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8月28日質問事項2

2.子どもの医療費助成

○山陰中央新報:知事、よろしいですか。山陰中央新報の平井と申します。

 子供の医療費助成の関係でお尋ねします。

 まず、島根創生計画の素案を示される中で、県として子供の医療費助成の対象を小学校6年生までに引き上げて自己負担は継続されるという方針を示されたと思いますが、今回のこのような措置をとる決断を、判断をされた理由をいま一度お聞かせください。

○丸山知事:若干、今、御指摘が不正確なとこがあると思いますが、県としては、助成制度をどう設定するかという立場にあります。最終的に医療費助成を実施されているのは各市町村でありまして、県としてどういう助成制度をセットするかということといたしまして、県として今回の地方創生の中で、素案の中でお示しをしております。

 現状は、子供の医療費につきましては、現在、市町村と財源を折半いたしまして、未就学児までを対象に、1カ月、1医療機関当たり通院1,000円、それから入院を2,000円という一部の自己負担を上限として、医療費負担の軽減を実施をしている。これは一部負担が残っておりますので軽減と、無償ではなく軽減という言い方をさせていただくんですけども、そういう現状の制度となっております。今年度の予算として5億8,000万円といった財源を投入していくという状況であります。

 一方で、実際に実施されてる市町村の中では、県の助成対象に対しまして、市町村独自の財源を追加して対象年齢の引き上げ、未就学児童を小学校6年生までとか、中学校3年生までとか、あるいは高校3年生までといった引き上げをされたり、自己負担自体がないようにといった独自の追加措置も講じられている、そういったところも多い、こういうことであります。

 このたびまとめました案といたしましては、市町村間での対象年齢の違いをならすという観点から、対象年齢を小学校6年生まで、県の助成の対象の範囲を6年生まで引き上げるということを決めまして、そのために関連の交付金を2億円程度増額をする形で、現在、小学校1年生から6年生までに対して、それを実施してない、または所得制限をかけて実施するという予定のところがありますので、そういう2団体のところに私どものこの助成を通じて、所得制限なく対象にしてもらえるようにといった市町村との協議をしていきたいというふうにしております。そういうことを通じまして、小学校6年生までを所得制限なく軽減をしていくということを考えているところであります。

 今回の措置が実現できますと、県内の小学生約3万5,000人のうち、これまで軽減対象になっていなかった約1万人、率にして28%の小学生が新たに軽減措置の対象になるといった形で、約1万人の小学生の保護者の方々の経済的負担の軽減をすることができるということになりますけれども、一部議会でも、報道でも御指摘がございましたとおり、私が公約として掲げました自己負担のない無償化までには至っていないというところであります。これについては、目指したところを私の一番最初の、この地方創生の計画の中では、まだ実現ができない状況となっているところは大変申しわけないというふうに思っておりますけれども、今回、そこに至らなかった要因といたしましては、現行の予算であります5億8,000万円に加えまして、これを完全に実現をするためにはほぼ同額の5億7,000万円といった財源が必要になってくるということの一方で、地方創生というのは医療費助成という子育ての中で大事な分野がありますけども、医療費助成以外の子育て支援も必要になってまいりますし、子育て支援以外の産業の振興ですとか中山間地対策といったこと、また人材育成といった地方創生、人口減少対策をトータルとして進めていくためには、他の施策に振り向ける財源も確保しなければいけないという意味で、全体の配分として、子供の医療費の、私、掲げましたこの公約を実現するため、その1点のためだけに6億円近い財源を投入していくということは、なかなか難しいというふうに判断をいたしたところであります。以上であります。

○山陰中央新報:公約で掲げられていた小学校6年生までの無料化には至らなかったということですが、今後、無料化については、知事としては断念をされたというふうに捉えてもよろしいんでしょうか。

○丸山知事:この時点では採用しておりませんが、それは将来はわからないということであります。目指していくべき方向だとは思っておりますけれども、これは県民の皆さん、私が立候補に当たりまして、それが一番、非常に大事だと思って公約として掲げましたけれども、場合によっては同じ財源を投入するのであれば、この対象年齢の引き上げのほうをやってほしいというお話があるかもしれません。自己負担の軽減、完全無償化にして、対象年齢を広げるよりも一定の年限まで完全無償化にしてほしいという御意見があるかもしれません。それはそういった県民の皆さんからのニーズを確認いたしまして、今後、検討していかなければならないというふうに思っております。

○山陰中央新報:小学校6年生までの県としての補助対象、小学校6年生まで無料化にするということは、知事としては、今後も目指していく方向だということでよろしいですか。

○丸山知事:それは、財源の制約がありますのでとれないわけでありますけども、政策の選択肢として排除しているわけではないというふうに思っておりますが、それが最優先だとも、逆に言えば思っていない。やはり一般的には、私が思っておりますのは、ある年限までは非常に経済的負担がゼロになる無償化で、ある年限を過ぎますと、途端に負担が生じるというよりは、一部負担があっても長い年限、途中の区切りで急に負担が重くなるということを避けたい、そういうこと、途中までが楽でも、途中からきつくなるといったことよりは、ちょっと御負担があるけどもできるだけ長く対象にしてほしいというお話のほうが正直強いのかなというふうに思います。これは子育ての支援の中での医療費助成として、全体として人口減少対策の中でどこにどれだけの財源を振り向けていくかという全体の議論の中から、医療費助成も含めて、個別の医療費助成すべき論だけでは議論はできませんので、全体として、人口減少対策、どの分野により力を入れていくのか、その中で、子育ての中でどの分野によりお金を入れていかないといけないのかということを、やはり子育て世代の皆さんの実際苦労されている現状を把握した上で、どこがボトルネックになっているのかということをよく確認して、次、今後、対策を強化していく上でどこに振り向けていくかということは、私の公約は公約でありますけども、やはり現状を見て一番効果のあるところに振り向けていくということについて、県民の皆さんの御意見、県議会等を含めて、広く伺いながら、一番いいところ、一番求められているところにその財源を振り向けていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。ただ、それは選挙でお約束した内容を実現できてないという御批判というのは当然生じるわけでありますので、そこの点については、私は政治家として、お約束したことが実現できてないということについて、それはそれで批判を受けなきゃいけない状況というのは、それは御批判があるということについては当然なことだというふうに思ってます。

