2月19日質問事項1
1.聖火リレーの中止検討
○山陰中央新報:山陰中央新報の原田と申します。よろしくお願いします。
東京五輪の聖火リレー中止検討についてお伺いします。表明後の反響の大きさについて、率直にどう受け止めているかということと、それから、今後政府と東京都に改善を求めていくために、要望に具体的にどのように動くか、今具体的に日程調整をしているものがあればお聞かせください。
○丸山知事:反響の大きさは予想以上であります。当然賛否分かれる反応だということでありますので、この今回の私どもの島根県としての中止検討について、県民の皆さんからの御指摘を中心に真摯に受け止めて、今後の対応に生かしていきたいというふうに思っております。
そして、私自身は、東京都に要望するつもりはございません。東京都民の皆さんのために当然されるべきではないかという、私の認識を披瀝しているところであります。それを参考にされるのであれば、お問合せを頂ければ私どもから説明することはありますけども、島根県が東京都に要望するという類いの話ではなく、そもそも東京都民のために、東京都として加えてなすべきものがないかどうかということを検討されるべきだと私は申し上げておりますので、東京都に出向いたり、文書を出すつもりはございません。ただ、政府は、総合調整権に基づいて全体を統括されるお立場でありますので、政府に対して、東京都を含めた東京地域の感染拡大防止の対応力の強化ということについては、お願いに上がりたいというふうに思っております。そして、現在のこの感染拡大地域と非拡大地域で、飲食業を中心とした業種に全国的な厳しい状況が生じているにもかかわらず、非感染地域に対しての追加の支援措置が一切ないということについての改善も併せて要請していきたいと思います。
若干補足させていただきますと、私の受け止めでありますけども、47都道府県中1県で、聖火リレーの中止検討ということで、そこがクローズアップされたわけですが、私は、この東京オリンピック・パラリンピックを感染拡大防止と両立する中で、国民全体が開催を喜んで迎えられるという環境をつくっていくべきだという考え方であります。そのために私自身は2点ほど大きな改善点があるんじゃないかというふうに思っておりますので、現状ではその問題を抱えているこのオリンピック・パラリンピックの東京での開催ということについては、今のままでは賛成できないということがスタートでありまして、そのプレイベントであります聖火リレーについても県として財政負担をして協力をしていくということは、現状のままではし難いということであり、根っこのほうが主眼であるということについて、多くの皆様に御理解を頂きたいというふうに思っております。
○山陰中央新報:具体的な要望のスケジュール感など、今調整中のものがあればお願いします。
○丸山知事:早いほうがいいというふうに思っておりますけども、県議会開会中でありますので、そういう私の既にある日程との兼ね合いも含めて、今調整中というところであります。できるだけ早く、関係省庁及び地元選出の国会議員の先生方のところに伺いたいというふうに思っております。
○山陰中央新報:加藤官房長官が17日の会見で、緊急事態宣言が発令されている地域と島根のような感染者が少ない地域での支援の差について問われて、時短要請の協力金の話を出されて、地域の状況に応じた支援を行っていると述べられました。このことについてどのように受け止められるかということと、それから……。
○丸山知事:一つずつ言わせてください。
○山陰中央新報:はい。
○丸山知事:そのまま読むと、島根県でも時短要請すれば4万円払うのにというふうに読めるようなコメントでありましたので、内閣官房に問合せしたところ、それは時短要請の必要がある感染状況が前提となっている仕組みだということで、島根県のような状況では8割助成をするという制度の発動はし難いという回答を頂いており、それが使えるというわけではないというふうに受け止めておりますので、問題認識は変わっていないなというふうに受け止めたところであります。(官房長官の発言を)どう取るかということもあるかもしれませんので、確認した結果はそういうことでありました。
○山陰中央新報:それとは違う追加支援を求めていくというお考えでよろしいですか、これは確認です。
○丸山知事:島根県は、感染拡大していませんから、今の制度では駄目だろうし、今の制度を変えて、感染拡大していないところに時短要請して、お金を払うというのは論理矛盾でしょうから、別の仕組みじゃないかなと思いますけども。私は形は問いません。ともかく、感染拡大地域がそういった措置を通じて、飲食店が少なくとも一息つける状況ができていると。ただ、(感染拡大地域と)同じような状況が起きている島根県、恐らくこれは、島根県だけじゃないと思いますけども、感染を拡大させてない地域に追加の措置が一切ないということで、一息もつけてないという、この合理的な理由がない扱いの差を埋めるという対応をお願いしたいということであります。
