1月28日質問事項7
7.新型コロナウイルスワクチン
○中国新聞:すみません、中国新聞の松本です。
コロナのワクチンの関係で、いろいろ自治体のほうでも今準備進められていますけども、国のほうのスケジュールなんかも示されたりしてますが、なかなか厳しいという声もあったりするんですが、国の今の考え方に対する知事の所感をお伺いしたいのと、国に対する、それを受けて要望といいますか、注文があればお願いします。
○丸山知事:国の対応ということの根本の問題として、皆さん見られたことありますよね、このワクチンの接種のスケジュールって、こういう表が出ています。これ12月18日に出ているものなんです。これに基づいて、3月上旬とか、何も書いてないんですけど、この位置を見て、何かみんな判別しているようですね。
表題を見てください。「スケジュールのイメージ」って書いてある。私、国家公務員をやっていたんで、これ見たときに分かったんです。「スケジュール」と書かずに「スケジュールのイメージ」と書いているってことは、自信がない内容なんです。変わるっていうことを含意している、自信がないと私は受け止めて見ていました。
もう一つ言うと、このスケジュール自体が、都道府県とか市町村の意見なんか、多分全然聞いてないでしょう。医師会はわかりませんけどね。要するに積み上げてできたスケジュールじゃないわけですよ。ワクチンの供給スケジュールもよく分からないですけど、何かを逆算して作っているんだろうなと私は思っていましたし、そういった意味で、昨日ですかね、河野大臣が、高齢者向けの優先接種の時期をこの表の中では3月下旬とされているけど、4月1日以降だと。4月1日からでもない、事実上の後ろ倒しを表明されました。そういう意味では予想どおりですよ。対応が厳しいというのはスケジュールが実務的な内容に基づいてないからですよ。だって、昨日の川崎市で、(ワクチン接種訓練を)実際に(やってみても)分からない。1時間ぐらいで何人打てるかという、一番ミクロの所要時間も押さえずに作っている。積み上げているわけじゃないですよね。ああいうことをやらないといけないということは、実務的な積み上げではない。なので、ともかくここまでにやってくれというふうに(国から)言ってこられている内容だから、それは要請される側は、それは自信がないし、やれるかどうか分からないという状況でも一生懸命頑張りますよ。でも、もともと我々のほうで対応できるかどうか分からないスケジュールを示されているというのは明白でしょう。それを河野大臣が、ある意味、政権の不都合な真実だったと思いますけど、きちんと是正していただいているというのは、大変勇気づけられます。今のこのイメージで自信がない内容を発表されたんでしょうけど、それがもう固定化してしまって、厚生労働省自身は修正ができなくなった。それを現実的にこの作成に直接携わらなかった目で見られて、修正をされているというのは、このスケジュールより遅れるかもしれませんけど、無理なスケジュールを押しつけて混乱を来し、実際は実施できないというふうな、ある意味、最悪の事態を避ける方向で動いているという意味で、いい方向だというふうに思っています。ちょっと河野大臣がどう認識されているかは別ですけど、私が新聞報道を見る限りでは、机の上、会議室でだけで作られた紙の問題点を直してもらっているのは感謝しています。
そういった現実とのすり合わせをしていかないと、実際、本当に16歳以上の方(がどれくらいいるかは)ちょっと分かりませんけど、何千万人という人に短期間で、ここずっとやってない集団接種を集中的にやるって、これは、定額給付金10万円を届けるよりもよっぽど難しいですよ。なぜならば、人に動いてもらわなきゃいけないから。書類を書いてもらうだけじゃなくて、移動してもらわなきゃいけないんですよ、高齢者の方にも。本当に施設に入所されている方にどう接種するかということもありますよね。
だから、定額給付金が遅かったっていう話がありますけど、振り込めばお金は届く、口座を書いて返送していただければ(手続きが完了する)ということに比べたら、その何倍も何十倍も難しいオペレーションだと思いますよ。紙を送りつければ済むわけではないと。銀行の口座にお金を入れればいいわけじゃなくて、来ていただいて、接種をして、そして副反応が出ないかどうかを、多分滞在してもらって、それをやらなきゃいけないわけですから。しかも温度管理が普通の、マイナス75度とかマイナス20度とか、そういうものの管理をしながら、それを溶かしながら、注射器に充填して、次から次へと打っていくと。実際に具体的に何をしなきゃいけないかってイメージしただけで大変な、本当に「プロジェクトX」と河野大臣言われましたけど、そのワクチンの確保がどうかという話も全くこれと別にありますけど、大変な作業なので、本当に心してやらなきゃいけないし、そして、普通で考えると、こういう医療機関との調整とか、高齢者の医療とかは、保健所がやっているわけですよ。
ちょっとよそのことなので分かりませんけど、緊急事態宣言とか入院の待機者、自宅療養者がたくさんいるとか、調整中の人がたくさんいる、そんな保健所機能を縮小しなきゃいけなくなっているような大きな市とかでやるのは、本当に島根県よりもむちゃくちゃ大変だろうなというふうに思いますよ。
なので、我々に聞くとこういうスケジュールにならないから厚労省は聞かれなかったんでしょうけど、でも、そんなことをしても現実は変えられないから、本当にやれることをできるだけやっていく、最大限やっていくと。ただ、このスケジュールは、スケジュールじゃなくて、スケジュールのイメージだっていうことを、東京の各社の厚生労働省の担当クラブの方に、紙を見るときはもうちょっと注意深く見たほうがいいんじゃないかというふうにアドバイスしてあげてくださいよ。何でスケジュールじゃないのか、これスケジュールじゃないんですよ。だからスケジュールは固まってないという問題提起を河野大臣はされたんでしょう。それは正確だと思いますよ。
だから、これが、スケジュールだと、みんな思い込んでやっていましたけど、私は永田町の常識としては、河野大臣のやられ方が、そんなことを言う前に相手方と調整すればいいのにというふうな、何か評価があるように伺いますけど、調整された結果、発言されるべき内容が発言されなくなることよりは、そういういろんな課題があって、その課題をきちんと顕在化させて、本当に取り組める体制なり取り組めるスケジュールを固めていくほうが、よほど国民、県民のためになると思いますので、今のような取り組み方をしていただいて、改めるべきところは改めて、一方でスピードも大事ですから、スピードと円滑な実施ということを両立できるような形でワクチン接種をできるだけ迅速に進めていきたいというふうに思います。
○広聴広報課:時間は来ておりますが、よろしいでしょうか。
これをもちまして本日の知事定例記者会見を終了させていただきます。
ありがとうございました。
○丸山知事:ありがとうございました。
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