10月30日質問事項1
1.小泉原子力防災担当大臣の島根県視察
○山陰中央新報:知事、よろしいでしょうか。山陰中央新報の高橋です。
先日、小泉大臣と石原副大臣が島根、鳥取に来県されまして、国の原子力総合防災訓練を前に、現状を視察していかれまして、そのときに知事も御面会をされて、福祉車両の追加的確保と予算の確保を御要望されたと思うんですが、改めてその狙いについてお伺いさせてもらってもよろしいでしょうか。
○丸山知事:島根原子力発電所の30キロ圏内には県庁、それから県庁所在地であります松江市、それから関連の県・国などの行政機関が集中をしているということ、それから、そのエリアでの人口が39万人を超えるといった人口集積地であるといったことから、迅速な避難を的確に実施をするということの重要性が高いということでありまして、そういったことを踏まえて、特に福島第一原発事故の中でも、実際、災害関連死といった状況が生じたように、サポートが必要な高齢者の方々ですとか入院中の方々といった方々には福祉車両といった、通常の車両とは違った車両での避難が必要になるといったこと、そして、それに従事をしていただく、それをサポートしていただく人も必要だといったことがありますので、そういったことについて、私から現状の御説明と、その必要性について御説明をさせていただきましたし、それ以外の項目につきましても、いろんな形で機能強化をしていくということは必要でございますので、関連の予算の確保をお願いをさせていただいたところであります。
○山陰中央新報:その関連の予算の部分については、具体的にどういうものを想定していらっしゃったような形でしょうか。
○丸山知事:国ですとか、オフサイトセンターが典型ですけども、ああいったところを通じて、県の立場というのは国に向かい合う組織でもありますし、最も身近な市町村に向き合う組織でもありますので、いわゆる情報センターになる組織であります。そういったところでの意思疎通、情報伝達をきちんと的確にやっていく、情報を集約していく、そして必要な情報を出していくといったことを含めて、そういったことにはいろんな情報通信手段ですとか、そういった基盤、オフサイトセンターを中心とした拠点機能が必要になりますので、そういったことで、追加で必要なことがあれば迅速に対応してもらえるといったことのための予算を確保していただきたいということでございまして、個別にあれこれといったことを具体的に想定しているわけではありませんけれども、そういった、必要なものが出てきたときに時間を置かずに対応してもらえるようにということの趣旨であります。
○山陰中央新報:島根県の、島根原発周辺の状況を見てると、避難道にもなる道路の整備であったりとかっていうところがまだ不十分なのかなと思ったりするようなところもあるんですが、その点のハード整備については、特に今回は御要望されていないという認識でしょうか。
○丸山知事:小泉大臣の所管外予算かなという認識でありますので、今回のお願いした事項からは、直接は、所管範囲を超えるお願いになりますので、そこはちょっと含んでいないという認識であります。
○山陰中央新報:小泉大臣が報道陣の取材に対して、避難計画の実効性について、避難計画の実効性が原発稼働の前提になるというような御認識を示されましたけれども、知事はどのように、その点、御認識してらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:詳しく拝見しますと、小泉大臣の御認識、新たな御認識を示されたというよりは、過去の経済産業大臣の答弁を引き合いに出された御発言だというふうに認識をいたしております。いずれにしても、これは稼働・再稼働、原子力防災という事柄の性格というのは、稼働していない状況でありましても使用済み核燃料の保管場所になっているといったことを含めて、通常、病院とかに置かれているレベルよりははるかに高いレベルの放射性物質を扱う事業所を有しているということを起因といたしまして、そういったことを含めて、稼働・再稼働に関係なく、万が一の場合に迅速な避難ができるような体制をとっていくということが求められているという認識をいたしております。
○山陰中央新報:小泉大臣が言われた、経済産業大臣のコメントを引き合いに出されたという形ででも、避難計画の実効性が原発の稼働の前提になるという御認識を示されたというふうに受け取られる発言をしていらっしゃいましたけれども、知事としてもそういうようなお考えがあるのか、それとも、避難計画と原発の再稼働は別物だというお考えなのか、どちらでしょうか。
○丸山知事:法的に言うと、恐らく避難計画の内容を認可するとか、国としてどこかの機関が、これで大丈夫ですといったことの手続は、私の知る限り、そういう制度はないというふうに認識いたしておりまして、それは関係者、原子力防災に携わる国、それから所在の都道府県、それから市町村、周辺市町村と言われるところも含めて、そういった関係機関がそれぞれの計画をきちんとつくって、そして、実は計画のレベルだけでなくて、実際にその計画に沿って動ける準備をしておくということが必要だというふうに認識しておりまして、再稼働のときに個別にどうこうということというよりは、再稼働するしないに関係なく、その水準を高めていっておく必要があるというふうに考えております。