○山陰中央新報:官房長官は、そのときの会見で、知事から話があれば、意見交換をするというふうにもおっしゃられました。先ほどの要望の関係とも重なるかもしれませんが、その辺、どういうふうに日程調整されますでしょうか。
○丸山知事:日程調整をしてからでないとお願いできませんので、今のところは具体的なお願いをしておりません。西村大臣なのか、官房長官なのかも分かりません。官房長官のお話というのは政府を代表した会見だというふうに認識いたしておりますので、官房長官御自身だということかどうかは分からないと思っておりますので、大臣御自身なのか、副大臣なのか、分かりませんので、どなたに会えるかというのは日程次第なんだろうというふうに受け止めております。
○山陰中央新報:先ほど東京都には要望するつもりはないというふうにおっしゃられました。東京都の改善点というのは、どのように確認をされますでしょうか。
○丸山知事:東京都の改善点は、大きな改善なので、報道等がされるでしょうから、そういうもので確認しますし、政府に確認するという手もありますよね。その手順は具体的に考えていませんけど、そもそも今、都はきちんと対応しているというふうに都知事がおっしゃっていますので、そんな動きは今のところ全くないということなのだろうなというふうに受け止めております。
○山陰中央新報:地元の竹下亘衆議院議員が知事を呼んで注意をするというような発言をされました。どのように感じておられるかと、あと、知事のほうから会いに行かれるようなお考えはありますでしょうか。
○丸山知事:報道でいろいろ指摘があるのは、呼んでというところと、注意という言葉が俎上に上っていますけども、会合に呼ぶとかでも、こういう言葉を使いますから、呼びつけるというふうに言葉を悪意に取る必要もないんだろうと。もともと竹下亘先生は病気療養から復帰をされて、それほど間がないわけですから、そういったことも含めると、私のほうで出向くほうが普通だというふうに思っておりますので、ああいう発言について私のほうで取り立てて申し上げることはなくて、殊さら悪意に取る必要はないんだろうというふうに思っていますし、注意という言葉も、これは私の不手際でありますけれども、今回の表明に当たって、この内容を直接は御説明をいたしておりません。したがって、竹下亘先生が私の考えを詳細に御存じというわけではありませんので、県知事のこの判断というのを新聞報道等で見ると、心配なところがあるので、大丈夫なのかということを確認しないといけないなというふうに思われるのは、ある意味当然だと思いますから、そういう知事が気づいてないところを教えてあげないといけないんじゃないかというふうにおっしゃっているんだろうというふうに受け止めております。
それで、先ほど申し上げたように、地元選出の国会議員の先生方に要望書をまとめてお持ちしようと思っていますから、当然地元選出の竹下先生のところにもお邪魔したいというふうに思っております。
○山陰中央新報:要望はできるだけ早くというふうにおっしゃられました。調整中だと思うんですけども、早ければ来週中にも行くようなことというのはありますでしょうか。
○丸山知事:まだ調整中なので分かりません。
○山陰中央新報:分かりました。県内の市町村長からも様々な意見が上がっています。どのように理解を求めていかれますでしょうか。
○丸山知事:事前の連絡をしていないというのは事実ですけども、中止を検討するというお話を市長会の事務方のトップに実行委員会でお話をしております。つまり、中止をという判断をする前に、その前段階での説明をしているということで、決定前の説明を事前にするということを事前に説明しろというのはちょっと厳しいです。決めたというわけではなくて、こういうことを考えていると、1か月程度で判断したいと思っているということを、決める前に連絡している、それが公の場だったからけしからんと言われても、組織委員会でも議論になっていますけども、オープンにしちゃいけないと言われてもなかなか厳しいなというところですかね。私は事前に説明をしているという認識、物事を決める前に説明しているという認識であります。
○山陰中央新報:今後どのように理解を求めていかれますでしょうか。
○丸山知事:今回の判断は賛否が分かれるものだというふうに思っております。残念ながら、私は全員の理解が得られるかどうかを判断基準にするのは難しいだろうというふうに思っておりますけれども、できるだけ御理解を頂けるように、これまで御協力を頂いておりますので、経緯を含めて、おわびもしなきゃいけないでしょうし、できるだけ理解を頂けるように努力をしていきたいというふうに思いますが、全会一致でないといけないとかというふうには思いません。全ての市町村の合意を自分では要件としていないということであります。
