1月13日質問事項4
4.特措法の改正
○NHK:NHKの保科と申します。お世話になります。
特措法が改正されまして、知事の権限、これ緊急事態宣言出たらっていうことが大きいかなと思うんですけども、大分知事の権限が広がったかなというふうに思うんですが、そこについては、知事は今、どのようなお考えでしょうか。
○丸山知事:休業要請、店名公表みたいな話って、自分で言うのもあれですけど、ほとんどのところはゴールデンウイークのときに社会的パニックの一環で、いわゆる遊技施設に軒並み都市部でやられたものを除けば、冷静にやったのは多分島根県だけだと思いますけど、それは簡単じゃないですよ、実際やろうと思ったら。実際私がやったときも、相手側の事業者は営業妨害だと。つまり、私はそれで何を感じ取ったかというと、それは店名公表を同意なくやったら売上げの減少等について損害賠償を提起する可能性があるという願意だったというふうに受け止めていましたけども、そういう主張をされる事業者も、特に全国展開の会社は、その訴訟を起こすことというのは、普通の人はそんな訴訟なんて簡単に起こせないんだけど、大きなところは、売上げを減らさないためにそれぐらいの経費をかけるのは全くいとわないので、そういうところもあるかもしれない。そこは裁判を覚悟してでもやるのかどうか。みんな想定されているのは、ゴールデンウイークのときのパチンコ店に対する勢いでやられたイメージだと思いますけど、そんな感じで簡単にできないと思いますし、実際に、本当に罰則まで含めてやろうと思うと、所在地をちゃんとリストアップして、聴聞をして、意見を聞いてとかを本当にやるって、相当大変なので、あと病院をつくるとか、用地を、ニュースでは無償で使わせろとかという話もありましたが、結局は人の問題なので、箱の問題じゃないので、島根県だったら別にもう、宿泊療養施設をつくっている、空いている工業団地あるし、そんな権限はなくても県はできますから、物事が何かすごく進むという感じはあんまり。対応が、制度が悪いとかというよりは、あんまり権限でやるということよりも、やっぱり先ほども申し上げましたとおり、結局、どんなに営業時間の短縮とか休業を飲食店に要請しても、何でそんなことしなきゃいけないんだという人は、家でというか、ホームパーティーしてでも飲みますよね。結局この時期に人と集まって飛沫を飛ばしてやる行為をやっぱり控えなきゃいけないんだと本当に心から思ってくれないと、最後は飲食店じゃなくて自宅、自室に籠もってやられてしまったら同じなので、結局は、本当にこの時期はちょっとやっぱり控えなきゃいけないんだというふうに、若い人だけじゃないですけども、その対象となっている地区の住民の方にそう心底思ってもらえるようにしないと、結局監視とか罰則とか規制だけで止められない。何でこんなことやんなきゃいけないんだと思われているうちは、何でこんなやらなくていいことを一生懸命、営業店を閉めて、飲みたいのに何だよと思っている人を止めることはできないと思うので、やっぱり今、この時期にこういうことをすると、助かる命が助からないということに回り回って自分が関与してしまう、その薄い原因を自分がつくってしまうということになりかねないんですよと、もしそういう状況になっているんだったらね。そういう人に医療の状況をきちんと赤裸々に訴えて、伝えて、ともかくここの医療の逼迫がある程度落ち着くまでは、何とか控えてほしいというふうに伝えていかないと、得心してもらう、納得してもらわないと、結局人の行動、今回はやっぱり人の行動を止めるということが一番ですよね。医療の体制をどうするかという話は、私は権限で病院ができるわけもない、箱は造れても人は集められない。
まして、私はちょっとコロナ専門病院の意味が分からないんですけど、なぜ大きな病院がコロナの受入れをしているかというと、それはコロナを治すだけじゃないんですよ。基礎疾患を持っている人というのは、基礎疾患に派生するいろんな症状が最後起きるから、病状が深刻化すると。そうすると、例えば高血圧だと、ほかの感染症じゃないお医者さんの見立ても必要になってくる。糖尿病とか心疾患とか、そういう全身状態にいろんな症状が出るから、だから要するに総合病院じゃないとできないんだと思うんですよ。コロナだけ診ればいいということって、軽症だったらあるのかもしれませんけど、中等症とか重症になったら、もう命に関わるいろんなところで合併症みたいなものが生じ得るから、やっぱり高度なところでしか対応できないわけなので、何か看板をつけてお医者さんを並べるとできるんじゃなくて、やっぱりできるところは限られていて、そこが今、これだけ要請して広がらないということは、それなりの理由があって、そこの人たちの理由を聞いて、それをクリアしないと、だから今はもっと協力できるはずなのに病院がやってくれないというモードで物を見ていますけど、やってくれないと思っている相手方の人がなぜやってくれないかということを聞いて、そこをクリアしていかないと、それを命令するという手はありますけど、それはつまり私が想像しているのは、ともかく脳梗塞で運ばれてくる患者さんを見捨てろということかと、心筋梗塞で運ばれてくる患者さんを見捨てろということか、それはできないっていうふうに思われているんじゃないかと私は思うんです。そうすると、それはコロナという注目されている分野を何とか回そうと思って、そういう、そこで助けなきゃいけない命を見捨てていいわけないだろうというふうに病院が判断されているとすると、それは多分、変更するのは難しいと思いますよ。