○山陰中央新報:今回、小学校6年生までは県の補助制度の対象に含まれるということですが、制度として交付金制度という形をとられる予定だというふうに聞いております。未就学児までの補助制度をそのまま引き上げる形ではなく、交付金制度をとられることになった理由をお聞かせください。

○丸山知事:それは非常に単純なことでありまして、補助制度を単純に拡大しますと3億4,000万円ほどかかると。今回は全体を助成するのではなくて、ぎりぎり未実施の2団体に対象を拡大してもらうということを納得してもらい、そして、ほかの市町村にも納得してもらえるといったこと、2つの条件をクリアする、最小限の経費で何とか実現できないかということで交付金というものを活用する形で、今のところ、粗い数字でありますけども、2億円程度といった形で財政負担を抑えて、ともかく今、小学校6年生までで医療費の軽減を受けられていない地域の方々に対する支援が届くようにしていくということを最小限の財政負担で、つまり他の施策拡充との兼ね合いを考えながら実行していきたいというのが私の考えです。

○山陰中央新報:先ほど最小限におさめて2億円程度だというお話でしたけれども、それでも新たに2億円は必要になってくると思います。その2億円をどこからどのように捻出されるお考えでしょうか。

○丸山知事:それは全体のスクラップ・アンド・ビルドを並行して進めてますので、そういう財源、また、これから事業が終わってくるといった、年限が決まっているような事業もありますので、そういったものの財源を振り向けるとか、もろもろ、県財政全体として捻出をするということであります。

○山陰中央新報:26日の県議会特別委員会では、具体的に事業の名前を挙げて、例えば少人数学級編制事業を見直すこともどうだというような委員からの御指摘もありましたが、具体的にこの事業を見直そうだとか、何か考えておられることはおありでしょうか。

○丸山知事:6月の県議会でも、私、答弁申し上げたとおり、全ての事業を対象に見直しをするというふうに申し上げております。特別委員会の中で個別の事業についての御指摘があり、それに対する答弁を部長のほうからさせていただいておりますけども、これは全ての事業を対象に、見直しの余地がないかどうかということは、全ての事業を対象に考えていくということであります。

○山陰中央新報:あと、今回、子供の医療費の助成の対象を拡大するに当たって、ただ、現在、多くの市町村は既に独自に無料化だったり対象引き上げをしておられると思います。その中で、今回、県が配分される交付金分が浮くことになるわけですけれども、その浮いた財源をきちんと市町村で子育て支援だったり人口減少対策に充ててもらえるかというのは確証はないんですけれども、そのあたりは県として、市町村にどのように御理解を求めていかれる予定でしょうか。

○丸山知事:政策論としては、私も新たに財源を追加する、交付金を交付する条件として、浮いた財源を一定の使途に充ててもらうということを条件とするということは、形式的には可能だというふうに思っておりますけれども、ただ、我々が交付金を交付することで浮いてくる財源というのは、もともとは各市町村がそれぞれ独自で捻出して確保された財源であります。ということで、もともとその使途を決めるべき最終決定権はやはり市町村にあるだろうというふうに思っておりまして、それを交付の条件とすることまでは考えておりません。ただ、私どもは、地方創生、人口減少対策を進めるためにこういった財源を投入しているということでありますので、その趣旨を踏まえていただきますと、やはり子育てとまでは限定しないとしても、各市町村の現状に応じて人口減少対策に資する事業の拡充に充ててもらいたいということは、県として要請、知事として要請をしていきたい。あくまでもお願いの形になりますけれども、最終的には市町村長さんが各市町村議会と議論された上で決定をしていただくことになろうと思いますので、我々として、お金を配る条件とまですることは避けようというふうに思っております。

○山陰中央新報:ありがとうございました。

 

○山陰中央新報:先ほど伺った子供の医療費の関係で、1点追加でお尋ねしたいんですけれども、山陰中央新報の平井です。

 知事は、知事選の公約を掲げられる時点で、子供の医療費を無料化するための財源の必要性というのは選挙当時からわかっておられたと思うんですが、今回、財政的になかなか対応が厳しいという状況があるっていうことを御理解されながらも公約に掲げられていたのはどうしてかというところをお聞き……。

○丸山知事:それは単純な話でありまして、当時、私が確認できた資料というのは当時の財政見通しでありましたが、その財政見通しの中に国体の開催経費が盛り込まれていないとか、会計年度任用職員に期末手当を出すといったことについての財政的な準備ができていないといった状況が就任後に判明いたしましたので、そういったことを含めて、どう対応するかということをトータルとして考えた結果でありますので、それは、その当時わかったことではないかという御指摘があるかもしれませんが、わからないこともあったということであります。


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