○山陰中央新報:聖火ランナーへの説明やフォローについてはどのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:県が選抜した、たしか50名余りのランナーの方は、連絡先を確認しておりますので、お手紙かメールをお送りいたしております。そして、一般の方々にはそのお手紙自体をホームページにたしか昨日掲載していると思いますので、そういった形で、まず考えをお示しし、そこでまた御意見を頂くケースもあろうかと思いますので、丁寧に御説明していきたいというふうに思っております。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
○NHK:NHKの浅井と申します。
今日の衆議院予算委員会で新しく就任された丸川珠代オリンピック担当大臣が、国としては感染拡大の防止に全力を尽くした上で、聖火リレーの開催について御理解を頂きたいというような発言ありました。まず、その受け止めをお願いします。
○丸山知事:そこが一つ、私の説明が十分じゃないのかもしれませんけども、誤解があると思います。私は、聖火リレーの実施が感染拡大を招くというふうに思って中止検討をしているわけではありません。冒頭申し上げましたとおり、大本のオリンピック・パラリンピックの開催自体に課題があるということが理由でありますので、そこのところを問題にしているわけでありませんから、聖火リレーを、感染拡大防止をちゃんとやるから実施しますというロジックに私の場合はならない。それは私の発言に対して言われたかどうか分かりませんけど、私は、その話で聖火リレーの問題がなくなるというふうには考えておりません。島根県としては、聖火リレーで若干の人の出入りがあったとしても、これまでの実績を踏まえて対応できるというふうに思っておりますので、それ自体を問題にしているわけではないです。
○NHK:改めて、重ねての質問になるんですけれども、改善点、2点でしたけどおっしゃったと思うんですけど、もう少し具体的にどういった改善を求められていくか、改めて教えてもらえますか。
○丸山知事:要望書にまとめていますから、要望書をお渡しするときにお示しします。具体的な改善点は、感染防止対策は私が具体的に言うことじゃありません。やっている人たちが考えて、具体的な対策を示してほしいと言っているので、そこが具体化することはないですね、基本的に。都知事の御発言は、しっかりと都で対応しているというお話でありました。素直に読めば、この第3波で起きたことというのはしっかり対応した結果だと、だから問題がないというふうにおっしゃっているように見えます。改善すべき点はないというふうにおっしゃっているんだろうというふうに受け止めていますけども、これだけの死者が出た。共同通信の報道ベースですけど、全国で29人のうち8人、医療にたどり着くことがなく、自宅または療養施設で亡くなられた方が発生した。1万人を優に超える自宅療養者と入院等調整と言われる、病院にも宿泊療養施設にも入れない方がおられた。一方で、宿泊療養施設の稼働率は20%とか30%にとどまったというお話もありますけども、改善点が本当にないんだろうか。私の受け止めを前提とすると、つまり、それは今回のようなことが起きても、それはきちんと対応した結果だから致し方ないというふうにおっしゃっていることになります。それは、都民の皆さんが求められている都の行政水準なんだろうか。これぐらいの死者は出ても致し方ないとか、医療にたどり着けずに亡くなられる方がある程度生じても仕方がないっていう御認識だとすると、状況は相当深刻だなというふうに思います。
加えて申し上げると、私もあれこれ申し上げちゃいけないというふうに思いましたので一昨日は申し上げませんでしたが、多くの死者が出ている、全国で第4位ですね。そして、保健所の調査を縮小された。そして、今申し上げたような8人の死亡者が出ている。この第3波の結果がこうですね。東京オリンピック・パラリンピックをやっている時期というのは、恐らくワクチン接種を保健所が懸命にやられている時期と重なるんじゃないでしょうか。今以上に厳しいワクチンの接種業務を止めて対応されるのか、今よりも感染防止対策への対応力を下げて、ワクチン接種を継続して保健所が対応されるのか、その上でリスクを全体として高めることになるオリンピック、外国から人を呼ばれるという大規模イベントを実施されるのか。第3波の振り返りとして、まず都民の皆さんが納得される数字なのかというのが第1段階ですけど、それに加えて、東京オリンピック・パラリンピックが招く状況というのはさらに厳しいものになるし、ワクチン接種という都民の皆さんが切望されているものとどう両立するかというもう一つ難しい状況になるのではないかという意味で、第3波の体制で致し方なし、何の問題があるんですかっていうふうにおっしゃっているようで、本当にそういうより難しい状況を乗り越えられるのかどうかっていうのは、2日前に懸念を申し上げたときよりも、より懸念が深くなってるという意味で、大変残念であります。
