1月28日質問事項3
3.緊急事態宣言について
○山陰中央新報:山陰中央新報の原田です。
話は替わります。緊急事態宣言についてなんですけれども、今、2月7日が期限なんですが、延長論も強まっています。このことへの受け止めと、それから、先ほど若干ありましたが、今の全国的な感染状況についてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:1月上旬の年明けの急増した状況からすると、何分の1に減ったところもたくさんありますので、いい傾向で進んでいるというのが全国の感染状況に対する認識であります。
延長云々という話は、延長された後の措置がどれだけ緩和されるのかということ等を含めてのセットの話になりますので、期間だけでは評価は、正確にはできませんけれども、やはり心理的な萎縮効果というのは大変大きい。これはメディアの構造として仕方ないですけども、やはり新聞紙面に載るのは感染が拡大している地域の状況で、飲食を控えましょうという話に。飲食の制限は島根県では設定していませんけども、そういうことが全国で行われているということが度々報道されることになるわけです。そうしますと、そういう行動を控えましょうということが東京とか1都3県のような水準で県民にも及びますから、そういった意味で、緊急事態宣言とか、医療とか保健の状況が厳しい地域が大都市圏で続くということというのは、それは率直に申し上げて、報道を通じて県民に対する相当の自制を促す効果がありますので、それはそれで感染拡大防止には有効ですけれども、社会経済活動の両立を図っていくという意味ではプラスではないというふうな認識であります。
もう1点、感染者数に目が行っていますけども、今、現実に生じている一番シビアな状況というのは、自宅療養者、または入院すべきか自宅で療養してもらうべきかということの振り分けが終わらずに、調整中ということで、結果的に自宅なり高齢者施設等で待機を余儀なくされている方々の中に死者が発生していることが、一番問題がある状況だというふうに思っておりまして、そういった状況が改善される見込みがやっぱり立たないといけないだろうというふうに思いますから、そのために、緊急事態宣言が不可欠なのか、緊急事態宣言がなくても、12月に行われてきたような都道府県単位での独自の時短要請みたいなもので足りるのかというのは、これは専門家の判断だと思いますが、新規感染者数だけに目を奪われていると、一番留意しなきゃいけない死者が、医療にアクセスできずに亡くなるという、先進国日本において平常時ではない、災害に相当する状況がやはり回復する見込みが立つとか、回復するとか、そういったことを併せて見ていかないと、これまで累積した新規感染者数によって生じている保健所機能、医療機能の低下、これが回復される見込みが立つということも大事じゃないかというふうに思います。
○山陰中央新報:菅総理が26日でしたかの衆院予算委員会で、医療体制の不備を認めて陳謝をされました。どのように受け止められましたでしょうか。
○丸山知事:たしかそういう自宅療養する患者さんの容体が急変して死亡する事例が生じているということに対して、体制ができていないことは、責任者として大変申し訳なく思うというふうにお話をされたということであります。そういう責任を痛感しているという表明をされたということは高く評価をしておりますが、私自身は、体制ができていないということよりは、準備していた体制の範囲内で感染を受け止めなきゃいけなかったと、それができなかったということが今の状況を生んでいるというふうに理解すべきだと思っていまして、年明けの急増をなかなか事前に予想することができなかったという難しさはあると思いますけれども、今の状況に対応して医療の機能を高めていく、それから保健所の機能を高めていくということが弊害なく、副作用なくできれば、それが理想ですけども、現実問題としては、医療機関には対応してもらえない、保健所も機能縮小するという形でしか対応できてないという状況からすると、今のような状況が我が国の医療なり保健所の対応能力の限界だということで、やはりコロナ対応をしていくのが正しいというふうに思っております。
そういう意味で、緊急事態宣言なのか、緊急事態宣言の前の各県知事が行ういろんな要請なのか、それは2つ段階がありますけども、そういった、いわゆる感染にブレーキをかけるタイミングが全体として遅れたことが、医療、保健の対応能力を超える結果につながったというのが、これは事実からすると明らかだというふうに思いますので、やはり今の状況をある意味限界、日本の対応能力(の限界)だとした上で、そこに至らないように、今の状況も超えている部分がありますから、今の状況よりもオーバーフローしない、保健所の機能が縮小しない、救急搬送の遅延が起きないような範囲で感染者数を抑えていかないといけないというのが正確な分析じゃないかなというふうに思っております。特措法も改正される見込みで、病院に対していろんな勧告とかができるというふうになっていますけども、私自身は全くそこには期待してませんで、なぜならば、結局のところ、法律上の命令があるから人が動くのではなくて、現実に各病院が既に地域医療構想で、その病院がどういう役割を持たなきゃいけないかって決められているんですよね。大学病院は救急搬送、交通事故の重度な外科治療を要するものはこの病院でと、こういう難しい病気を対応するのはこの病院というふうに決められて、その役割を負っているわけです。それに加えて今、コロナに対応しなきゃいけない。コロナ対応を無限に広げていくと、もともと負っている仕事までできなくなる。つまりそこで死者が出かねないという状況があるから、無限にコロナに対応できる医療体制を拡大できないわけですから、それを、私はある意味、医療の世界では基本的な事項だと思いますけども、そういうコロナ対応だけをやってるわけじゃないというきちんとした理解の下に、医療機関に対応していただくということが重要なんじゃないかというふうに思います。
○山陰中央新報:ありがとうございました。
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