2月17日コメント1
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○丸山知事:本日は、本年5月15日・16日に予定されております島根県内における東京オリンピックの聖火リレーにつきまして、現在の(新型コロナ対応の)状況等が継続している場合には、中止の判断をせざるを得ないといった意味で、この中止の検討をしているということついてご報告をさせていただきます。
まず、聖火リレーの前提となります、東京オリンピックについてであります。東京オリンピックにつきまして、現在の状況が継続している状況では、開催すべきではないというふうに考えております。
第一の理由は東京都の感染の状況であります。東京都の人口100万人あたりの死者数は2月15日現在で約82人。全国第4位と高い水準であります。
そして、共同通信社の調査によりますと、12月から1月25日までの間に、自宅や宿泊施設で、つまりこれは病院に入れずに、死亡した方が全国で合計29人おられ、そのうち、東京が最多の8人にのぼっているという状況でありまして、東京都は全国トップクラスの感染拡大しやすい地域だというふうに認識いたしております。これに対して感染拡大防止の要となります都内の保健所の状況でありますが、1月22日以降、濃厚接触者や感染経路を調査する対象を本来すべき範囲から縮小されておられます。新聞報道等で確認できる限りでは、このような指示をされておられるのは東京都と神奈川県のみという状況であります。このように東京都は感染拡大を非常に招きやすく、かつ、いわゆる第3波において、保健所機能の一部が停止した地域であります。
一方、オリンピックの開催は世界の多くの国々から多数のアスリート、指導者、スタッフ、競技団体役員を東京を中心に受け入れます。当然、入国に伴う感染リスクを高めることになりますし、感染者が出た場合には、医療機関において多種多様な言語での対応が必要となりますので、医療の負荷は高まるわけであります。こういった状況に東京で対応できるのか、仮に、オリンピックの開催期間中が感染拡大期に重なった場合に、第3波と同じようなことが回避できるというふうに言えるのかということがはなはだ疑問であります。これは、当然どこで感染のピークがくるか分かりませんが、これは、コロナについては、死者が多数発生する、いわゆる災害対応、危機管理対応というものでありまして、そういった意味では、最悪の事態を想定して、対応するということが、政府・行政には求められる、というふうに思っております。
一方で東京都のトップであります小池都知事が、この感染拡大防止にどういうふうに対応してこられたかということにつきまして、私は大きく2点、疑問・疑念を持っております。この第3波の中で(午後)10時までとする飲食店の営業時間の時短要請、(午後)8時までとする更に厳しい時短要請と、2段階踏まれましたが、いずれも政府からの再三の要請がなされた後であったというふうに新聞報道で伺っております。そして、小池都知事が師弟関係というふうにおっしゃっております、元都議会議員が区長として当選されました、千代田区長選挙。1月31日の投票日でありましたけれども、選挙期間は1月24日~30日と、緊急事態宣言の期間中であります。つまり小池都知事がステイホーム、不要不急の外出自粛を強く都民に呼びかけられていた期間でありますけれども、その間に、この当選された千代田区長さんのTwitterをみますと4回、選挙応援に入っておられます。写真を見る限りは、選挙カーに乗られ、街頭演説等をされているように見受けられます。当然、法律上の問題はなかろうというふうに思いますけれども、都民の皆さんに呼びかけておられる、徹底した外出自粛もこれも要請であります。多くの人々に、法律上の義務ではない要請をされている方が、ご自身の近しい方の、都議から特別区の区長への転身ということのために、4度にわたり車に乗られ、そして、街頭演説などもされているといった状況で、都民の皆さんへの外出自粛(要請)が本当に心に響いたのかどうか、そういった課題があると思います。
この2つにつきまして、小池都知事から何らかの振り返りを伺ったこと、報道でしか分かりませんけれども、拝見したこともございませんし、大変不思議なことに、私が恐らくこういうことをすれば、大変なバッシングを報道機関の皆さんから受けますけれども、小池都知事については、東京都の記者クラブでしょうか一切そういう検証なり、妥当だったかどうかというこの検証、問いかけは、見たことがございません。
これは、つまり、私のような身ですと、間違った行動、疑念がある行動を取れば、厳しく報道機関等からチェックを受けるわけですけども、なぜか東京都政においては、そういった機能が働いていないように見受けられます。そういった意味でこの第3波と同じような状況が、次の感染拡大局面においても繰り返されることが、残念ながら可能性が高いんじゃないかというふうに思っております。