○NHK:聖火リレーの組織委員会との契約の部分で、おとといの会見の中で契約条項の中身について、知事、言及されたかと思いますが、それ自体がそもそも守秘義務的な部分での違反につながるんではないかというような部分もあると思うんですけれども、その辺りについてどのように感じてらっしゃいますか。
○丸山知事:誰がそんなことを言われているんですか。
○NHK:契約条項の中にそういうものが盛り込まれていて、それに抵触するのでないかというふうにも考えられると思うんですけれども。
○丸山知事:組織委員会がそんなことを言われているんだろうというふうに推察した上で御説明させていただきます。まず、行政がお金をかける、みんなのお金ですよ、公費です。その支出原因となる契約を一切公開できない、そんな契約が存在していいでしょうか。なぜその金額で、予算がそれだけかかるという説明を県議会とかにもできないことになりますよね。公共団体が契約してお金を支出する際にそんな契約を結んでいいわけがない。県民に何の説明もできない契約。そんなものを組織委員会は我々に結ばせているんですかね。そんなことあり得ないです。協定の内容を私が触れたことを、どうも何か契約違反だというふうにおっしゃっているような話も仄聞します。正直言って、従属的契約みたいなものですよ、そんなわけないだろうと。協定の頭に、本協定というふうに言い直しています。そして、秘密保持契約のところに本協定という言葉はありません。本協定に基づいていろんな業務をする際に、いろんな情報を提供するけど、やり取りするけど、それは守秘がかかるというふうになっています。本協定という言葉はちゃんと使われて定義がされているので、その守秘義務の条項の中に本協定という言葉は入っていません。だましておられるのか本気で言っておられるのか分かりませんけど、そういうことを我々は言われ続けているんですよ。契約の中身を一切出すなと。そんなわけないでしょう。民民(契約)だったらそれもまた構いませんけど。私が具体的な反論をすることを封じようとしているのかもしれませんが、情報公開請求が出たら出せると思いますよ。出せなかったら、予算計上している額を執行して、適正なのかどうか監査請求とか住民訴訟になったときに説明できないじゃないですか。事程左様に、そのような対応ですよ。私は、余計なことをしゃべるなという脅しだと思っていますけど、私は法学部出身です。契約の表紙だけを見ないですよ。全部見ます。保秘条項があって、そこに本協定という言葉は入っていない。そして、費用負担を定めているのは別紙となっていて協定の一部だと。その協定の一部、負担割合が決まっているところを無理やり変えて執行させようとしている、これは協定違反だと催告ができると。私、見た目によらず細かいんで、きちんと確認してます。もう皆さんに配ってあげたいぐらいです。こういうふうに我々は言われたとおりにやれと、対外的に説明するなと。
ちょっと臆測が入っていますし、言い過ぎた部分があるかもしれません。そこは事実と違うところがあればおわびをいたしますけれども、私が協定を見る限り、協定自体に秘密保持はかかっていません。そんなものを地方公共団体に結ばせようとしているんだったら、それはろくでもない組織ですね。公益財団法人なのかと、もう公益認定を取り消してもらいたいぐらいだということです。
○NHK:そもそもこういった聖火リレーに対して中止の検討をなさるというところですとか、オリンピックを中止すべきだというような考えを示されるところが、飲食店への補償というか経済の部分というところもあってそういう要望も繰り返してこられたと思いますが、国からは特に示されてるものはないかなと思います。とはいえ、県内の飲食店の状況かなり逼迫していて、結構、休廃業も出てるような状況かと思いますけれども、かなり待ったなしかと思うんですけれども、改めてGoToEatしまねのプレミアム率の上乗せ以外に経済対策、県独自でやっていこうというようなお考えなどありませんか。
○丸山知事:私は何度も申し上げていますけども、私の認識は、日本の国民なり事業者、法人を、同じような状況に置かれている人たちを同じように扱うということは政府の責務だと思っています。それをまずきちんと求めていく。資金繰りの関係については3月末まで、他県に比べて手厚い融資枠で制度を設けておりますので、そういった対応をしていくということであります。
