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1月13日質問事項1

1.緊急事態宣言

○山陰中央新報:山陰中央新報の原田と申します。

 緊急事態宣言のことについてお伺いします。

 今日、政府が首都圏の1都3県だけでなく、1都3県を含む11都府県について緊急事態宣言を再発令する方針を固めています。率直に受け止めをまずお願いします。

○丸山知事:1都3県の対応に比べれば、先手を打つような形で進められていると。特に福岡県については、知事からの要請を受けてではなく、政府側から必要であるという判断をされて、小川知事に理解を求めるという形で、知事からの要請を待たない形でもやられているというところが前進しているというふうに評価をいたしておりますが、首都圏の対応が大変心もとないというふうに思っております。

 対象箇所が広がるので政府も大変だと思いますけれども、例えば東京都の自宅療養者が8,500人、昨日の発表ですかね。これはようやく一部報道に載るようになってきましたけども、入院等調整中も、これは結局自宅とか今いる場所にそのままいてくれという方ですから、自宅療養に近い形であります。これが6,000。合わせて1万4,500人が入院されず宿泊療養もされずおられると。自宅療養されてる方、またこういう調整中の方で急変のリスクが全くない方ばかりであれば、それは問題がないのかもしれませんが、年末にも東京で、これは自宅療養だったかと思います、自宅療養中の方がお1人亡くなられて、たしか神奈川県は年末と年初にお2人という状況でありますから、そういうリスクが排除できてるわけではないということで考えますと、1万4,500人って、(島根)県内でいったら比較的大きなまちですよね。東京都の人口はたしか1,400万人だったと思いますけども、0.1%、1,000人に1人がそういう状況に置かれているということというのは大変深刻な状況だというふうに思いますが、そういう深刻な状況にあるということが都民の皆さんに伝わっているのかどうか。いや、まだ病院の病床を増やすから大丈夫だっていうメッセージのほうが強く出ていて、本当に医療ですとか保健所で起きている、私はもう医療の一部、保健所の一部が機能不全を起こしているんじゃないかというふうに疑っておりますけども、そういった状況がもし生じているのであれば、具体の問題が生じているということを含めて、きちんと都知事から都民の皆さんにそういう状況を伝えられるべきだと思います。事実認識が誤っていれば、これは謝らなければいけませんけれども、少なくとも東京都の保健所は積極的疫学調査の一部を、もうやらないというふうに言われております。つまり少なくとも島根県多くの道府県である意味当然やるとされてることが、もうできなくなっているという状況が現実に生じていて、それがあまり深刻に伝えられてない。私は深刻な状況だと思います。これは神奈川県もそうです。神奈川県も積極的疫学調査は病院、高齢者福祉施設でしか行わない、基本はですね。あとは学校、その次の優先順位は学校等。つまり、飲食の会で感染者が疑われたとしても、誰と一緒に御飯食べたか、そこに濃厚接触者がいるかどうかの調査をしないというふうに事実上言われているわけでありますこれまで本県も、広島県内で感染者が発生した、そこに濃厚接触者がおられて、その方が島根県におられるという連絡を受けて、島根県内でPCR検査を実施して感染者を発見できた例が幾つもございますけども、そういう連絡は少なくとも神奈川県との間では行われないということになります。これは島根県だけじゃないですけど。そういった状況になってるということが、神奈川県は担当の課長さんが記者会見されてましたけど、そんな問題なのかと。

 これは漢字がよく表していますが、保健って、健康な状態を保つための仕事ですね。要するに健康な状態から医療に持ち込まないための仕事なんです。医療に持ち込まない、医療の前の段階で健康を保持するというのが保健の仕事、公衆衛生の仕事です。それが実際感染して発症してしまうと、それは医療の仕事になる。保健という医療を守る外壁が壊れつつあるという状況、これは皆さん方にも申し上げなきゃいけないんですけども、マスメディアも淡々と報道されている。

 しかも、神奈川県においては、そういう保健所の業務を、一部もうできないとギブアップする前の日かその前の日か、横浜市、川崎市、相模原市で成人式が実施されている。保健所の業務がもうあっぷあっぷして、申し訳ない(言い方になるが)、人並みのことができなくなってる。それは恐らく各組織のトップ、自治体のトップは御存じでしょう。そして成人式を実施するかしないかはそれぞれの市のトップが判断されることでしょうけども、その2つが結び合わないという緊張感のなさ、大変憂慮しておりまして、医療が大変だ、保健所が大変だと言っておいて、保健所にさらに仕事を増やす、医療機関の負担を増やすという、増やしかねない、そのおそれがある、ごく僅かな方々かもしれませんけども、例年の開催状況からすると、そのリスクがあるものを主催者として実施されてるという、その感性、そんな感性でこういう危機が乗り越えられるんだろうかというふうに、大変憂慮しておりますし、深刻に受け止めているというところであります。

