9月10日質問事項1
1.中期財政運営方針
○山陰中央新報:知事、よろしいでしょうか。山陰中央新報の高橋です。
先日、5日の県議会の本会議の開会日初日に、知事は中期財政運営方針の案の骨子を示されまして、2024年度末、令和で言うと令和6年度末に財政調整基金で220億円程度、県債残高で5,400億円程度の目標を掲げられましたけれども、改めて、その狙いと目標額の設定の根拠というのをお示しいただけますでしょうか。
○丸山知事:現在の財政計画の中途の段階でありますけれども、私が政策として掲げております島根創生の実現に向けた取り組みを進めておるところでございますので、こういった諸施策の実現と健全な財政運営の両立を図るという点を再度検証し直して、この財政運営の方針を定める必要があるというふうに判断いたしまして、今般、この案をお示ししたところでございます。そして、今もまだ骨子の段階でございますけれども、大枠といたしまして、基金の残高の目標を現行から積み増しをいたしまして、220億円を5年後の目標、それから、県債の残高について、特別な県債を除きます通常債の残高を今の5,600億円水準から5,400億円水準に縮減をしていくといった形で、健全化と、一方で今、島根創生計画の策定と、その後に続く予算編成を行ってまいりますけども、施策の充実と財政の健全性の維持確保といったところを両立していきたいという考えのもとに、今回の骨子をお示ししたところでございます。
○山陰中央新報:財政の健全化の部分でいうと、今後、事業の見直しという部分が非常に大きなウエートを占めていくんではないかな、スクラップ・アンド・ビルドが非常に大きなウエートを占めていくんじゃないかなと思うんですけれども、知事としては、今どのような形でスクラップ・アンド・ビルドの協議を進めていらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:今はまだ各部局で大きなものから、中ぐらいのものから、小さいなものまで検討してもらっているという状況で、どちらかといいますと、今は新規の施策の立案検討を行っております。そういった意味で、スクラップ・アンド・ビルドについては、これから各部局で出てきたアイデアなり工夫をこれからチェックして、実施するかどうかということを見きわめていくということになります。
○山陰中央新報:スクラップの部分では、先日の議会でも、一つの学級を35人以下にする少人数学級編制の事業の見直しをしてはどうかというような声が上がるようなこともありましたけれども、この少人数編制事業については、知事は今どのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:今回のスクラップ・アンド・ビルドは、全ての事業を対象に、これまでの方針ですと、3分の1ずつ見直すというスタイルでありましたけども、大きな施策拡充、政策拡充をしてまいりますので、全ての事業を対象に見直しをしていくという考えでありますので、そういった中で、いずれの事業も見直しの対象には、俎上には上っていくという意味で、そういった意味で捉えております。
○山陰中央新報:先ほど3分の1ずつ、溝口県政時代から始まって3分の1ずつということだったと思うんですけれども、来年度予算の段階で、全ての事業を一旦見直すというふうに考えていらっしゃるということでよろしいですか。
○丸山知事:一部見送るものもある、一部というか、全て手が及ばないものがあるかもしれませんけども、基本は全て見直しする予定です。ちょっと予定なので、全部手がつかないかもしれませんけど、少なくともここの部分はやらないとか、この部分は今年度見ないとか、俎上にのせないとかということは私はしない考えであります。
○山陰中央新報:昨年度とか、一昨年度にやられたものについても、改めてもう一度スクラップ・アンド・ビルドの、事業の見直しをかけられるという御認識でよろしいんですかね。
○丸山知事:はい。昨年、一昨年の継続としての見直しではないということになります。
○山陰中央新報:見直しについてはこれから検討に入られるということでよろしいですか。
○丸山知事:今、各部局で検討してもらっているという段階です。
○山陰中央新報:一方で、ビルドの部分でいうと、知事が公約でおっしゃられていた事業をこれから検討していかれる部分になってくるのではないかと思うんですけれども、具体的にどういう部分をしっかり積み上げていかなきゃいけないというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○丸山知事:政策の分野でいきますと、大きくは産業の振興、それから子育て支援、それから働く環境の向上ですかね、3点目として、中山間地域・離島への支援、4点目として、そういったことのために必要になってくる社会インフラの整備、そして、5点目として、島根を将来支えていただく、また、支えていただいている方々に関する人材育成といった大きな5つほどの、どういう物の見方をするかで区切りは変わってきますけども、そういった大きな柱で考えておりますけれども、そういった政策をどこか1点を強めてというよりは、全般的にそのいずれも対応が必要な分野だというふうに思っておりますので、それぞれの分野で、財源に限りがありますので、100点満点かどうかは別にして、現状よりも前に進む、将来の道筋をつけていくといった意味での前進を、いずれの分野でもつけていきたいということは考えております。そういう意味では、総合戦略と素案の段階でも総花的じゃないかというふうな御指摘もいただいておりますけども、ここではそういうふうにならざるを得ない、ある程度、一点突破型で解決する問題ではない、人口減少という課題の性格によるものだというふうに思っております。
○山陰中央新報:今までの知事の政策を見ていると、産業振興では、美肌観光の推進であったりとか、子育ての部分では、子供の医療費の支援を拡充される。中山間地域への対策としては、小さな拠点づくりの規模の拡大化というような形で、いろいろ施策が出つつある形だとは思うんですけれども、一方で、インフラの整備については、なかなか住民の方々の要望も強い一方で、財政見通しなんかを見ると、額がこれから将来にわたって急激に下がっていくような形にもなっていますけれども、その点については、今、知事どのようにお考えでしょうか。
○丸山知事:インフラの整備というのは、大型プロジェクトですと、何かをやりますみたいなことで表現ができますけども、現実は、いろんな道路の改良ですとか、河川の改修といった事業箇所、すごく多くて、県事業にしても、国の直轄事業に対して県が負担金を出していくといった箇所も相当な箇所に上りますので、山陰自動車道の整備とかということ以外がどうしても言葉になりにくいということもありますが、それは予算の規模ですとか、そういったことを含めて、最終的には予算の段階でお示しをするということ、また、今回の財政計画、財政の見通しなどを策定していく中で、いろんな御意見をいただきながら考えていくということになるんではないかと思っておりますし、そういう意味でいきますと、今は、今般、国土交通省の中で、まだ審議会の段階ですけども、高速道路の有料区間における4車線化を県内の5区間で実施をしていただくめどが立ちましたので、そういったものの早期実現を図っていくといった形で取り組んでいきたいと。県の予算として取り組むものもありますし、他の事業主体、国ですとか、NEXCO西日本といった事業主体で取り組んでいただくということを、それぞれ求めていって実現をしてもらうということも含めて、取り組んでいきたいというふうに思っております。
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