政府が緊急事態宣言地域に2か月休業要請されていれば、60日ですよね。60日掛ける6万円、360万円。持続化給付金の3.6倍なんです。4万円だとして240万円、持続化給付金の2倍とか3倍とか。それは緊急事態宣言地域じゃないので、240万円とかというところとの兼ね合いが問題になると思いますけども、それを感染拡大してない、いわゆる人口が少なめのところで、おたくでやればと言われても、難しいですよね。その金額をがくっと減らしてやるということがあるかもしれませんけど、まずは240万円との兼ね合いで、一定の金額をきちんと給付金として払ってもらうということを求めていくというのが私の今の仕事だというふうに思っています。
○NHK:ありがとうございました。
○読売新聞:読売新聞の林です。
ちょっと重複で確認の質問になって恐縮なんですけれども、今、知事がどのようなことを実際に国などに求められているかというのは非常に注目されていると思います。そのことについて、先ほど来のお話でいうと、近く自ら国のほうに出向いた形で要望書を提出するという形で、それを伝えていくという理解でよろしいですか。
○丸山知事:受け取ってもらえるかどうか分かりませんけど、こちらはそういう算段で考えています。
○読売新聞:分かりました。
要望の対象としては、例えば厚労省とか国土交通省とかが、今、ほかにどういうところを想定されてますでしょうか。
○丸山知事:飲食店があるから農林水産省とか入るかもしれませんね。
○読売新聞:分かりました。
○丸山知事:積極的疫学調査の実施状況を教えてくれないかと言っても、なしのつぶてなので、会ってもらえるかどうかも分かりませんけどね。
○読売新聞:ちなみに、それはまだ回答はないという認識でいいですか。
○丸山知事:ないです。それぐらいの扱いなので、我々は。心して、会うこと自体をお願いしていきますよ。
○読売新聞:先日の聖火リレーの中止(検討)を発表されて以降、特に知事御自身でも、あるいは事務方レベルでも、特にその辺についてのやり取りというのはまだ始めていないような段階ですか。
○丸山知事:その辺のというのは。
○読売新聞:例えば知事としてどういうお考えがあるかということを国側に伝えたりするやり取りのことでございます。
○丸山知事:まだ要望書を作っているとこですし、政府のお立場からすると、それは頼むほうが、紙でも作って持ってくるんだろうというふうに思われるでしょうから、それはちょっと今作業しているところです。
○読売新聞:先ほどワクチンの接種と感染対策が並行するのかというようなお話があったと思います。その辺のこと、ワクチンを接種という大きい事業をしながら、オリンピックが開催できるような対策をするというようなところも要望書には盛り込まれるお考えですか。
○丸山知事:私は東京都内の保健所が一体どうなっていたのか、知る立場にもありません。ただ、一般論として、島根県が考えた場合でも、これからワクチンの接種の関係でも医療機関との調整、これは市町村が主体になるかもしれませんけど、我々が間に入って、要するに保健師とか医師がいるのは保健所設置市が中心ですので、医師がまずいませんからね。保健所長は必ず医師ですから。それでプラスアルファでドクターがおられますけど、そういうスタッフって県しか基本的にいないので、医師会との調整とかの業務があるでしょう。保健師さんがワクチン接種に携わることがないということはあまり考えられないというふうに思いますし、東京都は特別で、携わらないとなっているんだったら杞憂かもしれませんけどね。だから、私は、その何か具体的にああだこうだ言いませんけど、ただ、たしかこの会見場で言った覚えがありますけど、1月16日の、そのときは社名を言わなかったけど、「NHKスペシャル」、夜9時から、港区の保健所(管内)で高齢者入所施設のクラスターが起きていて、でも、その患者さんたちは入院ができない。そこの健康観察に保健師さんが行かれて、健康確認をして戻ってきたら、その中から体調不良者が出たので、あちこち入院先を探されたけども、めどがつかない。そして、その担当されている保健師さんが御家族に連絡をされて、体力勝負、感染の勢いと体力の関係で、このまま亡くなってしまうかもしれないという告知をされていましたよ。これ、前も申し上げましたけども、医師のような仕事をされてましたよね。このままだと亡くなるかもしれないので、覚悟しておいてくださいということを保健の、臨床に携わっておられない保健師さんがされている。ただごとじゃないと思いましたよ。それは医療の最後のところですよね。それを、健康を保持するための仕事、保健師さんって、病気にならないようにする仕事をされている方がやむを得ずやられている。それは全国で報道されたはずですよ、東京都内だって報道されたはず。そういうことが起きないようにしないといけないんじゃないかと私は思いますけど、それを仕方ないと都知事が思われ、都議会もそう思われ、都民もそう思われるんだったら、このままなんでしょう。でも、そんなことで、リスクオンされた外国から大勢の方を迎えるという意味で、リスクが高まる大きなイベントを東京都で開催するということまで含めて、まず、都民の皆さんが覚悟されるのかどうかということですよね。
