11月14日質問事項2
2.原子力総合防災訓練
○山陰中央新報:山陰中央新報の高橋です。じゃあ済みません、続きまして、島根原発の総合訓練について、原子力防災訓練についてお伺いさせてください。
19年ぶりに国と合同で訓練を実施されましたけれども、3日間の訓練で、改めて所感をお伺いさせてもらってもよろしいでしょうか。
○丸山知事:国と市町村との連絡調整、特に、いわゆる官邸等を含めた、連絡調整を含めた大規模な訓練を実施をさせていただきましたし、それから今回、19年ぶりということでありますが、いわゆる旧規制基準のもとで行われたものと違いまして、新規制基準のもとで行われる最初の訓練ということで、関係部局、関係者の皆さんにも大変力を入れて実施させていただいたところであります。
訓練でありますので、ある意味当然でありますけども、大きなトラブルもなく、おおむね順調に進んだものと認識いたしております。これは、訓練というのは、訓練をやること自体が目的では、それ自体が目的、それだけで終わるものではなくて、訓練の結果生じた、表に出てきたいろんな課題、またやっていて、本当に緊急時にこういう対応がスムーズにできるだろうかというふうに担当の立場から見て負荷を感じたものについて、より円滑にできないかといった、いろんな見直しをしていく事項があろうかと思いますので、そういったものの改善を通じて、避難対策の実効性の向上に取り組んでいきたいというふうに思っております。
国と実施するものについては、国の都合もありますので毎年実施するわけにはいきませんけれども、これまで、昨年まで実施しておりましたような形で、県で実施できるものについては来年以降も繰り返し実施をいたしまして、そういった意味で、今のようなプロセスを通じて、訓練、実動が円滑に進むように工夫、向上をしていきたいというふうに思っているところであります。
○山陰中央新報:先ほど、課題とか見直しをしなければならない事項というふうなお話もありましたけれども、具体的にどういった部分が課題であったりとか、見直し事項に今のところ上がっているような状況でしょうか。
○丸山知事:今、具体的に防災部のほうでまとめているところだと思いますので、その結果を見てからということじゃないかと思います。
○山陰中央新報:こちらから、現場を取材していて、今回、バスとか福祉タクシーを使われた避難というような形だけでしたけれども、実際はマイカーを使って逃げられる方、非常に多くなると思います。今後、マイカーも含めた訓練をする必要があるんじゃないかというふうに感じたんですけれども、知事はその点、どのように感じていらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:必要じゃないかという見方もあるでしょうし、マイカーでそのまま逃げられる方についてはマイカーで、そのとき逃げていただければ対応できるということではあるので、まずは自分の判断で、自分の持ち物で逃げていただけるということでありますから、それを取り上げてやるかどうか、御自身の、一人の判断で、一人の所作だけで、行動だけでできないことというのを関係者で確認するという意味で、今回は御自身の車で逃げられないような方々を対象にした訓練をしているわけでありますから、それはそれで一つの合理性であるのかなと思っておりまして、ちょっと一つの論点だと思いますので、今後の検討課題として受けとめたいと思います。
○山陰中央新報:スクリーニングの現場なんかを見てると、恐らく30キロ圏内から出てこられた車はスクリーニングを全部せんといけなくて、相当車の渋滞であったりとか、そういうのも発生するのかなというふうに思ったりするんですが、今回の訓練はそういうところがなかったので、ある程度そういう渋滞もなくスムーズにいったようなところもあったりして、そういう部分について、より実態に近い、住民の方に本当の避難がどうなのかというところを感じてもらう必要があるのかなというふうに思うんですが、知事はその点、どのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:現実と若干違うっていう意味ではそうかもしれませんけれども、現実を再現するのはなかなか難しいところもありまして、できるだけ現実に近い形でというところを十分に意識しながら、実際、日常生活と、一緒に訓練に参加されてる方との、業務なり行動に支障を及ぼさない範囲でやるという制約もあるもんですから、その両立をどういうふうに図っていくかという観点で、今後の課題として受けとめたいと思います。