それはやっぱり病院長がどういうふうに病院を運営するかという医療法上の権限の話だから、そういう疾患、そういう別の命に関わる病気をもう診なくていいということが、現実にその病院にできるのかと。近くにほかの病院があって、それを診られる病院があって、そこでもっと体制を拡充してやれるとか、例えばA病院では脳梗塞は診なくなるけど、B病院では心筋梗塞を診なくなる、でも片方は残すので、そこで役割分担して、その地域どっちかの病院で診られるようにしましょうとかという調整をしないと、特定分野の命に関わる病気を診ないというような判断なんてできないんだと私は、まだ直接聞いてないけど、これだけ要請されて聞いてくれないというのは、何かコロナに対する理解がないとか、行政に対する協力姿勢がないとか、そういうふうに何か表面的に見て対応すると大間違いで、やっぱりその方々が何でできないかという理由を聞いて、そこをクリアしていかないと病床は増えないと。
だから、そこが思考停止して専門病院をつくるんだとかっていうのになってるんだと思いますけど、じゃあ広尾病院を専門病院にして、広尾病院の機能は一体どうするのかということの整理がついているんだと思いますけどね、そういう、おたくが担っているこの仕事はしなくていいと言われても、ほかのところがちゃんとやってくれるんですねという、その保証がないと、自分が担ってきた仕事を放棄なんかできないでしょう。自分の患者さんを、診ていた患者さんをどこかがちゃんと診てくれるってことがなければ、もう知りませんなんてお医者さんは言えないと思いますよね。そういう調整って、東京とかだったらできるかもしれませんけど、島根だと、もうそういう、そんな重複してある地域なんかほとんどないので、なかなか難しいですね。なので、医療の壁っていうのは本当に、ベッドがこんなにあるのに何なんだという、よく情報番組でやられていますけど、誰かが怠けているとか、何か本当に何でそういう選択をしてくれないのかってちゃんと聞いて対応しないと問題は改善しないし、それを別の病院を建てれば何とかなるっていうのも、本当にそれに人が集まるのかと。難しい医療は、チーム医療ですよ。
この前もちょっと言いましたけど、私、埼玉県の県立病院課長をしていたんですけどね、そのときに、看護師さんの1病棟、40床ぐらいの病棟を3交代で職員体制を組んでもらう、師長さんを置いて。そのとき言われたのは、自然と退職する、結婚とか、あとほかの病院に移るとかって、1割ぐらい毎年辞められますと。そして、高度な病院でしたから、人を2割以上替えてもらうと医療ミスが起きるから駄目だと。つまり1割は自然で替わるので、人事異動していいのは1割だと。2割以上替えると、ともかく人が替わったとき、4月とか5月に、新しく入ってきた人たちと昔からいる慣れている人がタッグを組んで、必ずペアにしてローテーションを組んで、そこで教えながら二、三か月かけて独り立ちできるようにして回しているんだと。だから、同じ看護師さんでも、同じ病院に勤めていても、別の診療科の患者さんをケアしようと思ったら、それは最初からじゃないけど、看護師さんの基本的な素養に乗っかっている2回目、3回目の部分は入れ替えないとできないわけですよ。で、チームでやるんです、チームで。
私も身内が緊急の手術をすることになりましたけど、やっぱり緊急手術じゃなくて、通常の定例日に手術をすることになって、そのときに私も苦情を言いたくなりそうになったですけど、近くにいたお医者さんから、緊急手術なんかやめたほうがいいよ、緊急手術ということは、通常のフルのスタッフがいないということだから、みんな慣れたメンバーでやる手術の定例日にやるほうが、難しい手術だからそのほうがいいんだよと。だからそのほうがいいから、緊急手術なんて言わないほうがいいと言われました。やっぱりいつものメンバーで、フルメンバーで医療をすると、一番いい医療ができる。それがお医者さん、看護師さん、人数集めて、じゃあそこから求められている医療ができるかって、できないです。難しい病気であればあるほどね。
ちょっと長くなりましたけど。だから法改正って、ちょっと私も法改正の内容、紙を見ていないので新聞報道しか分かりませんけど、緊急事態宣言をここまで後出しにされると、緊急事態宣言の前にいろんなことができるというのはありがたいですね。でも、私はもともと緊急事態宣言はもっと前に出すべきだと思いますけど。その緊急事態宣言は最後の最後だという思想で法改正されているところが不安ですけど、まあまあ前でもできるからいいのかなとは思いますがね。
どのみち、もう率直に申し上げると、今回の第3波には間に合わないんだから、事実上。法律いつ通るか知りませんけど、うまくいったって1月中で、もし罰則なんかあったら、罰則を施行するにはちょっと周知期間が要りますからね。まあ2月の、その緊急事態宣言の切れるのは2月7日でしたっけ、の直前ぐらいにしかならないんじゃないですかね。だから、今回の緊急事態宣言の期限までの対応の中で法改正の内容を期待するのは、それは間抜けだと思いますね。今回の法改正の内容というのは、2月以降に使えるものだと思ってやらなきゃいけないんで、今の法律で、今の制度でやらないと、今は。だから法改正の話は大事ですけど、今使える道具じゃないと。今あるものでやるしかない。それはもう前回の臨時国会で政治的な判断された結果だから、もう仕方ないですよね。野党も何か遅いって言われますけども、この法律でも、もともと野党というか、民主党政権時代につくったんだから、そのときに枢要な立場にいた方々がそんな法改正が遅かったとかって言うのも、ちょっと反省もされた上で言われたほうがいいと思いますけどね。
すみません、何か長くなりましたけど。
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