もう一つ加えると、救急搬送に相当の時間を要した期間があったというふうに伺っていますから、通常医療も救急医療も相当逼迫した。ああいうことがもう一回起きても、それは仕方がないよねというふうに都知事も思われ、都議会議員の先生方も思われる、だったら、そうなるんでしょうね。でも、そういう中身というのは、新型インフルエンザ特措法に基づいて総合調整権を持っている都知事が対応しないと、どうしようもないと思いますけど、ただ、一昨日のコメントでいくと、そうなってないから深刻だなというふうに思います。具体的な内容は、そういう現場の状況を確認して、どこの保健所でどういう状況になっていたか、それが再燃させていいものかどうかということを確認する、医療がどうなっているか。要するに、どこがキャパシティーオーバーになって、本来あるべきではない姿になっているかということを個別に検証して、そうならないようにするためにはどうするかというのは、私はもっと早く措置を講じるということしかないと思うんです。今回は、季節性のものなのか、自然にピークアウトしたのか、それとも、飲食の措置で下がったのか、そこは、私は専門家じゃないので分かりませんけど、飲食の措置でこれだけの効果があったのだったら、ああいう措置をもっと早めに講じていくということしか、私は思いつかないんですけど、ほかに手があるのかないのか。それだと、政府と調整をして、やっぱりこういう段階で出していこうとかという、政府と都なのか、1都3県なのか分かりませんけど、そういう共通認識を持って、次の4波に臨むとかという大枠が要るんじゃないかなと思っていますけど、それは余計なお世話だと思いますから、別にそんなの書きません。現場を知っている方々、それを統べる方々、統括する方々が専門家の意見を聞かれて、現場の意見を聞かれて、どういうふうにされるかというのは、それは私が具体的に個別には紙で起こしてこうすべきだとは書きませんよ。
○読売新聞:先日の御表明以来、いろんな御意見があったところです。賛成意見もすごく多くあるという前提の下でなんですけれども、一部の議論では、やっぱり例えば、言い方はいろいろありますけれども、聖火リレーで取引をしようとしているようだという議論とかもございます。この辺について、知事としてはどのように御見解示されますか。
○丸山知事:何かについて、こういう状況にある限りやるべきじゃないというふうに、そういうふうに私が県として方針を定める、対応するということをやってはいけないのかというふうに問い返したいですね。本体開催には私は何の権限もありません。ただ、聖火リレーの実施について、県予算と県の人員を負担するということの協定を結んでいますから、そこのところを方針に基づいて対応しているというだけです。都知事がいろいろと掛け合われてたりしますよね、それはこうするべきだとかって。私はそういうことやってはいけないんです。東京オリンピックをこういう条件でないと、こういう環境をつくってやるべきだという方針の下に、自分ができることをやるということをやってはいけないってどこに書いてあるのかな、島根県の状況は大変厳しい。私が口で言っているより、私の認識がまだ甘いぐらいだと思いますけど。そんな状況で、今の状況を耐えろと、オリンピックは、国家プロジェクトなんでしょうね、それについて、物を申すのはけしからんと言われても、そういう余裕があればそうしたいです。でも、そういう余裕をつくってくれてない以上は、そうせざるを得ないと、残念ながら。私だってオリンピックを開いてもらって、聖火リレーもやってもらって、それを、私は多分観戦することはないでしょうから、テレビで拝見したいし、その報道を新聞でも見たいし、そう思いますよ。聖火リレーのオープン式典だって行きたいですよ。でも、この状況では、そういうふうにしなさいって、東京を中心とした偉い方々の雰囲気に合わせて立ち振る舞えというのは、県知事としてはできない。今の時代の日本の雰囲気に合ってない立ち振る舞いだと思いますよ。ただ、それは県民のためにならないんだったら、この雰囲気から外れても、そういう行動を取らないといけない。人に合わせることで県民を苦しめるわけにはいかないというのが私の考え方です。あと、島根県にはその余裕がないというのが私の認識です。
○読売新聞:分かりました。
○朝日新聞:朝日新聞の浪間と申します。