○山陰中央新報:あと、避難計画の実効性について、松江市長は、国が担保すべきというようなお考えを取材等で明らかにされてますけれども、改めて、丸山知事はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:国が担保するということを具体的にどういうふうな意味として捉えるかによって大分違うと思いますので、担保するべきかどうかをイエス・ノーで答えるというのは適当じゃないかなというふうに思いますけども、国も都道府県も市町村も、それぞれがなすべきことをきちんとやって、事前準備も含めてやって、三者の共同の形で滞りなく、訓練と同じような形でこの避難を実行しなきゃいけない責任をそれぞれが負っているという認識をいたしておりまして、国に求めていくべきものもあるでしょうし、国から見ると、都道府県の問題だというふうなこともあるでしょうし、市町村から県に求めることもあるでしょうし、それぞれがそれぞれにやってもらいたいことを全部テーブルに上げて、それでみんなができることを持ち寄って、より円滑な避難が実現できるようにみんなが努力するということではないかというふうに思っておりますし、そういった意味で、国がきちっと対応するということも含まれておりますし、都道府県、市町村がやるべきことをやるということも含んでいる、誰かが何かをするとみんながうまくいくというふうな簡単なものでもないかなというふうに思いますので、当事者がそれぞれ、事業者も含めて、やるべきことを最大限やって、それをうまくコラボレーション、うまく相互作用するように調整をしていくということが必要なんじゃないかというふうに思っています。
○山陰中央新報:今、2号機の審査がずっと進んでいる状況で、2号機の安全については、国の原子力規制委員会で安全かどうかというのを判断されるという形になってて、県がつくった避難計画についても、やはり国のどこかの機関が、住民の安全が担保されてますねということをきちんと判断すべきじゃないのかなというふうに思ったりもするんですが、知事はどういうふうにお考えですか。
○丸山知事:国の避難が、全体として避難を円滑に行うため、一つの仕組みとして、島根地域全体の避難計画として、島根地域の緊急時対応という、ちょっと言葉がいま一歩、何か計画っぽくないんですけども、緊急時対応という計画をつくる仕組みになっております。国や、島根県も入った、関係自治体で構成する島根地域原子力防災協議会で取りまとめて、原子力災害対策指針などの国の基準に照らして、具体的かつ合理的かを確認をした上で、内閣総理大臣が議長となります中央、政府の原子力防災会議で了承するという手順で決まる、そういう緊急時対応といった仕組みがございます。そういったもの、要するにみんなが、島根県の計画だけで避難ができるわけでもない、島根県の計画、それから関係市町村の計画、そして国の計画といいますか、その3つを合わせた形で緊急時対応といったものをつくって、それぞれがやるべきことを決めていくといった手順がありますので、そういった手順を通じて、我々も国に求めていかなきゃいけないことが出てくるでしょうし、先ほど申し上げた、国から、政府サイドから都道府県でこういうことをもっと、島根県でこういうことをできないかといったこと、洗い出し等も含めて、それぞれがすべきこと、できること、やったほうがいいことということをあわせて、全体として、これは今回の訓練で明らかなように、島根県だけでできるわけではなくて、松江市だけでもできるわけでもなくて、政府だけでできるわけでもない、事業所だけでもできない。国、県、市町村、そして事業者、大きくは4者だと思いますけど、4者がそれぞれきちんとやるべきことをやっていくということを全体としてまとめる手順はありますので、そういったプロセスを通じて、この避難対策の向上をしていきたいというふうに思っております。県の計画はこうだから、もうこれ以上できませんということではなくて、そういったことをやる中で、県の計画として足すべきこととか、改めるべきことがあれば、それはもう柔軟に見直さなきゃいけないというふうに思っておりますので、そういった各者、各主体がどういうことをやっていくかということのすり合わせを通じて、それぞれの避難計画を改良、向上していくということも含めて、やっていく必要があるというふうに思っています。
○山陰中央新報:わかりました。ありがとうございました。
○山陰中央新報:よろしいですか。山陰中央新報の片山です。
関連しまして、防災訓練についてなんですが、改めて今回訓練を取材してみて、段階的避難の事前の住民への理解の向上といいますか、浸透というところが一つ重要じゃないかなと感じまして、その辺に関して、今後、やっぱり理解を深めていく必要性というのは、知事はどのように感じられますでしょうか。
○丸山知事:段階的避難、特にUPZと言われる5キロから30キロ圏内の住民の方々については、スタート段階、当初の段階では屋内避難、そして必要があれば避難の指示を出すという仕組みに、2段階になっております。一方、PAZという5キロ圏内のところはスタートといいますか、といったような状況になれば、初動の段階で避難からスタートするという、そういう意味で二重構造になっております。
