でまとまっていこうと知事が主導されることはないということでしょうか。

 

○丸山知事:私は主導する資格がないと思います。オリンピックと絡めてものを言っている立場なので、それはいい結果にならないと思います。私が中心的にやってはいけないと思います。私は名前を連ねさせてもらえるか、声をかけてもらえるかというのはあると思います。

 

○中国新聞:中国新聞です。

この会見を通して島根の厳しい現状はよくわかりましたが、そもそも地元の声がここに至るまで中央に届いてなかったのは何が原因だとお考えでしょうか。

 

○丸山知事:1つは島根県民が我慢強いというのがあります。ただ飲食店の1,170名の方々から署名、要望をいただいていて、明確に需要喚起ではなくて一時金と言われています。今のこの雰囲気ですともっとお店に出ましょうとプレミアムをつけてもすぐにお客さんは戻ってこないというのは重々県内事業者はご存じです。とにかくつなぐお金が必要です。制度融資は島根県として国の6千万円の枠に県単独で8千万円足して十分に借りられるようにしています。でも返済の話がありますから、借り入れも限度に来ていると年が明けて悲鳴があがってきた。

 私も客観的に具体的に承知していないので、我慢しすぎたというのか、私自身も気づくのが遅かったということかもしれませんので重々反省しています。

 

○夕刊ゲンダイ:夕刊ゲンダイです。

国会議員と会ったときに「いかがなものか」という指摘がありましたということですが、このいかがなものかというのは、相手方は何を問題視して発言されたのでしょうか。

 

○丸山知事:県内の飲食事業者の窮状を改善する話と、聖火リレーをするかしないかを関連づけて意見表明したところです。私自身が中止の検討と表明しましたから。

 

○夕刊ゲンダイ:それに対して知事はどのように応えられたのですか。

 

○丸山知事:私のロジックでは関連があるので、今このままの島根県内の状況で聖火ランナーを歓迎して声援をおくる人たちが飲食事業者の中でどれだけおられるか。世紀のイベント、国家的大イベントですけれど、拍手なり歓声をもって見られない方がいる中で、そういうことに県として7千2百万円のお金と人的なサポートをして対応するというのは、お金の使い方として、私自身は、やりたくないし、やれないなと思ったので、私の中では繋がっているのですが、別の考え方をお持ちだったということ。

 

○夕刊ゲンダイ:知事は関連づけているんですけれど、国会議員の方々は、別々に考えているということでしょうか。

 

○丸山知事:竹下先生から、そういう話をいただきました。先生はそういうお考えで、私は違う考えで、違う考えだから、竹下先生がこの問題について汗をかかないということではないですよ。私が関連づけをやめなければ、これについての協力はしないということでは全くなかったです。知事と考えが違うということで、共通点は見なかったですが、この問題について、きちんと対応しなきゃいけないということについては、竹下先生はご理解いただきました。そこは誤解がないように。

 

○朝日新聞:朝日新聞です。

竹下さんとの話の中で、聖火リレーとコロナを結びつけるのは違和感があるとか、知事に対して、組織委員会とか国民全部が聖火リレーについては決めることで知事が決めるべきでないとか、島根の飲食店の状況について、島根は厳しいが東京の厳しさは次元が違うので、それに押されているような面があると、おっしゃられたとのことですが、そうした竹下さんのコメントに対して知事はどのように受け止められたのでしょうか。

 

○丸山知事:それはいつのコメントですか。

 

○朝日新聞:本日の要望の際にそういった話をしたと竹下さんがおっしゃているんですけれど。

 

○丸山知事:そうですか。最後の東京の話はよく分かりませんけれど、東京の方が厳しいという話はなかったと思います。それは多分ちょっと違って伝わっているか誤解をされたか。東京は東京で大変だという話が、きちんと政府サイドに強い話がきているということだと思います。島根と東京と比べると東京の方が大変だということではなくて、大変だという話がたくさん来ているという話だったと明確な記憶があります。

 そういうお考えがあるとして、私のやりように問題があるというご指摘は、あってしかるべきだと思います。そういう問題があっても、きちんと対応していただけるということで、私は大変ありがたいと思っています。県民のために一生懸命動かなきゃいけない、という立場で、私の所作に問題があっても、県民の置かれている状態がそうであれば、きちんと対応すると言っていただいているわけですから、私としては逆にありがたいです。考えが同じじゃないとやらないとやらないと言われておかしくないかもしれませんけれど、それよりも県民の置かれている状況を改善することが大事だとおっしゃっていただいているわけですから、それはありがたいと思います。

 

○IWJ:インターネットメディアIWJです。

 本日の議員の皆さんとの面談で要請書をお渡しになられた時に、どなたかでも聖火リレー中止への一定の理解、中止を検討することへの賛意、賛同を示された方はいらっしゃったんでしょうか。

 

○丸山知事:おられませんでしたけど、お互い話題に出さないという方もたくさんおられ、働きかけをお願いしたいということだけを中心にお願いして、あえてその話をせず、相手方の先生からも触れられずに終わったこともあります。

 

○IWJ:島根の聖火リレー中止を検討と言うことに関して、不快感といいますか、激しい調子で注意すると言われた竹下議員がおられますけれど、島根選出の国会議員は皆さん自民党の方々ですが、皆さんと丸山知事の立場というのは、どちらかが意見を言って頭ごなしに注意する、されるという立場、関わりなんでしょうか。