 医療の問題は、本当に病床を増やすことができるのか、コロナ専用病院をつくる、実際大阪で重症病床30床、物はできたけれども人がそろわなかった。今どうなってるか分かりませんけど、島根県もか月間、看護師を派遣しておりますけれども、人の工面も含めて、対応できるのか。実現可能性低いところに期待を持たせて、まだ大丈夫だというメッセージを与え過ぎてないのかということを、やはり医療の逼迫状況をよく、首都圏だけじゃないかもしれませんけども、私からすると、保健の体制がもう一部機能不全に陥っているような都県については、医療は大丈夫なのかというふうな懸念を持っておりまして、明日、今回の緊急事態宣言の対象拡大地域を含める形で往来自粛の要請をしようと思っておりますが、これは私の判断で、もう保健所が一部機能不全に陥っているという東京と神奈川については、より一段、通常の緊急事態宣言を発出されてる地域よりも、言葉の表現になりますけども、より強く往来自粛を求めなきゃいけないと思っております。

 それはなぜかというと、往来自粛というのは、一般的には県外に出ることで感染を県内に持ち込まないでくれという要請です。ただ、これは、杞憂に終わればまた修正しますけども、杞憂に終わらなければ、これは東京、神奈川に行くと保健所で十分なフォローをしてくれないかもしれない、そこで感染してしまうと、自宅療養や調整中ということで14日間身動きが取れなくなるかもしれない、そういった中できちんと病院に入れるかどうか、少なくとも島根県にいるよりも随分リスクが高い、身の危険があるというふうな、行ってもらうこと自体が、持ち込む持ち込まないではなくて、行かれること自体に、島根県にいることに比べると、相当身の危険といいますか、健康上の危険が、そこで発症してしまうと生じかねないという地域だと私は判断しておりまして、エビデンスとか、医療関係者の助言をもらっているわけじゃありませんが、間違いなく保健所が日本のスタンダードの業務ができなくなっている地域ということで、もう言葉は足りるというふうに思っておりまして、そういう地域については、御自身の健康管理という意味においても行くことは控えていただく必要があるという意味で、県内での感染拡大防止のためではなく、御自身の健康管理として、島根県にいるよりも随分危険な行動になってしまうということで控えていただく必要があるというふうなメッセージを発したいというふうに思っております。

 もう一つは、若干危惧していますのは、福岡県、これは報道なので、かぎ括弧がついていましたけれども、西村大臣から福岡県知事に、これが最後の船になりますよと、緊急事態宣言、というお話をされたという報道があります。それが事実だとすれば、そういう考え方はやめてほしいと。状況がどう変わるか分からないときに、これからはこうしないというふうに決め打ちして物を進めるのはやめたほうがいいと思ってまして、そういう物言いがどうかという問題以上に、物事を決め打ちしてかかるということが、これまでいろんな反省すべき事象を生んでいるというふうに思いますので、そういう状況に応じて、福岡と同じような状況になったところがあれば、当然政府側から、県知事が求めてなくても緊急事態宣言を出すというふうに主体的に動いていただくということを今後も継続していただきたいというふうに思います。