大事なことは、渋滞といったお話もあって、渋滞を避けるために段階的避難という、行政の都合で段階的避難をとっているのではないかというふうに理解されている可能性があるのを危惧いたしておりまして、これは、UPZの方々については、まず放射性物質が仮に原子力発電所から放出される場合、高濃度の放射性物質、それは大気中に見えない雲のような形で、煙のような形で舞いますので、そういったものが5キロ圏内は余り拡散をせずに、距離が近いですから拡散をせずに影響を受ける可能性がありますので、これは直ちに避難をしていただく必要が、その避難といった状況で全面緊急事態となった場合にはそういった対応が必要になりますし、5キロ圏を超えているところについては、ある程度拡散をしていって、逆に外に出て、ある程度拡散しているけども、それをじかで浴びることのほうが危ない。なので、ある程度拡散している状況になりますと、屋内で遮蔽物がある状況で、それが通り過ぎるのを待ってもらうということのほうが、放射能に対する防護として正しい、各住民の皆さんのためになるということで、そういう対応をとってまして、ある意味、それが通り過ぎれば大気中の数値はおさまっていきますので、福島のように浪江、ちょっと福島第一原発から北西方向に放射能が高い地域が広がっているのは、そういう放射性物質が大気中に放出された、そのときの、あそこに流れていったときに雪が降ったりして地表に付着したといった事情があるようですので、そういった状況が生じた場合には、大気中の放射性物質が通り過ぎるということではなくて、付着をしたような地域が出てないかどうかということをモニタリングで確認をして、そういった地域というのは、外に出れないような放射性物質の状況じゃないので、そのときに、そういう必要な地域は避難をしていただく手順をとっていくということでありまして、そういう住民の皆さんのためにその手順を踏んだほうが、放射能の、被曝をより避けることができるという意味で、合理的といいますか、住民の皆さんのためになるという手順になっております。
そういったことで、端的に申し上げると、我先に逃げるということを全員の方がやられると、UPZの皆さんがやられると、普通は先行して行動するというのは、より危険を避けることになるんですが、実はリスクを上げることになりかねないので、それを避けなきゃいけないということを含めて、そういった、こういうふうになっているのでこうしてくださいという言い方に加えて、やはりそういうふうになっているのはなぜかということも含めて理解をしていただかないと、普通は確かに、普通に考えれば、リスクの高いPAZの方々がやられている行動を、より前もってとっておけば、よりリスクを下げれるんじゃないかと思われると思うんです。ただ、そういう合理的な推定が成り立つような気がするんですが、実はそうではなくて、実は通り過ぎるのを待つと、遮蔽物が放射能を遠ざけてくれる、遮断してくれる、家の中、家とか遮断物がある中で通り過ぎるのを待つというやり方が一番合理的な状況というのがUPZで生じるので、それは渋滞を避けるために避難をちょっと待ってくださいと言ってるわけじゃなくて、そういったことのほうが、より放射能の被害を避けることができるということで、という趣旨、理由を含めて理解をしていただかないといけないのかなというふうに、今回、私自身感じたところでありまして、そういった、こういうふうになっているので、このとおり従ってくださいというやり方自体がまだ不十分な可能性もありますけども、それに加えて、それが皆さん方にとって、自分の健康を守ることになるんですよという、その理由というんですかね、なぜこういうふうになっているのかということを含めて、理解を求めていく必要があるのかなというふうに思ったところであります。
○山陰中央新報:現状、市民の理解としては、十分か不十分か判断は難しいかもしれませんが、知事はどのように思われているかなと思いまして。
○丸山知事:理由を含めて、まずこういうふうにPAZとUPZで対応が異なってるということについての知識、理解が浸透しているかということが一面、第1段階、さらにもっと高い段階としては、それが根拠があって、自分の健康を守るための必要な行動なんだということが理解されているか、2段階あると思いますけども、やっぱりどっちかというと、これは、より避難開始は早いほうがいいと、これは豪雨災害とか、そのときにやはり早目の避難をというふうに、一般的にはリスクを避けるためには、リスクをより避けるためには早く行動をとったほうがいいという一般的な、やむを得ない、そう思われて仕方がない推定が成り立つので、その推定を変えてもらわないといけないという意味で、そういう意味ではまだ十分にできてないんじゃないかなと、そういう推定される方のほうが多い現状になっていると思って、我々は対応しなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