 

○丸山知事:先週の金曜に記者会見でも答えたんですけれど、注意というのは、気づいてないことがあってそれを伝えることも注意ですよね。私は聖火リレーと繋がっていると思って行動しましたけれども、普通に考えれば切り離すべきだと言う方もおられる。繋がっていることを説明する機会がなくて全く関連ないものを結びつけてやっていると誤解をされる。そういうことを私が気づかなかったことを指摘されることも含めて注意と言えば注意です。それは、目線が上からでも下からでも私は別にいいです。現状改善が一歩でも進めば、県民のためになるので、そういう意味では、上から、下から、注意だ、指導だということには全くこだわりません。

 言われたのは、実際そういう趣旨だった。お会いして君のように思わない、そうすべきじゃないという意見もたくさんあるし、竹下先生も切り離すべきだというお考えでしたけれど、そういうお立場で、自分はそう思っているかもしれないけれど、そう思ってない人もいるので、そこをきちんと頭に入れて対応すべきだという意味で注意をいただいたということ。それはあってしかるべきだと思いますし、私が人生経験も50歳で、政治経験も知事になって2年目ですので、そういう注意をいただけることはありがたいと思います。どうでもよければ放っておきますもんね。

 

○IWJ:オリンピックで歓迎して聖火リレーをやっていける状況でない事と、島根の窮状を結びつけて語られたことは、非常に画期的で今日もマスコミがたくさん来ていますし、いろんな地方から反応もあったと思いますが、大手マスコミでもオリンピックに関わっているせいで、一部のイベントでも中止する可能性があるとか反対する人がいると報道しづらい状況ですけれども、賛否として、賛同される意見や反応は身の回りとかはあったんでしょうか。

 

○丸山知事:統計データがないので数は分からない。結びつけるべきじゃない、私もそう思います。これだけ一生懸命やってきた方、準備してきた方、招致されてきた方、大イベントの開催の中でこういうことをやっていこうとイメージされてきた方がたくさんおられるので、そういう方からすると西日本の開催競技もない知事が何を言っているんだと思われる方がおられても当然だと思います。

 賛否両論が分かれる話だと私も分かってやりましたので、ご批判を受けるのも仕方ないと思っています。ほんとに楽しみにしていた方や開催に向けて努力されている方に対して、その気持ちを害する話ですし、実際に聖火ランナーとして走ろうとされている方に対して中止を検討するというのは、言わずに済むなら言いたくない話を言っているわけですから、お詫びしなければいけないと思います。

 

○IWJ:昨日、丸川珠代オリパラ大臣が、ワクチン接種を五輪で来日する競技者や関係者に義務づけたり、強制することはないと発言をしました。本日は橋本聖子組織委員会会長が、オリンピックの聖火リレーに関して沿道の観客を抑制したり、ネット回線などを使ったライブなどを見ていただくように流すといった対応を発表していますけれど、これは丸山知事から見て、十分な対応と思われるのでしょうか。

 

○丸山知事:結局、オリンピックの中で、来られる方々に対してどういう規律を課すかという話と、そこで生じうる感染を東京都の保健所、医療体制で受けざるを得ない、そこを第一義的には都知事がどう評価されるかということ。想定されているよりも感染対応が厳しくないのであれば、より負荷がかかることを想定しないといけないでしょうし、そういうことは想定済みで準備しているなら予想どおりということになる。

 この話は東京都がオリンピックで入国される選手とか大会関係者に対して、どれぐらいのことをやられるかことを想定されているかでリスクが高くなるのか、低くなるのかが基準ですので、私が評価するのは難しいです。どこまでを想定されたかということによると思います。

 

○山陰中央新報:山陰中央新報です。

今日の要望ですが、政府側は飲食店への支援はいわゆるゼロ回答だったと思いますが、その認識でよいかということと、今のままの状況だと聖火リレーについては、中止に向かって進むという考えなのかどうか、よろしくお願いします。

 

○丸山知事:政府に会ってないから判断しようがないです。言質を取りようがないです。反応なかった、反応をもらえなかったということかもしれないです。

 私も、政府なり多くの企業が協賛されてスポンサーになられている一大事業に対して、水を差しているという状況は、客観的に理解していますから、そういう人間を丁寧に扱いにくいのは仕方ないことだと思います。私に対してでなくても全くかまわないので、ともかく国会議員の先生方なり、ほかの県知事さんとかが頑張られて、結果が出る。どちらでもいいので。

 私が言って政府から理解等もらえること自体、世間的に言えば甘い考えだと承知していますので、ともかく人の力を、お仲間の力を借りて、なんとか県内の事業者の窮状が改善されるように、どういうルートでもいいのでなんとか結果が出るようにしたいと思います。

 人頼みにということになりかねないですが、島根と同じように、時短要請までいかなかった地域がたくさんあります。私自身、霞ヶ関におりましたし、今回のやり方が常識から外れたやり方だというのは、重々分かっておりますから、なんで私の要望に対して回答を出してくれないのかと言っても、逆に物事は進まないと思いますので、色々な方の協力を頂いて、なんとか改善に進むようになればいいと思っています。自分でできることは一生懸命やります。


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