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1月28日質問事項2

2.基礎疾患を有する一都三県在住の島根県出身者等への帰省支援

○山陰中央新報:山陰中央新報の原田です。

 帰省支援に関してなんですけれども、全国的な流れとは少し異なる政策だと思うんですけども、例えば実際に県民の方からこういった不安の声を聞いたですとか、そういった、何かこの制度創設の経緯や理由について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

○丸山知事:これは、個別のお話というよりは、私自身が情報をいろいろ見る中で、個別の社名は申し上げませんけども、1月16日土曜日の夜に新型コロナの関係の報道番組がありました。その中で、港区の保健所の実態が放送されておりまして、高齢者施設で集団感染が発生しているけども入院ができないという状況で、保健師さんが健康状態を観察に行かれると。そして、保健所に戻ってこられたら、その施設の入所者の感染者の方が容体が悪くなって、入院を求められたけれども、あちこち電話をかけられたけども入院できないという状況があり、そして、これは保健師さんでしたけども、若い保健師さんが、その容体の悪くなった高齢者の御家族に電話をかけられて、入院ができないので、たしか、あとは病気との兼ね合いで、その患者さんの、ある意味、生命力次第だと、入院はできない状況で、病状が悪化してしまうと亡くなるかもしれないという実質的な告知をされておられました。

 私も保健所が逼迫してるということは報道等で認識してましたけども、ほとんど助からないかもしれないという告知を、医師とかではなくて、保健所がやらなきゃいけない状況になっている。結果的には、その方、助かりましたという報道でしたけども。保健師さんというのは、そういう人の生き死にではなくて、保健なので、健康な状態を維持するためにどうするかという仕事をされてる方が、もう何というか、医師の代わりをされてるというふうな大変な状況だというふうに思いましたし、それに続けて1月8日に神奈川県の全ての保健所が積極的疫学調査を大幅に制限する、また縮小すると、重点化するという言い方かもしれませんが、神奈川県の立場では。そういった状況を受けて、それに加えて1都3県で保健所の機能を縮小するための基準を国に対して示してほしいという要望を年明けにされておられましたので、そういった意味で、東京の状況、神奈川の状況、そして同じような要望をされてる1都3県全体というのがただならぬ状況にあるというふうに思ったわけであります。

 そういったところに子供さん、御兄弟がおられて、そして、軽い不整脈とかちょっとした高血圧ではなくて、感染症に弱い疾患、基礎疾患をお持ちのお孫さんがおられたりお子さんがおられたりすれば、それは何とか帰したいって思われるのは当然であるというふうに思いましたし、そういったことに対して、これまで再三帰省をさせなかった島根県として、こういうときに帰っていただく支援をすることぐらいはしなきゃいけないというふうに思ったところです。

○山陰中央新報:分かりました。

 ホテルでの経過観察や、それからホテル滞在中は県民との会食を禁止することなど、感染を広げないような配慮というのがところどころにじんでいるなというふうに感じたんですが、この政策で県外の方が戻ってこられるとは思うんですけども、感染が拡大するような可能性というのは低いというふうに考えてよろしいでしょうか。

○丸山知事:もともとの話をしますと、この制度を使わずとも帰省することは可能です。誰も禁止できません。だから、これで感染が拡大すると言われる筋合い全くないと私は思っています。もともとどうしてもやむを得ない事情で帰省されるということはあります。その帰省をより安全な形で実施できるように、親御さんも、周囲の方が心配されるということも含めて、また御自身への感染というのも、高齢の方であれば心配されますから、それをより適切な形で、感染リスクを下げた形で実施しているだけでありまして、感染を拡大させるというふうな意識は、そういうものではないというふうに思っております。もともと自由なんです。自粛をお願いしてますけども、本来、人の移動を制限できる権限は行政には基本的にはありませんから、まさに島根県出身者が自分の実家に帰るということ自体自由であって、ただ、感染をされていたり、濃厚接触者であれば、それは感染症法に基づいて自宅や病院等で静養していただくという制限はかかると思いますけども、そういう状況にない方というのは自由なわけですから、そういう方々がなお一層、感染拡大をさせないような形で帰っていただく、そのためにはお金がかかる。

 私も昨日、おとといですかね、朝のテレビ番組で、御婦人が子供さんを年末年始にホテルに泊めて帰省をさせたというのを見ましたけども、そういう経済的負担の一部を軽減するということで、十分じゃないのかもしれませんけれども、それぐらいのことはしないといけないんじゃないかというふうに思っているわけでありまして、今回も、ある意味、物見遊山のような形じゃなくて、交通費をかけて、そして宿泊費も半額相当は負担して、しかも6泊以上泊まるという相当額の御負担をされてまで帰りたいという方しか申込みはされないわけですから、安易な使用がされるという制度設計にはなってないというふうに思っております。

○山陰中央新報:受入れが100人規模ということなんですけども、ちょっとニーズは多分これからどうなるかということだと思うんですが、仮に多かった場合というのは、追加で助成するような考えはありますでしょうか。

○丸山知事:それは当然検討しなきゃいけないと思いますね。公平に、希望される方対応するのが望ましいというふうに思いますから。逆にゼロかもしれませんけどね。ただ、こういう道をきちんと開いておくと。

 島根県の今のこの感染状況は、今回の年末年始で私も痛感しましたが、やはりゴールデンウイーク、お盆、年末年始でやりたい帰省を、帰ってきてもらいたい親御さん、そして帰りたい子供さん、御兄弟が我慢をされて成り立ってる感染水準なわけです。そういったときに、帰省を自粛してくださいと言うだけで、これだけ厳しい、客観的に見れば保健の水準も医療の水準も通常時よりも低下している地域で、基礎疾患を持って、子供さんに万が一のことがあれば、持病が悪化するんじゃないかというふうに思われている方に対して手を差し伸べるというのは、ある意味、御協力をいただいた方々に対して当然の対応なのではないかと私自身は思っております。

○山陰中央新報:分かりました。

○読売新聞:すみません、読売新聞の林です。

 帰省支援の関係で1点、お願いします。

 今回、1都3県が対象となったということについて、もう少し教えてほしくて、例えば知事はいろいろお話の中で、自宅療養中に感染された方が亡くなった事例というのが行政として問題だという御見解を何回か示されてますけれども、例えばそういった例というのは京都府とか大阪府とかでも発生してると認識しております。その辺、今回、1都3県に絞って対象にされた理由というのと、あるいは今後の状況によっては、この地域を拡大していったりする可能性があるのかどうかということをお伺いさせてください。

○丸山知事:医療の逼迫という状況は、もっと多くの地域で起きてると思います。ただ、これ客観的に評定するのが難しい。ベッド数が最近も神奈川県で変更されたり、何が本当のベッド数なのかも分からないという、数字で評価できない問題もありますので、私が今回の基準にしたのは、保健所が積極的な疫学調査を本来の姿ではできなくなっていて、重点化なりという言い方だったり、縮小という言い方だったり、いろいろありますけども、そういう限定をされている、または限定をすることを検討されていることが明らかな地域ということであります。縮小されているのは、神奈川県が最初でした。続いて東京都がれてます。そして1都3県が連名で、年明けには縮小するための基準をつくってほしいというふうに言われてますので、埼玉県と千葉県も検討されているというふうに私は評価してまして、そういった縮小を実施せざるを得ない地域、または縮小を検討しておられるという地域を基準にしてますから、そういった地域が出てくれば、それは追加をしなきゃいけないというふうに思っております。

○読売新聞:ありがとうございます。


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