○山陰中央新報:でも、なかなかその実効性の線引きというのは非常に難しいのかなというふうに、実効性があるないという、どこのラインで線引きするかというのは非常に何か難しいのかなというふうに思いつつもですが、今の現状の避難計画というのは、知事としては実効性が伴っているというふうに認識していらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:相当程度高い水準にあると思いますけども、改善、より高くしていく余地があるし、それを求められているというふうに認識をしております。現状のままでいいというわけではない。今で不適格だという認識はしてませんけども、より高めていかなきゃいけない余地があるので、それを最大限努力をしていかなきゃいけないし、それについて国なり都道府県、市町村、そして場合によっては電力事業者が知恵を出し合って努力していかなきゃいけないということじゃないかと思っています。
○山陰中央新報:先ほど、相当程度高いながらも改善が必要というふうな御認識を示されたと思うんですけれども、改善が必要な点というのはどういう部分だっていうふうに。
○丸山知事:特に福祉車両の確保について、現行の水準で必要な台数というのは客観的数字が出ていて、それに対する確保というのはできているわけでありますけども、その車両がより迅速に動けるものにしていくとか、質を上げていくということというのは、数的な問題と別に、質を上げていくということは可能であると思いますし、必要だと思っていますので、そういうことに取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。
○山陰放送:BSSの秦です。済みません、原子力防災についてです。
先ほど知事は、現在の避難計画について、不適格というような認識はないというふうに言われましたけれども、これは、いわゆる実効性がある段階まで来ているという認識だということなんでしょうか。
○丸山知事:実効性の水準としては、それは実効性があるのかないのかと言われれば、ある水準だというふうに思っておりますけども、それはもっと改善、実効性を上げていく余地がまだ残っている水準だという認識であります。
○山陰放送:その実効性があるというふうに言った場合に、実際に避難がある程度混乱なくできるというレベルという解釈なんでしょうか。
○丸山知事:そういうことです。
○山陰放送:鳥大医学部の囲みの中でも、小泉大臣も、ずっと八束町などを通って、江島大橋を渡ってバスに乗って米子まで行かれたわけですけれども、その中で、1車線の道が多いねと、渋滞するよねというような認識は示されていて、かなり避難自体に時間がかかったり、そこで大渋滞が発生したりという認識はお持ちで、そこについての計画のさらなる精進というか、吟味が必要だというような認識を示されたと思うんですが、それでも、もう既に実効性はあるレベルだということなんでしょうか。
○丸山知事:PAZとUPZで避難する段階、タイミング違いますし、そういう、39万人が一斉に避難されるというイメージを持たれているのかわかりませんけど、段階的な避難をしていただくというふうなタイムスパンがあるということを含めて、そういうことを十分に加味すれば、とあと、その道だけで避難されるわけではありませんので、小泉大臣がどういうふうに言われたか、私は承知してませんので、意図がよくわかりませんけれども、当然、島根県内の道路で片側2車線という道路というのはもともと限られていますので、それを、そういう道路網を全体としてどういうふうに活用していくか、渋滞を避けながらどういうふうに段階的な避難をしていくかということを含めて、避難計画をつくっているところでありますので、それをきちんと実現していくということではないかというふうに思っております。
○山陰放送:続けて、BSS、秦です。
小泉大臣の訪問の際に、松江市長の松浦市長が、時間差での退避をより有効的にやるためにも、屋内退避の認識を市民などにもっと広報すべきだというようなことを言われまして、小泉大臣も、その点はすごく重要であるというふうな認識を示されました。そうしないと、言われるように、全員が一斉に避難するというような大混乱が起きると思います。そのあたりについては、知事は、もう既にそのあたりの周知も大分できているんだという認識なんでしょうか。
○丸山知事:市長さんがそういうふうにおっしゃっているという状況を踏まえますと、必ずしも十分じゃないという状況だというふうに思っていますので、それはそれで、ちゃんとやっていかなきゃいけないでしょう。
○山陰放送:そうしますと、そういうような、もろもろまだ問題点はあるけれども、とりあえず実効性のある計画ではあるというラインには到達しているというような認識は、どこから来るんでしょうか。
○丸山知事:そういう広報をきちんと充実していくということも含めて、やるべきことがあるということですかね。県の計画としては、そういう計画をつくってますが、住民の皆さんへの浸透が十分でないということも要改善事項だということであります。
○山陰放送:関連しまして、原発に関しての先ほどの発言の中で、原発が稼働していようが、現在のように停止していようが、県としては計画を進めていく、万全の対策をとっていくというような御認識だったと思いますけれども、原発自体が稼働していて、何か大きな攻撃であるとか、あるいは大きな災害を受けた場合に緊急停止していくっていう状況と、それから停止中の原発が同じようなアタックなり災害などを受けるという状況は同じリスクだというふうにお考えなんでしょうか。
○丸山知事:いや、同じリスクと言っているわけじゃありません。低いリスクであっても、やらなきゃいけない、目に見えない放射能に対する防護をきちんとやっていくという意味でいけば、稼働中の避難計画と稼働してないときの避難計画をレベルを分けてつくっているわけではありませんので、いずれにおいても放射能に対する備えをきちんとしていくという意味において、そこで水準を変えずに避難計画をつくっていくということを申し上げたところです。
○山陰放送:わかりました。
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