 基本的には、政府が言い出してもいいし、都道府県知事が言い出してもいい。いずれかが必要だと思ったら、もう緊急事態宣言を出すというふうにするというのが、ここで得られている教訓じゃないかというふうに思います。私は、今振り返ってみますと、かつて尾身会長がまとめられてた分科会で、やっぱりステージ3というのはステージ4に行かないための段階であって、ステージ3の段階で(ステージ)4に行かないような対策を講じなきゃいけないんだというふうにおっしゃってた、あれが正しいと思います。ステージ4に入っていったら、医療がもう徳俵にかかる、保健所が徳俵にかかる、そしていろんな措置を講じても2週間は感染が増え続けるかもしれない、そんなとこでブレーキを踏んでも、14日間もつかどうか分からないということで、ある意味、この感染症対策は14日後にしか効かないんだとすると、車でいうと100メートル先でブレーキを踏まなきゃいけない、これを5メートル先で踏んでいったらいけないということだと思いますので、島根県はそんな状況にないですけども、私はもうステージ3になったら緊急事態宣言を要請しなきゃいけないかどうかをすぐに考えると、(ステージ)4になってないから要請しないとかっていう扱いをしていると、本当に医療とか保健とかということに負荷をかけ過ぎて、ひいては県民の健康、生命に悪影響を及ぼしかねないというふうに思っていますので、私からすると、これまでの緊急事態宣言が出されている地域の状況を見ますと、やはりステージ3に入った段階で緊急事態宣言を出さなきゃいけないかどうかをよく考えて、ステージ4に移る前に緊急事態宣言をお願いしなきゃいけないんじゃないかというふうに改めて、今日のこの状況を振り返って、思っております。

 長くなりましたけども以上です。

 

○山陰中央新報:それともう1点、緊急事態宣言、島根の場合は、先ほども言及ありました、ステージ3に入った段階で要請するかどうかを検討するということでよろしいでしょうか。

○丸山知事:ステージ3の入り方ですけどね。すごい勢いでステージ3に入っていったら、ステージ4に行くかもしないと思って構えなきゃいけない。

 なので、政府の考え方と違って、政府は出してくれないかもしれませんよ。でも私は求めていきますし、何で出さないんだと、何で東京とか今の神奈川と同じような目に県民を遭わせなきゃいけないんだというふうに強く求めていきます。

○山陰中央新報:今日、西村大臣が、昨年4月の緊急事態宣言時は47都道府県に緊急事態が拡大をして、西村大臣は今日の会見で、全国一斉の緊急事態宣言というのは否定的な見解を述べられたようなんですけれども、知事も現時点では感染が低い島根県というのは緊急事態宣言を出す事態ではないというふうにお考えでしょうか。

○丸山知事:そこは政府と認識が一致してます。当時は未知のウイルスだった。たしか3月ぐらいまではマスクつけなくてもいいんじゃないかぐらいの、何かもう、何の情報もないというか、今思えば全く間違った常識が流布してた状況で感染が拡大して、やはり、ある意味、社会的なパニックが起きつつあった状況でああいう対応を全国一律でやられたというのは、私は間違ってなかったというふうに思います。ただ、間違っていたとすると、一律接触削減みたいなのは、私は東京とか大阪で求められてることを、島根県でも隠岐島でも求めるというのは、ちょっとクレージーだったというふうに思いますけども、緊急事態宣言を出すと、その中で措置を、感染の度合いに応じて若干分けるという対応は正しかったんだと思いますけども、出すことについてはおかしくなかったと思います。

 ただ、今の緊急事態宣言の内容は、正直申し上げて、接触8割削減、第波のときと全然水準が、経済との両立を加味されているので、措置としては、求め方としては大分緩いと思いますから、そういう内容であればステージ3ぐらいで出されてもおかしくないと思いますし、私からすると、全国一律というのは緊急事態宣言の問題というよりは、GoToトラベルを、こういう理不尽な扱いはやめてほしいというふうに思ってるぐらいなので、ましてや緊急事態宣言でなべて一律とか、五月雨で出したくないからとか、そういう理不尽な事情で全国一律とかというのは、もう勘弁してもらいたいというか、断固拒否だというか、措置に従いたくないというぐらいですね。やはり個別の感染状況に応じて区域が区切れる制度ですから、今の島根県で緊急事態宣言を出さなきゃいけない要素はゼロだと思いますからね。ただ、それは今の状況であって、今後はあり得る話だと思って、我々は臨んでいるということです。

 

○朝日新聞:朝日新聞の浪間と申します。

 緊急事態宣言についてお伺いしたいんですけれども、緊急事態宣言の出されてる地域における解除のタイミングについて、政府が指標でステージ3相当に少なくなっているというのを一つ基準にするというふうにしていて、これについては緩いんじゃないかとかそういう批判というのもあるかと思うんですけども、知事としては、このステージの指標がどうなったら解除すべきだというふうにお考えでしょうか。