○山陰中央新報:県としては、その理解を、知識とか理解を深めて浸透させるために、どのような具体的な取り組みが必要と考えますか。
○丸山知事:これからちょっと具体的に考えますけど、私がこういう場できちっと説明をしていくとかということを含めて、やはり行政の都合で決まったとおりやってくださいみたいな理解ですと、そんな悠長なことを言ってられないんじゃないかというふうな行動に実際なられると思いますので、やっぱり、言葉は悪いですけど、心底御理解いただかないと、本当に緊急時にそういう行動をしていただくということが難しくなると思いますので、知識としての理解と、ルールがそういうふうになっているということについての、知っていただくという理解と、それがわけあって、理由があってのこと、健康被害を避けると、自分の身を守るために必要なことなんだということ、深い理解をしていただけるようにいろんな努力をしていかなきゃいけないだろうというふうに思います。
○山陰中央新報:それは、国も市も含めて、それぞれが周知というのをやっぱり強めていく必要性なんでしょうか。
○丸山知事:まあ国がやり出すと、国は全員一致でやりますから、我々、原子力災害が直面する課題じゃない事例もありますから、恐らく関係する自治体で、そういった財源をきちんと国が確保してもらってやっていくということになるかなという気がします。どちらでもいいはいいんですけどね、ただ、国が全国一律の東京のメディアを通じて広報するというよりは、きめ細かに関係する自治体のレベルで、きちんと財源を交付してやってもらうということのほうが合理的かなという気がします。だからそれは国、地方団体、関係自治体に丸投げをしてもらっても困りますし、相談に乗ってもらわなきゃいけないし、財源もきちんと確保してもらわなきゃいけないというふうに思います。
○山陰中央新報:わかりました。
それと、避難時間の推定について、5年ほど前に、県は一度推計をしておられますが、段階避難をしないと通常よりも多く時間がかかるというような推計でした。一方で、要支援者を十分に考慮していなかったりとか、推計方法にはちょっと不十分な点もあるかなと感じております。その上で、再び5年過ぎてるということで、今回、国との合同訓練もありましたし、もう一度再推計というところが必要じゃないかなと感じるんですが、その点、知事はどのように思われますか。
○丸山知事:済みません、ちょっとその点についての問題認識は、今のところ十分に持ってないので、ちょっとコメントできません。また勉強したいと思います。
○山陰中央新報:わかりました。了解しました。ありがとうございます。
○時事通信:済みません、時事通信社の大槻です。
いずれ2・3号機の原子力規制委員会の審査が終わって、県に再稼働の判断が迫られる場面になったときに、段階避難の認識の浸透というのは、判断の一つの要素になりますでしょうか。
○丸山知事:何か、その1点を絞ってということじゃないでしょうけど、避難が円滑に実施できるような環境が整ってるかどうかということは、一つの大事な判断要素だというふうに思います。
○山陰中央新報:知事、よろしいですか。山陰中央新報の高橋です。先ほどの点で、避難が円滑に実施できる環境が整っているかどうかということでしたけれども、現状、今どういうふうに知事は認識していらっしゃいますか。
○丸山知事:ルートの設定をエリア別に行っている、それから各事業所と協定を結んで、お一人での避難が難しい方についてのバスですとか福祉タクシーといった確保をしている、関係の屋内退避が求められるような福祉施設などにおいて、そういった放射線防護のための施設整備ができているといったこと、相当程度の水準には達しているというふうに思いますけども、さらに改善をしていく余地がありますので、それは不断の取り組みとして取り組んでいかなきゃいけないという状況だというふうに思っています。また、今回の訓練もそういった要素がないかどうかということを洗い出す一つの大事な素材でありますので、そういったことを通じて取り組んでいかなきゃいけないと思います。
○山陰中央テレビ:済みません、山陰中央テレビの藤谷です。