昨日の竹下亘会長の発言で質問なんですけれども、竹下会長は、コロナが激しいところが言うならともかく、一番遠い島根が聖火リレー中止というようなことを言い始めたのは理解できないと、そういった発言がありましたけれども、地元選出の国会議員によるそういった発言について、どのように受け止められておりますでしょうか。
○丸山知事:病気療養もされていた。そして、復帰をされていますけども、なかなか地元に帰られる機会も限られていたというふうに伺っておりますので、島根県内のこの厳しい状況を十分にまだ御理解されてないということによる御発言だというふうに思っております。なので、私も先ほどちょっと反省点として述べましたけども、今回の表明をする際に、事前に御説明することを怠っておりましたので、そこは上京してお会いする際に県内の厳しい状況を私のほうから御説明させていただいて、この厳しい県内の状況というのを認識していただく必要があると思いますね。
○朝日新聞:直接要望書を渡しに上京するときに、しっかりと知事から県内の状況、そして、知事がどういった意図で中止の検討を表明されたのかというところを含めて、丁寧に説明をして理解を求めると、そういうことでよろしいでしょうか。
○丸山知事:そうですね。竹下亘先生も地元に、飲食業とか、飲食に対する卸売をされているような支持者もおられるでしょうから、そういう方に直接電話でもしていただいて聞いていただければ、大分雰囲気感も御理解いただけると思いますので、そういうこともしていただければありがたいなというふうには思います。
○朝日新聞:次に、大会組織委員会についてなんですけれども、先ほどのお話の中で、協定等をめぐる組織委員会の不信感のようなお話ありましたけれども、昨日、新会長、橋本さん就任をされたかと思うんですけれども、新会長が就任した受け止めと、そこに求めていくことというのはどういうことでしょうか。
○丸山知事:アスリートとして、メダリストとしての御経験と政治経験、直前まで閣僚を、担当大臣をされていたという御経歴ですので、これはもう十二分に活躍されるというふうに思っておりますけども、今の雰囲気でいくと大変大役でしょうから、私の今回のような問題について会長御自身が差配されるのかどうかよく分かりませんから、この点についてどうこうというのは特段ないです。我々は、事務方の人たちとやるんでしょうから。
○朝日新聞:何か会長として、その気持ちの面では対応してほしいとか、そういった思いというのは知事としてはありますでしょうか。
○丸山知事:いや、ただ、組織委員会は、ある意味、オリンピックの開催の本体の話をされていますね。東京都の感染対応能力を引き上げるということについては、オリンピックの組織委員会としてできることではないんですよ。これは行政と東京都と、恐らく政府ということになるでしょうし、対応される先はですね。飲食業等に対する公平な措置というのは、これは政府になります。なので、直接組織委員会に改善をしていただくというのは難しいというふうに思いますので、そういう意味で、それを役割の違う新会長にお願いしたりするというのは、それは逆にやってはいけないことだろうというふうに思います。ただ、組織委員会にお願いしたいことは、開催をするためのいろんな準備をされる組織だというふうに思いますので、そういう環境整備を政府なり、都に、こういう問題が起きないように対応してほしいというふうに言っていただけたらありがたいというふうに思います。
そもそもオリンピックって平和の祭典と言われますよね。平和の祭典って、人が争わない、人が傷つかないということだと思うんです。ということは、刀傷とかじゃないとしても、感染症を拡大させて死者が増えるとか、病気になる人が増えるとかというのは、それは傷ついちゃいますよね。とすると、やっぱりそういう感染が拡大しないような環境整備を、組織委員会として平和の祭典にふさわしい開催環境をつくってほしいというふうに言っていただくのは、理念的にはおかしくないのかなというふうに思いますし、恐らくこれは組織委員会だけではなくて、政府も東京都も平和の祭典で感染が広がるとか、終了してから感染が広がっていくとなってしまうと、平和の祭典として、日本国民にとって、よきレガシーとなるのかどうか、よい思い出となるのかどうかということは、一つの大事な論点だと思うんですけどね。オリンピックに関係ない島根県知事に言われたくないと言われるでしょうけど、平和の祭典ってどういうことなんだろうかと考えると、それはやっぱり感染症が広がるようなイベントであっていいということを言っているわけじゃないんじゃないかというふうに私は思うんですけどね。
○朝日新聞:ありがとうございます。
知事が中止検討表明をされてから、県庁に電話で賛成を示すような、よく言ってくれたというような声とか、ツイッターで頑張れ島根県知事というようなハッシュタグがトレンド入りしたりとか、そういう応援する声というのもありますけれども、そういった声についてどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:それは私個人としては、大変勇気づけられるありがたいお話であります。感謝いたしております。