○丸山知事:今回の状況を見ると、やっぱり医療をベースに置くべきだと。既に緊急事態宣言が出されているエリアの知事さんとか政府とかは、もっと拡大の余地があるのにやってくれてないと思ってるのかもしれませんけど、私はそうじゃないと思ってまして、そういうところに最大限頑張っているところが、取りあえずこれ以上受けれないと言っているところの線からある程度余裕が、精いっぱいのところをずうっと走らせてたら、もう本当に離職者が出ちゃって、それは本当に医療体制が壊れるので、やはりここまでできるという線がもう見えてきてるわけだから、それのどれぐらいか、半分とか、一定の数字を置いて、医療機関とよく相談して、やっぱり何波と言われる間で休んでもらわないと、ある程度。ずうっと走りっ放しで、100メートル走の走り方で10キロとかマラソンを走れみたいなことを言ってたら、それは本当に人がいなくなっちゃうので、ともかく医療がもつようにという意味で、もうそこで決めた、ステージ何とかとかいう話じゃなくて、医療がちゃんと、第波、第波にも耐えれるように、そういった意味では、今回の第波の問題は、第波の余波が残ってる、ここで上がっていったから一次関数になっちゃってるわけですね。ゼロからスタートじゃないわけですよ。だから、やっぱり感覚的に言うと、医療機関の方々にちゃんと対応してもらおうと思ったら、本当全国単位で、やっぱり第波前の患者数ぐらいに全体としてならないと大変だって、こんなのは長く続けられないって言われない水準がどこなのかということで、それを集約して、その水準まで下げるか、その水準よりもちょっと下に下げるのか分からないけど、そうやって医療が回るようにするというのがやっぱり、結局こういうのは何のためにやってるかというと、感染防止を人の命を守るためにやってるんだから、人の命を最後まで守ってくれる、最後のところが、これだったら何とかやっていけますという線のところに持っていかなきゃいけない。

 緊急事態宣言が一体何なのかってよく分からない、今は。緊急事態宣言前に緊急事態宣言と同じようなことができるから、緊急事態宣言出さなくていいんじゃないかという、訳の分からない法律の運用がなされているので、緊急事態宣言なんか、そういう意味ではどうでもいいのかもしれない。緊急事態宣言前から時短もやってるし、何かもう緊急事態宣言が8割接触減とか、社会が凍結するような、もう人が歩いてないような世界をつくるような緊急事態宣言じゃもうないので、今回のは。そういう意味で緊急事態宣言をどこで解除するかって、あんまり大仰な議論にならなくて、ともかくどっちかというと医療が一息つける、コロナ対応の、特に重症、中等症を診てくれている病院が、これだったら、この状況だったら平常時として対応できる。その段階からきつくなってもある程度耐えれるという水準まで患者数を落とさないと、もう患者数だと思いますよ、絶対に、その中等症とかを含めた。そうしないと、何か陽性率とか、それは間接指標であって、最後は医療機関が回る、我々の命を助けてくれる人たちがちゃんと仕事できるって言ってくれるような平常時の水準まで戻していくというの目標にすべきで、だから逆に言うと、緊急事態宣言がどこがいいかなんて、それはもう形の問題で、医療とよく向かい合って、今、言ってみれば、よく言われてますように、今回のコロナ患者さんの中等症、重症患者を扱ってるところって、ある意味、数が限られてるんだから、聞けばいいと思いますよ。どれぐらいまでなら時折休んで、時折戻していう世界でやっていけるのかどうかと、そこを聞いて、そこで決めるべきだと思います。もう感染症の最後は臨床をやってる人たち、本当に命を救う医療をやってる人たちが、看護師さんとか臨床検査技師さんとかまで含めて、体制としてどういうところでだったら、社会活動緩めていいと思うかどうかという、もうそこの現場感覚に合わせないと、本当に離職者が続出しちゃうんじゃないですかね。

 すみません、答えになってませんけど。だからもう緊急事態宣言がどこかなんて、あまりもう、何かどうでもいいんじゃないかと。で、正直言って、緊急事態宣言をどこで解除するかなんていう議論を今しなくてもいいと。患者数が少なくなるように、ともかく一生懸命頑張るというのが今の段階で議論すること自体がもう時間がもったいない。ちょっと言い過ぎですか。でも、そんな感じです。先々が見えないぞと言っても、医療とか保健所が機能不全を起こしてるような状況のときには、そこが早く通常状態に戻れるようにまず持っていく、それが目標でしょう。そうしないと、県民、都民の、国民のフォローがちゃんとできないわけだから。というふうに思います。

○朝日新聞:ありがとうございます。


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