先ほど、時事通信さんが聞かれた件で、再稼働の判断基準の一つとして、段階的避難というのが大事な要素の一つになるということでしたけども、先日、小泉進次郎大臣も、実効性のある避難計画ができていない段階での再稼働というのは、基本的にはあり得ないというふうな話をされましたが、そのあたり、知事はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○丸山知事:小泉大臣がどういう文脈で言われたか、ちょっと承知してませんけども、避難計画の実効性ということも大事ですし、そもそもの問題として、計画が実効性があっても、計画どおりできなきゃ意味がないので、それは避難計画がちゃんとしてるかどうか、その計画に沿って関係者が行動して、住民の皆さんもそういった、計画で予定していることがスムーズにいけるかどうかということが大事なんじゃないかなというふうに思います。
○山陰中央テレビ:この避難計画の実効性というのは、どのレベルといいますか、どのあたりが、計画が担保できているという判断基準になると考えられますか。
○丸山知事:それは済みません、実効性が担保されてないとって言われたのは小泉大臣なので、大臣に聞いていただかないといけない話じゃないかなと思いますけども。もちろん避難の実効性を上げていかなきゃいけないと思いますけども、実効性を担保するとか、これどういうふうに捉えるかですね、実効性ということを。避難計画が計画として、できないことを書いてないかどうかという捉え方もできますし、避難計画が計画どおりできるかどうかというのを実効性と言うのか、ちょっと趣旨がわかりません、詳細には把握してませんけど、2つの面でしょうね。計画はちゃんとしている、そしてその計画に沿って関係者が避難を行う準備体制ができている、そういう2点じゃないかというふうに思いますけども。
○山陰中央テレビ:大臣はそういうふうに言われて、最終的に立地自治体の判断というところを迫られる中で、知事としての判断基準というのはどのあたりに置かれますか。
○丸山知事:それは計画、関係者の準備ができているということじゃないでしょうか。
○朝日新聞:済みません、よろしいでしょうか。朝日新聞の市野と申します。
ちょっと2点ほど伺いたくて、原発の避難計画のことなんですけども、再稼働に関しての重要な要素になる実効性の担保というところなんですけども、なかなか実効性が担保されているか否かというところが抽象的になってしまうのかなというふうに、そういう指摘もあって、一方で、定量的に、例えば住民のアンケートでどれぐらい段階避難について理解度というのが高まっているかというのを一つの基準にするであるとか、そういう、どこかの数字での基準みたいなことを今後考えていくことっていうのが可能性としてあるか、あるいはその必要性についてどのように知事が考えておられるかというのをちょっとお聞かせいただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○丸山知事:原子力発電所、発電事業者に対する認可手続といいますか、規制、認可とかっていう手順と同じようなレベルのものというのは、避難計画についてはないというふうに認識をいたしております。この法制度としては、この計画だから大丈夫、この計画に沿った体制ができているかどうかということをどこかが審査して、それにマル・バツをつけるというふうになっておりませんので、いわゆる法的な、認可とか承認とか、そういうものであるところがそのお墨つきを与えるという仕組みにはなっておりませんけれども、先ほど申し上げました緊急時対応といった手順を通じて、我々としては、我々が国や市町村から見て求められる、県としてこういうことをちゃんとやんなきゃいけないじゃないかということ、我々として国に対してこういうことをちゃんとやってもらいたいということのすり合わせを通じて、それぞれが目指してます避難の円滑な実施ということについて、相互チェックをするような形で精度を高めて、その結果を公表して、住民の皆さん、マスコミの皆さんに公表するわけですから、それについて、またさまざまな評価があるでしょうから、それについて御意見とか御指摘いただいて、さらに体制としてこういうとこを充実しなきゃいけないんじゃないかと、こういうことを本当にやろうとしたら、こういうところは本当にうまくいくんですかということの実質的なコミュニケーション等を通じて、住民の皆さんの理解を深めていく、住民の皆さんの信頼を得ていくという手順をとっていくということになるのかなというふうに思っております。
○朝日新聞:まとめると、定量的な何かの基準というものの必要性は感じているけども、基本的には関係機関の相互チェックでということで……。
○丸山知事:あとは、住民世論ですよね、県民の皆さんの。皆さん、マスメディアを通じたチェックなりコミュニケーションということになるのかなと。現状はそういうふうになっている。
○朝日新聞:これを新たに県として何か基準を定めるということはない、今のところは考えておられないということでいいですか。
○丸山知事:いや、制度をつくるとしたら国ですよね。
○朝日新聞:わかりました。
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