そういった意味で東京都の感染拡大リスクが非常に高い。それに対する備え、準備ができていないというふうに思っております。そして、この点について、東京の話だから、島根県知事に言われる筋合いはないというふうなご指摘もあろうかと思いますが、島根に影響がないのは、島根県民の皆さんが一生懸命、感染拡大の防止に取り組んでいるからであります。12月から1月にかけてほぼ同水準で、年末年始での感染の増加はありませんでした。これは、帰省の自粛、帰省された方の帰省後の飲食を家族に限定してもらうといった非常にプライベートに踏み込んだ自粛要請、そういったものを真摯に実行していただいたおかげだというふうに思っております。そういったことをしても、島根県はどういうふうになっているかと言いますと、緊急事態宣言地域でもありません。感染を抑えていますので、営業時間短縮を飲食店に要請する必要もございません。そういった状況に対して、感染拡大地域、緊急事態宣言の対象地域は、飲食店1店舗あたり6万円、緊急事態宣言は出されていないけれども営業時間短縮を要請されている地域は、1日4万円という休業に対する協力金が支払われております。これでは足りないとのお話も一部にございますけども、少なくとも一息はつけているはずです。翻って、島根県は感染者が少ない、緊急事態宣言地域ではない、営業時間短縮も要請していない。従って、追加の措置は一切ございませんが、今回の緊急事態宣言は、飲食の場が感染の主たる要因であるという政府の宣言のもとに実行されております。その影響は全国に及んでおります。島根県も含めてです。感染を抑えている地域も含めて及んでおりまして、12月1月のかきいれ時にお客さんがこない、閑古鳥がないている、その状況は感染が拡大した地域と変わらない、又は、もしかするともっと深刻かもしれないというふうな惨憺たる状況であります。
この2つを比較してみますと、今置かれている状況が、感染防止を一生懸命やってきた地域がある意味、捨て置かれているといった状況であります。大変厳しい。これをぜひとも改善していかなければいけないというふうに思っておりますけれども、冒頭申し上げましたが、東京都の今の状況で、東京オリンピックを開催され、感染拡大の時期と当たった場合、一部の地域が、東京都等々が緊急事態宣言を出されて、同じようなことが繰り返されれば、島根県内でももう一回同じようなことが起きる。今回でも耐えきれない状況なのに。その可能性があるようなこの東京オリンピックの開催、今のような政府のこの感染拡大地域と非拡大地域に対する著しい格差・不公平を当然とするような状況では、東京オリンピックの開催に伴う、感染拡大リスクが高い東京での開催、それが島根県内にももう一度及ぶといったことを許容するわけにはいきません。
この2点から、東京オリンピックの開催自体に反対いたしております。そこで、そのプレイベントであります、この聖火リレーにつきましても、県内でこれを県として協力実施していくということは、今のような状況が続くようであれば、できないものというふうに考えております。こういったオリンピック自体の開催、そして、聖火リレーの開催自体の中止を検討し、中止を求めていく。また中止すべきだ、又は中止実施主体の1人として中止を検討するということの影響というのは当然これまで人生を傾けてこのオリンピックの大舞台を夢見てこられたアスリートの皆さん、この厳しい難関から当選され1年待たされて心待ちにしておられた聖火ランナーの皆さん、そして、快くこの聖火リレーの実施のためにボランティアに応募していただいて、この汗をかこうというふうに思って準備をしていただいているボランティアの皆さん、そして、県とともに、裏方として準備にいそしんでもらっている市町村の皆さん、この方々に対しまして大変、申し訳ない思いでありますけれども、県内のおかれている状況、県民のおかれている状況、県内事業者のおかれているこの状況、これを考えますと、このオリンピックと聖火リレーいずれも快く開催すべきだ、実施すべきだということは言いがたいわけであります。私自身も、オリンピックも聖火リレーも楽しみにしておりました。できれば、いずれも開催していただいて、拝見したいと思っておりましたけれども、残念ながら、今の置かれている状況は、オリンピックを開催するということについて、この役割を率先してされるべき東京都、招致国としての政府の対応が、我々からすると不十分でありまして、その環境を作っていただいてないという残念な状況でございます。この状況が改まらない限り、今の考え方というのを変更するのは難しいということで大変心苦しく存じますけれども、是非とも県民の皆様のご理解をいただきたく、お願いをする次第であります。私からの説明は以上であります。
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