ただ、一つ、そういう方々の期待を裏切る話かもしれませんけども、正確に申し上げると、東京オリンピック・パラリンピック開催の可能性がゼロだと私は思っていません。やはり体制を強化し、そして、仮に感染拡大したとしても政府がきちんとした対応してくれるという安心感の下で、どうしてもリスクは増えるわけですから、それに対する体制を強めて、それでも広がったときに今回のような対応をしてくれるというふうな対応をしてもらえれば、私は開催できると思います。
なので、声援を頂く方、賛意を頂く方の一部には、オリンピック自体がもう今の時点で完全に諦めるべきだという方も、私の言っている内容が伝わっていないせいだと思いますが、そういう誤解をされている方もおられるので、そういった意味では、賛意を頂いている方の一部の方の期待は裏切ってしまうなと、正確に御説明すると。私は、オリンピック・パラリンピックをいろんな不安を最小限にして、日本として実施していくべきだというふうに、裏返すと、言い方が逆なのでネガティブに取られますけども、私が認識している2つの課題を克服していただいて、やっぱり日本国民、また世界からも注目されるいい大会が開かれるというのが私にとっての一番理想なので、ゼロリスクというか、リスクを最小限にするためにもやるべきではないという、私がそういうふうに考えているというふうに思っておられて賛意を示されている方もおられるので、そういった意味では、ちょっとそういう方の賛意、賛成の意見には応えていない人間なので、ちょっとそこは割り引かないといけないというふうに思っております。
○朝日新聞:ありがとうございます。
○山陰中央新報:山陰中央新報の原田です。
今回、問題提起はされたと思うんですけれども、先ほど来の話を聞いていると、政府や都の姿勢が変わるような兆しがあってるようにも思わないんですが、知事はどのように受け止められてるかということと、それから、これからこの姿勢とか、対応は最終的なものだと思うので、姿勢が変わるために他の都道府県に呼びかけるとか、どのようにして声を大きくしていかれるかということをお願いします。
○丸山知事:今のところ改善の兆しはありません。島根県の問題意識ということは発信できたので、これは当事者、行政関係者とか政府関係者とか組織委員会とか、分からないですけど、そういう組織だけではなくて、広く全国の皆さんにお伝えできました。それは島根県と同じような環境にある、飲食業に支援がなくて大変苦しんでおられる地域もあると思いますので、今直接、ほかの知事とか国会議員の先生方がクエスチョンぐらいで思われてる地域が多数、まあ全部でしょうけど、やはり大本は、これはそういう地域の状況を、苦しい状況を仕方ないと諦めていいのかという問いかけでもありますので、そういう方々から声が上がっていくということを含めて、期待をしております。
もう一つは、やはり行政とか政治を変えるのは、上に立つ人が変えていくか、それを支える人からの声で変わっていくか、2ルートあると思います。私は一番てっぺんにいるわけでもありませんし、島根に限定した長でありますけれども、やはりそういうつらい厳しい経営を強いられてる方々というのは、島根県以外にも同じようなところがあると思いますが、そういう方々からの声というのは、痛切な声であれば、いわゆる国会議員の地元の先生方とかその県の知事さんとか市長さんとかに伝わっていくというふうに思っておりますので、そういうボトムアップの声で変わっていくという可能性も信じておりますから、私は政府に求めていきますけれども、このような状況でいいんだろうかというふうに思われる国民、事業者の皆さんの声が動かしていくという可能性にも期待をしております。
○NHK:NHK、浅井です。
すみません、確認させてください。聖火リレーに関しての要望書なんですけれども、提出先は……。
○丸山知事:まだ日程は決まってないから。
○NHK:提出先は国と地元選出の国会議員の方。
○丸山知事:そういうことです。
○NHK:都には出さないということですね。
○丸山知事:出さない。
○NHK:国と議員さんですね。
○丸山知事:はい。
○NHK:分かりました。内容はそれぞれ別のものとかを考えられてますか。
○丸山知事:いや、同じです。
○NHK:同じ内容のもの。
○丸山知事:ええ、同じ内容。
○NHK:中身的に。
○丸山知事:役所向けのものは役所に向けたものをつくって、それをまとめて国会議員さんに渡すということですね。
○NHK:ありがとうございます。
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